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発表内容詳細

9:45~10:10 医療・福祉
1)  低侵襲型手術器具:臓器吸着リトラクターとポート位置指示装置
発表資料

東京工業大学 大学院総合理工学研究科 メカノマイクロ工学専攻 講師 高山 俊男
http://www.olab.pms.titech.ac.jp/

新技術の概要

低侵襲手術では、体表に複数個開けた小さな穴(ポート)から棒状の器具を差し込んで手術を行う。この時十分な作業空間を得るために柔軟な臓器を押しのけたり、持ち上げたりする必要がある。この時大きな力がかかり過ぎると臓器を傷つけてしまう。そこで我々は,可能な限り臓器に接触しないで手術の行えるポート位置を指示する障害物指示装置や、広い面で吸着して臓器を持ち上げる臓器吸着器具等を開発している。

従来技術・競合技術との比較

これまでは臓器を持ち上げるには小さな把持鉗子で持ち上げていたため、容易に臓器に傷がついてしまった。本技術では吸盤による持ち上げや、あまり臓器を動かさなくても良くするための方法を提案している。

想定される用途

・低侵襲手術
・柔軟物の持ち上げ

関連情報

・展示品あり(吸着器具、指示装置ともに動作を示す試作品を展示する)
・外国出願特許あり

10:10~10:35 医療・福祉
2)  ピンポイント領域での測定が可能なpHセンサの開発
発表資料

東海大学 工学部 精密工学科 准教授 槌谷 和義
http://www.es.u-tokai.ac.jp/tsuchiya/index.html

新技術の概要

現在のpHセンサは、ガラス管内のKCl溶液中にAg/AgCl電極が浸漬されたガラス電極が主流であることから、いわばビーカー等のマクロなpH観察のみ測定可能であった。 本研究では、蚊の口並みの極細管開発で培った極細管創製技術を用いて、外径50μm以下の見かけ上1電極である「新しい微小領域pHセンサの開発」が目的である。 同センサは、細胞内での化学反応等の微視的なin-situの極微小領域pH変化の連続モニタリング測定を可能にする。

従来技術・競合技術との比較

従来のpHセンサは、Ag/AgCl電極がKCl溶液中に浸漬されたガラス管構造を有するガラス電極と、同電極が同溶液中に浸漬された参照電極からなる、直径5mmを有する2電極からなる。したがって、標準液を必要とし、構造が複雑であった。

想定される用途

・カテーテル、内視鏡用など医療分野、医化学分野でのpH変化による現象把握のための連続モニタリング
・薬剤の効能評価
・新規テーラーメード薬剤の設計・開発援助

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり(pHセンサ用電極サンプル)

10:35~11:00 医療・福祉
3)  大量画像データベースに基づく胸部X線像の1枚診断支援
発表資料

九州工業大学 大学院工学研究院 電気電子工学研究系 准教授 河野 英昭
http://www.sys.ecs.kyutech.ac.jp/

新技術の概要

過去に撮影された大量の他人の正常画像を用いた画像合成により、診断を受ける患者の現在の画像1枚から異常を検出する方法を開発した。患者自身の過去画像がない場合にも差分処理による検出が可能となる。

従来技術・競合技術との比較

経時差分に基づく方法は過去の画像が存在しない初診患者には適用できない。また、エネルギーサブトラクション法は軟組織と硬組織の分離が可能なものの、異常と正常を区別するものではない。

想定される用途

・他部位の異常診断支援
・画像ベースの欠陥検出
・目視検査の自動化

11:00~11:25 医療・福祉
4)  切断肢の皮膚変形計測技術を用いた電動義手の実用化
発表資料

岐阜工業高等専門学校 電子制御工学科 准教授 森 貴彦
http://www.gifu-nct.ac.jp/elcon/sub2.html

新技術の概要

使用者の意思が確実に反映される切断肢先端の骨の回転運動による皮膚表面の微小な動きを歪センサで捉え、これを電動義手の5指同時駆動方式の指令値生成に用いることにより使用者の意思に沿ったシンプルで再現性の高い動作を実現する生体計測技術を用いた実用志向の電動義手を開発した。また、生体計測技術と切断肢の形状変形を組み合わせた国際特許出願に基づき、筋電義手の生産国および消費国に対して実用志向型電動義手の海外展開を行う。

