発表内容詳細

10:45~11:15 創薬
1)  膵がんに対する新規細胞標的療法の開発
発表資料

札幌医科大学 医学部 腫瘍・血液内科学講座 准教授 瀧本 理修

新技術の概要

本技術は、膵がんの診断に用いられている腫瘍マーカーに着目し、その合成に必須な糖鎖が膵がん細胞へ特異的に取り込まれることを利用して、抗がん剤を搭載し糖鎖で修飾したリポソームを作製することで膵がん細胞へ特異的に薬剤を送達するシステムである。

従来技術・競合技術との比較

癌の薬物療法は近年、腫瘍特異性を高める為に種々のDDSが開発されている。抗がん剤をリポソームやPEGに内包化し薬剤送達性を高める方法、癌細胞に発現する抗原をねらった抗体と薬物を直接結合させる方法などが用いられている。しかしながら、いずれも腫瘍特異性に乏しく、正常細胞への影響は免れず有害事象により十分な効果が得られていない。一方本技術は、膵がん細胞が持つ糖鎖要求度の亢進という生物学的特性を利用した画期的な手法であり、正常細胞に対する影響も低く、癌細胞特異性が極めて高い。更に、糖鎖要求度の亢進している他の癌腫(胃癌、大腸癌)にも応用可能であり、内包化する抗がん剤も変更可能であることから汎用性の高いDDSである。

新技術の特徴

・胃癌、大腸癌治療への応用
・診断薬としての応用

想定される用途

・癌治療薬
・がん診断薬

関連情報

・外国出願特許あり

11:15~11:45 アグリ・バイオ
2)  従来の波長領域とは異なる光エネルギーが吸収可能なバクテリオクロロフィル
発表資料

久留米大学 医学部 医学科医化学講座 講師 原田 二朗
http://research.kurume-u.ac.jp/data.php?scode=82055632889065

新技術の概要

本発明の緑色硫黄細菌Chlorobactrum limnaeumの遺伝子改変可能な株は、これまで形質転換が確認されている種類とは異なる色素を持っており、光合成における光エネルギー特性が異なる。すなわち、これまでとは異なる波長領域での光エネルギー取得やセンサーの開発が可能となる。

従来技術・競合技術との比較

緑色硫黄細菌はそれらが持つ光合成特性や硫黄代謝能力から、その有用性に注目をされてきた。よって、目的に応じた遺伝子改変に機能改善変異体の作製に注目を受けている。しかし、緑色硫黄細菌において、形質転換が確認されている株は非常に少なく、それらの開発の律速段階になっている。さらには、従来より形質転換系が確立している緑色硫黄細菌Chlorobaculun tepidumは中高熱性で最も早い成長を示すが、今回単離した株は、常温で早い生育速度を示す。

新技術の特徴

・従来より短波長の光エネルギーが吸収可能なバクテリオクロロフィル
・常温で早い生育速度を示す

想定される用途

・癌診断マーカー
・センサー
・汚水処理

関連情報

・外国出願特許あり

11:45~12:15 アグリ・バイオ
3)  新しいビフィズス菌増殖刺激物質(BGS)
発表資料

新技術の概要

近年ビフィズス菌増殖刺激物質(BGS)である1,4-ジヒドロキシ-2-ナフトエ酸(DHNA)がプロピオン酸菌培養液から発見された。今回新しいBGSとして安定なDHNA関連化合物を開発した。

従来技術・競合技術との比較

従来のDHNAは酸化により容易に分解されるため、それを防ぐため窒素置換、抗酸化剤の共存等の工程が必要とされていた。新規BGSは様々なpHで極めて安定な化合物である。

新技術の特徴

・天然物が母体となっている
・生体から検出されている
・様々なpHで安定である

想定される用途

・腸内フローラを改善(便秘を予防)する健康食品や医薬品
・骨粗しょう症を予防する健康食品や医薬品
・炎症性腸疾患、ヘリコバクター・ピロリ菌除菌、アレルギー等に有効な健康食品や医薬品

関連情報

・サンプルの提供可能(MTA締結後の提供)

13:20~13:50 医療・福祉
4)  急性一酸化炭素中毒における光照射を用いた新しい治療
発表資料

聖マリアンナ医科大学 救急医学 非常勤講師 鹿志村 剛

新技術の概要

一酸化炭素中毒に対し安価でどの医療機関でも使用可能な治療器具として血液に光を照射するカテーテルを発明した。本発明はこの一酸化炭素ヘモグロビンに対し光を効率的に体内で照射するカテーテルであり一酸化炭素の解離を効率よく促進するものである。

従来技術・競合技術との比較

現在、一酸化炭素中毒は、高圧酸素治療が主流であり、治療に長期間を要し、予後に予想できない後遺症があることが報告されている。本技術は、これらの課題を解決するための新規の医療機器であり、新規性・優位性を有する。

新技術の特徴

・1.高圧酸素療法を有する大規模な施設へ搬送しなくても、救急外来で初期治療が可能となる。
・2.救急車両にも搭載が可能で現場での迅速な治療を開始する事も可能である。
・3.高圧酸素療法や高濃度酸素吸入といった従来の治療と組み合わせる事でさらに酸素化を効率よく促進する事が出来る。

