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発表内容詳細

10:20~10:50 材料
1)  導電性硫黄の開発-余剰資源の有効活用化を目指して-
発表資料

信州大学 エキゾチック・ナノカーボンの創成と応用プロジェクト拠点 准教授 藤森 利彦
http://www.shinshu-u.ac.jp/project/encs/

新技術の概要

硫黄は余剰資源であり、その有効利用法の開発が望まれている。硫黄は絶縁体であるが、カーボンナノチューブと複合化することで金属になることを見出した。硫黄が導電材として有効活用できることを示す。本発明は、硫黄の新しい用途開発につながる。

従来技術・競合技術との比較

硫黄が導電性を示すには90万気圧という超高圧条件が必要であった。従来法は、硫黄を導電材として実用化するには現実的でない。本発明では、カーボンナノチューブを用いて硫黄の極限的に細いワイヤーを作製することで、硫黄を常温・常圧でも導電材料として機能させることが可能となる。

新技術の特徴

・従来用途にはなかった硫黄の有効活用法
・安価な硫黄を使ったカーボンナノチューブの導電性向上
・高い耐熱性(空気中で300℃以下)

想定される用途

・金属フリーな導電性コンポジット
・多孔性材料の導電性向上
・透明電極

J-STORE掲載特許情報

10:50~11:20 環境
2)  土壌地力形質の紫レーザー励起分析による計測
発表資料

信州大学 農学部 食料生産科学科 教授 井上 直人
http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/agriculture/labo/inoue.html

新技術の概要

作物の生産性を支配する、土壌の生物化学的成分の化学薬品を用いない同時非破壊計測は困難だった。これを紫レーザー励起蛍光分析により計測可能にした。風乾土壌をサンプルに用い、測定項目は可給態窒素などである。

従来技術・競合技術との比較

これまで、土壌可給態窒素は土壌微生物による培養と滴定による化学分析によって分析していた。作物生産の基礎であるこうした項目の迅速な計測は不可能だった。また、サンプルも多く必要で、分析には薬品と時間が必要だった。この古くからの農学における問題を解決する点で有利である。

新技術の特徴

・土壌の簡易分析
・混入する有機物量の分析
・微生物による利用可能な有機態窒素の量の推定

想定される用途

・簡易土壌分析計
・植物工場
・水分析

J-STORE掲載特許情報

11:20~11:50 環境
3)  生活空間の温熱環境を把握するための湿黒球水温計
発表資料

信州大学 農学部 森林科学科 准教授 鈴木 純

新技術の概要

人体を取り巻く環境、いわゆる温熱(暑熱)環境の把握には、黒球と呼ばれる装置の温度から換算された湿球黒球温度(WBGT:Wet Bulb Black Globe Temperature)が用いられる。提案する新技術である湿黒球水温計は、直読式でWBGTに近い温熱環境のデータを提供する。

従来技術・競合技術との比較

湿黒球水温計は、簡易な構成にも関わらず湿球黒球温度(WBGT)を予測することが可能である。また、だれでも簡単に使用することができ、WBGTを把握することで熱中症の予防等に容易に利用することができる。

新技術の特徴

・温熱環境(暑熱環境)を直読できる
・朝、夕は黒球湿球温度(WBGT)よりも実態に即したデータを提供する
・既製品の組み合わせにより作成される

想定される用途

・グラウンド等の暑熱環境の把握
・室内環境の把握
・農地や温室などの生産環境の把握、作業環境の把握

関連情報

・サンプルの提供可能

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13:00~13:30 建築・土木
4)  カメラを用いた連続体の多項式空間上のモデリングと制御

信州大学 工学部 機械システム工学科 准教授 酒井 悟

新技術の概要

従来は必要であった設計図や物理モデルを全く用いず、カメラを用いた実験データのみから、非一様梁・混相流界面など様々な連続体の全体形状の時間応答を再現できるモデルを構築して、シミュレーション・動吸振器設計・状態推定・振動制御を実施可能にする。

従来技術・競合技術との比較

従来技術では、?アットマーク様々な連続体の(部分形状・近似形状ではなく)全体形状の時間応答を再現できる、?A実装可能な状態推定・振動制御を実施できる、を同時に満たすモデルを構築できなかった。提案技術では?アットマークと?Aを同時に満たすモデルを構築することが(設計図や物理モデルを用いず)可能である。

