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発表内容詳細

10:20~10:45 製造技術
1)  マイクロ波加熱と触媒機能を融合した革新的水素製造プロセスの開発
発表資料

旭川工業高等専門学校 物質化学工学科 教授 宮越 昭彦

新技術の概要

本技術は、マイクロ波発生器と触媒を組み合わせて、低炭素資源(主にメタンガス)から直接的に高純度水素に転換させる化学反応プロセス(天然ガス改質器)に関するものである。最近、高性能触媒を見出し、メタンから90%以上水素に転換させてCOやCO 2 をほとんど副生させずに30時間以上安定稼働させることに成功した。

従来技術・競合技術との比較

現在、工業的な水素製造は、炭化水素とスチームを反応させる水蒸気改質法が主流である。この方法では、温室効果ガスであるCO 2 や燃料電池の性能劣化を招くCOが副生するために、これらの除去工程が後段処理に必要となる。本技術では、直接的に炭化水素を分解して水素を得るために、CO、CO 2 を含まない極めて高純度な水素が直接的に得られることが特徴である。なお、分解して得られる炭素成分も触媒性能に影響することなく、安定的に水素製造が可能(現在30時間程度まで確認)である。

新技術の特徴

・メタンから高転換率(90%以上)で水素が得られ、COやCO2を生成させない(生成ガス分としては水素100%)
・マイクロ波加熱を利用することで、触媒に付着する炭素成分が触媒機能(寿命)に影響しない成分へと変換させる
・水素製造用途だけではなく、温室効果ガス(メタン、CO2)を排出させずに炭素分を固定化できる機能としての見方もできる

想定される用途

・水素燃料電池の前処理改質器(天然ガス→高純度水素の改質)
・水素供給ステーション用天然ガス等からの改質器
・温室効果ガス排出防止のための化学プロセス(炭素として固定)

関連情報

・展示品(触媒(反応試験前と反応試験後)のサンプル)

10:45~11:10 製造技術
2)  高温・高圧水マイクロ化学プロセスによるアシル化合物の製造方法
発表資料

北海道立総合研究機構 産業技術研究本部 工業試験場 環境エネルギー部 主査 松嶋 景一郎
http://www.iri.hro.or.jp/

新技術の概要

高温・高圧水マイクロ化学プロセスによる高速、連続反応システムを構築し、有機溶媒および触媒を必要とせずに、高収率、高選択でアシル化トコフェロールを製造する方法、および高付加価値糖への変換を伴ったアシル化糖の製造方法を開発した。

従来技術・競合技術との比較

アシル化合物を合成する場合、従来法では有機溶媒および触媒を必要とする。本発明は、無触媒かつ水のみを用いた環境負荷低減型プロセスであり、且つ従来法より極めて高速で連続製造することが可能である。

新技術の特徴

・有機溶媒および触媒を必要とせずに水のみでアシル化合物を製造する環境調和型プロセス
・高選択・高速・連続製造プロセス
・反応後の分離・精製操作を容易にしたプロセス

想定される用途

・医薬品及びその中間体、機能性食品
・化粧品
・飼料添加剤

11:10~11:35 エネルギー
3)  導波路結合フォトン・フォトキャリア直交型高効率太陽電池
発表資料

北海道大学 電子科学研究所 ナノ構造物性研究分野 教授 石橋 晃
http://qed4.es.hokudai.ac.jp/

新技術の概要

光が入射する方向にそって太陽電池深部になるほど半導体のバンドギャップが小さくなるように設定することで、太陽光スペクトル全幅に対して光電変換を可能とする。この構造を、入射光がガラス面内に導波されるように表面加工を施した導波路の額縁部分に設けることで、高効率の光電変換素子とすることができる。

従来技術・競合技術との比較

従来素子では、光の吸収を十分に行うためには半導体層の厚みは十分厚い必要があった。一方、生成したフォトキャリアを電極までトランスポートするには、半導体厚みは小さいほうが良い。この2つの要請は、背反するので一般に太陽電池の効率を極大化することはできてもその効率の絶対値は高いものではなかった。

新技術の特徴

・フルスペクトルの光電変換が可能
・光吸収とフォトキャリア収集を独立に同時最適化可能
・温度上昇が小さく、拡散光も変換可能な長寿命の集光型太陽電池となる

想定される用途

・建物の壁材表面への応用
・窓への応用
・携帯機器への応用

11:35~12:00 エネルギー
4)  海産物色素を利用した色素増感太陽電池
発表資料

函館工業高等専門学校 生産システム工学科 准教授 湊 賢一

新技術の概要

色素増感太陽電池用色素として一般的に使用されているルテニウム系色素に代わる色素として北海道地区の水産業によって排出される海産物に含まれる色素を用いた低コスト色素増感太陽電池の作製技術を開発した。

従来技術・競合技術との比較

色素増感太陽電池は、ほとんどの場合、希少金属であるルテニウム系の錯体を使用しているため、資源的な制約があり非常に高価であることから、コスト増の原因となる。これに対し本技術では、水産系廃棄物の再利用によって廃棄コストを削減できるとともに、エネルギー問題を大きく改善できる。

