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発表内容詳細

10:10~10:40 エネルギー
1)  外部からの加湿が不要な固体高分子形燃料電池
発表資料

九州工業大学 大学院工学研究院 機械知能工学研究系 助教 谷川 洋文
http://www.heat.mech.kyutech.ac.jp/

新技術の概要

本新技術は、固体高分子形燃料電池の発電時に生成した水を貯めずに空気(酸素)の加湿に積極的に利用しようとするものである。これは、空気(酸素)供給側に高い調湿性を持つ珪藻土材等で構成した回転板を設置することで可能となる。すなわち、この調湿性の高い回転板で空気の出口側に溜まった余剰生成水を入口側に移動することで空気の流れを良くし、さらに入口側に持ってきた余剰生成水をガスの流動によって蒸発させ固体高分子膜の加湿に利用しようとすることが本技術の新規性である。

従来技術・競合技術との比較

カソード側で生成された水を電解質膜の保湿に利用する技術が提案されている。1つは可動性のリブによりガス流路を変更させるものであるが、スタック化した際、各セルのガス流路を独立して制御しなければならない。本技術はスタック時に各セルをまとめて制御が可能である。もう1つはスタックを回転させる遠心力を利用して生成水を制御する方法であるが、回転が高速になると推定され、回転部の耐久性の問題、精度の必要性の問題が考えられる。本技術は位置を代えるためにゆるやかに回転するものであり、回転部の耐久性、精度の点で問題がない。

新技術の特徴

・加湿が必要であるが、内部の反応で生成される水分を利用することで、加湿器を省くことができる。
・水分が過剰になると本来の機能が機能しなくなるので、適宜蒸発させることができる。
・必要な水分の補充と余剰生成水の除去の機能を調湿性の高い回転板の回転により、同時に達成することができる。

想定される用途

・燃料電池の酸化ガス流路
・回転型全熱交換器(吸湿部)
・除湿空調機(除湿部)

10:40~11:10 環境
2)   浮遊分離装置による高品質なフライアッシュ
発表資料

北九州市立大学 国際環境工学部 建築デザイン学科 教授 高巣 幸二
http://esd.env.kitakyu-u.ac.jp/takasu/

新技術の概要

浮遊分離装置を使用してフライアッシュ中の未燃カーボンを除去してコンクリート用混和材およびセメント系建材として大量混合を可能にすると共に、除去された未燃カーボンを炭素含有率別に回収してリサイクル燃料等に再利用する新技術である。

従来技術・競合技術との比較

未燃カーボン含有率の低いフライアッシュは、そのままコンクリート用混和材として利用できるが、その多くはJIS規格を満足しないためセメント原料もしくは埋め戻し材として処理されていたが、本技術によりフライアッシュをコンクリート用混和材として大量に使用できることが可能となった。処理過程で発生する未燃カーボンもリサイクル燃料等として再利用でき、フライアッシュの有効利用をクローズドシステムとして確立した。

新技術の特徴

・熱を使用しないシステムなのでランニングコストが低く、処理過程における環境への影響も小さい
・処理による副産物も全てリサイクル原料として利用可能なクローズドシステム
・高強度・高耐久な低炭素コンクリートの実現が可能

想定される用途

・高強度・高耐久性低炭素コンクリートおよびセメント系建材
・熱量19MJを有するリサイクル燃料
・鉛筆の芯等の60~90%の炭素を含有する材料

関連情報

・展示品あり(改質前と改質後のフライアッシュのサンプルおよび回収した未燃カーボン)
・外国出願特許あり

J-STORE掲載特許情報

11:10~11:40 材料
3)  竹由来のマイクロファイバーを用いたプラスチックコンポジットの静電防止部品への応用展開
発表資料

九州工業大学 大学院生命体工学研究科 生体機能応用工学専攻 教授 西田 治男

新技術の概要

日本に豊富に賦存する竹を工業用素材として利用するため、過熱水蒸気処理後、微粉砕することで、微細な竹短繊維を主成分とするバイオマス粉末を得た。この竹短繊維は、各種樹脂とブレンドして射出成形や押出成形が可能であり、作製した成形体は、高強度、寸法安定性、さらに、優れた静電防止性能などの機能発現を確認した。さらに、難燃性の付与も可能であることを確認した。

従来技術・競合技術との比較

本技術は、竹短繊維を用いることで射出成形や押出成形などの汎用成形方法が可能であり、竹繊維特有の剛直な針状(ウィスカー状)繊維の特性により、機械的強度、静電防止特性に優れたコンポジットが成形可能である。

新技術の特徴

・バイオマスを60%含有させても汎用の溶融成形が可能。
・静電気を帯びない。静電防止性能が低下しない。埃が付着しにくい。
・竹繊維(小さな物差し)の特徴である低熱膨張係数のため、寸法安定性に優れる。
・竹繊維(セルロース結晶)の特徴である低吸水性のため、寸法安定性に優れる。

想定される用途

・建材(とりわけ、帯電防止性を要求する、壁、床材、手すりなど)
・家電、IT機器関連部材(帯電防止性を要求する内外装部品など)
・自動車部材(帯電防止性を要求する内外装部品など)

