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発表内容詳細

10:50~11:20 医療・福祉
1)  生体活性酸素(スーパーオキサイド)の近赤外発光による可視化イメージング技術
発表資料

三重大学 大学院生物資源学研究科 生物圏生命科学専攻 教授 寺西 克倫

新技術の概要

活性酸素(スーパーオキサイド)と化学反応し、近赤外化学発光することにより、生体内スーパーオキサイドを生きた状態で測定できる技術である。

従来技術・競合技術との比較

活性酸素の分析手段には、比色法、蛍光法、化学発光法等があるが、生体で産生される活性酸素を生きた状態で測定することは困難であった。本発明は、全血や皮内の活性酸素(スーパーオキサイド)の産生挙動を生の状態で光イメージングすることが可能である。

新技術の特徴

・近赤外化学発光による活性酸素(スーパーオキサイド)の検出
・近赤外化学発光による生体内活性酸素(スーパーオキサイド)の可視化イメージング

想定される用途

・白血球の免疫応答時の活性酸素(スーパーオキサイド)産生能の評価
・インプラントの生体適合性試験における活性酸素(スーパーオキサイド)産生の評価

関連情報

・有償でのサンプルの提供可能

J-STORE掲載特許情報

11:20~11:50 医療・福祉
2)   結膜瘢痕を予防する緑内障手術デバイス
発表資料

和歌山県立医科大学 眼科学教室 教授 雑賀 司珠也

新技術の概要

緑内障濾過手術では、手術切開部の瘢痕化が避けられない。本器具は、緑内障濾過手術用のインプラントを、術創から遠隔の部位の切開から挿入し、インプラント設置部の侵襲にとって惹起される結膜瘢痕を最小限にすることを目的としている。最終目的は、緑内障手術の安定した濾過効率と簡便なインプラント設置により、簡便な手技を実現し、緑内障手術を手術から処置にちかいものに進化させることである。

従来技術・競合技術との比較

これまでの緑内障インプラントは、結膜、強膜を切開したのち、本来の濾過手術の切開窓をインプラントで代用する事が目的であるが、今回の提案器具は、インプラントを遠隔部位から結膜下で強膜に留置することで、結膜への侵襲とそれに伴う、後期での繊維化を抑制し、濾過効率の低下を防ぐことを可能にすると予想する。また、安定した技術でこのインプラントを挿入することで、緑内障濾過手術の安定した手術効果と短時間での処置を実現できるのではないかと考える。

新技術の特徴

・緑内障手術の簡便化
・緑内障手術の長期効果の持続
・短時間での手術と老巧な成績による医療費抑制効果の期待

想定される用途

・緑内障手術

関連情報

・展示品あり

13:00~13:30 医療・福祉
3)  花粉症・アレルギーに対する新しい抗原特異的免疫療法の開発
発表資料

名古屋市立大学 大学院医学研究科 耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野 准教授 鈴木 元彦
http://www.med.nagoya-cu.ac.jp/w3med/labo/oto.dir/index.html

新技術の概要

現在アレルギーに対する唯一の根治療法は抽出した粗抗原を投与する免疫療法であるが、満足できる効果が得られず、ショックという重大な副作用をおこすことがある。そこで私たちは新しい免疫療法の開発について研究したが、抗原を加熱、加圧、アルコール処理することにより、より安全で効果的な免疫療法が可能ということを見出した。

従来技術・競合技術との比較

従来から現在まで、抽出した粗抗原を注射にて投与する治療法が皮下免疫療法として行われている。また、今年度から新規治療法として粗抗原を舌下に投与する舌下免疫療法が臨床において行われる予定であるが、ともに粗抗原を用いた治療法であり、本新技術の方が安全で効果的であると考えられる。また、本新技術は皮下免疫療法や舌下免疫療法にも応用可能である。

新技術の特徴

・IgEとの結合が低下し、副作用が出現しにくい
・IL-10を高率に産生し、効果が高い
・皮下免疫療法や舌下免疫療法に応用可能である

想定される用途

・アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性結膜炎、花粉症の根治的治療
・急速皮下免疫療法
・舌下免疫療法

13:30~14:00 創薬
4)  IL-18と分子標的抗体とを併用する癌治療薬の開発
発表資料

兵庫医科大学 医学部 腫瘍免疫制御学 特任教授 岡村 春樹

新技術の概要

免疫抑制作用を持つリンパ球(レギュラトリー細胞)を認識し除去する抗体と、抗腫瘍作用を持つリンパ球(エフェクター細胞)を選択的に増殖させる作用を持つIL-18とを組み合わせて強力な抗腫瘍作用を持つ免疫治療薬を創った。

従来技術・競合技術との比較

CTLA4やPD-L1に対する抗体が腫瘍に対して明確な治療効果を示すことが認められ実用化されたがまだ改良の余地がある。強い免疫増強作用を持つIL-18とこの薬とを併用することによって飛躍的に抗腫瘍効果を高められることがわかった。

新技術の特徴

・活性化リンパ球における生存、増殖促進作用などIL-18が持つ特性に則った治療薬であること。
・強い抗腫瘍作用を持つことで知られるpre-mNK細胞をIL-18が飛躍的に増殖させることによってCD8陽性CTLを腫瘍組織に呼び寄せ破壊できること。
・IL-18は単独で組織障害を起こすことはなく、炎症組織以外では免疫抑制性のNK細胞などを誘導して自己免疫を抑えるので副作用が少ないことが期待されること。