新技術の特徴

・設計図や物理モデルを用いることなく、簡単にシミュレータを構築
・画像処理を用いることなく、視覚障害(オクルージョン)の影響を除去

想定される用途

・施工中の橋梁・タンク液面などの全体形状を出力、地震力などを入力とする構造物のシミュレーションと動吸振器設計及び構造物の状態推定・振動制御
・魚・蛇などの全体形状を入力、前進速度などを出力とする生物のシミュレーション

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13:30~14:00 建築・土木
5)  周波数整形軌道による位置決め時の残留振動の抑制
発表資料

諏訪東京理科大学 システム工学部 機械システム工学科 教授 星野 祐
http://www.suwa.tus.ac.jp/

新技術の概要

位置決め装置における残留振動を、目標軌道の周波数整形によって低減する技術を開発した。振動低減のためのハードウェアの付加などの装置の変更が不要であり、また、タクトタイムを劣化させずに実装できる。

従来技術・競合技術との比較

残留振動の低減を可動部目標軌道の整形によって実現できるため、動吸振器などの付加的なハードウェアを必要しない、タクトタイムを劣化させない、多軸機構及び複数の残留振動に対応できるなどの特徴を有する。

新技術の特徴

・多軸装置に応用可能
・制振対象の詳細な数理モデルを必要としない
・パルス列位置指令による実装が可能

想定される用途

・半導体製造装置や検査装置の高速化
・位置決め装置の筐体振動の低減
・振れ止め制御

関連情報

・試験的実装可能(要相談)
・展示品あり(残留振動を低減する位置決め実験装置)

14:00~14:30 機械
6)  超音波振動の共振及び合成を利用した高精度ねじ締結法
発表資料

長野工業高等専門学校 機械工学科 准教授 岡田 学
http://www.nagano-nct.ac.jp/teacher/okada/

新技術の概要

超音波振動を加えると見掛け上の摩擦力が小さくなる現象を利用して摩擦係数の影響を減らしながら,簡便な「トルク法」によってねじの締め付け管理を行う方法であり、さらに共振を利用して振動の効果を高めている。

従来技術・競合技術との比較

従来からある、摩擦のばらつきの影響を低減してねじの軸力を安定させる方法としては、特殊な潤滑材や表面処理を利用したものがあるが、本技術では、特殊な薬剤や表面処理等が必要なく、作業手順も一般的なトルク法が利用できる。

新技術の特徴

・超音波振動及びその共振を利用して、摩擦力を低減させながら、ねじの締付を行うこと
・締付管理法として、一般的な「トルク法」が利用できること
・薬剤や表面処理を使わずに摩擦の影響を低減していること

想定される用途

・自動車のエンジン等、大量生産され、かつ、ねじの締付軸力が均一であることが要求される機械製品
・信頼性と低コストを両立させることが要求される精密機械製品のねじ締結
・高清浄性が要求され、かつ、ねじの締付の信頼性が要求される精密機械組立、化学、医療、食品等の分野

関連情報

・展示品あり(超音波振動の共振を利用したねじレンチ、超音波振動の摩擦低減効果のデモ装置)

14:30~15:00 機械
7)  ジャークセンサを用いた低速回転軸受の新しい損傷診断技術
発表資料

信州大学 工学部 機械システム工学科 准教授 辺見 信彦
http://design01.shinshu-u.ac.jp/

新技術の概要

本技術は、独自開発のジャークセンサにより、ごく低速で一定回転する転がり軸受にフレーキングなどの損傷が発生しているかどうかを診断するための技術である。低速回転時の振動検出信号の特殊性に対応した、従来にないアルゴリズムを用いている。

従来技術・競合技術との比較

従来の軸受診断法では低速回転の軸受損傷を診断することは、信号の検出と信号処理の方法との両方で大変困難であった。本技術ではジャークセンサにより高いS/N比で振動を検出でき、さらに低速回転時の振動信号の特殊性に対応させたアルゴリズムにより高精度で診断が可能である。

