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発表内容詳細

10:50~11:20 製造技術
1)  放射化法による99Mo/99mTc国産化技術
発表資料

大洗研究開発センター 照射試験開発課 課長 土谷 邦
http://www.jaea.go.jp/index.html

新技術の概要

本技術は、放射化法による99Mo/99mTc製造に向けた要素技術であり、①照射ターゲットの製造技術、②分離・抽出・濃縮技術及び③Moリサイクル技術を機能的に組合せることにより、ウランを用いない核医学検査薬の国内安定供給を目指す。

従来技術・競合技術との比較

ウランの核分裂を利用した99Mo製造と比較して、プルトニウムの生成はなく、核不拡散、核セキュリティ上の管理が低減されるとともに、国内生産により輸送等のトラブルも回避でき、安定供給が可能となる。

新技術の特徴

・高密度セラミックスの製造技術(特殊材料製造分野)
・溶媒抽出技術(化学工学分野)
・リサイクル技術(資源、化学工学分野)

想定される用途

・国内生産用Mo-99ジェネレータ
・国内生産用Tc-99m製剤

関連情報

・展示品あり(JMTR用ラビット照射容器、高密度MoO3ペレット、Mo吸着剤、など)
・外国出願特許あり

11:20~11:50 環境
2)  エマルションフロー法を利用したレアメタル等の回収・リサイクル技術
発表資料

原子力基礎工学研究センター 環境化学研究グループ グループリーダー 長縄 弘親
http://nsec.jaea.go.jp/cne/Green/top.html

新技術の概要

エマルションフロー法とは、油のような水と混じり合わない溶媒を用いて、水に溶けている溶存成分と水に懸濁・浮遊している固形成分の両方を、コンパクトでシンプルな装置を使って、低廉、簡便、迅速に回収・除去できる新しい手法です。

従来技術・競合技術との比較

従来の技術であるミキサーセトラー法と比較して、コストは5分の1以下です。また、処理スピードはミキサーセトラー法の10倍以上であるため、装置・設備のサイズを10分の1以下にコンパクト化できるので、大きな設置面積を必要としません。

新技術の特徴

・水と油が混合・乳濁した流れである“エマルション流”の発生と消滅を、ポンプ送液のみで簡便に制御する方法であること。
・機械的撹拌を行うことなく水と油をエマルション化でき、遠心力を用いることなくエマルションを水と油に迅速分離することができる方法であること。
・水と油の混合において、機械的撹拌での多分散乳化とは異なり、エマルションの均質性が高く、単分散乳化に近い状態が得られること。

想定される用途

・レアメタルの回収・リサイクル
・工業廃水の浄化
・化学品合成での生成物分離

J-STORE掲載特許情報

13:00~13:30 製造技術
3)  放射線グラフト重合体を利用した金属資源回収とバイオ燃料製造
発表資料

量子ビーム応用研究センター 環境機能高分子材料研究グループ 研究員 植木 悠二
http://www.taka.jaea.go.jp/eimr_div/EnvPolym/index_j.html

新技術の概要

放射線グラフト重合法は、既存の高分子材料にその物理的特性を損なうことなく別の機能を付与可能な技術である。本技術により作製したグラフト重合体の利用例として、温泉水に含まれるスカンジウム回収用材料やバイオディーゼル燃料製造用固体触媒について紹介する。

従来技術・競合技術との比較

放射線グラフト重合体は、取り扱いが簡便である。さらに、流体透過性及び物質移動効率が極めて高く、既存の粒子状樹脂と比較して10倍以上高速に目的物質を処理可能である。そのため、極低濃度の目的物質も取りこぼすことなく回収可能となる。また、この特長は化学反応の高効率な反応場(触媒)としても応用可能である。

新技術の特徴

・極低濃度溶液からの金属イオンの高効率な回収(環境浄化・保全)
・温和な条件で利用可能な高効率な反応場の提供(創薬)
・既存高分子材料への新規機能の付与(表面改質技術)

想定される用途

・有用/有害金属回収用材料
・水処理用フィルター
・化学合成用触媒

J-STORE掲載特許情報

13:30~14:00 材料
4)  高温強度に優れる酸化物分散強化型(ODS)フェライト鋼
発表資料

次世代高速炉サイクル研究開発センター 燃料材料開発グループ グループリーダー 皆藤 威二
http://www.jaea.go.jp/index.html

新技術の概要

ODSフェライト鋼は、フェライト系耐熱鋼(0.13C-9Cr-2W-0.2Ti)に熱的に安定な酸化物(Y2O3を均一に分散させた材料であり、600℃を超える高温でも優れた組織安定性と強度を有する。

従来技術・競合技術との比較

従来のフェライト系耐熱鋼に比べ、高温・長時間環境下でも優れた強度特性を有し、疲労特性にも優れる。また、フェライト鋼であることから、放射線による照射損傷抵抗性に優れる。

新技術の特徴

・高温・長時間環境下での優れた強度特性、疲労特性
・優れた照射損傷抵抗性を有し、放射化量も小さい
・(オーステナイト鋼に比べ)低熱膨張係数、高熱伝導度

想定される用途

・高放射線下で使われる装置の材料
・高温部材

関連情報

・展示品あり(棒材(10mmφ×200mmL))
・外国出願特許あり

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14:00~14:30 材料
5)  単一粒子の飛跡を利用したナノワイヤの形成技術
発表資料