想定される用途

・胃がん、卵巣がん、大腸がんなどの腹膜播種の治療や予防
・肺などへのがん転移抑制
・多くの固形がんの治療

14:00~14:30 創薬
5)  小細胞肺がんの新規治療薬と新規診断法開発
発表資料

関西医科大学 医学部・分子生体機能学 医科学専攻 講師 下條 正仁
http://www.kmu.ac.jp

新技術の概要

小細胞肺がんで特異的に異常発現しているスプライシングアクティベーターnSR100を分子標的とした新規治療薬の開発、及び血液中で特異的に高発現しているmiRNAを用いた新規診断法に関して特許出願中である。

従来技術・競合技術との比較

小細胞肺がんには、特異的分子標的に対する効果的な抗腫瘍薬が期待されており、このnSR100は小細胞肺がんの治療及び特異的診断に有効である。

新技術の特徴

・小細胞肺がんの治療薬開発
・小細胞肺がんの診断への利用
・小細胞肺がんの治療方針への利用

想定される用途

・小細胞肺がんの治療薬
・小細胞肺がんの診断法

関連情報

・外国出願特許あり

14:30~15:00 アグリ・バイオ
6)  特発性間質性肺炎モデルマウスを用いた薬剤スクリーニングシステム
発表資料

名古屋市立大学 大学院医学研究科 細胞分子生物学分野 学内講師 金澤 智
http://www.med.nagoya-cu.ac.jp/molgene.dir/index.html

新技術の概要

関節リウマチモデル動物(D1CCマウス)は、慢性進行性の関節リウマチ(RA)様の病態を示す。さらにRA発症後、高頻度で間質性肺炎を発症し、その病態はNSIP様の特徴を有する特発性間質性肺炎に類似する。D1CCマウスを用いた薬剤スクリーニングシステムも紹介する。

従来技術・競合技術との比較

従来から用いられているブレオマイシン誘導性の間質性肺炎モデル動物は、急性かつ一過性の病態進行を示す。一方D1CCマウスは、慢性、進行性の病態進行を示すため、より人に近い病理進行を示すと考えられる。

新技術の特徴

・慢性、進行性の間質性肺炎(非特異性間質性肺炎、NSIP)を示す
・間質性肺炎のバイオマーカー、SP-Dを用いたモニターリングシステムが利用できる
・早期間質性肺炎の状態が観察される

想定される用途

・新規の薬剤スクリーニング
・間質性肺炎のバイオマーカー、新規治療ターゲットのスクリーニング
・肺炎検出画像解析システムの構築

関連情報

・サンプルの提供可能

J-STORE掲載特許情報

15:10~15:40 創薬
7)  心腎連関における可溶性Flt-1の産生低下とその治療戦略への応用
発表資料

奈良県立医科大学 医学部 医学科 教授 斎藤 能彦
http://www.naramed-u.ac.jp/~1int/index.html

新技術の概要

心腎連関の分子機序は不明である。我々は慢性腎臓病では動脈硬化や炎症惹起性に働くPLGFの内因性拮抗物質である可溶性sFlt-1の産生が減少することを発見した。可溶性sFlt-1の特異的欠損マウスが心不全易発症性であること、合成可溶性sFlt-1やPLGF抗体の投与でこの易発症性が改善することを証明し、可溶性sFlt-1を標的にした治療戦略を提唱する。

従来技術・競合技術との比較

心腎連関は5型に分類されているが、慢性腎臓病が先行し心不全が続発する型は4型とされている。4型ではsFlt-1の産生が減少しているが、sFlt-1の特異的遺伝子欠損動物はこの4型のモデルマウスと見なすことができる。過去にこのようなモデルは存在しない。sFlt-1の減少が心不全易発症性に繋がる事実、sFlt-1の量の調節が心腎連関4型の治療法に繋がることは全く新しい概念である。

新技術の特徴

・癌の診断薬
・動脈硬化抑制薬

想定される用途

・sFlt-1とその誘導体等を心腎連関4型の治療法に応用する
・内因性sFlt-1の産生促進剤の開発
・血中PLGF/sFlt-1濃度比が心腎連関4型の診断マーカー

15:40~16:10 医療・福祉
8)  コンドロイチン硫酸の糖鎖配列決定方法
発表資料

愛知医科大学 分子医科学研究所 糖鎖分子生物化学 准教授 杉浦 信夫
http://www.aichi-med-u.ac.jp/su10/su1009/index.html

新技術の概要

我々は、モデル糖鎖として酵素合成CS十二糖を用いることで、コンドロイチン硫酸(CS)の糖鎖配列構造を決定する方法を確立した。これは、CS糖鎖配列構造を体系的に決定できる、世界で初めての方法である。

従来技術・競合技術との比較

従来のCS構造の解析方法は二糖組成分析か、四~六糖のCS低分子オリゴ糖をNMRやMSなどで解析する方法しかなかった。今回報告する方法は、2種類の分解酵素と蛍光HPLCシステムを使って、体系的にCSの糖鎖配列を決定できる。

新技術の特徴

・分解酵素、蛍光標識、HPLCを用いた簡易で低コスト、自動化可能な配列決定方法
・生理機能を持つ天然コンドロイチン硫酸(CS)の配列構造解析に応用可能
・CSのみでなくヒアルロン酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリンなどにも応用可能

想定される用途

・創薬を目的としたCS生理活性ドメインの配列構造決定
・硫酸基転移酵素の硫酸化優先部位の確定による生合成機構の解析
・医薬品CS・天然CSの配列構造の決定

関連情報

・共同開発を前提とした、分析依頼・技術指導可能
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