発表内容詳細

14:10~14:40 アグリ・バイオ
1)  複合菌体の中から標的細菌ゲノムのみを特異的に増幅する方法
発表資料

広島大学 大学院先端物質科学研究科 分子生命機能科学専攻 准教授 岡村 好子
http://www.hiroshima-u.ac.jp/adsm/

新技術の概要

本技術は、環境中の稀少な創薬ターゲット遺伝子取得のために、単菌分離の操作を省略し、かつ、稀少DNAを特異的に濃縮するために開発された。環境中の細菌の99%は培養困難であるため、単菌分離をすることが不可能である。ターゲット遺伝子特異的プライマーを用いた場合の増幅阻害を回避しながら、混合菌体中から標的細菌の全ゲノムのみを特異的に増幅することに成功した。

従来技術・競合技術との比較

これまでの全ゲノム増幅法はユニバーサルプライマーの使用に限定されていたために、全ての環状DNAが増幅可能であり、単菌分離を必要としている。また、容易に空中からの落下菌も増幅されてしまうため、微量DNA(1細胞由来など)の場合、コンタミネーションとの判別が難しかった。本技術ではコンタミネーションの増幅が起こらないことを証明した。

新技術の特徴

・創薬シーズとして有名なPKSやNRPSなど、ライブラリーではカバーできない巨大遺伝子の全領域を取得するために特異的ゲノム増幅法を開発した
・共生菌や潜在ウイルスなど、圧倒的に宿主ゲノムが多い中で、標的ゲノムのみ増幅できるため、基礎医学や共生生物学にも利用できる
・コンタミネーションの心配を排除できるため、感染症の診断や食物中の食中毒菌など微量ゲノム検出が望まれるケースに対応できる

想定される用途

・Single cell genome amplification
・Single cell genome analysis

関連情報

・増幅試験可能

14:40~15:10 創薬
2)  昆虫由来のデヒドロアミノ酸含有脂質を基軸とする医薬品および化粧品素材
発表資料

広島大学 大学院生物圏科学研究科 生物機能開発学専攻 教授 太田 伸二
http://home.hiroshima-u.ac.jp/ohta/index.htm

新技術の概要

マメゾウムシ幼虫から、デヒドロフェニルアラニンエステル構造を有するグリセロール誘導体を新規脂質として見出した。ドルサミンAと命名した新規脂質は、強い抗酸化活性とα?グルコシダーゼ阻害活性を有することが明らかになった。

従来技術・競合技術との比較

デヒドロアミノ酸エステル構造を有する脂質はこれまで知られておらず、280-330nmに紫外線吸収を有する抗酸化剤であることから、皮膚の老化予防機能を持った新たな日焼け止め剤、化粧品素材、糖の吸収を遅らせる抗糖尿病薬の開発の可能性を有している。

新技術の特徴

・抗酸化活性
・UV-B吸収活性
・α-グルコシダーゼ阻害活性

想定される用途

・皮膚の老化予防機能をもつ化粧品素材
・抗酸化機能を持つ日焼け止め薬
・抗糖尿病薬

15:30~16:00 創薬
3)  肝硬変・門脈圧亢進・肝虚血再灌流障害に対する治療
発表資料

広島大学 大学院医歯薬保健学研究院 消化器・移植外科学 准教授 田代 裕尊
http://home.hiroshima-u.ac.jp/home2ge

新技術の概要

ビタミンAを付加したリポソーム体を用い活性化肝星細胞にRhoキナーゼ阻害剤を選択的にデリバリーするシステムを開発した。その標的指向性により肝星細胞の活性化をより効率に抑制し、且つ血圧低下などの副作用が軽減された。

従来技術・競合技術との比較

肝星細胞を標的とした核酸のデリバリーシステムは開発されているが、他の薬剤の肝星細胞への標的指向性は確認されていない。またこのシステムにより副作用が軽減されることを初めて確認した。

新技術の特徴

・活性化肝星細胞の選択的抑制
・全身投与による血圧経過などの副作用の軽減
・他の薬剤への応用

想定される用途

・活性化肝星細胞が関与する肝硬変症における肝繊維化の抑制
・門脈圧亢進症における門脈圧降下剤
・肝移植等における肝虚血再灌流障害の抑制

関連情報

・サンプルの提供可能

J-STORE掲載特許情報

16:00~16:30 アグリ・バイオ
4)  抗生物質を用いない実規模レベルの選択マーカーの開発:亜リン酸をリン源とする選択的培養方法
発表資料

広島大学 大学院先端物質科学研究科 分子生命機能科学専攻 教授 黒田 章夫
http://home.hiroshima-u.ac.jp/akbio/

新技術の概要

多くの生物は還元型のリン酸である亜リン酸を直接利用できない。我々は亜リン酸を酸化してリン酸にする特殊なバクテリアから、亜リン酸酸化酵素をクローニングした。この遺伝子を異種生物(微生物、植物)に導入したところ、亜リン酸をリン源とする選択培地で生育が確認できた。

従来技術・競合技術との比較

抗生物質による選択培養は、大量になるとコストだけでなく、目的物質の精製プロセスや廃液処理においても問題を生じることから、実用規模では特に難しいとされている。本技術では、亜リン酸をリン源とし、亜リン酸酸化酵素を選択マーカーとして用いることで、この問題を解決するものである。

新技術の特徴

・新しい微生物大量培養技術
・植物の選択培養、栽培

想定される用途

・微生物による生産現場
・組換え植物の栽培

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

16:30~17:00 医療・福祉
5)  医療用シミュレータに低コストで力覚呈示機能を付与する手法
発表資料

広島大学 大学院工学研究院 電気電子システム数理部門 准教授 栗田 雄一
http://www.bsys.hiroshima-u.ac.jp/~kurita/

新技術の概要

提案する手法は、物体に触れたときに生じる反力をユーザに仮想的に与える力覚提示システムに関し、特に、高いリアリティが要求される手術トレーニングシステムに好適な力覚提示技術に関している。力覚呈示をすべて力覚呈示デバイスとソフトウェアで計算して実現するのではなく、臓器等の形状や特性を模した模擬臓器を配置し、それに対して力覚デバイスによる力を重畳することにより、低コストかつリアリティの高い力覚を呈示できる。

従来技術・競合技術との比較

臓器や皮膚など手術対象物に対して切開、穿刺、縫合などの外科処置を行った際に発生する力覚情報をすべてソフトウェアで計算するのは困難であり、また高価な力覚デバイスが必要となる。提案手法は補助物体を直接切ったり縫ったりすることが許容されるためソフトウェア・ハードウェアへの負荷が低い。また廉価な力覚デバイスを使用することにより補助臓器の一部を仮想的に硬くするといったバーチャル表現も可能である。

新技術の特徴

・ロボットの遠隔操作における力覚呈示

想定される用途

・医療用シミュレータ
・手術支援ロボット
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