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発表内容詳細

10:55~11:25 創薬
1)  創薬に役立つ新規アトピー性皮膚炎病態モデル
発表資料

兵庫医科大学 医学部 皮膚科学 主任教授 山西 清文
http://www.hyo-med.ac.jp/department/drmt/Ref1.html

新技術の概要

アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis: AD)は我が国でも人口の10~20%にも達するアレルギー疾患である。ADの皮膚では、アレルギー炎症に関係するタンパクであるインターロイキン33(IL-33)が増えている。今回、我々は、表皮でIL-33を多く産生する遺伝子組換えマウスを作成し、ADの症状を再現することができた。本マウスは、ADの治療薬の評価や開発に役立つと期待される。

従来技術・競合技術との比較

従来の自然発症ADモデルマウスは発症原因が不明で、ダニの寄生がないと皮膚炎は発症しない。また、従来の遺伝子改変モデルは、皮膚炎は生じても必ずしもヒトのADの病態に基づいたモデルではない。今回のADモデルマウスはIL-33を皮膚で多く産生するヒトのADの病態を適切に再現している。また、特定の物質を外用して皮膚炎を誘発するADモデルとも異なり、症状は自然発症するので、皮膚炎の症状が安定している。

新技術の特徴

・IL-33活性化と調節機構の研究手段
・IL-33 が関与する疾患に対する創薬
・かゆみの研究と創薬

想定される用途

・アトピー性皮膚炎に対する創薬
・アトピー性皮膚炎の発症機序の研究手段
・アトピー性皮膚炎モデルマウスの提供

関連情報

・外国出願特許あり

J-STORE掲載特許情報

11:25~11:55 創薬
2)  新しい慢性閉塞性肺疾患モデルの開発
発表資料

三重大学 大学院医学系研究科 生命医科学専攻 教授 ガバザ エステバン

新技術の概要

ヒトマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)-2の全長遺伝子が導入されたトランジェニック(TG)マウスである。本TGマウスは全身においてヒトマトリックスメタロプロテアーゼ-2遺伝子が発現され、短期間のタバコ煙吸入暴露によって肺の炎症を伴う慢性閉塞性肺疾患(COPD)が発症する。

従来技術・競合技術との比較

野生型マウスを用いてタバコ煙暴露によるCOPDのモデル作成が可能であるが、長期間のタバコ煙暴露を必要とする。本ヒトMMP-2 TGマウスを用いると短期間のタバコ煙暴露でCOPDが発症する。

新技術の特徴

・1)TGマウスのすべての臓器にヒトMMP-2の過剰発現が認められる
・2)TGマウスにタバコ煙を短期間(2週間)暴露させるとCOPDが発症する
・3)TGマウスのCOPDの病態はヒトで発症するCOPDと類似する

想定される用途

・1)COPDの新規治療薬の開発
・2)COPDの急性増悪の病態形成の機序の検討
・3)COPDに伴う合併症の検討

13:00~13:30 創薬
3)  多剤耐性緑膿菌に対してアミノ配糖体耐性阻害作用を示すシード化合物
発表資料

愛知学院大学 薬学部 微生物学講座 准教授 森田 雄二
http://www.phar.agu.ac.jp/laboratory/microbiology/

新技術の概要

多剤耐性緑膿菌感染症は、有効な治療薬がほとんどなく深刻な問題となっている。そこで、漢方方剤繁用生薬の中から、多剤耐性緑膿菌の耐性克服作用の探索を行い、2種類の生薬が多剤耐性緑膿菌のアミカシン等アミノ配糖体耐性阻害作用を有することを見出した。アミノ配糖体耐性阻害作用は、多剤排出ポンプMexXY依存的であった。また、それら生薬に共通して含まれる化合物でも、同様の作用を有し、アミノ配糖体の抗菌作用を増大することを見出した。

従来技術・競合技術との比較

排出ポンプ阻害剤として、緑膿菌のキノロン耐性を減弱させる化合物が報告されている。ただしこの化合物は緑膿菌のアミノ配糖体耐性を亢進させる。またMexXYポンプは阻害しないが、相同のMexABを阻害する化合物が報告されている。

新技術の特徴

・多剤排出ポンプの構造機能相関に関する研究
・アミノ配糖体の作用機構に関する研究

想定される用途

・多剤耐性緑膿菌感染症に対する治療薬
・多剤耐性緑膿菌の薬剤耐性機構に関する研究

関連情報

・サンプルの提供可能

13:30~14:00 創薬
4)   既存医薬品のオフターゲット効果を利用した血管新生阻害剤の開発
発表資料

三重大学 大学院医学系研究科 生命医科学専攻 教授 杉村 芳樹
http://www.medic.mie-u.ac.jp/urology/index.html

新技術の概要

前立腺肥大症治療薬として使われる1-(2-メトキシフェニル)ピペラジン誘導体の1つ、ナフトピジルは副作用が少なく長期内服が可能な既存医薬品であり、かつ有効に血管新生阻害作用を示すため、安全性の高い血管新生阻害剤として提供できる。

従来技術・競合技術との比較

既存の血管新生阻害剤アバスチンは細胞毒性が強いため副作用の発生率が高く、重篤であることが懸念されている。ナフトピジルの副作用はめまい・ふらつき・立ちくらみなど軽微なものであり、安全性の高い血管新生阻害剤として提供できる。

新技術の特徴

・副作用が少なく長期内服が可能な安全性の高い血管新生阻害剤の提供
・既存医薬品の新たな薬理作用を発見することで別の疾患治療薬として再開発する(適応拡大)
・既存医薬品を利用するメリットは既に安全性や体内動態が臨床レベルで確認されているため、より確実に新薬に結びつく