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり(竹粉末、各種コンポジット成形体)
・外国出願特許あり

11:40~12:10 デバイス・装置
4)  高出力LED照明の放熱技術

北九州市立大学 国際環境工学部 機械システム工学科 准教授 井上 浩一
https://www.kitakyu-u.ac.jp/env/subject/d-system/Koichi_Inoue/

新技術の概要

高出力LED照明の放熱性能を向上させるため、(i)ヒートパイプを用いた放熱構造、(ii)最適デザイン手法、を新たに考案した。本技術は放熱性能確保が重要な課題となるパワーデバイスを用いた各種機器への展開が期待できる。

従来技術・競合技術との比較

LEDを高密度実装した光源を有する超高出力LED照明装置は、放熱性能を確保するのが極めて困難であるため、製品化が遅れている。

新技術の特徴

・高密度・高出力LED光源を成立させる高性能放熱技術
・放熱構造の小型化

想定される用途

・LED照明

関連情報

・展示品あり(LED投光器(試作品))

13:15~13:45 医療・福祉
5)   非接触型セキュリティシステムに展開可能な自己装着カメラを用いた指文字認識システム
発表資料

九州工業大学 大学院工学研究院 機械知能工学研究系 准教授 タン ジュークイ
http://lab.cntl.kyutech.ac.jp/~etheltan/member/index.html

新技術の概要

本システムは、使用者が身に付けたカメラとコンピュータで自分の手で作る指文字を認識するシステムであり、場所を選ばずどこでも利用できる。特に、発話障害の方の意思伝達システムとして有用である。また、本システムは指文字だけでなく、指の形状および指の動作を認識することが可能であり、ユーザ認証システムに応用できると考えている。

従来技術・競合技術との比較

利用者が自分の身に付けたカメラで自分の手形状を認識するというアイデアに新規性があり、また指文字・手話認識システムとしては、相手側のカメラから見るため利用場所が限定される従来システムとは異なり、利用者がシステムを自分で持ち歩き、文字や自作形状パターンが表現可能なシステムであるため、より円滑に意思伝達でき、さらにどこででも使えるという点に優位性がある。

新技術の特徴

・利用者の自作指文字による非接触新型セキュリティ(なりすまし防止)システム。(本システムは存在していない指文字(指の形状・動作)による表現及び利用者個人の形状表現の癖が特徴となり、IDカードやアルファベットの組み合わせ認証よりも、なりすましや盗用されにくい)

想定される用途

・発話障害と健常者間のコミュニケーションの促進
・指文字から多言語への変換
・SNS上の非接触入力可能なコミュニケーションツール

13:45~14:15 医療・福祉
6)   難しい軟性内視鏡の操作を支援する新しいロボットシステム

九州工業大学 大学院工学研究院 先端機能システム工学研究系 准教授 坂井 伸朗
http://www.ise.kyutech.ac.jp/integrate/researcher/sakai_no.html

新技術の概要

本システムは、大腸検査等で用いられる軟性内視鏡操作支援のためのロボットシステムです。本体と操作盤は切り離され、操作者着座状態で軟性内視鏡の挿入を行う事が出来るため、通常は立ち作業で精密作業を行う施術医の負担を大きく軽減することが期待される新しいシステムです。(産業医科大学 久米恵一郎准教授との共同研究成果)

従来技術・競合技術との比較

当システムは、軟性内視鏡を別体の操作装置により操作するための新しいシステムです。軟性内視鏡の挿入操作は利用技術の発展とともにより低侵襲な施行法としてますます使用頻度が高まっています。当該システムは本研究以外には見られない形態の医療技術支援システムです。

新技術の特徴

・工業用を含む軟性内視鏡による検査、補修(手術)
・手術等の作業の記録・再生デバイスとしてのロボットシステム
・柔らかいものを対象とした検査、補修システム

想定される用途

・軟性内視鏡挿入、手術、操作トレーニング
・遠隔、精密作業支援システム
・特殊環境でのロボットによる検査システム

14:15~14:45 アグリ・バイオ
7)  植物由来機能性成分(フィトケミカル)がもたらす抗癌作用効果と癌予防のための健康食品開発への可能性
発表資料

中村学園大学 栄養科学部 栄養科学科 教授 中野 修治
http://soran.nakamura-u.ac.jp/profile/ja.rwFrNZrRqPnuroTfL2vG9A==.html

新技術の概要

本技術はフィトケミカルの中でも、柑橘系植物に含まれるノビレチンやトマト等に含まれるリコペンがもたらす抗癌作用について明らかにしている。特に本技術では乳がんのサブタイプごとにノビレチンとリコペンの顕著な作用効果を明らかにしており、乳がん予防の薬剤や健康食品といったものに応用可能である。

従来技術・競合技術との比較

これまでノビレチンやリコペンの抗癌作用については、その作用機序等は必ずしも明確ではなかった。本研究では、そうしたノビレチンやリコペンの作用機序を明らかにし、いかなるサブタイプの乳がんに対して、どのような顕著な作用効果をもたらすかについて明らかにしている。

