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発表内容詳細

9:50~10:10 アグリ・バイオ
1)  グリコシド異性化反応による1,2-cis(α)アミノグリコシドを含む生理活性糖鎖および新規糖ポリマーの合成
発表資料

理化学研究所 伊藤細胞制御化学研究室 専任研究員 眞鍋 史乃

新技術の概要

糖受容体と糖供与体をアノマー位立体化学を制御しながら結合させ、グリコシドを合成する手法が一般的であるが、1,2-cis(α)アミノグリコシドの選択性に関しては充分ではなかった。アミノ基と3位水酸基をカーバメート基として保護すると、弱い酸性条件においてアノマー炭素と環内酸素の結合が切断され、再環化する異性化反応がおこることを見出した。カーバメート窒素上置換基がアセチル基の場合には、完全な1,2-cis(α)体への異性化反応がおこる。本異性化反応を利用して、ヘパリンをはじめとする生理活性糖鎖や新規糖ポリマーを合成することができる。

従来技術・競合技術との比較

生理活性を持つ糖鎖にみられる1,2-cis(α)アミノグリコシドの形成が完全な選択性で可能である。機能未知の新規糖ポリマーが、有機化学的グリコシル化反応、あるいは、既存のキトサンから合成できる。

新技術の特徴

・生理活性を持つ1,2-cis(α)アミノグリコシドを完全な選択性で合成することが可能である。
・機能未知である糖オリゴマー、高分子の合成が可能である。

想定される用途

・医薬品
・化粧品
・機能性高分子

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

10:10~10:30 アグリ・バイオ
2)   N 型糖タンパク質糖鎖のコア構造の効率的生産技術の開発
発表資料

新潟大学 大学院自然科学研究科 特任助教 仁平 高則

新技術の概要

糖タンパク質のフォールディング、細胞恒常性および免疫調節などに必須なN -グリカンのコア構造であるマンノシル-N -アセチルグルコサミンの効率的酵素合成法を開発した。本技術は、我々が発見した新規ホスホリラーゼを鍵酵素として種々酵素を組み合わせるOne-pot酵素合成法により、澱粉、ショ糖およびN -アセチルグルコサミンといった安価な材料からマンノシル-N -アセチルグルコサミンの効率的生産を可能とした。

従来技術・競合技術との比較

糖タンパク質性医薬品への利用を目的に、有機合成、酵素合成、天然物抽出などの方法で糖鎖合成が試みられている。本技術はこれらに比べ、低環境負荷、低コスト、高収率、高純度を兼ね備えた糖鎖合成を可能にする。

新技術の特徴

・安価な天然糖質と生体触媒の活用による安全性の高い効率的な糖鎖コア構造の生産
・One-pot酵素合成法によるシンプルな反応システム
・スケールアップが容易な反応システム

想定される用途

・有機合成法が苦手とするβ-マンノシドの効率的な生産法の提供
・抗体やホルモンなどのN 型糖鎖を含む糖タンパク質性バイオ医薬品の原料
・機能性食品素材や研究試薬としての活用

J-STORE掲載特許情報

10:30~10:50 アグリ・バイオ
3)  インフルエンザウイルス結合性糖鎖の合成と精製を簡略化する高結晶性シリル基の開発
発表資料

埼玉大学 大学院理工学研究科 物質科学部門 准教授 幡野 健
http://www.fms.saitama-u.ac.jp/lab/hatano/

新技術の概要

本方法では、市販の無保護糖から一段階の反応によりオリゴ糖合成には欠かせない糖受容体を簡便に合成することができる。この受容体はC3位に位置特異的にグリコシル化反応を受けることから、C3位へのグリコシル化反応を要する3'シアリルラクトース(インフルエンザ結合糖鎖)などの生理活性オリゴ糖合成に有用である。これにより、反応ステップ数削減、コスト削減、環境負荷の低減が期待でき、安定なオリゴ糖の大量供給が可能と考えられる。

従来技術・競合技術との比較

オリゴ糖合成は、糖受容体と糖供与体のグリコシル化反応により行われる。糖受容体は、グリコシル化を受ける水酸基以外の水酸基を化学的に保護するのが定石である。その合成には糖水酸基の保護・脱保護が繰り返し行われている。

