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発表内容詳細

9:30~9:55 製造技術
1)  震災等の非常用や後進国電源確保のための製作容易な小型風車
発表資料

福島大学 共生システム理工学類 産業システム工学専攻 教授 島田 邦雄
http://www.sss.fukushima-u.ac.jp/~shimadakun/index.html

新技術の概要

震災時には非常用電源の確保が急務となる。また、断面が流線形でねじりが必要な従来のプロペラ型の小型風車では、発展途上国においては、先進国から高価な代物として導入しなければならない不便さがある。これらの状況を解決すべく、平板を曲げて寝せるだけといった誰でもが簡単に製作できるブレードからなる新しい小型風車を提案する。

従来技術・競合技術との比較

従来のプロペラ型の小型風車では、断面が流線形でねじりが必要であることから、誰でもが簡単に製作できる訳でもない。したがって、それなりの価格となるため、後進国で電力を確保するために小型風車を展開することが難しい。これに対して、提案する本風車は、誰でもが簡単に安価に製作可能である。

想定される用途

・発展途上国における電力確保のための小型風車の事業展開
・震災時における簡単に製作可能な小型風車による電源確保のための事業
・再生可能エネルギー供給手段としての小型風車の普及促進

関連情報

・当日小型風車のデモ・展示を行います。

10:00~10:25 製造技術
2)  砂利や砂で有機性汚水をろ過して浄化する多段式の伏流式人工湿地システム
発表資料

農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター 生産環境研究領域 主任研究員 加藤 邦彦
http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/press/laboratory/tarc/049081.html

新技術の概要

酪農場、養豚場、養鶏場、食品工場などから排出される有機性汚水を浄化処理する多段式の伏流式人工湿地ろ過システムを開発し、北海道や東北において9年間にわたり現地検証した。ろ床の目詰まりを回避するバイパス構造や軽量なガラスリサイクル発泡資材の活用、酸化・還元のハイブリッド方式、交互乾燥と循環の併用などにより、従来より省スペースで低コストな人工湿地システムを汚水の濃度と量や目標水質に応じて提供できる。

従来技術・競合技術との比較

面積あたりの浄化効率が世界的な設計標準値よりも大きいことを現地実証し、既存の伏流式人工湿地システムの1/5から半分程度の省スペースで設置できる。また、同じ処理能力を有する従来の機械的処理法に比べ、初期費用は3分の2程度、電気使用料などの運転費用は20分の1程度である。

想定される用途

・畜産施設からの有機性汚水の浄化処理(酪農場、養豚場、養鶏場)
・食品工場、水産加工場などからの有機性汚水の浄化処理
・河川や湖沼などの窒素・リンの低減による水質浄化

関連情報

・自動サイホンを備えた伏流式人工湿地の模型

10:30~10:55 環境
3)  酸化セリウム系ガラス研磨材のリユース・リサイクル技術
発表資料

福島大学 共生システム理工学類 産業システム工学専攻 教授 佐藤 理夫
http://www.sss.fukushima-u.ac.jp/welcome/compendium/29

新技術の概要

ガラス研磨材はレアアースを主成分とするため価格が高騰しており、リユース・リサイクル技術が求められている。しかし、リユースには研磨力を回復させる必要があり、またスラリーの形で回収される使用済研磨材は微細であって沈降等による分離操作が困難であった。本技術では、使用済研磨材スラリーを凍結・解凍するという簡便な操作で研磨材の2次粒子を再形成させ、研磨力を回復させると共に研磨材の分離操作を容易にする。

従来技術・競合技術との比較

ガラス研磨材のリサイクルはこれまで事例が少ない。本技術は、これまでの技術のように凝集剤などの化学薬品を使用せず、しかも高温高圧といった環境も必要としないため、小規模事業所でも容易に導入できる可能性がある。

