JSTトップ > 新技術説明会 > 発表技術アーカイブス > 2013 北海道の食と省エネを中心とした新技術説明会

発表内容詳細

10:10~10:35 材料
1)  動物性タンパク質を用いた機能性樹脂の開発
発表資料

室蘭工業大学 大学院工学研究科 もの創造系領域 材料工学専攻 教授 平井 伸治
http://www.muroran-it.ac.jp/

新技術の概要

シルク、羊毛、羽毛などの動物タンパク質を出発原料とし、熱伝導性や誘電特性に優れ、かつ生分解性を有する成形体の製造方法を提供するものである。家蚕の繭、あるいは絹タンパク質を含む繊維、粉末、フィルム、スポンジ、ゲル等から得ることができ、環境調和型の高熱伝導材料として幅広く適用できる。

従来技術・競合技術との比較

熱可塑性で熱伝導率を有する材料および誘電体としては、HDPE(高密度ポリエチレン)、PA(ポリアミド)、PET(ポリエチレンテレフタレート)およびPEN(ポリエチレンナフタレート)などがあるが、これらに比べて、本樹脂は最高レベルの熱伝導率および比誘電率を有している。

新技術の特徴

・動物タンパク質を加熱・加圧処理することにより成形体が得られる
・高い熱伝導率および比誘電率を有している
・生分解性を有しており、環境調和型材料を得る技術である

想定される用途

・プリント基板材料
・筐体材料
・ICカード

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり(樹脂)
・外国出願特許あり

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10:35~11:00 アグリ・バイオ
2)  植物病原体検出や土壌診断を行う現場利用のアレイ技術
発表資料

北海道大学 農学研究院 生物資源科学専攻 教授 増田 税

新技術の概要

医療分野のDNAチップを農業に応用する技術で、現場での目視診断が可能。ウイルスや糸状菌などの植物病原体の直接検出に使用される。また、植物遺伝子の発現を利用した間接検出で、線虫・土壌微生物の検出や土壌環境診断に応用できる。

従来技術・競合技術との比較

複数の植物病原体さらには土壌微生物や土壌栄養を生産現場で診断出来る汎用技術は現在存在しない。本技術は、専門的な知識や技術あるいは高度な機器を必要とせず、最先端の診断技術を誰でも使えるキットとしたことで、農業分野での利用を可能とした新技術である。

新技術の特徴

・アレイ診断技術の簡易キット

想定される用途

・シストセンチュウ診断用植物健康センサー(PHS)
・植物のウイルス感染診断用マイクロアレイ

11:00~11:25 アグリ・バイオ
3)  ホウレンソウケナガコナダニを捕食する天敵生物の増殖法および利用方法
発表資料

北海道立総合研究機構 中央農業試験場 病虫部 クリーン病害虫グループ 研究主任 齊藤 美樹

新技術の概要

ヤマウチアシボソトゲダニはコナダニ類を捕食する土着天敵である。この天敵ダニの大量増殖法を確立し、ホウレンソウ栽培圃場に定着向上資材とともに放飼してホウレンソウケナガコナダニ防除に活用する方法を開発した。

従来技術・競合技術との比較

ホウレンソウケナガコナダニに対する生物農薬として海外から導入した種は防除効果が不安定である。ヤマウチアシボソトゲダニはコナダニの活動適温において安定した捕食能力を持ち、また土着天敵であるため生態系に与える影響も少ない。

新技術の特徴

・籾殻培地を用いた捕食性ダニの増殖
・定着向上資材による捕食性ダニの効果的な利用

想定される用途

・有機栽培や減農薬栽培におけるホウレンソウケナガコナダニ防除
・未活用資源の新たな用途開発

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり(ヤマウチアシボソトゲダニ生体)

11:25~11:50 アグリ・バイオ
4)  北海道で分離された低温・低pHで働くワイン用マロラクティック発酵乳酸菌
発表資料

北海道立総合研究機構 食品加工研究センター 食品バイオ部 主査 橋渡(山木) 携
http://www.food.hro.or.jp/

新技術の概要

北海道のような寒冷地でのマロラクティク発酵(MLF)では、より低温・低pHで働く乳酸菌が求められている。我々は道内ワイナリーよりこのような特徴を持ったMLF乳酸菌を数株分離することに成功し、小規模発酵試験によって実証した。

従来技術・競合技術との比較

寒冷地の北海道では、醸造ワインのpHが低いことおよびワインの醸造時期と低温期が重なるため、従来の乳酸菌スターターではMLFが誘導されないことも多く、発酵管理が難しい。

新技術の特徴

・低温(15℃)・低pH(pH2.8)でMLFを進行させることが可能
・特許株の他に、道内ワイナリーより分離されたMLF乳酸菌を数株保有しており、ワインのタイプによって使い分けることが可能

想定される用途

・サンプルの提供可能

12:55~13:20 環境
5)  擬似酵素システム・光照射によるプラスチック易分解化ならびにアップグレードリサイクル化
発表資料

北見工業大学 工学部 バイオ環境化学科 教授 中谷 久之
http://www.kitami-it.ac.jp/public_relations/engineering/cource_info/baio.html

