JSTトップ > 新技術説明会 > 発表技術アーカイブス > 2014 ライフイノベーション

発表内容詳細

11:00~11:25 医療・福祉
1)  動的ネットワークバイオマーカーによる疾病早期診断技術 - 「未病」の検出と創薬標的発見
発表資料

東京大学 生産技術研究所 客員教授 陳 洛南

新技術の概要

本技術は、複雑ネットワーク理論と分岐理論を用いて導出した、個々のバイオマーカーの性能自体は低くても、それらのネットワークとしては高い性能、特に疾病の病態悪化の「予兆」が検出できる「動的ネットワークバイオマーカー」(DNB: Dynamical Network Biomarkers)という新しい汎用理論に基づくものである。この技術により、クリニックデータ(遺伝子、タンパク情報)から、いくつかの疾病の超早期診断や病態悪化の予兆検出ができることが既に示された。また、DNBは薬の重要な標的候補でもある。

従来技術・競合技術との比較

従来のバイオマーカーでは、正常状態と臨界状態(或いは疾患の前期)の違いをはっきりと判別することが困難なため、疾患の前兆或いは早期診断には有効ではない。本発明の動的ネットワークバイオマーカー(DNB)は非線形動的システム理論と中心多様体理論に基づき、システムの動的特性から病気の前兆を検出するまったく新しい概念と方法である。

想定される用途

・定期検査、健康診断での超早期診断
・患者の病態悪化の予兆検出
・個人医療と創薬標的発見

関連情報

・展示品あり(発表論文のコピー)
・外国出願特許あり

J-STORE掲載特許情報

11:30~11:55 医療・福祉
2)  虚血性疾患における血管再生治療へのアプローチ
発表資料

東海大学 医学部 基盤診療学系再生医療科学 教授 浅原 孝之
http://asalab.med.u-tokai.ac.jp/

新技術の概要

Lnk抑制又は特異的なNotchリガンドが虚血性疾患における血管再生治療に有効である事を見出した。Lnkは細胞増殖に関するシグナル伝達を抑制するアダプター蛋白であり、Lnkを抑制すると、骨髄由来血管内皮前駆細胞(EPC)の増殖・細胞機能が亢進し、虚血性疾患における血管再生治療の改善効果を確認した。また、Notchは発生・再生段階における細胞運命・機能を制御するシグナルレセプターであり、その中の特異的なリガンドシグナルがEPCの血管再生作用に重要な事を確認した。

従来技術・競合技術との比較

虚血性疾患に対する血管再生メカニズムをターゲットとした治療は未だ存在しない。Lnk自身は幹細胞・前駆細胞に特異的に発現する因子のため、安全かつ特異的な効果を期待できる治療法になる。Notchリガンド技術では、本来の血管再生に重要な因子をEPCに応用し、その培養における増幅・分化効果を狙うもので、従来の培養技術では得られない細胞数・細胞機能を獲得できる可能性がある。

想定される用途

・心筋梗塞、脳梗塞治療
・下肢虚血性疾患治療
・難治性腫瘍

13:00~13:25 医療・福祉
3)  歩行時における足底圧力の3分力分布計測装置
発表資料

福島大学 共生システム理工学類 人間支援システム専攻 教授 小沢 喜仁

新技術の概要

本計測装置の足底圧力感知部は、歪ゲージを3枚以上はりつけた複数の丸棒からなる。この丸棒の上端を踏むことで生じる丸棒の歪を計測することで、足底圧力の3分力を計測する。歪を生じた丸棒の位置情報から足底圧力の分布を、また、丸棒を踏む前後の歪の経時変化から、足の接地から離地までの足底圧力の分布変化を計測できる。これらの結果は、歩き方の改善指導や、運動器疾患の予防に適した靴の作製に有益と考えられる。

従来技術・競合技術との比較

従来の足底圧力の計測装置では、足底圧力分布と、接地面の3分力を同時に計測することはできなかった。本計測装置により、足底圧力の3分力とその分布及びそれらの経時変化を簡単に精度よく計測することができる。

想定される用途

・歩行パターンに適した靴設計用分析ツール
・歩行指導用測定ツール
・運動器疾患を予防する靴の開発用分析ツール

13:30~13:55 医療・福祉
4)  樹状高分子によるガンの「見張り」リンパ節のイメージング
発表資料

大阪府立大学 大学院工学研究科 応用化学分野 准教授 児島 千恵
http://www.chem.osakafu-u.ac.jp/ohka/kojima_lab/