新技術の特徴

・隣接水酸基の立体保護(速度論的安定化)
・反応ステップ数の大幅削減(合成の簡略化)
・新規薬剤・医療材料の開発研究の躍進と早期実用化

想定される用途

・生理活性オリゴ糖の化学合成
・糖合成中間体の化学合成

J-STORE掲載特許情報

10:50~11:10 創薬
4)  組換えカイコによる抗体活性シルクフィルムプレートの作製
発表資料

農業生物資源研究所 動物科学研究領域 動物生体防御研究ユニット 主任研究員 佐藤 充
http://www.nias.affrc.go.jp/

新技術の概要

遺伝子組換えカイコ技術を利用して、一本鎖抗体と絹タンパク質を融合させた「アフィニティーシルク」を開発しました。アフィニティーシルクフィルムをコーティングしたELISAプレートにおいて抗原特異的な結合活性を保持させることに成功しました。アフィニティーシルクフィルムの結合活性は3ヶ月室温で放置したものでも安定で、今後病原体の検出や疾病診断キットなどへの応用が期待できます。

従来技術・競合技術との比較

遺伝子組換えカイコ技術を利用することにより、産生された組換えタンパク質はエンドトキシンフリーであり、動物細胞を用いた大量培養系よりもはるかに生産コストを抑えることが出来る。

新技術の特徴

・遺伝子組換えカイコで抗体活性を付加した絹タンパク質を生産。
・それぞれの抗原に特異的な抗体の遺伝子を利用することで、様々なアフィニティーシルクを作製できる。
・シルクタンパク質の加工技術と組み合わせて、様々な形状のアフィニティーシルクを作製できる。

想定される用途

・アフィニティーシルクフィルムはELISA等の抗原検出系へ利用
・アフィニティーシルクパウダーはアフィニティー精製担体として利用
・磁気ビーズやラテックスビーズと組み合わせた抗体試薬等へ利用

関連情報

・展示品あり(アフィニティーシルクフィルム等の展示)

J-STORE掲載特許情報

11:10~11:30 創薬
5)  シャーガス病治療薬候補物質、新規キノン誘導体の抗原虫効果
発表資料

群馬大学 大学院保健学研究科 生体情報検査科学 教授 嶋田 淳子

新技術の概要

シャーガス病は、南米型トリパノソーマ感染による疾患であるが、既存薬(ベンズニダゾール)は副作用が強く、効果も限られており満足できるものではない。抗トリパノソーマ活性が報告されているコマロビキノンの構造を基に、新規キノン誘導体を合成し、抗トリパノソーマ作用および宿主細胞に対する細胞毒性を調べた。誘導体のいくつかは、トリパノソーマに対して既存薬よりも強い抑制効果を示した。

従来技術・競合技術との比較

いくつかのキノン誘導体は、既存薬であるベンズニダゾールと同程度の濃度で抗トリパノソーマ活性を示した。細胞内型原虫の増殖に対するIC50値は、ベンズニダゾールが0.75μMであるのに対し、キノン誘導体では0.16μMであった。

新技術の特徴

・新規キノン誘導体の合成
・抗トリパノソーマ活性

想定される用途

・シャーガス病治療薬
・抗トリパノソーマ薬

13:00~13:20 創薬
6)  海洋微細藻由来の天然抗アレルギーカロテノイド
発表資料

高知大学 総合研究センター 海洋部門 特任助教 小野寺 健一
http://www.cc.kochi-u.ac.jp/~onoderak/

新技術の概要

医薬品コルチゾールと同程度の遅延性アレルギー抑制効果を示す天然カロテノイドのペリジニンを、培養した海洋微細藻類から獲得した。その活性はマウスを用いて評価した。また海洋カロテノイドのフコキサンチンよりも強い活性を示し、新たな機能性カロテノイドとして期待できる結果であった。

従来技術・競合技術との比較

従来品のステロイド薬であるコルチゾールと比較してより副作用が少ない天然素材として期待できた。また同じ天然素材のフコキサンチンよりも活性が強かったため差別化が可能と考えた。

新技術の特徴

・医薬品と同程度の効果をもつアレルギー抑制天然成分である
・抗アレルギー成分は培養により繰り返し入手可能である
・培養する藻類は食歴があるものである

想定される用途

・アレルギーを抑制する化粧品
・抗アレルギー医薬品
・アレルギーを抑制する健康食品

関連情報

・外国出願の手続き中

13:20~13:40 創薬
7)  フラボノールからの簡便な変換反応による、機能性アントシアニン類の合成
発表資料

名古屋大学 大学院情報科学研究科 複雑系科学専攻 教授 吉田 久美
http://www.info.human.nagoya-u.ac.jp/lab/yoshida/index.html