新技術の概要

TiO2/ポリエチレンオキシド(PEO)を基本組成とした擬似酵素システムにより、光照射後にポリプロピレンおよびポリスチレンを生分解可能な化合物に変え、ポリ塩化ビニルを高付加価値なポリビニルアルコールに変えることで、安価・簡便にプラスチックスを分解・アップグレードリサイクル化する技術を開発した。

従来技術・競合技術との比較

従来のプラスチック酸化生分解化技術では熱を使っており、生分解性能はポリエチレンの場合でさえ7%程度と低い。本提案技術では光を用い可視光応答型触媒化にも成功しており、より高効率かつ実用的な技術になっている。

新技術の特徴

・安価・簡便
・自然に優しい処理技術
・高付加価値化

想定される用途

・廃棄物の減容化
・プラスチック廃棄物の自発的処理化
・ポリ塩化ビニル廃棄物の高付加価値化

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13:20~13:45 アグリ・バイオ
6)  魚類におけるクローンのハイブリッド種苗の作製
発表資料

北海道大学 北方生物圏フィールド科学センター 水圏ステーション七飯淡水実験所 所長・教授 山羽 悦郎

新技術の概要

脊椎動物では半数体の個体は致死である。しかし、半数体の生殖細胞は、生残性の個体の生殖腺で培養すると、クローンの配偶子へと分化する。クローンの雌雄の配偶子の掛け合せにより、雑種強勢を示す次世代の種苗が得られる。

従来技術・競合技術との比較

通常クローン配偶子を得るためには、全ての遺伝子座がホモとなる個体を誘導する必要が有る。このような個体は、致死性の遺伝子がホモ化するため、生き残ることができないことが多い。本技術は、配偶子のみを分化させる方法で、個体全体を生残させるよりは確率が高い。

新技術の特徴

・遺伝子資源の有効利用、特定ゲノム構成の特許取得、新品種の合成

想定される用途

・養殖事業において、クローン配偶子を安定的に作製する
・それを使ったハイブリッド種苗の生産

関連情報

・外国出願特許あり

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13:45~14:10 アグリ・バイオ
7)  効率的な脂質吸収を可能にするホタテ由来ペプチドの開発
発表資料

北海道立総合研究機構 水産研究本部 釧路水産試験場 加工利用部 加工利用グループ 研究主任 武田 浩郁
http://www.fishexp.hro.or.jp/

新技術の概要

加齢に伴い食欲や消化能力が低下し食事量の増加が困難な高齢者は、普段の食事から効率良く脂質吸収を促す食品素材の開発を望んでいる。そこで食経験の長いホタテガイから得られた脂質吸収促進剤について紹介する。

従来技術・競合技術との比較

現代の食生活において、脂質の過剰摂取は大きな問題であり、吸収抑制に関する多くの商品が存在する。しかし、高齢者の脂質欠乏も問題として存在し、本発明はその解決が期待できる。現時点で競合製品およびサービスは存在しない。

新技術の特徴

・脂質吸収促進剤を含む脂肪交雑を目的とした家畜(豚、鶏)用サプリメント
・脂質吸収促進剤を含む脂肪蓄積を目的とした養殖魚類用サプリメント

想定される用途

・脂質吸収促進剤を含む高齢者用又は病者用の栄養補助飲食品
・脂質吸収促進剤を含むアスリート用の栄養補助飲食品

関連情報

・展示品あり(発表者管理の下、素材の展示が可能)

14:10~14:35 アグリ・バイオ
8)  キノコで機能性成分のγ-アミノ酪酸を増やした素材を効率的に作る
発表資料

北海道立総合研究機構 森林研究本部 林産試験場 利用部微生物グループ 研究主査 原田 陽
http://www.fpri.hro.or.jp/

新技術の概要

アミノ酸であるγ-アミノ酪酸(GABA)は、血圧を抑えたりリラックスしたりする効果が期待され、近年注目されている。本技術は、エノキタケやシイタケの生鮮品に特定の処理を施して、GABA含量を高めた素材を従来より効率的に生産するとともに、食感を保持したものを含め多様な素材を得ることが可能である。

従来技術・競合技術との比較

従来必要であった原料の粉砕および摩砕を省きながらも、キノコの内在酵素を活性化し、GABA含量を高めた素材製造が可能となった。すなわち、製造プロセスの簡略化とともに、キノコの食感を保持した素材を得ることが可能になり、素材形態および用途の多様化が進んだ。

新技術の特徴

・キノコであるエノキタケあるいはシイタケを原料とする
・キノコを所定の条件で乾燥あるいは凍結してから、添加物と併せて水に分散混合し、低中温でGABA含量を高める
・キノコの食感を保持した素材や簡便な固液分離によるエキス素材の製造に適している

想定される用途

・健康志向の食品素材として、シチュー、カレー、炊き込みご飯の素、各種惣菜、菓子等への混合
・健康志向の食品素材として、各種スープ、ソース、調味料、ふりかけ等への混合
・顆粒および錠剤等のサプリメント

