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発表内容詳細

10:50~11:15 医療・福祉
1)  血液にて、アルツハイマー型認知症の進行度合いを測定する方法
発表資料

大阪市立大学 医学部 老年科神経内科 研究医 山本 圭一
http://www.med.osaka-cu.ac.jp/GeriatNeuro/

新技術の概要

血液中のアルブミンAβ複合体を、抗Aβモノクローナル抗体、抗アルブミンモノクローナル抗体を使用したサンドイッチエライザ法により測定する。複合体はアルツハイマー病患者群で、非認知症患者群に比べ有意に少なく、また複合体と、髄液アルツハイマー病の進行に相関していることが報告されている髄液リン酸化タウとの相関を調べたところ、相関関係があった。

従来技術・競合技術との比較

従来のアルツハイマー病の診断には画像診断が、生化学的な病期診断には髄液中のアミロイドβ蛋白の量を調べることが必要であったが、高価で侵襲が大きかった。本研究は、世界で初めての簡易な血液検体でのアルツハイマー病診断、進行の度合い判定を可能とする方法を提示する。

新技術の特徴

・今まで不可能であった血液サンプルにて、簡単にアルツハイマー病を検出できる
・特殊な装置を必要としない
・侵襲性が少なく、多くの人に適用できる

想定される用途

・臨床現場でのアルツハイマー病の診断及び病期判定
・健康診断でのアルツハイマー病のスクリーニング
・治験現場での抗アルツハイマー病薬の効果判定

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11:15~11:40 医療・福祉
2)  ホウ素中性子捕捉療法に用いる発光性含ホウ素希土類酸化物
発表資料

大阪市立大学 大学院工学研究科 化学生物系専攻 教授 長﨑 健
http://www.bioa.eng.osaka-cu.ac.jp/bfc/

新技術の概要

直径100nm程度の含ホウ素稀土類酸化物ナノ粒子は高い中性子捕捉効率と蛍光特性を有しており、よりホウ素中性子捕捉療法(BNCT)における次世代BNCT 薬剤として期待される。

従来技術・競合技術との比較

従来のBNCT薬剤ではがん細胞にB濃度30ppm 以上の集積が必要とされているが、本技術では理論的には一細胞に一粒子導入できればがん細胞を殺傷できる。また、発光性を活かしてがんのイメージングも可能である。

新技術の特徴

・高い中性子捕捉反応効率
・低濃度でも高い抗がん効果
・がんのイメージングと治療が同時に実施可能

想定される用途

・がん治療
・がん診断

11:40~12:05 創薬
3)  ポスト抗体医薬:疾患関連タンパク質をターゲットとした分子標的ペプチドの網羅的創出技術
発表資料

大阪府立大学 大学院理学系研究科 生物科学専攻 教授 藤井 郁雄

新技術の概要

抗体医薬の弱点を克服すべく,細胞内への導入が可能で、抗原性がなく、酵素分解に対しても安定な親和性ペプチド(マイクロ抗体と名付ける)を網羅的かつ体系的に作製する新しいリード化合物の設計技術。コンビナトリアル・エンジニアリング技術とペプチド構造構築理論を組み合わせたこの方法は、従来法に比べ、時間とコストを1/10以下に削減できる。

従来技術・競合技術との比較

抗体は分子内に多数のジスルフィド結合をもつ巨大タンパク質であるため、細胞内に導入することができず、生細胞内の重要な疾患関連タンパク質をターゲットにすることができない。細胞外や細胞表面の疾患関連タンパク質だけでは、この2,3年の内にターゲットにする疾患関連タンパク質がなくなるであろう。従来の標的タンパク質の立体構造解析や低分子ライブラリーを用いる化合物検索法は、多大な時間と費用を必要とする。

新技術の特徴

・立体構造ペプチドの設計技術
・立体構造ペプチドのファージ表層提示ライブラリーの構築技術
・ファージ表層提示ライブラリーのスクリーニング技術

想定される用途

・創薬(ポスト抗体医薬)
・バイオセンサー
・ライフサイエンス研究ツール

13:15~13:40 アグリ・バイオ
4)  イヌiPS細胞由来血小板の作製 ~再生医療の実用化に向けて~
発表資料

大阪府立大学 大学院生命環境科学研究科 獣医学専攻 教授 稲葉 俊夫
http://www.vet.osakafu-u.ac.jp/cell/cell.htm

新技術の概要

ヒトと同様の生活習慣病などの自然発症例が多くみられるイヌを用いて、iPS細胞を作製し、血小板への分化誘導法を開発した。本技術はイヌの疾患治療だけでなく、ヒトの再生医療への有益な情報提供も期待できる。