新技術の概要

フラボノール誘導体を酸性溶媒中(塩化水素-メタノール等)で金属還元(亜鉛末、マグネシウム末)によりフラベノール体へと変換後、金属を除去して空気酸化することで、収率70〜90%で対応するアントシアニンへと変換できる。還元反応および酸化反応の詳細を検討した結果、実験室レベルで10gスケールでの合成が可能である。さらに、フラボノールの構造を問わずアントシアニンへと変換でき、高機能性の期待されるアシル化アントシアニンの合成にも適用可能である。 溶媒や濃度条件の検討により、反応をさらに最適化し、反応液からのアントシアニンの単離に関しても、水で希釈後アンバーライトXAD-7カラムに吸着して溶出するだけで、純度95%以上のアントシアニンが得られる。さらに、フラボンから3-デオキシアントシアニンへの変換もできる。

従来技術・競合技術との比較

アントシアニンの合成には、主として2経路ある。1)ロビンソンによるアルドール縮合反応によるもの、2)フラボノール類の金属還元によるもの。1)は多段階を要し、かつ、高機能性の期待されるアシル化アントシアニンの合成に向かない。2)は、一段階で対応するアントシアニンへと変換でき、1910年代から各種行われてきたが、収率が20~30%程度であった。さらに、従来は高価な貴金属触媒や金属ヒドリド、あるいは、毒性のある亜鉛アマルガムを用いる報告がなされていた。本技術は、2)の経路によるアントシアニン合成法を格段に改良し、金属還元と空気酸化とを分けて行うことにより、収率70%以上で、多量の機能性アントシアニンを合成できる。さらに、金属も安価で毒性の無い亜鉛末やマグネシウム末を用いており、スケールアップが容易で大量供給に向く。

新技術の特徴

・フラボノール、フラボンからアントシアニンへの簡便な変換反応
・高純度のアントシアニンを大量に調製可能
・アシル化アントシアニンなど従来多段階が必要なアントシアニンが得られる

想定される用途

・創薬リード
・色素増感太陽電池色材
・食品添加物

関連情報

・サンプルの提供可能

J-STORE掲載特許情報

13:40~14:00 創薬
8)  抗肥満薬HSD-016の低コスト製造方法の開発
発表資料

名古屋工業大学 大学院工学研究科 未来材料創成工学専攻,共同ナノメディシン科学専攻 教授 柴田 哲男
http://www.ach.nitech.ac.jp/~organic/shibata/index.html

新技術の概要

Ⅰ型11βヒドロキシステロイド脱水素酵素阻害剤HSD-016は、肥満や高血糖症に有効な治療薬で、抗肥満薬として臨床試験が実施されている。HSD-016は光学活性体であるため、ラセミ体の光学分割法にて合成されており、半分が捨てられている。また、高価なトリフルオロメチル基を持つ合成素子を初期から使用する不斉合成法が報告されたが、無駄が多く現実的でない。本課題では、トリフルオロメチル基を合成行程の最終段階で装着する新手法を開発し、低コスト製造法を提供する。

従来技術・競合技術との比較

フッ素化に用いる官能基を合成過程の最終段階で用いる点が、先行技術とは大きく異なっており、高価な官能基であるトリフルオロメチル基を中間段階の過程で無駄にすることを避けることで、使用量を減らすことが可能となる。

新技術の特徴

・抗肥満薬を低コストで合成
・抗肥満薬の大量合成を支援
・環境に優しい医薬品合成を提供

想定される用途

・HSD-016のプロセス開発への応用
・医薬品合成の新規合成法を提供
・環境に優しい医薬品合成を提供

14:00~14:20 創薬
9)  新規糖尿病バイオマーカーを標的とする2型糖尿病治療薬
発表資料

同志社大学 生命医科学部 医生命システム学科 准教授 斎藤 芳郎
http://biomedical.doshisha.ac.jp/staff/system.html