従来技術・競合技術との比較

多自由度筋電義手の研究が国内外で行われている。例えば、5指個別駆動制御を目的に動作識別法の評価や触覚センサを用いた運動機能再建に及ぼす影響など切断者の神経系に着目した研究が多い。しかし、まだ実用化の目処が立っていない。

想定される用途

・前腕切断者用電動義手
・上腕切断者用電動義手

関連情報

・展示品あり(電動義手、または義手ソケットと義手ハンド)
・外国出願特許あり

11:50~12:15 医療・福祉
5)  COPDバイオマーカー診断へ向けたデスモシン類の化学合成
発表資料

上智大学 理工学部 物質生命理工学科 准教授 臼杵 豊展
http://www.mls.sophia.ac.jp/~usuki/

新技術の概要

本技術は、エラスチン架橋アミノ酸分子で、かつCOPD(慢性閉塞性肺疾患)のバイオマーカーであるデスモシン類を効率的に化学合成する手法の開発に関わる。ここでは、ランタノイド触媒を使ってアミノ基とアルデヒドを縮合し、四置換ピリジンを一挙に構築できる反応を利用した。本技術では、リシン保護体を出発物質として最短でも4工程で合成を達成でき、さらに同位体標識したデスモシンの合成も可能である。

従来技術・競合技術との比較

従来技術としては、牛の項靱帯などからエラスチンの組織を取り出し、加水分解処理によってデスモシン類を分離・精製して供給している。本技術の化学合成による方法では、安価・迅速であり、効率的に供給が可能である。

想定される用途

・COPDバイオマーカーとしてのLC-MS/MS分析における標準物質および内部標準物質として
・エラスチンの分解を伴う疾患のバイオマーカーとして

12:15~12:40 医療・福祉
6)  新たなMRIコントラスト撮像法の開発
発表資料

九州大学 先端融合医療レドックスナビ研究拠点 レドックスイメージンググループ 准教授 兵藤 文紀

新技術の概要

本技術は磁場変動を利用してMRI画像における組織間のコントラストを上昇させる新たなT1強調撮像法である。本法は主に縦緩和時間の差を強調する撮像法で、T1緩和時間短縮作用をもつ造影剤を用いたMRIイメージングにおいて、造影剤分布組織と正常組織とのコントラストを上昇させ、患部をより明確に描写することが可能となる。

従来技術・競合技術との比較

Gd-DTPAに代表されるMRI造影剤を用いた造影MRIイメージング法はがんの診断に活用されている。本法は従来のT1強調イメージング法に比べ高いコントラストを得ることで造影剤が分布する患部をより明確に可視化することが可能となる。

想定される用途

・臨床における造影MRイメージング
・診断薬の開発・薬効評価
・MRI造影剤の開発・評価

12:40~13:05 医療・福祉
7)  変形性膝関節疾患の非侵襲評価のための超音波診断装置
発表資料

山口大学 大学院医学系研究科 応用医工学系専攻 准教授 森 浩二
http://www.mech.yamaguchi-u.ac.jp/?page_id=585

新技術の概要

変形性膝関節症は、膝関節の関節軟骨の変性が原因である。早期発見・早期治療のためには、この関節軟骨変性を定量評価する方法が必要である。超音波で関節軟骨変性を皮膚の上から直接に評価する場合は、皮膚の存在によって再現性のある適切な評価をすることが困難である。そこで超音波センサーと姿勢角センサーを組み合わせ、超音波の照射角度とエコー強度の関係から関節軟骨変性の評価を行う方法を開発した。この方法で皮膚の厚さに依存せずに関節軟骨の変性程度を評価できることを明らかにした。

従来技術・競合技術との比較

臨床現場ではX線撮影装置により膝関節のX線画像を取得し、その画像に基づいて診断が行われている。超音波を利用する本手法では、ハンディーなプローブを用いることで、装置の低コスト化で実現でき、小型化が容易で可搬性に優れている点が利点である。