新技術の概要

センチネルリンパ節はガンの見張りリンパ節といわれ、その検出はガン診断やがん治療において重要である。本技術では、デンドリマーと呼ばれるナノサイズの球状高分子を用いて、センチネルリンパ節のイメージングを行った。アニオン性表面をもつ5nm以上のデンドリマーがセンチネルリンパ節イメージングに集積しやすいことがわかり、このデンドリマーを用いてセンチネルリンパ節のSPECTイメージングに成功した。

従来技術・競合技術との比較

既存技術では、センチネルリンパ節を効果的に検出するために、色素法とラジオアイソトープ法の併用法がとられており、2種類の薬剤の投与が必要である。デンドリマーは多数の末端官能基を持っているため、複数の薬剤を結合することができるため、単剤投与でデュアルイメージングが可能となる。

想定される用途

・ガン診断
・イメージング

14:00~14:25 医療・福祉
5)  新規な低接着性コラーゲンの開発と再生医療への応用
発表資料

近畿大学 生物理工学部 遺伝子工学科 教授 森本 康一

新技術の概要

再生医療分野で汎用されているI型コラーゲンを特別な酵素処理により、細胞の接着性が劇的に低下する新しいコラーゲン(LASCol)を開発することに成功した。LASColは細胞を自発的に凝集(スフェロイド形成)させた。また、前駆細胞の分化能を著しく促進することを証明した。さらに、in vivoへの応用として、再生骨形成の誘導を検討した。その詳細なメカニズムは未だ不明であるが、これまでにないまったく新しい細胞培養基材としての可能性を説明する。

従来技術・競合技術との比較

競合品として、I型コラーゲン、ゼラチン、マトリゲルがある。細胞凝集体形成を誘導するのはLASColとマトリゲルだけである。しかし、マトリゲルはマウス腫瘍由来成分を含み、ヒト再生医療へ適用できない。LASColのみが足場依存的に細胞凝集体を形成する唯一のバイオマテリアルである。

想定される用途

・新生骨再生材料
・抗がん剤スクリーニング材料
・細胞分化促進用培養基材

関連情報

・サンプル提供可能(ただし条件有り)
・展示品あり(サンプル溶液、石灰化培養皿、電子顕微鏡写真パネル)

14:30 ~14:55 医療・福祉
6)  回転センサを利用した実用志向型電動義手の実用化
発表資料

岐阜工業高等専門学校 電子制御工学科 准教授 森 貴彦
http://www.gifu-nct.ac.jp/elcon/subject.html#staff

新技術の概要

現在、筋電信号を用いた義手の研究が各所で行われているが、使用者の意思通りに義手の動きを制御するのが困難で、実用化の目処が立っていない。そこで、使用者の意思が確実に反映される切断肢先端の骨の回転運動によるダイナミックな動きを回転センサで直接計測し、これを電動義手の5指同時駆動方式の指令値生成に用いることにより使用者の意思に沿ったシンプルで再現性の高い動作を実現する実用志向の電動義手を開発した。

想定される用途

・前腕切断者用電動義手

関連情報

・展示品あり(電動義手)

15:00~15:25 医療・福祉
7)  高品質再生医療のための細胞シート移植デバイスと品質評価技術
発表資料

大阪大学 大学院基礎工学研究科 機能創成専攻 助教 田中 信行
http://t.nbyk.info/

新技術の概要

角膜、心臓、食道などの領域に対するヒト臨床が進んでいる細胞シート技術普及のために、品質評価や移植デバイスの開発が急務となっている。粘膜上皮細胞シートの品質として重要な表面の濡れ性を、表面を覆っている液体に対して空気を噴射した際の挙動から評価する手法を紹介する。また、狭小部における移植において、空気噴流によって細胞シートを浮遊させ患部へ移植するデバイスを紹介する。

従来技術・競合技術との比較

培養細胞組織表面は極めて親水性の高く、その濡れ性を既存の接触角計などでは評価することができなかった。本技術を用いることで世界で初めて、培養細胞組織表面の濡れ性を非接触かつ定量的に評価することに成功した。また、これまでの細胞シート移植においては、医師の高度な手技に頼っていたが、本デバイスを用いることによって、移植時間を約1/3に短縮することができることを動物実験において確認している。

想定される用途

・細胞シート工学による再生医療(特に粘膜組織)
・粘膜細胞組織に対する薬物の有効性・安全性試験
・金属、プラスチック、表面処理された材料などの濡れ性評価

関連情報

・開催当日の展示品(成果物・サンプル等)の持ち込みあり
・外国出願特許あり

15:30 ~15:55 医療・福祉
8)  眼鏡型健康状態モニタセンサーネットワークによる健康管理システム
発表資料

佐賀大学 大学院工学系研究科 知能情報システム学専攻 特任教授 新井 康平
http://www.ip.is.saga-u.ac.jp/~arai/arai.html

