発表内容詳細

13:30~14:00 材料
1)  無容器処理技術による新機能材料の創成と熱物性計測~材料の新たな可能性~
発表資料

JAXA 宇宙科学研究所 学際科学研究系 専任教授(名誉教授)  依田 眞一

新技術の概要

高融点材料の熱物性計測と、過冷却凝固による新機能性材料の創成ができる。これまで、ダイヤモンドと同等の高屈折率ガラスの創成に成功している。

従来技術・競合技術との比較

浮遊させて凝固させる方法として電磁場を利用した電磁浮遊法があったが、導電体材料しか取り扱えなかった。ガス浮遊炉、静電浮遊炉では、非導電性材料である半導体等を浮遊・凝固させる事が出来る。国際宇宙ステーションの微小重力環境を利用することで、帯電量の少ないセラミックス等の浮遊も可能となる。

新技術の特徴

・新機能材料の創成
・高融点・非導電性材料など、すべての材料の熱物性(密度、表面張力、粘性係数等)計測
・材料を浮遊させて凝固させる無容器プロセッシング技術

想定される用途

・カメラレンズの小型化、防犯カメラ
・コンデンサの小型化・大容量化
・熱物性値を用いたシミュレーション精度の向上

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり(浮遊炉を用いて生成された酸化物ガラス)
・外国出願特許あり

14:00~14:30 材料
2)  高品質・均一組成バルク固溶体単結晶の製造と半導体への応用
発表資料

JAXA 宇宙科学研究所 ISS科学プロジェクト室 主幹研究員 木下 恭一
http://iss.jaxa.jp/kiboexp/theme/first/hicari/

新技術の概要

今まで不可能であった固溶体系での大型バルク単結晶を製造する技術である。現在は2インチ径Si0.5Ge0.5(組成変動±1%以内)の単結晶が再現性良く製造できるようになっている。(004)回折スペクトルのX線ロッキングカーブ半値幅で約72arcsecの高品質性が得られている。

従来技術・競合技術との比較

従来は固溶体系でバルクの大型均一組成単結晶を製造する技術は皆無であった。本技術により初めて可能となった。宇宙実験の成果を活かし、より大型で高品質な結晶が取得出来るようになった。

新技術の特徴

・固溶体系で結晶成長の最初から狙い通りの組成を達成
・組成変動が1%以内と極めて小さい
・大口径化はルツボの大口径化により容易に達成可能

想定される用途

・低消費電力高速電子デバイス用基板
・高温で出力の低下しない半導体レーザー用基板
・高周波デバイス用半導体単結晶

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり(2インチSiGe単結晶)

14:30~15:00 材料
3)  固定化コロイド結晶の光学材料への応用
発表資料

名古屋市立大学 大学院薬学研究科 コロイド・高分子物性学分野 教授 山中 淳平
http://www.nagoya-cu.ac.jp/phar/1051.htm

新技術の概要

大型で高品質のコロイド結晶材料を、高分子ゲルなどで構造を固定する技術。 荷電した100nm~数μm程度のコロイド微粒子が、水等の媒体中で静電的相互作用により規則配列した「コロイド結晶」構造は可視光~近赤外光をブラッグ回折するため、光学材料としての応用が期待されている。本技術を使った光学材料の作成とその応用の可能性について、国際宇宙ステーションでの宇宙実験と併せて報告する。

従来技術・競合技術との比較

他の構造色材料である多層薄膜やリソグラフィーでは作成が困難な、3次元の大型フォトニック結晶が作成できる。また、荷電コロイド系を柔軟なマトリクスで固定した材料は、機械的圧縮により変形して回折波長をチューニングできるなど、他には無い特性を持つ。

新技術の特徴

・可視~近赤外に回折波長を持つ周期構造が自発的に生成
・他手法では作成困難な、3次元的な大型コロイド結晶が得られる
・光学特性を外場によりコントロール可能

想定される用途

・チューナブル光学材料
・光学フィルター
・光検出式センサー

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり(ゲル固定結晶ほか)

15:10~15:40 材料
4)  光触媒吸着材~有害有機物を吸着して分解~
発表資料

信州大学 工学部 物質工学科 准教授 酒井 俊郎
http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/engineering/chair/chem005/Index.htm

新技術の概要

水中に溶存する有害有機物を効率的に除去するため、有害有機物を吸着して光触媒分解できる“光触媒吸着材”を開発した。開発された光触媒吸着材は、水中に溶存している有害有機物を効果的かつ選択的に吸着・除去する吸着材および除去・回収システムとなりうる。

従来技術・競合技術との比較

低温で二つの水溶液を混合するだけで製造することができる。余剰の化学物質の使用や作業工程(焼成・表面修飾など)を低減することが可能となり、環境・コスト面での負荷を低減できる。

新技術の特徴

・低温で単純操作により製造
・吸着+光触媒分解の相乗効果による有害有機物の効率的除去
・有用有機物の内包可能

想定される用途

・環境分野(大気、水質、土壌浄化)
・エネルギー分野(色素増感太陽電池)
・化粧品分野(紫外線吸収剤)

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり(光触媒吸着材)

15:40~16:10 環境
5)  省エネ空気浄化システムを実現する「多機能活性炭」
発表資料

JAXA 研究開発本部 未踏技術研究センター センター長 大西 充

新技術の概要

軽量で省電力の空気浄化システムを実現するために、ゼオライトと活性炭で構成され、二酸化炭素と水蒸気および有害ガスの同時除去が可能な「多機能活性炭」と呼ぶ新素材を開発した。

従来技術・競合技術との比較

競合技術の単体ゼオライト、固体アミンと比べ、無害な素材をベースにし、再生エネルギーが低いという両方の長所を併せ持つ上に、競合技術が持たない活性炭機能を有しており、本素材のみで空気浄化システムの構築が可能である。

新技術の特徴

・二酸化炭素、水蒸気、有毒ガスの同時除去
・低温で再生可能

想定される用途

・締め切った部屋の空気浄化
・省エネ除湿
・必要換気量を1/40まで低減
・再生可能な消火活動マスク

16:10~16:40 創薬
6)  筋萎縮を抑制するユビキチンリガーゼ阻害剤の開発
発表資料

徳島大学・大学院 ヘルスバイオサイエンス研究部 生体栄養学分野 教授 二川 健

新技術の概要

寝たきりや無重力による筋萎縮は、増殖因子のシグナル伝達に異常をきたし、筋肉を太らす増殖因子のシグナルが核まで正確に伝達されなくなることにより起こる。増殖因子のシグナル異常を来す原因がCbl-bユビキチンリガーゼであることを突き止め、Cbl-bの阻害剤を発見した。それら阻害剤をCbl-bが原因となる筋萎縮等の疾患の治療薬として開発することを目指している。

従来技術・競合技術との比較

ユビキチンリガーゼは数百種類存在し、白血病や神経筋変性症の原因酵素であることが明らかになり、新たな治療ターゲット分子であると考えられている。しかしながら、ユビキチンリガーゼ阻害はRNA干渉でのみ行われており、低分子の阻害剤は開発されていない。本成果は、世界で最初のユビキチンリガーゼ自体の阻害剤である。

新技術の特徴

・宇宙環境で起こる疾患の原因を明らかにして、それを地上の疾患に応用した
・低分子のユビキチンリガーゼ阻害剤である

想定される用途

・廃用性筋萎縮やサルコペニアの治療薬
・難治性リンパ性白血病および骨髄腫の治療薬
<連携・ライセンスについてのお問い合せ先>