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発表内容詳細

10:00~10:30 エネルギー
1)  同軸配置蓄冷材による極低温冷凍機の魅力的特性
発表資料

大島商船高等専門学校 電子機械工学科 准教授 増山 新二
http://www2.cc.oshima-k.ac.jp/denshi/masuyama/index.htm

新技術の概要

極低温冷凍機において、蓄冷材はその冷凍性能に大きく影響を及ぼす。通常、蓄冷材は比熱を有効利用するために温度勾配に応じて層状に充填される。本技術では、蓄冷材を同軸に配置することで、冷凍性能が改善することを実証した。

従来技術・競合技術との比較

従来の蓄冷材を層配置する構造では、蓄冷材の比熱が大きい温度領域のみで大きな冷凍能力をもたらす。本発明の同軸構造は、等価的に数種類の物質の物性値が利用できるため、蓄冷材選択の幅を拡大でき、広い温度領域で冷凍性能の改善に寄与できる。競合している技術は、現在ない。

新技術の特徴

・蓄冷材の同軸配置
・数種類の物質を同じ温度領域で使用可能
・蓄冷材選択幅の拡大

想定される用途

・超電導技術への応用
・水素技術への応用
・極低温技術への応用

10:35~11:05 エネルギー
2)  食品廃棄物の未利用機能を活用した燃料電池向けの電解質膜
発表資料

米子工業高等専門学校 物質工学科 准教授 谷藤 尚貴

新技術の概要

パーフルオロスルホン酸系のポリマー材料に置き換わる高分子系電解質の開発を行う中で、卵殻内側の薄膜である卵殻膜がプロトン伝導特性を示した。膜へ添加物を導入するとさらに性能が向上する特性も発現した。

従来技術・競合技術との比較

本技術は従来の撥水性の高いアルキル鎖と強酸性官能基を組み合わせたポリマー構造以外によってプロトン伝導膜を作製したものである。添加物によって性能の改善を現在進めている。

新技術の特徴

・天然の蛋白質薄膜の有するプロトン伝導特性を燃料電池の材料に転用できた
・卵殻膜が示す吸着特性を添加物の導入に活用して、それがプロトン伝導性の改善に繋がった

想定される用途

・家庭用燃料電池
・車載用電池
・携帯機器用電池

関連情報

・サンプルの提供可能

11:10~11:40 環境
3)  工学的手法を用いたジャンボタニシの捕集・殺貝技術
発表資料

佐世保工業高等専門学校 電気電子工学科 准教授 柳生 義人

新技術の概要

ジャンボタニシなど水田作物に甚大な食害を及ぼす腹足類に対する駆除技術として、工学的手法を基盤に腹足類の防除へのイノベーションを打ち出し、電気および超音波による環境に配慮した捕獲・殺貝を実現する。

従来技術・競合技術との比較

忌避効果を示す銅粉含有塗料を用いた産卵防止や食性を利用した捕獲器および殺貝剤(農薬)が提案されているが、環境への負荷が懸念される。本提案手法は、効果が環境に残存せずエコロジカルな殺貝手法を実現できる。

新技術の特徴

・世界的に類のない工学的手法による腹足類の捕獲・殺貝・行動制御法を提供
・環境に残存しないエコロジカルな捕獲・殺貝・防除を実現
・駆除費用、労力の低減。生息域での行動制御、個体数コントロールに貢献

想定される用途

・世界的に類のない工学的手法による腹足類の捕獲・殺貝・行動制御法を提供
・環境に残存しないエコロジカルな捕獲・殺貝・防除を実現
・駆除費用、労力の低減。生息域での行動制御、個体数コントロールに貢献

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり(水槽での捕集実演)

11:45~12:15 エネルギー
4)  寒冷地のためのヒ-トポンプ暖房制御システム
発表資料

旭川工業高等専門学校 電気情報工学科 教授 小山 貴夫
http://www.asahikawa-nct.ac.jp/

新技術の概要

本技術は、寒冷地においてヒートポンプ暖房を効率的に利用するためのものである。ヒートポンプ暖房と広く普及している蓄熱型暖房器を併用し、かつ、使用する電力を最小化する技術について紹介する。また、電力供給のピークシフトにも応用可能な技術であり、その手法についても述べる。

従来技術・競合技術との比較

気温が-25℃を下回る環境では、ヒートポンプ暖房を利用する事が出来ないという問題が生じるため、蓄熱暖房器を用いることで、この問題を解決する。また、風力発電などの天候に左右される電源供給を有効に利用することができる。

新技術の特徴

・寒冷地でのヒートポンプ暖房利用の拡大
・電力使用のピークシフト又は再生可能エネルギー有効利用
・気温予測によるエネルギー利用の効率化

想定される用途

・暖房制御
・電力ピークシフト
・センサーネットワークによる情報収集

13:30~14:00 アグリ・バイオ
5)  竹を素材にした畜産排水のリン回収及び土壌改良剤としての利用
発表資料

有明工業高等専門学校 物質工学科 教授 劉 丹

新技術の概要

本技術はMAP種結晶分散担持させた竹炭基材の水浄化剤を用い、畜産排水中のリンを除去・回収する方法である。し尿中のリンは種結晶表面に析出成長するのが特徴。窒素とリンを含む使用後の竹炭は土壌改良剤として利用できる。

従来技術・競合技術との比較

従来技術は、竹炭等の吸着性材料にアンモニア態窒素成分除去剤と脱リン剤の二成分を担持させている。また、多孔質である陶器に予めマグネシウムの種晶を形成しておくことにより、MAP(リン酸アンモニウムマグネシウム)回収量が増加する。