新技術の特徴

・水産系廃棄物から抽出した海産物色素を利用

想定される用途

・家庭用太陽電池設備
・ソーラーカー
・照明機器を用いた簡易発電設備

13:10~13:35 環境
5)  使用済み乾電池を用いた低価格なアルミニウム合金用マグネシウム濃度調整剤
発表資料

北海道立総合研究機構 産業技術研究本部 工業試験場 材料技術部 主査 高橋 英徳

新技術の概要

本製品は、使用済み乾電池を焼成して得られた酸化物粉末が主成分である。アルミニウム溶湯に0.5wt%の添加で0.05wt%以上のMg低減効果を有している。アルミニウム溶湯への添加には、本製品の投げ込みおよび撹拌を行う。

従来技術・競合技術との比較

従来のアルミニウム合金用マグネシウム濃度調整用フラックス(通称:脱マグ剤)は¥250/kg以上であるが、本製品は従来品と同等またはそれ以上のマグネシウム濃度低減性能を有する上に価格が1/5以下であることから、経済性に優れた製品である。

新技術の特徴

・アルミニウム合金用フラックス
・アルミニウムリサイクル

想定される用途

・サンプルの提供可能
・展示品あり

13:35~14:00 材料
6)  太陽光をレーザー光へ変換する新しい結晶材料の開発
発表資料

北海道大学 大学院工学研究院 物質化学部門 准教授 樋口 幹雄
http://www.eng.hokudai.ac.jp/labo/inorgsyn/

新技術の概要

開発したCr,Nd:CaYAlO4結晶は、紫外から可視域にわたる幅広い吸収帯域を示すとともに、非常に大きい吸収断面積を有する。また、クロムにより吸収されたエネルギーはネオジムに効果的に移動することから、太陽光エネルギーを高効率でレーザー光に変換できるものと期待される。

従来技術・競合技術との比較

従来材料に比べて吸収波長帯域が広く、太陽光スペクトルのピーク波長でも十分に大きい吸収を示すとともに、同じクロム濃度ならば70倍以上の高効率で太陽光を吸収することができる。

新技術の特徴

・無限ともいえる太陽光エネルギーを効果的に利用できる
・太陽光からレーザー光への光-光直接変換ができる(電気エネルギーが不要)
・従来の固体レーザー(ネオジムレーザー)と同様の利用が可能

想定される用途

・金属マグネシウムの精錬
・人工光合成
・バイオマスの高効率利用

関連情報

・展示品あり(開発した結晶)
・外国出願特許あり

14:00~14:25 分析
7)  方向符号画像照合を用いた合焦検出法
発表資料

北海道立総合研究機構 産業技術研究本部 工業試験場 情報システム部 主査 大村 功
http://www.iri.hro.or.jp/

新技術の概要

撮像系における新しいフォーカス状態の評価方法として、明度変化にロバストな画像照合技術である方向符号照合を用いた手法を提供する。低コントラスト画像においても有効で、照明環境の制御が困難な画像計測へ適用できる。

従来技術・競合技術との比較

従来、単眼でのフォーカス状態の評価には主に画像のコントラスト値が用いられているが、対象物の照度が不足している場合には検出が難しかった。本手法は低コントラスト画像においても有効であり、照明環境が十分でない対象物への適用も可能となる。

新技術の特徴

・画像照合を用いた対象物の追尾などの処理と同じ処理系で実現可能
・低コントラスト画像におけるフォーカス検出

想定される用途

・デジタルカメラ等の撮像系におけるフォーカス機構
・低コントラスト画像を対象とした画像センシングにおけるフォーカス機構
・単眼画像センサによる距離計測

14:25~14:50 分析
8)  固定周期の光パルス列による任意周波数応答の励起・検出
発表資料

北海道大学 大学院工学研究院 応用物理学部門 准教授 松田 理
http://kino-ap.eng.hokudai.ac.jp/

新技術の概要

周期的パルス光源を用いて各種の過渡的現象の超高速時間分解測定を行うポンププローブ法において、光源の繰り返し周波数の整数倍の周波数に限定されない任意の周波数成分を持つ現象を励起・検出する技術である。

従来技術・競合技術との比較

本技術の主な応用例である時間分解2次元音響波イメージングでは、従来は励起検出可能な音響波の周波数が光源の繰り返し周波数の整数倍に制限されていたが、新技術では任意周波数音響波の励起検出が可能である。

新技術の特徴

・GHz周波数領域までの任意周波数の音響波・振動を時間分解でイメージングできる
・従来のポンププローブ法測定系に対して大きな変更を必要としない
・音響波の生成検出以外にも、電子スピン共鳴やプラズモンキャビティなど振動数の精密制御が必要な場面に使用できる