新技術の特徴

・振動検出でジャークセンサを用いると、一般に用いられている加速度センサよりも高周波成分を含む振動が高S/N比で抽出し易い
・低速回転時には軸受の固有振動成分が検出信号に殆ど現れないためフィルタ処理による診断が不可能だが、本技術では問題ない
・概ね一定周期で発生するパルス状信号の有無を検出する手法であり同様のニーズに対して適用できる信号処理アルゴリズムである

想定される用途

・ローラ圧延機などのごく低速な回転の転がり軸受の損傷診断
・一般的な損傷診断システムへの診断ロジックの一つとしての診断法のソフトウェアへの組み込み
・低速/高速に関わらず、転がり軸受を用いた一般の回転機械の軸受損傷診断や軸受交換時期の判定への応用

15:10~15:40 建築・土木
8)  着雪・着氷を防止する超滑水CNT複合樹脂シート
発表資料

長野工業高等専門学校 機械工学科 講師 柳澤 憲史

新技術の概要

水が滑り落ちる性質の表面をもつシートをスカイツリーなどの外壁に貼ると着氷前に滑り落ちるため氷塊落下などの事故防止につながる。本技術は、金型転写技術とCNTを複合した超滑水性のシートを提供する。

従来技術・競合技術との比較

着雪・着氷防止技術としては塗料が一般的であるが、耐久性に問題がある。本技術は金型転写技術とCNTの複合により低コストでかつ耐久性が向上する可能性のある超滑水表面をもつシートを提供できる。

新技術の特徴

・マイクロマシンのしゅう動部などの水の吸着による摩擦増大防止に効果がある
・はっ水性だけでなく水の流動性(滑水性)が向上でき、実用化の可能性が高い
・水の付着を防止できるため、大小さまざまな壁面の汚染防止に貢献できる

想定される用途

・雪下ろし対応の求められる地域の住宅の屋根や外壁の着雪防止
・東京スカイツリーのような高層タワーの外壁の着氷防止
・飛行機や船舶、自動車の窓や外壁の着氷防止技術

関連情報

・展示品あり(超滑水性シートを講演後にお見せすることができます)

15:40~16:10 医療・福祉
9)  FBGセンサを用いた血圧,脈拍,呼吸などバイタルサイン計測システム
発表資料

信州大学 繊維学部 繊維・感性工学系 先進繊維工学課程 准教授 石澤 広明

新技術の概要

FBG ( Fiber Bragg Grating )センサにより、脈を歪みとして捉えることにより、脈派と相関のある波形を観測することができ、この波形から脈拍数、呼吸数、および血圧を算出することの妥当性を検証し、実用化開発を進めている。

従来技術・競合技術との比較

1.従来の血圧測定はカフを腕に巻くため、連続的測定が困難である。
2.赤外光による静脈の血流測定法もあるが、個人差が大きい難点がある。
3.FBGセンサを利用したバイタルサイン計測は、先例がほとんどない。

新技術の特徴

・光ファイバ(FBG)を体表面に貼付するのみで、計測が可能である
・血圧測定においてはカフを必要としない測定法である
・高酸素治療下、高レベル電磁場環境下でも連続測定可能である

想定される用途

・ヒトの健康状態モニタ
・医療・診断支援機器

関連情報

・外国出願特許あり

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16:10~16:40 環境
10)  濃厚溶液の処理に適した光化学反応システム
発表資料

信州大学 繊維学部 化学・材料系 材料化学工学課程 教授 宇佐美 久尚
http://soar-rd.shinshu-u.ac.jp/profile/ja.uacFjekV.html

新技術の概要

ガラス製容器の内壁に多孔質ガラス構造を充填して結着させた光化学反応器を作製した。容器の側壁から入射した光が反応器の中心まで導光されるため、濃厚・懸濁溶液であっても効率よく反応させることが可能となる。

従来技術・競合技術との比較

反応容器の壁面から光を入射する報告はあるが、光が散乱し反応器の中心まで光が届かないため、光触媒本来の活性が十分に発揮できていない。

新技術の特徴

・濃厚・懸濁容液の浄化が可能
・モジュールタイプなのでスケールアップが容易
・低コスト化が可能

想定される用途

・小型から中型までの空気・水浄化装置
・水耕栽培等の養液殺菌浄化装置
・光化学反応器(医薬中間体、太陽光エネルギー変換)

関連情報

・展示品あり(小型反応器)
・外国出願特許あり

J-STORE掲載特許情報

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