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発表内容詳細

10:50~11:20 製造技術
1)  同時多軸制御切削加工を対象とした高速な切削抵抗予測
発表資料

埼玉大学 大学院理工学研究科 人間支援・生産科学部門 准教授 金子 順一
http://kousaku.mech.saitama-u.ac.jp/

新技術の概要

多軸制御マシニング加工における切削抵抗予測手法として、並列演算による内外判定の高速化技術を提案する。本手法により、任意の工具位置における切削抵抗の予測が数10ミリ秒毎に繰り返し実施可能となる。

従来技術・競合技術との比較

切削抵抗予測による工具送り速度の変更システムは商用化されているが、金型等の大規模形状への適用は計算時間の関係から困難であった。提案手法は幾何計算の大規模な並列化アルゴリズムにより高速化を可能としている。

新技術の特徴

・任意の瞬間における工具切れ刃の切削状態の高速な取得が可能
・幾何形状処理による干渉発生の検出と判定を並列化することが可能
・加工途中の加工対象物の中間状態を直接記述しないことにより、記述メモリ容量の不足等の問題を解決

想定される用途

・切削抵抗予測に基づく工程最適化システムの開発
・加工途中の切削現象を考慮した工具経路生成システムの開発
・周辺環境との衝突を考慮した搬入物経路・姿勢計画システムの開発

11:20~11:50 製造技術
2)  摩擦攪拌接合を利用して作製する「水に浮く金属」
発表資料

群馬大学 大学院理工学府 知能機械創製部門 准教授 半谷 禎彦
http://www.mst.st.gunma-u.ac.jp/

新技術の概要

本手法は、新しい技術である摩擦攪拌接合(FSW)の単純プロセス・高速プロセス・高エネルギー効率・生産環境がクリーンといった優れた特長を利用して、ポーラスアルミニウムの低コスト化を図るものである。更に本手法は高機能化をも付与できる方法であり、ポーラスアルミニウムの作製にブレークスルーを起こし普及を促進するものである。

従来技術・競合技術との比較

摩擦攪拌接合を用いることで従来技術と比較して、①安価な板材が利用可能でコスト削減、②生産性の向上、③省エネ性の向上、④高品質化(傾斜機能化)が容易、などが期待できる。

新技術の特徴

・安価で多品種のアルミニウム板材からポーラスアルミニウムが作製できる。
・原材料(板材)にアルミニウム合金ダイカストを用いることで,リサイクル性に優れたポーラスアルミニウムの作製が可能である。
・一個体内で発泡状態を変化させた傾斜機能発泡金属を容易かつ低コストに製造できる。

想定される用途

・自動車・航空宇宙関係・鉄道関係等の軽量化のための部材
・自動車・鉄道関係等の衝突安全性向上のための部材
・土木建築関係など防音・断熱・振動吸収部材

関連情報

・講演中,あるいは講演後にご覧に入れることが可能です。
・外国出願特許あり

J-STORE掲載特許情報

11:50~12:20 製造技術
3)  磁気加工技術とその応用
発表資料

宇都宮大学 大学院工学研究科 機械知能工学専攻 准教授 鄒 艶華
http://www.mech.utsunomiya-u.ac.jp/pml/

新技術の概要

磁気加工は,機械加工と磁力を組み合わせた新しい加工技術である。従来の加工技術が困難であった箇所、例えば,複雑形状曲がり管の内面加工,管内面の磁気バリ取りなどが有効である。

従来技術・競合技術との比較

1.従来技術の問題点であった、各種部品の内面加工と内面バリ取りを実現できる。
2.手作業に依存していた内面の精密バリ取り作業を機械化・自動化できる。
3.永久磁石と鉄粉を使用することから、バリ取りコストは極めて低くおさえられる。

新技術の特徴

・磁力線の物体透過現象を利用して、従来の加工技術が困難であった箇所の精密加工が実現できる。
・複雑形状曲がり管の内面加工,通常の工具が入らない箇所を研磨加工することができることになる。