量子ビーム応用研究センター 機能性セラミック材料研究グループ 研究副主幹 杉本 雅樹
http://www.taka.jaea.go.jp/eimr_div/index_j.html

新技術の概要

高分子薄膜にイオンビームを照射して、その飛跡に沿って円筒状の架橋部分を形成し、それ以外の未架橋部分を溶媒で溶解除去することでナノファイバーを作製する技術。

従来技術・競合技術との比較

単一ナノ粒子加工技術(SPNT)は、自己組織化のように特定の素材の性質に依存しないため様々な材料に応用でき、リソグラフィー等の方法に比べて遙かに大きなアスペクト比のナノワイヤーを作製することが出来る。

新技術の特徴

・放射線架橋する高分子材料に広く適用可能。
・本数(面密度)・長さ・太さをそれぞれ独立して同時に制御可能。
・複数の高分子材料を材料の順序で接続したナノワイヤーを作製可能。

想定される用途

・有機色素太陽電池
・疾患診断などに応用可能なタンパク質ナノ材料
・触媒材料

関連情報

・外国出願特許あり

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14:40~15:10 材料
6)  超高温高純度単結晶育成技術
発表資料

先端基礎研究センター アクチノイド物質開発研究グループ 研究主幹 芳賀 芳範
http://asrc.jaea.go.jp/

新技術の概要

機能性材料の超高温での単結晶試料の育成方法。特に2000℃以上の超高温領域では材料とるつぼの反応や蒸気圧等の問題が深刻となる。我々は、対象となる材料に応じた種々の育成手法を保有しており、これらをウラン及び希土類化合物に適用して高純度化を達成し、超伝導特性を大幅に改善することに成功した。

従来技術・競合技術との比較

3000℃を超える超高温環境下での単結晶育成が可能。代用的な例として、(1)高温環境下での水冷るつぼを使用したチョクラルスキー、(2)高蒸気圧物質を対象としたブリッジマン法が挙げられる。また、高融点の物質であっても(3)フラックス法や(4)気相成長法による低温での手法が適用できる場合があり、結晶成長が可能である。

新技術の特徴

・高温での遷移金属化合物の合成
・新素材評価のための少量単結晶作製
・新材料の分析、組成評価

想定される用途

・機能性物質の単結晶育成
・高純度化
・高温単結晶育成

15:10~15:40 材料
7)  3次元微細加工のための数100keV小型イオンマイクロビーム形成装置の開発
発表資料

高崎量子応用研究所 放射線高度利用施設部 ビーム技術開発課 研究主幹 石井 保行
http://www.taka.jaea.go.jp/tiara/index_j.html

新技術の概要

日本原子力研究開発機構では、「加速」と「集束」の機能を併せ持ったレンズの使用により、従来の装置に比べて非常に小型の数100keV~MeVイオンマイクロビーム形成装置を開発した。これは、エネルギーを連続可変できるため、従来よりも精密な3次元微細加工が可能である。

従来技術・競合技術との比較

微細加工で現在主に用いられている電子線は物質中での散乱が大きく、数μm以上の深度の加工には不向きである。一方、イオンビームはこの中での散乱が小さく、数10μmの深度の高アスペクト比(20以上)の加工が可能で、更にビームエネルギーを変えることでその深度の制御も可能である。

新技術の特徴

・ビームエネルギーを連続的に変えることでイオンの到達深度、即ち加工深度を連続的に変えることが可能
・水素やアルゴンガス等でのマイクロビーム形成により、イオンの残留が少ない照射が可能
・電場のみを用いた小型且つ高縮小率の集束レンズ系とガスイオン源により小型イオンマイクロビーム形成装置を構築

想定される用途

・数100nm~μmレベルの分解能で深さ方向に曲面を持つマイクロアレイレンズや金型の製作
・水素イオンビームによるダメージの少ない表面分析やアルゴンイオンビームの高スパッタリング効果による材料の切断
・一般的な大きさの実験室や工場内でのイオンマイクロビーム照射

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15:40~16:10 材料
8)  中性子を使って非破壊で埋もれた界面を観る
発表資料

量子ビーム応用研究センター 副センター長 武田 全康
http://j-parc.jp/MatLife/ja/index.html http://jrr3uo.jaea.go.jp/

新技術の概要

中性子反射率法は、ナノスケールの多層構造物質中に埋もれた界面の構造を調べることのできる非破壊的な構造解析手法です。その応用範囲は、磁性多層膜、高分子多層膜、生体膜、接着界面、電極界面など応用上重要なもの多岐に及びます。

従来技術・競合技術との比較

SEMやTEMのような表面や断面の構造解析と異なり、表面及び埋もれた界面の構造を非破壊で調べることができます。X線でも反射率測定は可能ですが、中性子はX線の不得意とする軽元素や磁性に対する感度を有します。

新技術の特徴

・非破壊で埋もれた界面の構造を解析できます
・ナノスケールの構造情報を得ることが可能です
・金属、絶縁体、高分子、生体物質など測定対象を選びません(一部例外はあります)

想定される用途

・磁気ヘッド等の多層膜磁気デバイスの界面構造と性能の相関を調べることができます
・高分子多層膜の界面で厚さ方向に対してどのように成分が分布しているかがわかります
・熱処理による2層界面での拡散状態の時間変化を数秒から数分の時間分解能で調べることができます
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