想定される用途

・変形性膝関節症の診断
・その他の軟組織の性状評価

関連情報

・試作可能
・外国出願特許あり

J-STORE掲載特許情報

13:45~14:10 医療・福祉
8)  近赤外レーザ血流ドプラ法のin-vivo血管血流画像情報計測技術
発表資料

富山高等専門学校 射水キャンパス 商船学科 教授 八賀 正司
http://www.nc-toyama.ac.jp/c5/index.php/mcon/info/kyouin/%E5%95%86%E8%88%B9%E5%AD%A6%E7%A7%91/%E5%85%AB%E8%B3%80%E6%AD%A3%E5%8F%B8/

新技術の概要

生体計測用に改良した多点同時レーザドップラー流速測定装置は、近赤外レーザを用いて、完全非侵襲、In-vivo、局所の血管・血流の時間変動の情報を長時間、高時空間分解能で計測できる技術である。血管の血流速度を絶対値としてIn-vivo 非侵襲計測し、拍動流れの時間変化を計測し、走査線・走査面を1次元又2次元に移動させ、3次元の血管血流画像情報が得られる。

従来技術・競合技術との比較

超音波法又は従来のレーザドップラー血流計では高時空間分解能を持った血管血流速度情報(血管3D画像、動脈の拍動血流と血流量の時間変化、拍動に合わせた血管径の時間変化(膨張⇔収縮))を持った三次元血管血流画像を取得することは不可能。

想定される用途

・動脈硬化症の早期診断及び心筋梗塞を予知する
・乳癌・皮膚癌の早期診断と皮膚癌治療
・再生医療における移植皮膚の定着度の判定

関連情報

・外国出願特許あり

J-STORE掲載特許情報

14:10~14:35 医療・福祉
9)  体内を動き回るカプセルが医療を変える「内視鏡用自走アクチュエータ」
発表資料

九州工業大学 大学院情報工学研究院 機械情報工学研究系 助教 村上 直
http://www.micro.mse.kyutech.ac.jp/

新技術の概要

小腸、大腸の検査を目的に、直径11mm、長さ24mmの走行カプセルの研究を行っている。飲み薬のカプセルと同様の滑らかな外観、サイズであるが、振動を利用して自走する。マイクロマシン技術を応用して投薬機能、生体採取機能を付加していく予定である。

従来技術・競合技術との比較

従来のカプセル内視鏡は、自走できず検査に約1日かかった。カプセルが自走できれば、検査時間短縮ができる。また、手足やひれを使った移動機構では体内を傷つける恐れがあった。本カプセルは、なめらかな外形で突起物がなくても移動できるので、傷つける恐れがない点で有利である。

想定される用途

・自走するカプセル内視鏡(消化管内検査、投薬、生体採取)
・プラント内配管の検査
・災害時に、小さな穴から入って生存者を探す

関連情報

・展示品あり
・外国出願特許あり

14:35~15:00 医療・福祉
10)  メンタルヘルスケアを目的としたニューロフィードバックシステムの開発
発表資料

日本大学 生産工学部 機械工学科 教授 綱島 均
http://www.me.cit.nihon-u.ac.jp/lab/tsuna/?page=home

新技術の概要

NIRSにより計測された脳活動情報を視覚刺激として提示し、訓練により脳活動を随意制御するニューロフィードバックシステムを開発し、その効果を定量的に評価する指標として分離度を考案した。この分離度を用いることで、ニューロフィードバックトレーニングにより、前頭葉両外側部の活動を定量的に評価できる。この指標を用いて、前頭葉両外側部の活動を定量的に評価できるので、この部位の活動が低下するうつ病など精神疾患の予防や治療への応用が期待できる。

従来技術・競合技術との比較

従来のNIRSを用いたニューロフィードバックでは、その効果を定量的に評価することが困難であった。 本システムでは、トレーニングの効果を定量的に評価できる信頼性の高いニューロフィードバックシステムを実現した。

想定される用途

・うつ病や発達障害などの治療・改善を目的とした脳トレーニング
・脳の活動左右差に注目したストレス診断
・NIRSを用いた脳機能遠隔診断システム

関連情報

・展示品あり(講演後に実機によるデモンストレーションを行います)