新技術の特徴

・いかなる乳がんのタイプに顕著な作用効果があるかが判明
・ノビレチンやリコペンのいかなる容量・用法が最も顕著な作用効果があるかが判明

想定される用途

・がん予防を目的とした健康食品
・がん予防を目的とした薬剤
・がん治療を目的とした薬剤や健康食品

14:45~15:15 医療・福祉
8)  マウスピース型の睡眠時無呼吸症候群治療装置
発表資料

九州歯科大学 歯学部 総合教育学分野 助教 中原 孝洋
https://www.kyu-dent.ac.jp/research/lecture/education

新技術の概要

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療装置として、マウスピース形状の一体型装置を提案する。口腔内、特にSASの原発である舌根に、当該マウスピースから振動や電気的刺激を与え、咽頭の閉塞を解除する。

従来技術・競合技術との比較

SASはCPAPと呼ばれる持続的陽圧呼吸装置での治療が一般的であるが、可搬性が悪く、また、他の治療法においても痛みや違和感を生じるものであり、治療法は未成熟である。 このため、使用方法が簡便で手軽な治療装置を開発するものである。

新技術の特徴

・従来、CPAPが選択できない(使用感等)患者に適用できる可能性がある。
・可搬性に優れ(義歯程度)、基本的に口腔内で完結する装置である。
・いびきや夜間開口等に対しても効果がある。

想定される用途

・睡眠時無呼吸症候群
・いびき
・夜間開口、口呼吸

関連情報

・サンプルの提供可能

15:15~15:45 医療・福祉
9)  バイタルサイン測定を学ぶ医療従事者のたまごのための臨床シミュレーション型血圧測定教材の開発
発表資料

産業医科大学 産業保健学部 基礎看護学 助教 児玉 裕美
http://www.uoeh-u.ac.jp/University/dept/health/kisokango.html

新技術の概要

医学教育の一手法として、臨床現場を様々な手法を用いて模擬環境として再現し、医療に関する手技を習得する臨床教育法が近年注目されている。本技術は、バイタルサイン(生命兆候)のひとつである血圧の測定技術を学ぶ若手医療従事者を対象にした臨床シミュレーション型教材である。マンシェットに付設された圧力センサ及び音センサの各検出値の経時的変化から算出された血圧値、減圧速度等の客観的評価値をもとに、自己学習の支援を可能とする。

従来技術・競合技術との比較

擬似的な腕モデルを用いて血圧測定のスキルを習得する自己学習支援型教材はあるが、患者を対象にした現場における実践には直結しづらい。本技術は、実際の臨床に近い状況を体験しながら、必要な血圧測定技術だけでなく、フィジカルアセスメント、コミュニケーションの技術も併せて実施でき、実践的に活用できる臨床シミュレーション型教材を目指す。このため、腕モデルではなく、人を対象に実際の血圧測定の場面を再現した自己学習を支援するための技術を提供する。

新技術の特徴

・音センサによりコロトコフ音の変化を経時的に可視化・記録する技術
・コロトコフ音の経時的変化から収縮期・拡張期血圧を自動判定する技術
・減圧速度を可視化する技術
・測定した血圧値と自動判定した血圧値を比較しその成否を判定する技術

想定される用途

・血圧測定技術習得のための医療用教材
・生体音に基づく各種検査・診断支援装置の要素技術
・生体信号(心拍、血圧、脈波、酸素飽和度等)の記録のためのタブレット端末

関連情報

・試作機のデモ可能

15:45~16:15 医療・福祉
10)  微量の血液で簡便に測定可能な血液粘性測定法の開発
発表資料

産業医科大学 医学部 医科物理学 非常勤講師(名誉教授) 大野 宏毅
http://www.uoeh-u.ac.jp/University/dept/medicine/ikabuturi/buturi-kenkyunaiyo.html

新技術の概要

微量の血液の粘性を迅速に測定する方法を提案する。①血液の粘性が増加する疾患(過粘稠度症候群)の検査や、②抗凝固剤の治療効果判定、および、③健康診断における生活習慣病の発症者・発症が予測される人の選別、にも適用が可能である。本技術は血液の電気伝導率を測定するだけで粘性率を算出するため多量のサンプルを必要としない。検査室で簡便に測定できる粘性測定装置を開発することができる。

従来技術・競合技術との比較

従来の粘性率測定法は試料に接する可動部分が必須であり多量の試料が必要であるため、血液の粘性を検査室で簡便・迅速に測定することができない。電気伝導率から粘性を推定する本技術は、微小な電極を満たすサンプル量があれば十分である。したがって、従来装置よりも一桁乃至二桁少量の試料で粘性測定が可能となる。

新技術の特徴

・電解質溶液の電気伝導を測定して、その粘性率を測定。
・わずかの量(100μL以下)の試料を用いて、血液・血漿などの粘性を測定可能。
・試料に接する可動部分が不要なため、検査装置の小型化が可能。

想定される用途

・生活習慣病の診断および経過観察
・血液粘性の異常を示す疾患の病態診断
・体液(髄液、唾液等)の粘性測定
・血液抗凝固剤の治療効果判定

関連情報

・デモ可能
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