想定される用途

・各種非磁性材部品の内面加工、内面バリ取りに適用することによって、本技術の特徴が生かされる。
・用途として、丸パイプの内面バリ取り、角パイプ内面のバリ取り、各種精密機械部品内面のバリ取りに適用できる。
・平面、曲面の精密仕上げも適用できると考えられる。

関連情報

・曲がり管、溶接管

13:20~13:50 材料
4)  CO2分離回収のための無機材料開発
発表資料

埼玉大学 大学院理工学研究科 物質科学部門 准教授 柳瀬 郁夫

新技術の概要

CO2と化学反応する無機化合物は数多く知られているが、本研究ではCO2との化学反応性を結晶構造制御によって高めた無機化合物を用いて、幅広い温度域で高純度にCO2分離回収するための無機材料を開発する。

従来技術・競合技術との比較

従来のCO2分離セラミック膜はCO2と比べて分子サイズが同程度の分子や小さい分子との分離が困難であり、また有機高分子を用いた分離膜は使用温度が制限される。本研究はこれらの問題点を解決する新規技術に繋がると期待される。

新技術の特徴

・原材料費が安い。
・合成方法が簡便でCO2脱離による再生も容易。
・CO2ガス選択性が高く、かつCO2吸収温度の制御可能。

想定される用途

・排ガスからのCO2分離回収
・高純度CO2の製造
・グリーンハウス等への低コストCO2ガス供給

13:50~14:20 材料
5)  オレフィン類の高活性かつ立体選択的重合技術
発表資料

埼玉大学 大学院理工学研究科 物質科学部門 助教 中田 憲男
http://www.chem.saitama-u.ac.jp/ishii-lab/

新技術の概要

ポリオレフィンは我々の生活に不可欠な合成高分子材料である。本説明会では、最近我々が独自に開発した高活性かつ高立体選択的にポリオレフィン合成を達成する配位重合触媒について紹介する。

従来技術・競合技術との比較

我々の触媒システムは従来の触媒よりも高活性で重合反応が進行するだけでなく、完璧な立体選択性を伴ったポリマー生成においても高い優位点がある。さらに、これまでの配位重合触媒では達成できなかった極性モノマーの精密重合にも展開可能である。

新技術の特徴

・多種多様なオレフィン類の重合に展開でき、分子量の調節も可能
・高い重合活性に起因したコスト削減; ・立体選択性を有する極性モノマーの新しい重合法

想定される用途

・新規な絶縁フィルム、高透明性材料、エンジニアリングプラスチックの代替材料

14:20~14:50 デバイス・装置
6)  埋込永久磁石モータのコギングトルク低減とモータ特性改善
発表資料

茨城大学 工学部 機械工学科 准教授 松田 健一

新技術の概要

永久磁石埋込型モータの、コギングトルクに起因するトルクリップルは深刻な問題の一つである。本研究では、IPM型5軸制御セルフベアリングモータの各磁極に対し一対の永久磁石を付加する。この追加磁石によって、ロータ磁極端部の磁束の回り込みが減少し、かつd軸方向に端部磁束が回収されるため、ロータ磁束の高調波成分が減少し基本波成分が増加するため、コギングトルクの低減とモータ特性の改善が可能となる。

従来技術・競合技術との比較

コギングトルク低減のため磁束の回り込みを抑える技術として、ロータ磁極に垂直にスリットを追加したり、埋め込み永久磁石の着磁方向をd軸方向に向けるなどの提案がなされている。しかし、その効果は少ないため大きな改善には至っていない。本方式は、ロータ磁極に垂直に一対の磁石を挿入することで、磁束の回り込みを抑えるとともにd軸磁束を増加させる効果があるためモータの基本特性が改善できる。

新技術の特徴

・ロータ磁極に垂直に一対の磁石を挿入する磁束回収型磁極配置により、磁束の回り込みを抑えることができる。
・スキューや複数ロータを使わずに、コギングトルクの大幅な低減が可能である。
・主磁束成分の増加によってモータのトルク特性が改善できる。

