発表内容詳細

10:50~11:20 環境
1)  気体分離膜及び該気体分離膜を用いる二酸化炭素の分離方法
発表資料

福井大学 工学研究科 材料開発工学専攻 准教授 阪口 壽一
http://kou25hp.eng.u-fukui.ac.jp/matse/research/research02/r024/

新技術の概要

二酸化炭素と親和性の高いオキシエチレン鎖を含むABA型トリブロックコポリマーは、熱可塑性エラストマーとしての性質を示し、その膜は優先的に二酸化炭素を透過させる特徴を持つ。また、置換アセチレン系ポリマーでは選択性は低下するが、非常に高い透過性を示す。

従来技術・競合技術との比較

従来のオキシエチレンポリマーは、製膜するために多くの架橋点が必要であり、そのために気体透過性は低下してしまう。本技術は、ポリマーの両端だけが架橋点として作用するため、中央のオキシエチレンセグメントが効率よく働き、高い透過性と分離性能を両立する。

新技術の特徴

・親水性エラストマー
・温度応答性エラストマー
・プロトン伝導性(スルホン化ポリアセチレン)

想定される用途

・燃焼ガスからの二酸化炭素分離
・空気の酸素濃縮
・浸透気化分離

11:20~11:50 機械
2)  油状態監視方法及び油状態監視装置
発表資料

福井大学 大学院工学研究科 機械工学専攻 准教授 本田 知己

新技術の概要

本方法では、油の劣化状態の監視をするに際し、機械または設備で使用された油をろ過する。ろ過によって、ろ過前の油に存在していた汚染物をフィルタに捕捉する。そのフィルタに光を投射し、投射された光がフィルタを透過した透過光の色成分を検出することで、油の状態監視を行う。

従来技術・競合技術との比較

従来の技術では、精度の良い油の状態監視のためには専門メーカーに分析を依頼する必要があり、コストや判断までの時間に問題があった。本技術は、オンサイト、短時間、低コストで潤滑油の状態監視が可能であり、かつ、劣化のごく初期段階を精度良く診断できる。

新技術の特徴

・食用油の劣化状態監視
・水質汚染の状態監視
・河川門扉の開閉装置の状態監視

想定される用途

・潤滑油を大量に使用する発電プラントのすべり軸受の状態監視
・自動車分野での大型プレスの潤滑管理
・航空機の油圧機器の状態監視

関連情報

・展示品あり(油状態監視装置(CPA:Colorimetric Patch Analyzer))
・外国出願特許あり

J-STORE掲載特許情報

13:10~13:40 医療・福祉
3)  簡便で経済的な自閉症マウスモデルの作成法とその利用
発表資料

福井大学 子どものこころの発達研究センター こころの形成発達研究部門 特命助教 栃谷 史郎
https://sites.google.com/site/kokoromatsuzaki/

新技術の概要

自閉症スペクトラム症候群の発症率は1.47%にも上る(2010年米国CDC調査)。自閉症スペクトラム障害の様々な症状は本人ばかりではなく、周囲の負担となる。自閉症スペクトラム障害の発症機構研究やその症状を緩和する医薬の開発、評価に有効なマウスモデルの作成法とその利用法を紹介する。

従来技術・競合技術との比較

従来の薬剤等投与による自閉症モデル動物作成法としては、バルプロ酸を妊娠マウスに投与する方法や2本鎖RNA、リポ多糖などの投与により妊娠マウスの免疫を不活化する方法が知られている。しかしながら、従来の薬剤投与によるモデルマウスの作製方法では、自閉症様の行動を示すマウス仔が安定的に得られない等の問題がある。今回紹介する方法は、簡便で、安価な薬剤を用いた、再現性の高い方法である。

新技術の特徴

・簡便で、安価な薬剤を用いた、再現性の高い自閉症様行動を示すモデルマウスの薬剤投与による作成
・行動実験指標をもとにした自閉症様行動を緩和する医薬の評価

想定される用途

・自閉症スペクトラム障害の発症機序の研究
・自閉症スペクトラム障害の様々な症状を緩和する医薬の評価とスクリーニング
・社会的行動の基礎となる神経ネットワークに関する研究や社会的行動の基礎となる神経ネットワークの刺激法の開発

関連情報

・試作法指導可能
・外国出願特許あり

13:40~14:10 創薬
4)  子育て困難を支援する「愛着障害の診断法と治療薬」の開発
発表資料

福井大学 子どものこころの発達研究センター Age2企画部門 教授 友田 明美
http://tomoda.me/

新技術の概要

児童虐待・ネグレクトによって高頻度に発症する愛着障害は、他の重篤な精神疾患へ推移するため、青少年たちの社会適応困難が深刻化し、凶悪犯罪が後を断たない。従来の治療で効果がみられなかった患者、特に言語化するのが困難な低年齢の子供の愛着障害の早期診断を可能にする脳科学的スクリーニング法の開発および治療法を開発中である。