想定される用途

・ガラス研磨事業所による、使用済研磨材スラリーからの再生研磨材作成
・スラリー処理事業者による、レアアース資源回収

関連情報

・使用済スラリーや凍結解凍後のサンプルの持ち込みあり

11:00~11:25 製造技術
4)  排気ガス中揮発性有機塩素化合物の循環効率的な除去処理技術
発表資料

慶應義塾大学 理工学部 応用化学科 教授 田中 茂
http://www.applc.keio.ac.jp/~tanaka/lab/

新技術の概要

排気ガス中ジクロロメタン(DCM)、トリクロロエチレン(TCE)等の揮発性有機塩素化合物(VOCC)の除去処理技術として、冷却フィンに除去液を噴霧する方法を開発した。VOCCを吸収した除去液の再生処理を考慮して、最適な除去液として20種類の高沸点グリコール系溶剤について検討した結果、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(TEGDME)が最適であった。ガス吸収温度10℃の場合、排気ガス風量:1m3/min、除去液噴霧流量:1L/min、二段並流方式により、排気ガス中DCM、TCEの除去効率は90%以上となった。

従来技術・競合技術との比較

従来技術の活性炭などの吸着剤で、十分にジクロロメタンを吸着除去できない。冷却凝縮では、排気ガス処理風量が小さく、エネルギー・コストがかかる。この様な問題を解決するために、ジクロロメタン等の揮発性有機塩素化合物(VOCC)の溶解性の高い除去液を使用し効率よく排気ガス中VOCCを除去処理できる。

想定される用途

・印刷洗浄過程でのジクロロメタンの除去処理
・ドライクリーニング過程でのトリクロロエチレンの除去処理
・半導体製造乾燥プロセスでのイソプロピルアルコールの除去処理

関連情報

・VOC吸収用冷却フィン

11:30~11:55 情報
5)  磁気映像化による非破壊画像検査 - 電子部品,リチウム蓄電池内部の故障個所を特定 -
発表資料

神戸大学 大学院理学研究科 化学専攻 准教授 木村 建次郎
http://www.chem.sci.kobe-u.ac.jp/staff/Kimura/

新技術の概要

近年、電子部品の高度集積化が進展し、部品内部の電気的故障個所の特定が困難になってきている。本技術では高感度薄膜磁気センサを電子部品周辺にて走査して得られる磁場データから、2つの数学的信号処理技術を用いて、電子部品内部の電流密度分布を非破壊映像化する。この技術では、アルミなど常磁性体の金属で被覆された内部の電流経路も可視化することができ、従来光学的手法では困難だった配線欠陥の特定も容易となる。電子部品、LSI配線, プリント基板、蓄電池検査に活用されている。

従来技術・競合技術との比較

電子部品内部の電気的な故障解析は、主にOBIRCHによって行われていたが、この手法は、金属パッケージや電極下の欠陥は映像化できない。本手法では、静磁場を検出し、静磁場の基礎方程式を積分幾何学的な計算手法を用いながら逆解析することにより、センササイズを越えた空間分解能にて非破壊映像化することが可能となる。

想定される用途

・蓄電池内部の非破壊検査、短絡個所の映像化
・電子部品内部の配線の故障解析
・X線を用いない金属異物検査

関連情報

・デモの見学、故障解析相談を受けます。
・再構成ソフトウェアのデモ
・外国出願特許あり

13:00~13:25 エネルギー
6)  雷蓄電から電気自動車利用への固体電子蓄電の開発
発表資料

東北大学 未来科学技術共同研究開発センター 次世代移動体システム研究会 客員教授 福原 幹夫
http://mobility.niche.tohoku.ac.jp/

新技術の概要

本技術は従来の溶液媒介の電気化学反応による湿式電池とは原理の全く異なる固体物理電子蓄電デバイスの研究開発に関する。提案者は陽極酸化により50 nm径の噴火口を持つアモルファスTi酸化物被覆Ti-Ni-Si系アモルファス合金リボン表面に仕事関数約5.5 eVの電荷が広範囲に集積することを世界で初めて発見し、直流、交流の充放電特性を測定してきた。分布定数ナノキャパシタからなるデバイスは1 ms以下の瞬時の充電特性を持つ。

従来技術・競合技術との比較

従来電池は電圧~3.4 V、充電時間10分以上、液体使用のため使用温度は常温付近、更にLiは高価で発火性があり資源が遍在しているのに対し、本蓄電体は電圧~200 V、瞬時充電、安価で健康的な固体元素のため使用温度は極低温から300℃で使用可能という大きなメリットを持つ。

