発表内容詳細

10:45~11:05 医療・福祉
1)  脂肪肝診断のための市販超音波診断装置のアタッチメント
発表資料

大阪府立大学 大学院工学研究科 電子物理工学分野 教授 堀中 博道
http://www.eng.osakafu-u.ac.jp/Japanese/02senko/physics_group/group06.htm

新技術の概要

脂肪肝の早期診断を目的として超音波速度変化を利用した医療装置の開発を続けてきた。今回の説明会では、通常の超音波エコー装置に脂肪肝診断機能を与える付属装置について、原理、構造、実証実験の結果などについて報告する。

従来技術・競合技術との比較

市販装置のアタッチメントとしての例はない。現在、脂肪肝を初期段階で定量的に診断できる装置としてMRSとファイブロスキャンがある。前者は大型で測定に時間がかかり、後者は単一機能の装置としては高価、測定精度は高くない。

新技術の特徴

・市販の超音波診断装置に付加するだけで脂肪肝の脂肪割合を検出することができる。
・構造が簡単で小型、安価である。
・リアルタイムに脂肪肝割合の量的な表示ができる。

想定される用途

・脂肪肝の初期診断
・剥がれやすい血管プラークの発見(脳梗塞、心筋梗塞の予防)
・生体内部の脂肪分布、脂肪割合の検出

11:05~11:25 製造技術
2)  自己伝播発熱多層膜/微粒子と応用
発表資料

兵庫県立大学 大学院工学研究科 機械系工学専攻 准教授 生津 資大
http://www.eng.u-hyogo.ac.jp/mse/mse12/index.html

新技術の概要

軽金属と遷移金属をナノの厚みで周期構造化させると、外部刺激により化合物生成に伴う自己伝播発熱反応を生じる。瞬間反応なため、デバイス製造時の局所ハンダ接合のための発熱源として利用できる。

従来技術・競合技術との比較

半導体デバイスやMEMS実装時のリフロー工程が不要になるとともに、ハンダ接合が瞬時かつ熱損傷なく完了できる。発熱反応は雰囲気を選ばない。ゼロエミッションな極省エネルギー瞬間接合技術である。

新技術の特徴

・クラックフリー瞬間ハンダ接合
・瞬間発熱パウダー/微粒子
・機械刺激で反応誘起できる瞬間発熱多層膜

想定される用途

・リフローフリーハンダ接合
・自己発熱ハンダペースト
・半導体デバイス/MEMSのための封止パッケージ製造技術

関連情報

・サンプルや試作等はご相談ください

J-STORE掲載特許情報

11:25~11:45 材料
3)  耐熱性に優れた非レアメタル系高効率発光材料の開発
発表資料

大阪市立大学 大学院理学研究科 物質分子系専攻 講師 舘 祥光
http://soc-t.sci.osaka-cu.ac.jp/SOC_TachiG/top.html

新技術の概要

独自に設計した三脚型配位子と非レアメタル系金属を組み合わせることで、非常に高い発光量子収率を持つ発光性配位高分子材料を開発した。この特徴的な構造を有する配位高分子は、その構造に由来した高い耐熱性を有する。

従来技術・競合技術との比較

本発光材料は安価に製造でき、固体状態で高い発光特性ならびに優れた耐熱性を有する。この配位子は化学的修飾が容易であるため、配位子による発光特性および耐熱性の制御が容易である。さらに、本発光材料は固体粉末であり新材料への加工が容易である。

新技術の特徴

・化学的修飾が容易であり、発光特性(励起波長、発光色)の制御が可能
・固体発光を活かした新材料への加工、複合化が容易
・配位高分子に由来する高い耐久性および耐熱性

想定される用途

・LED照明用発光体素子材料
・液晶バックライト、EL等の表示デバイス用材料
・蛍光塗料、バイオマーカー等各種用途の発光材料

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり

11:45~12:05 材料
4)  オゾン応答性を有する熱硬化樹脂・表面改質材料の開発
発表資料

大阪府立大学 大学院工学研究科 応用化学分野 教授 松本 章一

新技術の概要

新規に開発した無水マレイン酸とジエン化合物の交互共重合体の合成法により、多官能性エポキシやアミンによる耐熱性ポリマーへの変換、オゾン処理による架橋体の再可溶化とリワーク性付与、透明フィルム材料の表面改質などを可能にする高機能性新規ポリマー材料を提供する。