新技術の概要

メガネに装着したバイタルサインセンサで取得したデータをスマートフォンに伝送し、インターネットを介して健康状態を集中モニタするシステムを提案する。視線の動きも合わせてモニタすることにより、意識、精神状態もモニタ可能である。また、ウェアラブルコンピュータとしても機能する。

従来技術・競合技術との比較

視線による精神状態とセンサによる身体的健康状態を併せてモニタするシステムは稀有である。病院等では高頻度に健康状態をモニタできることが必要であり、個人でも自己管理に有用である。

想定される用途

・病院における患者の健康状態モニタ
・在宅個人自己健康管理
・ウェアラブルコンピュータ

16:00~16:25 医療・福祉
9)  太い末梢静脈路を確実に確保するための穿刺針の開発
発表資料

信州大学 医学部附属病院 麻酔蘇生科 助教 井出 進

新技術の概要

本発明は、緊急時においても、安全にかつ的確に、静脈路を確保できる穿刺針及び穿刺針キットを提供する。 本発明に係る穿刺針は、針管に設けられたガイドワイヤを用いて予め血管を確保した後、穿刺針による穿刺操作を行うことが可能になるため、多量の輸血が必要な場合等の太径の穿刺針が必要な場合であっても、確実、迅速に静脈路の確保を行うことが可能になる。

従来技術・競合技術との比較

通常、太径の穿刺針により静脈路を確保することは技術的に難しく、穿刺成功率が低い。16ゲージの穿刺針で静脈路の確保に成功する確率は一般に25%程度であるところ、本発明により、成功確率を95%程度まで向上させることに成功した。

想定される用途

・確実に太い静脈路を確保することが可能。
・すでに留置されている細い留置針を利用して、さらに太い留置針への入れ替えが可能。

関連情報

・サンプルの提供可能
・開催当日の展示品(成果物・サンプル等)の持ち込みあり
・外国出願特許あり

16:30 ~16:55 創薬
10)  制御性RNAとDDSの一体開発による抗インフルエンザ予防・治療薬
発表資料

立命館大学 薬学部 薬学科 教授 木村 富紀

新技術の概要

インターフェロン-α1mRNAを安定・増大するアンチセンスRNA(AS)と、この安定化機能に関わる塩基配列を持つ合成RNA断片(asORN)は全長のASと同程度にmRNA発現を増加することを発見した。asORNを封入した生体分解性ナノ粒子をヒトインフルエンザウイルス感染モルモットに吸入投与したところ、投与量に依存してウイルス力価の早期低下が観察された。この結果は、抗ウイルス性自然免疫を人為的に制御可能なDDSと一体化した核酸医薬シーズに直結する。

従来技術・競合技術との比較

RNA干渉法などの遺伝子制御技術では発現低下のみ可能に対し、AS RNA機能中心からなるasORNは発現を亢進できる優位性を持つ。加えて、IFN-αタンパク質で報告されているような発熱、体重減少、脾腫を伴う自己免疫疾患等の副作用の発現も認めていない。

想定される用途

・新規インフルエンザ予防・治療用核酸医薬の創出
・抗ウイルス薬が存在しない呼吸器ウイルス(例えばRSVなど)感染症に対する予防・治療用核酸医薬の創出
・生体レベルで有効な、任意の遺伝子の発現制御方法(亢進、抑制共に可能)の提供

17:00~17:25 医療・福祉
11)  血液検査によってうつ病や統合失調症などの精神疾患を診断する方法
発表資料

富山大学 大学院医学薬学研究部(薬学) 薬物治療学 教授 新田 淳美
http://www.pha.u-toyama.ac.jp/yakuchi/top.html

新技術の概要

我々が見出したShati/Nat8lという分子のDNAの特定領域の遺伝子修飾の程度によって、精神疾患の診断や発症前での予想、加えて、最適な薬物療法を提案するためのツールを提案する。内科系の診療科での診断に必須である血液検査と同じ手順で、1~2mLの採血を行うことで実施することが可能である。血液からDNAを単離した後、一定の処理を実施して、遺伝子修飾の程度を算出する

従来技術・競合技術との比較

・精神疾患について、遺伝子修飾に着目して、診断や発症前診断、さらに、最適な処方薬設計へ言及した。 ・遺伝子修飾が起こった結果、どのようなことが生体内でおこっているかの基礎研究での成果も得ている。

想定される用途

・うつ病、統合失調症の診断

関連情報

・外国出願特許あり
<連携・ライセンスについてのお問い合せ先>