想定される用途

・電気自動車用蓄電体
・雷・大気電流蓄電
・送電線廃止

関連情報

・開催当日の展示品(成果物・サンプル等)の持ち込みあり

13:30~13:55 製造技術
7)  常温常圧下でメタン,ベンゼンを水酸化する金属酵素模倣型触媒
発表資料

名古屋工業大学 大学院工学研究科 未来材料創成工学専攻 教授 増田 秀樹
http://www.ach.nitech.ac.jp/~inorg/masuda/Japanese/

新技術の概要

化成品や医薬品の原材料として有用なメタノールやフェノールの需要は大きい。これらの工業的製法は収率も低く、しかも環境への負荷が大きいという課題がある。申請者は生物界に存在しメタンをメタノールに水酸化するメタンモノオキシゲナーゼ及びフェノールを水酸化するチロシナーゼという金属酵素に着目し、それらの活性中心構造を規範とした金属酵素摸倣型二核銅錯体の合成に世界に先駆けて成功した。現在その実用化を探索している。

従来技術・競合技術との比較

現在のメタンからメタノールの合成は水蒸気改質法が主流であるが,800℃以上と極めて高温下での反応システムであり,その収率は20%前後である。また,フェノールの合成に至っては3段階での合成であるだけでなく,収率は5%程度と極めて低い。本法は収率はまだまだであるが,常温常圧下での反応であり,しかも反応過程は1段階と省エネである。

想定される用途

・メタノール製造
・フェノール製造
・フェノールの水酸化

J-STORE掲載特許情報

14:00~14:25 製造技術
8)  電池の劣化を知る技術
発表資料

東海大学 工学部 動力機械工学科 教授 坂本 俊之
http://www.ed.u-tokai.ac.jp/laboratory/sakamoto/index.html

新技術の概要

移動体用電源の電池は、温度などの環境に影響を受け、またリアルタイムで劣化や充電状態を知ることが難しかった。研究者は簡単な測定装置構成によって電池の劣化状況などを測定する手法を開発した。本技術は、①複素ACインピーダンス法を用い、②基準環境への補正手法で環境に影響されない診断技術である。①簡易バッテリ劣化メータ・劣化測定ツールなどへの応用、②サイクル寿命を延ばす充放電制御などへの応用が期待できる。

従来技術・競合技術との比較

インピーダンス法で診断する技術もあるが、測定条件に大きく影響を受ける。本技術は複素ACインピーダンスを用い、環境等の補正手法をも備えており実効性が高い。本技術は統計的手法により適正診断を実現する。

想定される用途

・サイクル寿命を伸ばす制御アルゴリズム
・簡易バッテリ劣化メータ
・簡易バッテリ劣化測定ツール

14:30 ~14:55 環境
9)  セルロース性バイオマス高効率糖化のための改変型β-グルコシダーゼ
発表資料

大阪府立大学 大学院生命環境科学研究科 応用生命科学専攻 准教授 炭谷 順一
http://www.biochem.osakafu-u.ac.jp/AM/

新技術の概要

現在世界最強のセルラーゼ剤と言われているトリコデルマ属のセルラーゼ剤はβ-グルコシダーゼ(BGL)活性が不十分で単糖生成力が低いという問題があるが、Aspergillus aculeatus由来BGLは既存のBGLの中で最も添加効果が高い。我々は立体構造の情報を基に変異を導入することで比活性が上昇した変異BGLや生成物阻害が緩和された変異BGLを創製することに成功した。

従来技術・競合技術との比較

本BGL遺伝子をトリコデルマ属菌株に導入して調製した酵素剤は、既存の酵素剤よりも高い前処理バイオマス分解活性を示す。分解性能が強化されたBGLを用いることで、さらに高活性な酵素剤を創製できることが期待される。