想定される用途

・一般病院でも可能な一酸化炭素中毒治療法として患者の救命率の向上や、また従来の治療法の効率を高める一助。

関連情報

・外国出願特許あり

J-STORE掲載特許情報

13:50~14:20 医療・福祉
5)  微量検体を用いた事前検査にも応用可能な迅速アレルギー検査方法
発表資料

福岡大学 医学部 医学科 講師 芝口 浩智

新技術の概要

微量検体を用いて細胞の動態を解析することで各種検査を行う。アレルギー様症状の発現時には、(1)アレルギー発現の診断および(2)原因の同定。また、(3)事前解析によりアレルギー発現の回避を可能とする。

従来技術・競合技術との比較

検査に必要な採血量が最大で従来の1/10以下。検査に要する時間は、診断では1時間程度と従来の1/100以下。従来の検査でアレルギーの原因薬剤が特定できなかった症例について、本検査方法で原因の特定が可能であった。

新技術の特徴

・検体中の走化因子濃度に応じて遊走する細胞の動態解析を高感度・高精度に行う
・少量のサンプルで短時間に結果が判明する

想定される用途

・現在汎用されているアレルギー検査に先立って行うことで、アレルギーか否かの判断が迅速に行える(アレルギー検査の第一選択肢)
・各種疾患の薬物治療時に大きな問題となる予期せぬ重篤な薬剤アレルギーの事前回避と安全な薬剤の選択を可能にする(事前検査・個別化医療)
・新規のアレルギー治療薬の開発に応用することが可能(新規創薬システム)

14:20~14:50 医療・福祉
6)  新規コレクチンによるDIC診断法

旭川医科大学 医学部 医学科微生物学講座 教授 若宮 伸隆
http://www.asahikawa-med.ac.jp/index.php?f=facilities_guide+kiso_biseibutu

新技術の概要

若宮らが開発したCL-K1血中濃度測定技術は世界で初めてのCL-K1測定系であり、本法により、DIC診断が可能になる。

従来技術・競合技術との比較

DIC診断は、厚生省の診断基準や各診療科により個別の診断基準が存在し、統一されていない。若宮らが開発したCL-K1血中濃度測定技術によるDIC診断法は、簡易、迅速かつ安定したDIC診断法である。

新技術の特徴

・他の薬剤、化合物との融合(診断薬、治療薬)
・マイクロデバイスへの組み込み(簡易診断薬)

想定される用途

・DIC診断薬
・新規DIC治療薬や予防薬の開発

関連情報

http://shingi.jst.go.jp/past_abst/abst/p/14/1458/igakubu_06.pdf

15:00~15:30 創薬
7)  認知症治療物質としてのBKチャンネル活性化剤の選別
発表資料

金沢医科大学 医学部 生理学 教授 加藤 伸郎
http://www.kanazawa-med.ac.jp/

新技術の概要

認知症治療薬または認知症治療薬候補のスクリーニング方法。被検物質からBKチャネル活性化作用を有する物質を選択し、認知症モデル動物に選択物質を持続投与し、次いで前記認知症モデル動物の行動改善効果を確認する。

従来技術・競合技術との比較

現在のアルツハイマー病治療薬の開発は、情報伝達物質の細胞内蓄積とアミロイドβ抗体医薬が主流である。本件は、これらとは異なる新規メカニズムによる認知症治療薬またはその候補物質のスクリーニング方法である。

新技術の特徴

・認知行動改善効果の確認
・BKチャンネルを活性化する化合物の迅速な選択
・BKチャンネル活性化剤投与による行動的帰結の評価

想定される用途

・認知症薬開発
・認知症治療候補物質の探索
・既存化合物の認知症治療薬としての再検討

15:30 ~16:00 創薬
8)  細胞表面の糖鎖及びFGFシグナルを利用した精子運動能を亢進する方法
発表資料

浜松医科大学 医学部 産婦人科学講座 准教授 杉原 一廣
http://www.hama-med.ac.jp/uni_introduction_report_souran_07161504.html

新技術の概要

精子尾部の糖鎖構造に着目し鋭意研究を進め、糖鎖分解酵素とサイトカインとの併用により精子の直線的運動能の活性化と受精率の向上に成功した。この成果は男性不妊と体外受精の成功率を改善し不妊治療に貢献する。

従来技術・競合技術との比較

精子活性化剤として、金属キレート剤や抗酸化剤等が報告され、一部臨床にも利用されているが経験的な試薬にすぎない。本薬剤は、作用機作を解明し薬理効果を確認している。さらに体外受精率の改善で難治性不妊症治療が可能となり少子化に貢献する。

新技術の特徴

・精子尾部が糖鎖に覆われていることを見出し、さらに、FGF受容体が精子活性化に重要であることを見出した。
・精子運動が亢進するメカニズムを解明済
・EBGは本研究者グループがユニークに開発したものである。

想定される用途

・体外受精
・胚移植(IVF-ET)
・動物保存

関連情報

・外国出願特許あり

J-STORE掲載特許情報

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