想定される用途

・固形腫瘍、糖尿病性網膜症、慢性関節リウマチ、歯周病、強皮症、緑内障、尋常性乾癬、加齢黄斑変性症、皮膚疾患の予防または治療
・ナフトピジルをリード化合物とした新規血管新生阻害剤の開発(ドラッグデザイン)
・ナフトピジルを含有するサプリメントの開発

関連情報

・サンプルの提供可能(市販されている化合物を使用)

14:00~14:30 創薬
5)  生理活性物質ターゲット探索に特化した新規アフィニティ樹脂用固相担体の開発
発表資料

兵庫医療大学 薬学部 研究員 馬渕 美雪
http://www2.huhs.ac.jp/~h070016a/

新技術の概要

従来のアフィニティ樹脂では、ターゲットが複合体の場合であっても、特定の比較的小さな特異的結合タンパクのみが単離可能であり、複合体同定が困難であった。新規固相担体では、ターゲット複合体全体の単離・同定力を飛躍的に向上させた。

従来技術・競合技術との比較

生理活性物質のターゲット複合体全ての同定を初めて可能とした。
汎用されるアガロース誘導体(AffiGelなど)は化学的に不安定で使用に制限がある。
合成樹脂 (Toyopearlなど)は非特異的蛋白吸着が多く、ターゲット同定が困難である。

新技術の特徴

・抗体精製のための固相担体
・タンパク質の精製、濃縮

想定される用途

・生理活性物質の薬効のターゲット探索
・医薬品の毒性・副作用のターゲット探索

関連情報

・展示品あり

14:30~15:00 医療・福祉
6)  新しいシミュレーション技術による医療超音波画像の再現
発表資料

関西医科大学 医学部 内科学第二講座 講師 森田 寛
http://www.kmu.ac.jp/index.html

新技術の概要

医療超音波診断法を習得するためのシミュレーションシステムを構築するため、超音波画像の新しい再現技術を開発した。媒体活用技術を用い、よりリアルで精度の高い医療超音波画像をシミュレーションモデルにて構築できる。

従来技術・競合技術との比較

ヴァーチャル・リアリティーや拡張現実を応用した超音波シミュレータが開発されているが、本物の医療用デバイスを使ったトレーニングや実験評価はできない。本研究のシミュレーションシステムではリアルデバイスが使用可能である。

新技術の特徴

・樹脂素材のシミュレーションモデルにおいて医療超音波画像を簡便に再現可能
・様々な医療超音波画像(Bモード、カラードプラ、パルスドプラ、連続波ドプラ、3D画像等)の再現に応用可能
・新技術で使用される超音波画像再現媒体は均質、安価であり、人体にも影響はない

想定される用途

・医療超音波診断法の教育方法の開発
・医療デバイス(治療用カテーテル、超音波カテーテルデバイス等)の開発、評価用シミュレータへの応用
・医療以外の分野における超音波装置画像再現の可能性

関連情報

・展示品あり(モデル供覧)

15:10~15:40 医療・福祉
7)  革新的高効率特異抗体作製技術の迅速疾病診断への応用
発表資料

三重大学 大学院工学研究科 分子素材工学専攻 教授 冨田 昌弘

新技術の概要

革新的高効率特異抗体作製技術には、3つのポイントがある。1) 抗原による目的の抗体産生B細胞選択、2) ビオチン/アビジン架橋によるB細胞-ミエローマ細胞複合体の形成、3) 電気パルスによる両細胞の選択融合。その結果、高効率に目的の特異的モノクローナル抗体産生ハイブリドーマを作製できる。

従来技術・競合技術との比較

新技術は、従来のポリエチレングリコール法と比べ、少なくとも10倍高い効率で高特異性・高親和性モノクローナル抗体を作製できる。さらに、本新技術は、立体構造を保持した抗原発現ミエローマ細胞を用いてB細胞を選択することによって、立体構造特異的モノクローナル抗体作製技術へと展開できる。

新技術の特徴

・高特異性・高親和性モノクローナル抗体の高効率作製
・立体構造特異的モノクローナル抗体作製技術への展開
・低分子量ハプテン抗原に対する高性能モノクローナル抗体の作製

想定される用途

・迅速疾病診断キットへの応用
・立体構造認識次世代抗体医薬への応用
・新規画像診断への応用

15:40~16:10 医療・福祉
8)  Caイオン導入によるジルコニア表面の生体活性化処理
発表資料

愛知学院大学 歯学部 歯科理工学講座 非常勤講師 伴 清治

新技術の概要

ジルコニアは優れた化学的・生物学的安定性と機械的強度を併せもつ生体材料として、医科や歯科において臨床応用されている。ジルコニア製インプラントはその一つであり、金属アレルギーをもつ患者にとってはきわめて有用である。しかしながら、ジルコニア表面の生体活性はまだ十分ではないため、より良い表面改質方法の開発が必要とされている。本開発では、ジルコニア表面にカルシウムイオンを簡便な方法により導入し、その目的を達成した。

従来技術・競合技術との比較

サンドブラストによりジルコニア表面に凹凸を付与したものはあるが生体活性とはいえない。また、プラズマ処理により表面を親水性化した報告はあるが、持続性に劣る。等の問題があり、広く利用されるまでには至っていない。本発明はジルコニア表面に酢酸カルシウムを塗布し、適正な温度で焼成するという簡便な方法で、特殊な装置は不要である。

新技術の特徴

・従来のものより方法が簡便であり、複雑な形状にも適用可能である
・カルシウムイオンの溶出効果の持続性が高い
・超親水性表面である

想定される用途

・歯科用インプラント
・整形外科用インプラント
・吸着材

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

J-STORE掲載特許情報

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