従来技術・競合技術との比較

未だiPS細胞治療における長期間のリスク評価を行えるモデル動物が確立されていない。本技術ではイヌiPS細胞由来血小板の作製に成功し、iPS細胞治療の安全性を長期間にわたり評価できることが期待される。

新技術の特徴

・ヒトiPS細胞を用いた再生医療の有効性、安全性をイヌで検証できる
・新薬開発における動物の犠牲を大幅に減少させる
・イヌの再生医療

想定される用途

・ヒトiPS細胞を用いる再生医療のモデル動物試験
・薬理・薬効試験、毒性試験
・イヌの血液バンク

13:40~14:05 アグリ・バイオ
5)  天然由来成分を介助因子とする抗菌活性の増幅効果
発表資料

大阪市立大学 都市健康・スポーツ研究センター/理学研究科 生体低分子機能学 准教授 荻田 亮

新技術の概要

防腐・抗菌剤は様々な用途で使用されているものの、健康被害等の報告もあり、その配合量低減が望まれている。本技術で見いだされた天然由来成分による抗菌活性の増幅効果の応用により、防腐・抗菌剤の配合量低減が可能となる。

従来技術・競合技術との比較

従来技術では異種防腐・抗菌剤の組合せによる相乗的効果を利用したものが報告されているのみであり、天然由来成分などの食品由来成分を利用した安全性が高い防腐抗カビ組成物は他に例がない。

新技術の特徴

・防腐・抗菌作用の増幅
・天然由来成分の利用
・安全性の確保

想定される用途

・食品添加物
・医薬品添加物
・化粧品等添加物

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14:05~14:30 材料
6)  温度制御下にて光電気化学測定及び解析を実現するシステム
発表資料

大阪市立大学 大学院理学研究科 物質分子系専攻 講師 舘 祥光
http://soc-t.sci.osaka-cu.ac.jp/SOC_TachiG/top.html

新技術の概要

有機エレクトロニクス等の進展に伴い、簡便な電気化学反応のモニタリングによる材料評価が求められる。そこで不活性ガス雰囲気下で精密な温度制御の上、簡便に電気化学反応を追跡し、分光学的、速度論的パラメータによって材料を評価するシステムを構築した。

従来技術・競合技術との比較

市販されている分光電気化学システムでは温度制御及び不活性ガス雰囲気下での測定には適していない。また、従来の温度制御装置が大きいため、分光学測定と電気化学測定を同時に行うには特別な技術が必要であり汎用化が難しい。本技術では測定と温度制御が簡便であるため、材料評価に適した測定が簡単に実施できる。

新技術の特徴

・材料の使用条件を再現した分光測定および電気化学測定の同時測光の実現
・密封条件に近い不活性ガス雰囲気化での測定の実現
・精密温度制御下の測定による速度論的パラメータ等の決定

想定される用途

・色素増感太陽電池用材料、有機EL材料など有機エレクトロニクス材料の電気化学特性評価
・触媒中間体の構造決定と活性評価
・電気化学反応の追跡、評価

関連情報

・デモンストレーションとしての依頼測定を受け付ける

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14:30~14:55 材料
7)  室温付近で使用できる光スタート型温度上昇センサーの開発
発表資料

大阪市立大学 大学院工学研究科 化学生物系専攻 教授 小畠 誠也
http://www.a-chem.eng.osaka-cu.ac.jp/kobatakelab/

新技術の概要

温度上昇を色で識別できる温度センサーは良く知られているが、不可逆で40℃以下で使用できるものはほとんどない。不可逆型では何らかの外部刺激でスタートさせる必要がある。本新技術説明会では、光でスタートできる不可逆型温度上昇センサーを紹介する。