関連情報

・展示品あり(講演中や講演後にサンプル提示します)

14:35~15:00 環境
9)  北方型住宅向け室内環境制御システム
発表資料

釧路工業高等専門学校 機械工学科 准教授 川村 淳浩
http://www.kushiro-ct.ac.jp/mech/laboratory/heat.html

新技術の概要

北の暮らしにおける快適性と省エネの両立を追求するため、人体検知システム、対面式温水放熱パネル、そして分散型省電力照明装置によって、在室者の位置と日射の状況を検知しながら、在室者の周囲だけの温熱・照度環境を調整します。

従来技術・競合技術との比較

在室者の周囲だけの温熱・照度環境を調整することで、在室者の快適性を損なうことなく、無駄な暖房エネルギーや照明用エネルギーを削減することができ、大きな省エネ効果が期待できます。

新技術の特徴

・安全・セキュリティ管理(工場等過酷環境下、美術館・貴金属店、病院等)
・作業工程監視・管理、環境制御(生産現場、医療分野等)

想定される用途

・室内環境(温熱、冷熱、湿度、照明)制御
・家庭用エネルギー管理システム、ビル用エネルギー管理システム
・スマートハウス、スマートコミュニティ

15:00~15:25 製造技術
10)  電場を利用した食品乾燥技術
発表資料

北海道立総合研究機構 食品加工研究センター 食品工学部 研究主幹 熊林 義晃
http://www.food.hro.or.jp/

新技術の概要

1970年代に高電場条件下で水分の蒸発が促進される現象が認められている。この現象を食品の乾燥技術として利用することを目指して、現象の特徴を考慮した乾燥機への導入方法を見出した。高電場の付与は、電力が少なくて済み、省エネ乾燥技術としての可能性がある。

従来技術・競合技術との比較

従来技術は、電圧条件や電極形状の工夫などの考案にとどまり、乾燥機への導入を想定した観点とはなっていない。当該現象を食品の乾燥技術として利用することを目的にその特徴を調べ、乾燥機への導入方法を見出した。

新技術の特徴

・低温乾燥
・省エネ

想定される用途

・食品の低温乾燥
・工業製品の乾燥
・水分蒸発量の増加

16:10~16:35 デバイス・装置
11)  次世代低電圧駆動トランジスタの作製技術
発表資料

北海道大学 大学院情報科学研究科および量子集積エレクトロニクス研究センター JSTさきがけ専任研究者 冨岡 克広

新技術の概要

従来のMOSFETの原理で超えることができない理論限界の壁を、新しい動作原理のスイッチ素子で乗り越え、低電圧トランジスタの実現を可能にします。具体的には、シリコンとIII-V族化合物半導体をナノスケールの結晶成長技術で接合し、欠陥のない理想的な接合界面(超ヘテロ界面)を作製し、その界面で生じるバンド不連続性を利用し、低電力で駆動するスイッチ素子の作製技術です。

従来技術・競合技術との比較

集積回路の低消費電力化の妨げになっているのは、トランジスタのリーク電流とサブスレッショルド係数(SS係数)に理論的な限界(60mV/桁)があるためである。そこで、トランジスタ構造を縦型にし、ラップ状にゲート電極を作ることで、電流のリークを抑え、結晶成長技術によって、シリコンと?V-?X族の界面を形成し、電子のトンネル効果を用いたスイッチ素子を使うことで、理論限界を大幅に超える21mv/桁を世界で初めて達成した。

新技術の特徴

・スイッチ素子
・太陽電池
・バイオセンサー

想定される用途

・低電圧トランジスタ
・低消費電力集積回路
・生体、バイオセンサー

関連情報

・外国出願特許あり

J-STORE掲載特許情報

16:35~17:00 エネルギー
12)  寒冷地のためのヒ-トポンプ暖房制御システムの研究開発
発表資料

旭川工業高等専門学校 電気情報工学科 教授 小山 貴夫
http://www.asahikawa-nct.ac.jp/

新技術の概要

本研究は、寒冷地においてヒートポンプ暖房を効率的に利用するための技術を提供するものである。ヒートポンプ暖房と広く普及している蓄熱型暖房器を併用し、かつ、使用する電力を最小化する技術について紹介する。また、電力供給のピークシフトにも応用可能な技術であり、その手法についても述べる。

従来技術・競合技術との比較

気温が-25℃を下回る環境では、ヒートポンプ暖房を利用する事が出来ないという問題が生じるため、蓄熱暖房器を用いることで、この問題を解決する。また、風力発電などの天候に左右される電源供給を有効に利用することができる。

新技術の特徴

・寒冷地でのヒートポンプ暖房利用の拡大
・電力使用のピークシフト又は再生可能エネルギー有効利用
・気温予測によるエネルギー利用の効率化

想定される用途

・暖房制御
・電力ピークシフト
・センサーネットワークによる情報収集

関連情報

・展示品あり(暖房制御に用いるために開発した日射センサのプロトタイプ)
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