J-STORE掲載特許情報

15:25~15:50 医療・福祉
11)  リアルタイム手術リハーサルを可能としたpatient-dependent手術エミュレータの開発
発表資料

筑波大学 医学医療系 消化器外科 教授 大河内 信弘
http://intron.kz.tsukuba.ac.jp/3dcgvirtualhepatectomy/index.html

新技術の概要

本技術は世界で始めてリアルタイムに肝臓の3Dモデルを変形させメスで切り開く事を実現した。本エミュレータの使用で、外科医が患者固有の数学的臓器モデルを用いて実際の手術と同等のリハーサルを、非常に廉価に日常的に行うことが可能となる。高難度な肝臓手術のリハーサルによって、若手肝臓外科医の養成期間を短縮することができる。実体モデルを使ったシミュレーションよりも高価なランニングコストは発生しない。

従来技術・競合技術との比較

従来の3D画像解析ソフトは変形不可能で、手術の途中経過が判らない。変形後の切除領域の形も判らず若い外科医には理解困難。従来の手術トレーニングシステムは患者固有のデータモデルではなく単一の人工モデルを使用する。3D造形プリントモデルは高コストで現実的ではない。

想定される用途

・臨床現場での肝臓手術リハーサル、シミュレーション
・魅力ある外科教育システムによる若手外科医の養成
・青少年の外科手術への憧憬の育成

関連情報

・展示品あり(本エミュレータの操作体験)

15:50~16:15 医療・福祉
12)  言語訓練のための人間の声道を模擬した物理模型
発表資料

上智大学 理工学部 情報理工学科 教授 荒井 隆行
http://www.splab.net/

新技術の概要

言語障害を持った患者への言語訓練に応用されるべく、人間の声道を模擬した物理模型を開発した。本模型には複数のモデルがあり、形状がまっすくで簡素化されたものから、形状が中央で直角に曲がったもの、さらにシンプルな舌など器官がある程度動くものまで含まれる。通常は口腔内は見えず、患者が舌の位置などを確認しづらいが、本模型は視覚的にも器官の様子を確認でき、また音も同時に聴くことができる。

従来技術・競合技術との比較

従来から声道に関わる模型が存在しないわけではないが世界的にも多くはなく、そのほとんどが研究目的であったり、ロボット応用、あるいは音響学の教育の範囲内であった。それに対し、ここで紹介する声道模型は言語訓練をもその目的としている点で他に類をみない。声を出す機械式のロボット等は大がかりな装置である一方、提案技術は(患者や言語聴覚士など)利用者が自ら操作することができ臨床応用可能となっている。

想定される用途

・言語訓練/言語治療の臨床の現場における指導や発音の理解に対する補助
・医師が手術の際に発音を意識しながら手術の方法・手続きを検討する際の補助
・外国語教育における発音訓練のための補助

関連情報

・展示品あり(声道模型の実物を用いた実演を予定)

16:15~16:40 医療・福祉
13)  医用画像診断支援のための血管仮想操作および可視化技術の開発
発表資料

近畿大学 生物理工学部 システム生命科学科 講師 篠原 寿広
http://rais.itp.kindai.ac.jp/researchdb/

新技術の概要

通常のモニタ上に表示された画像をマウス操作によって観察、診断しているのが医用画像診断の現状である。血管を観察したい場合、血管同士が重なり、死角が生じ、観察できない部分がある。この問題を解決すべく、新しい医用画像診断支援のための仮想血管操作および可視化技術を開発した。本技術により、医師は3次元ポインティングデバイスを用いて血管を仮想操作し、余計な血管を移動させ、観察したい部分を観察できる。

従来技術・競合技術との比較

血管を仮想的に操作し、観察できない部分を観察できるようにするということが従来技術にはない大きな特徴である。血管の仮想操作には、マウスに替わる3次元ポインティングデバイスを用いることにより、より直感的な診断を行うことができる。

想定される用途

・医用画像診断支援
・インターベンション治療支援
・インフォームドコンセントの手段

J-STORE掲載特許情報

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