従来技術・競合技術との比較

不可逆タイプで40℃以下で使用できる温度上昇センサーには、冷却起動型やプッシュスタート型(混合タイプ)があるが、本技術では光によってスタートできる。このような光スタート型ではシール状のラベルでの使用が可能であり、段ボール箱等にも添付することができる。

新技術の特徴

・室温付近での温度上昇を色変化によって検知できる

想定される用途

・温度上昇センサーラベル
・温度上昇センサーインク

関連情報

・展示品あり(1cm×3cm程度のラベル(UV光によって変色))

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15:05~15:30 材料
8)  テラヘルツ波領域におけるフリースタンド型二重ワイヤーグリッドの作製と応用
発表資料

大阪市立大学 大学院工学研究科 電子情報系専攻 講師 菜嶋 茂喜
http://www.a-phys.eng.osaka-cu.ac.jp/hosoda-g/index.htm

新技術の概要

テラヘルツ波領域の偏光成分を分離することができる数少ない光学素子であるワイヤーグリッドを積層化することにより、飛躍的な偏光性能の向上が得られることと、その最適な条件を見出した。

従来技術・競合技術との比較

市販されているフリースタンド型の消光比は1THzで良くて10-4程度であるが、二重化することにより、その性能が2枚以上の性能を示すことができる。また基板上に作製されるものに比べて、作製方法が簡便な上損失も小さい。

新技術の特徴

・消光比が高い上、損失が小さい
・表面プラズモン効果を利用することにより高い透過特性を有することができる

想定される用途

・偏光子、偏光ビームスプリッターなどへの光学素子への応用
・円二色性や、複屈折(歪み)などへの偏光に関連するセンサー応用
・生体反応や化学反応などへの表面の誘電状態に関連するセンサー応用

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15:30~15:55 材料
9)  省資源、低環境負荷めっき技術の開発
発表資料

大阪府立大学 大学院工学研究科 物質・化学系専攻 教授 長岡 勉
http://tokachi.riast.osakafu-u.ac.jp/%7Esentan1/home.html

新技術の概要

当研究室では金属ナノ粒子を用いて、プラスチック上への密着性・柔軟性に優れた金属薄膜を開発している。今回は、この技術を更に発展させ、特に金属使用量の低減化に注目した開発を行った。

従来技術・競合技術との比較

従来の樹脂メッキではクロムなどの有害物質を使用する必要があるが、本技術ではこの問題がない。金属ナノ粒子を直接樹脂表面に導入できるので省ステップであり、またメッキ層は柔軟性に優れておりストレスに強い。

新技術の特徴

・クロム、シアンなどを用いないグリーンな樹脂メッキ技術
・省工程技術、少金属使用量
・フレキシブルな金属メッキ層

想定される用途

・電子材料(導電性マイクロビーズ、プリント基板、など)
・バイオ用途向け分離材料(金被覆磁性マイクロビーズ)
・触媒などの機能性物質担持材料

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15:55~16:20 材料
10 )  矩形板状ケイ酸塩化合物粒子の高効率合成と応用事例
発表資料

大阪府立大学 大学院工学研究科 物質・化学系専攻 准教授 岩﨑 智宏
http://www.chemeng.osakafu-u.ac.jp/group3/indexJ.html

新技術の概要

矩形板状ケイ酸塩化合物(アイラアイト)粒子の合成において、原料溶液のボールミル処理や固液界面での不均一核生成を利用することで、合成時間の大幅な短縮と粒子径制御を実現した。

従来技術・競合技術との比較

従来の合成法では原料溶液を水熱条件下で数週間単純に加熱するだけであったため、結晶核の生成や結晶成長は制御できなかったが、新たに開発した手法によってこれらの制御が可能となり、化粧品や塗料などでの応用可能性が見いだされた。

新技術の特徴

・合成時間の短縮による製造コストの低減および粒子径制御による高付加価値化
・粒子の形状が非常に規則的で表面が平滑であるため光の透過・反射を利用した用途に最適
・複合材料の基材や前駆体などとしても利用可能

想定される用途

・化粧品や塗料の体質顔料
・触媒、吸着剤、イオン交換体などの環境浄化材料
・充填材(フィラー)、ガスバリア添加剤

関連情報

・サンプルの提供可能

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