想定される用途

・表面音響波およびバルク音響波フィルタデバイス等の音響デバイスの開発支援および非破壊検査
・ゼロ分散モードなどの限定された周波数の波動を用いた材料の非破壊検査
・音響波以外の波動・振動(光、スピン波、プラズモン等)の測定およびそれらを利用した物性評価

関連情報

・展示品あり(パソコン画面を用いて関連測定結果の動画をお見せすることができます)

15:00~15:25 情報
9)  様々な産業に貢献可能な柔軟な知識情報処理技術
発表資料

北見工業大学 工学部 情報システム工学科 准教授 前田 康成

新技術の概要

意思決定者が抱える意思決定問題をマルコフ決定過程などの確率モデルを利用してモデル化することにより、意思決定に必要な最適な意思決定解を求める知識情報処理技術である。

従来技術・競合技術との比較

従来技術では、単にデータ分析結果や予測/推定結果を出力するのみで、本来の意思決定支援に必要な意思決定解を求める部分は人間任せの技術が多かった。意思決定問題を扱う従来技術もあるが、モデル化が不十分なものが多い。

新技術の特徴

・表現能力が高いマルコフ決定過程によるモデル化
・個々の意思決定問題に即したモデル化
・統計的決定理論に基づく最適性

想定される用途

・設備保全
・アセットマネジメント
・ロールプレイングゲーム開発

J-STORE掲載特許情報

15:25~15:50 製造技術
10)  ターン速度を向上するアルペンスキー競技用スキーブーツの開発
発表資料

北見工業大学 工学部 機械工学科 教授 鈴木 聡一郎

新技術の概要

これまでにアルペンスキー選手の競技成績を向上するためには、ターン開始時の内傾角速度を速くする必要があることを明らかにした。そこで内傾角速度が向上できるスキーブーツ用フットベッド(ブーツボード)を提案する。

従来技術・競合技術との比較

従来のスキー選手用スキーブーツは、個々の選手の要望に応じてシェルの微調整を行ってきたが、どのような選手であっても、ターン速度が向上できる新たな発想に基づくスキーブーツ用フットベッド(ブーツボード)の提案である。

新技術の特徴

・足部の安定を保ちながら、体重移動を素早くすることが可能
・使用者の下肢の骨格的特徴によらず、動きやすい靴の実現
・安定した傾倒動作が可能

想定される用途

・スキーブーツ
・スケートブーツ
・福祉用具

関連情報

・展示品あり(スキーブーツ)

15:50~16:15 環境
11)  廃棄ホタテ貝殻粉体を乳化剤に用いたエマルションの紫外線遮蔽効果
発表資料

室蘭工業大学 大学院工学研究科 くらし環境系領域 准教授 山中 真也
http://rd-soran.muroran-it.ac.jp/profile/ja.2jlscagio-A23bv3sCXB4A==.3.html

新技術の概要

年間20万トン以上排出されるホタテ貝殻を利用した皮膚に安全な紫外線遮蔽剤を提供する。粉砕により微細化したホタテ貝殻粉体を乳化剤としたエマルションは長期間に渡って安定であり、かつ紫外線遮蔽力を有する。

従来技術・競合技術との比較

従来、化粧料に配合するホタテ貝殻には、焼成処理が施されており、当該粉体の強塩基性から皮膚への有害性が懸念される。本技術では、焼成することなく得られる微細な粉体を使用することから、皮膚に安全な紫外線遮蔽剤を提供できる。

新技術の特徴

・廃棄物の有効利用・資源化
・高比表面積粉体を得る粉砕技術

想定される用途

・化粧料
・有害ガス吸着剤
・固体塩基触媒

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり(室蘭工業大学研究シーズ集、室蘭工業大学地域共同研究開発センター案内パンフレット)

16:15~16:40 材料
12)  温度応答性・不揮発性を有する新規バクテリアセルロースゲル素材の開発
発表資料

小樽商科大学 商学部 一般教育系 准教授 沼田 ゆかり

新技術の概要

本技術によってゲルの分散媒である水の代わりにポリエチレングリコールで膨潤することで、乾燥せず、温度応答性もつゲルの創製に成功した。さらに、ゲルの表面処理により力学強度を保ち、べたつきを抑えることに成功した。

従来技術・競合技術との比較

ゲル内の水の一部をポリエチレングリコール(PEG)で置き換える技術が知られているが、本技術ではほぼ完全に水をPEGに置き換えることで不揮発性を付与することに成功した(含水率は数%)。このゲルを従来技術で高強度化処理した場合、引張りに対して脆くなってしまうが、本技術により表面処理を行うことで力学強度を保ち、べたつきを抑えることが可能である。

新技術の特徴

・乾燥しないゲル素材の製造方法
・低温では固形・高温ではゲルとなる温度応答性素材の製造方法
・本来の強度を保ち、表面のべたつきや分散媒の抜けやすさが改善されたバクテリアセルロースゲル製造方法

想定される用途

・ヘルスケア製品
・防振・衝撃吸収材
・光学材料

関連情報

・サンプルの提供可能

J-STORE掲載特許情報

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