新技術の特徴

・竹林整備作業によって多量に発生、その処分が課題となっている竹廃材の有効利用ができる
・し尿中のリン酸イオンを竹材に担持させた種結晶表面に結晶として析出させ固体状態で回収できる
・リン除去に使用後は土壌改良剤としての展開利用ができる

想定される用途

・乏しいリン資源のリサイクル&動物し尿による環境問題の解決に役立つ
・竹資源の利用と竹による里山環境問題の解決につながる
・土壌改良剤としての有機肥料としての提供

14:05~14:35 製造技術
6)  自己回転調節機構により表面からの削り深さを制御する栗皮剥き装置
発表資料

高知工業高等専門学校 機械工学科 准教授 宮田 剛

新技術の概要

刃物付き回転円盤上で栗をバウンドさせ、回転速度の時系列変化から栗皮剥離状態を推定し、剥離状態に応じて回転速度を自動調節する。このことにより、表皮からの削り深さを制御でき、鬼皮のみを剥けるようになった。

従来技術・競合技術との比較

従来の栗皮剥き機は、皮の剥き始めと終わりの回転速度を調整できない、もしくは手動調節する必要があるため、作業に不慣れな者が使用すると、皮を剥きすぎてしまう。本装置は剥離状態に応じた自己回転調節機構を有するので、操作に不慣れな者でも使用でき、歩留まり率も格段に向上する。

新技術の特徴

・回転速度の時系列変化から皮の剥離状態を推定できる
・機械的時定数から重量を推定できる
・装置が小型である

想定される用途

・栗皮剥き
・アーモンドの皮剥き
・ピーナッツの皮剥き

14:40~15:10 エネルギー
7)  環境計測機器や警報機器に電力供給できる散水型水車
発表資料

富山高等専門学校 機械システム工学科 准教授 白川 英観
http://www.nc-toyama.ac.jp/

新技術の概要

散水型水車は、水を散水する時の回転を利用して発電する水車である。理論水車効率は50%以下であるが、環境を改善できる散水の能力を有し、電気配線が困難な場所での測定器や警報器に電力供給できる特徴がある。

従来技術・競合技術との比較

従来の水車は、流出されるエネルギーを最小限にし、水車効率を高くしている。本水車は、流出する流体エネルギーを環境改善などに利用し、計測機器などに電力供給することで、エネルギー利用率を高めている点に特徴がある。

新技術の特徴

・水等の流体エネルギーのみの散水効果により水質改善や化学反応を促進し、計測機器等により環境管理ができる水車
・散水型水車は、構造が簡単であるので、大型から小型まで対応できる
・水中に散水型水車を入れることにより、液体ばかりでなく、気体を噴出させることでも発電することができる

想定される用途

・ため池や養殖場などで、散水しながら発電し、水質改善を行い、計測機器で管理できるシステム
・建物やトンネルなどの消火用散水装置及び発電による誘導灯点灯や警報発音などの災害対策システム
・化学プラント反応容器等での攪拌を行いながら、容器内の温度などを管理できるシステム

関連情報

・展示品あり(模型の展示)

15:25~15:55 製造技術
8)  ダイヤモンドの簡易合成法の開発
発表資料

八戸工業高等専門学校 物質工学科 准教授 齊藤 貴之
http://www.hachinohe-ct.ac.jp/

新技術の概要

アーク放電を利用したダイヤモンドの新規な簡易合成法を開発した。真空中で原料となるグラファイト間で数十秒のアーク放電を起こし、金属触媒上にダイヤモンドを合成する。

従来技術・競合技術との比較

従来のプラズマCVD法では大型装置と大電力を必要とし、熱フィラメント法では反応時間が数時間を要するという問題点があった。本合成法は、大型装置を必要とせず、数十秒の短時間で合成できる利点がある。

新技術の特徴

・ダイヤモンド微粒子の簡易合成
・ダイヤモンド被膜の合成

想定される用途

・研磨剤の合成
・切削工具へのダイヤモンドコーティング

J-STORE掲載特許情報

16:00~16:30 材料
9)  高周波線路の表皮効果抑制・低損失化技術~負の透磁率利用~
発表資料

長野工業高等専門学校 電子制御工学科 講師 中山 英俊

新技術の概要

高周波伝送線路の表皮効果を抑制する方法として、負の透磁率材料を用いた伝送線路の最適構造を提案する。従来より少ない積層数で効果を高めることが可能であり、低コスト化や高い効果を得るために有効である。本技術の低損失な伝送線路は、電子回路・デバイス等の広範な応用が期待できる。

従来技術・競合技術との比較

従来の表皮効果抑制は、磁束変化で生じる渦電流経路の高抵抗化を図るのみであるが、本技術は、根本的原因である磁束を相殺する。類似する先行技術に対し、磁束密度分布および抵抗率を考慮したことが優位となり、少積層数でも高効果であり、製造コスト低減等の優位性がある。

新技術の特徴

・線路の抵抗を低減する低損失技術であり、グリーンイノベーションの要素技術となる
・既存の薄膜線路技術に磁性膜プロセスを追加するだけで実現でき、先行技術よりも構造が簡単である
・本原理を応用した磁界センサや応力センサの可能性があり、チューナブルなデバイス・フィルタも実現可能性がある

想定される用途

・高周波電子部品(インダクタ、キャパシタ、フィルタ、整合器、アンテナなど)
・情報通信機器(携帯電話・スマートフォン、モバイル端末、大型通信施設など)
・高周波計測機器(小信号検出回路、磁気計測、応力計測)

関連情報

・展示品あり(本技術の伝送線路を試作したガラス基板(50mm×60mm×1mm))
・外国出願特許あり

J-STORE掲載特許情報

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