新技術の概要

セレノプロテインP(SeP)は、セレンを含む血漿蛋白質である。2型糖尿病患者における血漿中のSeP濃度は、健常人に比べて高くなっている。過剰のSePは、骨格筋細胞や肝細胞へセレンを過剰に供給し、グルタチオンペルオキシダーゼ(GPx)等を過剰に生合成することによりインスリン抵抗性を引き起すことが示唆されている。SePは2型糖尿病の新規なバイオマーカーである。本技術は、SePの細胞内取り込みを特異的に抑制することにより、2型糖尿病の悪化を抑制することを目的とした、新規テーラーメイド2型糖尿病治療薬(抗体医薬)に関するものである。

従来技術・競合技術との比較

作用機序の異なる多くの糖尿病治療薬が開発されているが、治療薬の選択には医学的判断基準は無く、臨床医の経験に基づき選択されているのが現状である。本研究成果は、インスリン抵抗性を引き起こす因子に特異的な治療薬開発である。"SePが高い糖尿病患者には、SePに起因するインスリン抵抗性が考えられるため、特異的な治療法を選択する"という、糖尿病のテーラーメイド治療の実現を可能にするポテンシャルを持つ。

新技術の特徴

・2型糖尿病を悪化するSePの働きを抑制することにより、糖尿病を改善する
・細胞にセレンを運ぶ機能を持つSePの作用を阻害し、糖尿病を改善する
・SePが細胞にセレンを供給するのに重要な部位を標的として、2型糖尿病薬を開発する技術

想定される用途

・医薬品
・研究試薬
・サプリメント・予防薬

14:50~15:10 創薬
10)  Lin7C-CASK-βcatenin networkを介した癌転移・浸潤抑制薬物療法の開発
発表資料

千葉大学 大学院医学研究院 口腔科学講座 助教 笠松 厚志
http://www.ho.chiba-u.ac.jp/section/shika/index.html

新技術の概要

癌の転移・浸潤を抑制することは、癌治療におけるキーポイントであり、癌治療に関わる医学者が一刻も早く解決しなければならないテーマである。われわれはLin7C-CASK-βcateninネットワークを活性化させることで癌細胞における転移・浸潤能の抑制を可能とし、ネットワークの活性化を制御しているHTR2Cとその作用薬6種を同定することに成功した。この作用薬6種類は既に他疾患治療薬として臨床応用されており、そのなかでも、作用薬1が癌細胞においてもっともLin7C-CASK-βcateninネットワークを活性化させ、癌の転移・浸潤抑制機能を有していることを明らかにした。 今後、この新規癌転移抑制薬物療法が確立し、早期に臨床応用されれば、患者にとってこの上ない朗報となることは間違いない。

従来技術・競合技術との比較

他疾患治療目的で既に使用されている薬剤を用いるため毒性試験が不要であり、実際の臨床応用が早期に見込める。また、特定の施設のみで可能な治療法ではなく、安価で世界中どこでも使用可能な薬剤による癌転移・浸潤抑制法である。

新技術の特徴

・世界で初めて癌の転移・浸潤を制御する薬剤となる可能性がある。
・安価で世界中どこでも使用可能な薬剤による癌転移・浸潤抑制法である。
・既に使用されている薬剤を用いるため毒性試験が不要である。

想定される用途

・薬物療法による癌のリンパ節転移の予防及び回復。

15:10~15:30 創薬
11)  有機分子触媒を用いる新規抗インフルエンザ薬合成中間体の効率的不斉合成法の開発
発表資料

室蘭工業大学 大学院工学研究科 環境創生工学専攻 教授 中野 博人

新技術の概要

本技術は、アミノ酸を原料とする有機分子触媒を用いる不斉付加反応により、光学活性なイソキヌクリジン誘導体を高い光学純度で大量合成することを可能にする。これら誘導体はタミフル耐性のウィルスに有効な新たな抗インフルエンザ薬の合成中間体に成り得る。

従来技術・競合技術との比較

従来技術では問題となった混入金属の除去が必要なく、不純物の生成も少ないことから精製工程が容易である。また、競合技術に比べ、目的生成物の収率が格段に高く、さらに100%に近い光学純度で光学活性イソキヌクリジン誘導体が得られる。