従来技術・競合技術との比較

自閉症や境界性人格障害患者にオキシトシン点鼻薬を投与し、社会性に関する臨床症状の改善事例はあるが、愛着障害患者に対する適用報告はない。本技術は、従来の認知行動療法やトラウマ曝露療法で効果がみられなかった愛着障害患者、特に言語化するのが困難な低年齢児に対して、オキシトシン点鼻薬で治療できる。

新技術の特徴

・子育て支援のためのツール開発に応用可能
・子育て困難のための予防法開発に応用可能
・家族支援のためのツール開発に応用可能

想定される用途

・児童養護施設の子どもたちの診断・治療
・子育て困難な家庭の支援法
・社会適応困難な子どもたちのモニタリング

関連情報

・外国出願特許あり

14:10~14:40 創薬
5)  糸球体腎炎の新規治療薬としての分泌型FSP1の可能性

福井大学 医学部 腎臓病態内科学 教授 岩野 正之
http://jinnai.med.lab.u-fukui.ac.jp/

新技術の概要

新規TLR4阻害因子である分泌型FSP1は、メサンギウム細胞におけるTNF-α、MCP-1、IL-6などのサイトカイン産生を抑制する新しい免疫抑制効果を有する糸球体腎炎治療薬になる可能性がある。

従来技術・競合技術との比較

糸球体腎炎の治療薬としては副腎ステロイド薬や免疫抑制薬があるが、骨粗鬆症や間質線維化などの副作用がある。

想定される用途

・糸球体腎炎の治療薬
・膠原病の治療薬
・炎症性疾患の治療薬

J-STORE掲載特許情報

14:50~15:20 医療・福祉
6)  大腸癌に対するPROK1因子を標的とした新規治療について
発表資料

福井大学 医学部 外科学(1) 講師 五井 孝憲

新技術の概要

大腸癌の治療法の1つに血管新生増殖因子:VEGF(vascularendothelial growth factor)因子を標的とした方法があり、臨床応用されている。今回のPROK1因子はVEGF因子とは構成は全く異なり、血管新生の抑制ならびに腫瘍増殖能の抑制が認められたことから新規の大腸癌治療法への可能性がある。

従来技術・競合技術との比較

今回のPROK1因子は、大腸癌の治療法として臨床応用されている血管新生増殖因子に対するVEGF(vascular endothelial growth factor)因子と構成は全く異なり、詳細に検討した研究は皆無である。

新技術の特徴

・大腸癌に対する新規標的分子
・大腸癌に対する新規治療法

想定される用途

・大腸癌症例への新規治療法

15:20~15:50 アグリ・バイオ
7)  遺伝子末端に簡便に標識を付ける新手法
発表資料

福井大学 大学院工学研究科 生物応用化学専攻 准教授 沖 昌也
http://acbio2.acbio.u-fukui.ac.jp/biochem/oki-hp/

新技術の概要

特定のアミノ酸配列からなる標識(tag)は、遺伝子の発現や機能を解明するために様々な生物における研究に利用されている。本発明は、染色体上の目的の遺伝子の末端に目的とするtag配列が挿入された形質転換体を簡便に作製するための新技術である。

従来技術・競合技術との比較

従来までの技術では、目的の遺伝子の末端にtag配列を付加するためには煩雑なクローニング操作が必要で迅速な研究開発の妨げとなっていた。本技術では、これらの問題点を解決し、迅速かつ簡便に目的の組換え体の作製が可能となった。

新技術の特徴

・煩雑なクローニング操作を行わず目的の組換え体の作製が可能
・全てのtagで行うことが可能
・目的の組換え体作製にかかる時間の大幅な短縮

想定される用途

・目的の組換え体を作製する際に必要となるtagを含むプラスミドの商品化
・様々な生物種での目的の遺伝子にtagを付加するための手段
・本技術により作製した組換え体の商品化

関連情報

・サンプルの提供可能

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15:50~16:20 アグリ・バイオ
8)  ナノファイバーを用いた培養細胞の直接凍結保存技術
発表資料

福井大学 大学院工学研究科 繊維先端工学専攻 准教授 藤田 聡
http://acbio2.acbio.u-fukui.ac.jp/bioeng/suye/

新技術の概要

本技術では、ナノファイバーにより作製した基材上で細胞を培養しこれを凍結することで、細胞を剥離させることなく、接着させたまま直接凍結保存させることができる。融解した細胞は高い生存率を維持している。

従来技術・競合技術との比較

接着細胞の凍結保存においては、細胞を剥離させてから凍害保護剤に懸濁、凍結する。この工程を経た細胞は生存率が低く、融解後の増殖も遅いため培養にも時間がかかる。本技術では凍結融解後から使用までをスピーディに行うことが可能となる。

新技術の特徴

・臨床検査用検体の保存
・ハイブリッド人工臓器(人工肝臓、人工膵臓、人工血管等)の長期保管
・凍結困難生物リソースの保存

想定される用途

・臨床用の間葉系幹細胞バンク
・研究細胞保管バンク
・薬理活性測定用細胞のバンキング

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり(細胞培養用基材)
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