想定される用途

・セルロース性バイオマスの酵素糖化
・転移活性を利用した配糖体の酵素合成

関連情報

・サンプルの提供可能

15:00~15:25 エネルギー
10)  有機無機ペロブスカイト太陽電池材料の多様化技術と安価プロセスの開発
発表資料

上智大学 理工学部 物質生命理工学科 准教授 竹岡 裕子
http://rscdb.cc.sophia.ac.jp/Profiles/57/0005665/profile.html

新技術の概要

有機無機ペロブスカイト型化合物を用いた太陽電池が報告されて以来、非常に高い発電効率が報告されており、ペロブスカイト太陽電池に注目が集まっている。ペロブスカイト型化合物の特徴は、有機層と無機層を種々変えることができる点にあるが、太陽電池には(CH3NH3)PbX3が限定的に用いられている。我々はペロブスカイト薄膜の安価な製膜法の開発とフラーレンを導入したペロブスカイト化合物の合成に成功した。それにより安価かつ高耐久性の太陽電池の創製が期待できる。

従来技術・競合技術との比較

この2年ほどにわたり、ペロブスカイト太陽電池の報告は非常に増えている状況である。ただし、材料は1,2種類に限定されている状況である。我々は多種多様なペロブスカイトの合成に成功しており、この点において、他者に先んじている。今後、ペロブスカイト太陽電池の展開を広げる可能性が高いと考えられる。

想定される用途

・太陽電池

15:30 ~15:55 環境
11)  パン酵母を利用する貴金属・レアメタルのバイオ回収技術
発表資料

大阪府立大学 大学院 工学研究科 物質・化学系専攻 化学工学分野 教授 小西 康裕
http://www.konishi-labo.chemeng.osakafu-u.ac.jp/

新技術の概要

都市鉱山(使用済み家電品、自動車、工業廃液など)に希薄な濃度レベルで存在するレアメタル・貴金属を、効率よく、低コストで回収できるバイオ利用リサイクル技術である。しかも、レアメタル回収に使用する微生物は、食品分野の汎用品であるパン酵母であり、低コスト・大量入手が容易である。本バイオ技術を応用すれば、簡便な方法で、溶液中の貴金属・レアメタルを迅速に回収できることから、都市鉱山の集積地域でもリサイクル事業が可能となる。

従来技術・競合技術との比較

競合技術(化学的、物理的方法)に比べて、バイオ技術をベースにしたレアメタル等回収は、エネルギーや化学薬品の消費量が少ない低エネルギー型技術である。その上、低コスト・大量入手が容易なパン酵母を用いて、都市鉱山からのレアメタル回収に適用できる“効率の良い、経済的なバイオ技術”である。

想定される用途

・都市鉱山(使用済み電子部品、工業触媒等)からのレアメタル・貴金属のリサイクル
・工業廃水等からの低濃度レアメタル・貴金属の回収・再資源化
・微生物細胞を反応場・担体として活用する工業用触媒(燃料電池の電極触媒など)の開発

関連情報

・外国出願特許あり

16:00~16:25 製造技術
12)  固体および薄膜中で高効率発光を示す有機分子を用いた太陽電池用集光器の開発
発表資料

信州大学 学術研究院教育学系 理科教育グループ 准教授 伊藤 冬樹
http://rika.shinshu-u.ac.jp/ito/fipage/index.html

新技術の概要

蛍光性色素であるアボベンゾンフッ化ホウ素錯体を用いて50から96%の高い蛍光量子収率を示す高分子薄膜を作製した。薄膜への色素分散濃度を変化させることによって、発光波長の制御も可能である。この色素は合成が安価でかつ容易であり、光耐久性も高い。この薄膜を利用すると太陽電池で利用できない紫外波長域の光を有効利用できる発光型集光器への展開が可能である。

従来技術・競合技術との比較

レーザー色素は、濃度消光や自己再吸収の影響が大きい。量子ドットでは、その量子収率が低い。最近報告された会合誘起蛍光色素系では、耐久性や開発コストに対して問題がある。我々の分子は、これらの重要な因子をほぼクリアできる。

想定される用途

・発光型集光器
・太陽電池用補助光源
・有機半導体レーザー

関連情報

・開催当日の展示品(成果物・サンプル等)の持ち込みあり
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