新技術の特徴

・金属を使用しない環境調和型有機分子触媒反応の利用
・アミノ酸関連化合物の触媒としての利用
・安価で入手容易な合成原料や試薬を使用

想定される用途

・新しい抗インフルエンザ薬の化学合成への利用
・様々な医薬品関連化合物の化学合成への利用
・様々な機能性材料の化学合成への利用

関連情報

・サンプルの提供可能

15:30~15:50 創薬
12)  有機ボロン酸を使ったキラル医薬品の迅速合成
発表資料

北海道大学 大学院工学研究院 有機プロセス工学専攻 特任准教授 山本 靖典
http://researchmap.jp/read0183624

新技術の概要

我々は高活性ボロン酸誘導体とキラル触媒の開発を行った。キラルパラジウム、ロジウムおよびルテニウム触媒不斉付加反応により高効率かつ高選択的に多くのキラル化合物が合成可能になった。開発したキラル触媒反応は、プロピオン酸系非ステロイド性抗炎症薬、過活動膀胱治療薬、高血圧治療薬、ぜんそく治療薬、抗炎症薬、抗生物質等の合成に応用し、その実用性を確認した。

従来技術・競合技術との比較

有用キラル化合物の高効率、高選択的合成を可能にする触媒およびボロン酸誘導体を開発した。これら反応により医農薬品候補品合成に役立つ中間体を迅速かつ高純度で合成できる。

新技術の特徴

・高純度キラル化合物の迅速合成
・キラル医薬品合成中間体の合成
・キラル触媒反応用高活性ボロン酸誘導体

想定される用途

・キラル医薬品合成
・キラル有機機能材合成
・キラル合成中間体

関連情報

・サンプルの提供可能

J-STORE掲載特許情報

15:50~16:10 アグリ・バイオ
13)  光学活性アミノホスホン酸およびスルホン酸の簡便合成
発表資料

名古屋工業大学 大学院工学研究科 未来材料創成工学専攻 准教授 中村 修一
http://www.ach.nitech.ac.jp/~organic/nakamura/index.html

新技術の概要

医薬品候補化合物に広く含まれるアミノホスホン酸およびスルホン酸前駆体の簡便で環境負荷が低い合成法を開発した。アジリジンへの不斉求核付加反応において、新たに開発した不斉触媒を用いることで、両化合物とも立体選択的に合成が可能となる。

従来技術・競合技術との比較

アジリジンの不斉開環反応は広く検討されているものの、β-アミノホスホン酸およびスルホン酸前駆体の効率的不斉合成法は、報告例がほとんどない。

新技術の特徴

・光学活性β-アミノホスホン酸およびスルホン酸の高立体選択的で簡便な合成が可能
・アジリジンへの不斉求核付加反応において、市販が計画されている不斉触媒を用いる
・低環境負荷

想定される用途

・医薬品
・農薬
・ファインケミカル

J-STORE掲載特許情報

16:10~16:30 アグリ・バイオ
14)  亜鉛(Ⅱ)アート錯体による立体選択的なアルキル付加技術を用いた人工アミノ酸ライブラリーの構築
発表資料

名古屋大学 大学院工学研究科 化学・生物工学専攻 准教授 波多野 学
http://www.ishihara-lab.net/

新技術の概要

グリニャール反応剤と塩化亜鉛から成る亜鉛(Ⅱ)アート錯体を用いて、α-イミノエステルへ位置選択的・立体選択的にアルキル付加することで、種々の人工アミノ酸(α位が2置換のアミノ酸)を高収率で合成できる。グラムスケールまでのスケールアップも確認済み。

従来技術・競合技術との比較

アミノ酸ライブラリーは重要な工業的資産である。特に、α-イミノエステルへの選択的アルキル付加反応は、最も簡便なα-置換アミノ酸合成法だが、従来の技術では位置選択性と立体選択性の制御が困難であり、技術移転のハードルは高かった。

新技術の特徴

・アミノ酸のα位に完全な立体選択性で望むアルキル基を導入できる
・副生成物が殆ど無いため、生成物の精製が不要、もしくは極めて容易
・亜鉛アート錯体は、毒性が低く、安定で安全ゆえ、スケールアップ合成に好都合

想定される用途

・低コスト・高効率な人工アミノ酸ライブラリーの構築
・人工アミノ酸ライブラリーによる低分子医薬品の合成
・世界で2兆円弱の市場があるペプチド医薬品のキラルビルディングブロックとしての活用

関連情報

・外国出願特許あり
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