想定される用途

・電気自動車用モータ(低速域でのトルク変動抑制)
・磁力抵抗ゼロの発電機
・セルフベアリングモータの高性能化

15:00~15:30 デバイス・装置
7)  ホログラフィックメモリにおける情報転送速度の高速化に向けた並列多値位相データ再生技術
発表資料

宇都宮大学 大学院工学研究科 学際先端システム学専攻 助教 茨田 大輔
http://www.ee.utsunomiya-u.ac.jp/~kawatalab/barada/

新技術の概要

ホログラフィックメモリにおいて再生信号光と再生用参照光を撮像素子で重ね合わせることによって干渉縞を撮影し、縞解析によって一つの画像から二つのページデータを同時に抽出するとともに、微弱な再生信号光からページデータを再生可能にする。

従来技術・競合技術との比較

従来、多値位相ページデータの位相値を抽出する目的として、干渉を利用する方法が提案されているが、本技術においては、さらに位相多値化されたページデータだけでなく、それが二つ重なって再生される場合でも、独立に抽出することを可能とする。

新技術の特徴

・重なり合った二つの光波を1台の撮像素子でワンショットで取得可能
・偏光分布を取得可能
・光波を均等に4分割可能

想定される用途

・ホログラフィックメモリ
・複屈折イメージング
・ディジタルホログラフィック顕微鏡

15:30~16:00 デバイス・装置
8)  センサ無線のための小型多周波共用アンテナ
発表資料

茨城大学 工学部 メディア通信工学科 教授 武田 茂樹

新技術の概要

センサ無線用に利用されている複数の周波数帯域を、1つのアンテナで利用可能とする多周波共用アンテナに関する提案である。1つ目は、給電ループの近傍に、無給電素子として、2個のヘリカル状の金属線を配置する方法である。2つ目は、2つの逆Fアンテナを直交して組み合わせ,板状給電点を1つに統合することにより, 2周波動作が可能なアンテナである。

従来技術・競合技術との比較

ヘリカルアンテナの自己共振作用を利用した超小形アンテナは存在するが,複数の周波数で動作する超小形アンテナはなかった。本発明は図に示す構造により任意の複数の周波数において動作できる事を可能とした。また実用的な逆Fアンテナとしては帯域幅を確保するために板状逆Fアンテナが主流となっている。これに対し本発明のアンテナは放射器部分はワイヤのままで,2つの逆Fアンテナを直交して組み合わせることにより,無線機筐体内部の2つの側面部に内蔵可能となるので,無線機全体として省スペースなアンテナとなる。ワイヤ形式の逆Fアンテナの欠点であった狭帯域な特性を給電部のみを板状とすることにより,実用的な帯域確保を実現した。

新技術の特徴

・ヘリカルアンテナの自己共振作用を利用した複数の周波数で動作する超小形アンテナ
・ワイヤ形式の逆Fアンテナの欠点であった狭帯域な特性を給電部のみを板状とすることにより広帯域化

想定される用途

・センサ無線用内蔵アンテナ
・その他の内蔵アンテナを必要とする無線端末

16:00~16:30 デバイス・装置
9)  視聴覚融合マルチモーダル書籍の提案
発表資料

茨城大学 工学部 情報工学科 准教授 藤芳 明生

新技術の概要

マルチモーダル書籍とは、「見えない2次元コードが重ねて印刷された紙の書籍を読む」と「2次元コード読取装置で対応する音声を聞く」という動作を同時に行い、効率的な読書を可能とする紙の書籍である。

従来技術・競合技術との比較

マルチメディア・デジタル書籍など、競合技術は存在する。しかし、読みやすさにおいては紙の書籍の方に分があると思う。特に、高齢者には受け入れられやすいのではないかと考えている。

新技術の特徴

・視覚と聴覚を複合的に用いることで、効率的な読書を可能とする
・安価で印刷でき、2次元コード読取装置も低価格である
・紙の書籍に最新のデジタル技術を組み合わすことができれば、輝きを取り戻すことも十分に可能

想定される用途

・高齢者向け出版物
・読字障害者(外国人を含む)向け出版物
・読み下すのが困難な書類の読書支援

関連情報

・開催当日の展示品(成果物・サンプル等)の持ち込みあり
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