従来技術・競合技術との比較

無水マレイン酸/オレフィン共重合体は医用材料、表面処理、塗装・接着分野で反応性ポリマーとして利用されているが、無水マレイン酸とジエン化合物の組み合わせでは、低分子付加体を優先して生成するためにポリマー化が不可能であった。本技術により、オゾン応答・分解性を付与した新規な透明耐熱ポリマーを提供することが可能になった。

新技術の特徴

・ポリマー主鎖中に架橋反応性基とオゾン分解性基を交互に含むポリマーのラジカル重合法
・優れた耐熱性と透明性を有する高反応性ポリマーを無水マレイン酸とジエン化合物から合成
・ポリマー中の特性箇所の結合切断による高効率な分子量制御、脱架橋・再可溶化、表面特性改質、物性制御

想定される用途

・透明フィルム材料の表面特性改質ならびに接着性向上
・各種リワーク用材料、オゾン分解性熱硬化樹脂
・FRP用熱硬化樹脂、アクリル系高耐熱樹脂、透明ポリマー材料

関連情報

・サンプルの提供可能

13:10~13:30 アグリ・バイオ
5)  生体光計測用の超高感度断層・超高分解能レンズレス3次元顕微鏡
発表資料

兵庫県立大学 大学院工学研究科 電気系工学専攻 教授 佐藤 邦弘

新技術の概要

生きた生体組織内部の細胞レベル高分解能断層撮影を可能にする、超高感度レンズレス3次元断層顕微鏡を提供する。また、光回折限界を超える分解能撮影を可能にする、超高分解能レンズレス3次元顕微鏡を提供する。

従来技術・競合技術との比較

透明微生物や透明生体組織の光位相による3次元光計測が可能。生体組織の超高感度な3次元断層撮影が可能。生体組織内部の細胞レベル高分解能体積画像データの取得が可能。光回折限界を超える高分解能化が可能。

新技術の特徴

・結像レンズを使わない正確な物体光記録とコンピュータによる正確な物体光再生
・高速な画像記録と画像再生
・結像レンズの使わない撮影装置の小型化

想定される用途

・内視鏡と融合した非侵襲な3次元断層光医療診断
・眼の角膜や網膜などの高分解能3次元断層撮影と細胞レベル医療診断
・光回折限界を超えた超高分解能3次元生物顕微鏡

関連情報

・外国出願特許あり

13:30~13:50 環境
6)  フェントン型反応と水熱酸化法のハイブリッド法による難分解性有機塩素化合物含有汚染水の高度処理技術
発表資料

大阪市立大学 大学院工学研究科 化学生物系専攻 准教授 米谷 紀嗣
http://www.a-chem.eng.osaka-cu.ac.jp/kometani_group/index.html

新技術の概要

本技術では、水熱条件下で銅をベースとする触媒を用いることで、銅イオンと過酸化水素のフェントン型反応を加速させ、高い酸化分解能力を有する水酸化ラジカルを反応場中に生じさせる。これにより有機ハロゲン化合物の水熱酸化を大幅に促進し、難分解性有機塩素化合物を含む汚染水の処理に必要な反応条件を反応温度130〜200℃、圧力2MPa以下へ大幅に下げることが可能になる。

従来技術・競合技術との比較

既存の超臨界水酸化法より大幅に反応条件を緩和したことにより処理プロセスの省エネルギー化が可能になるだけでなく、従来技術では困難な処理装置の簡素化と長寿命化(省資源化)の実現が可能になると期待される。

新技術の特徴

・温和な反応条件で難分解性ハロゲン化物の分解処理が可能
・迅速な処理が可能。多くの有機塩素化合物が10秒以下で分解
・大規模な汚染水処理にも適用できる

想定される用途

・ハイテク工場などでの廃液・排水処理
・ダイオキシンや有機塩素系VOC等で汚染された地下水の浄化
・大幅なコストダウンにより一般の廃液、汚染水などの処理にも利用可能

関連情報

・外国出願特許あり

J-STORE掲載特許情報

13:50~14:10 アグリ・バイオ
7)  光アンテナの形成による微生物の迅速検出
発表資料

大阪府立大学 大学院工学研究科 応用化学分野 准教授 椎木 弘
http://www.eng.osakafu-u.ac.jp/Japanese/02senko/applied_group/group12.htm

新技術の概要

集団食中毒などの危害要因となる微生物の化学構造に基づいた光アンテナの形成により、ワンステップ検出法の開発を行う。金属ナノ粒子の有する特徴的な光散乱特性に基づいた微生物の可視により、迅速な危害要因の特定が可能になる。

従来技術・競合技術との比較

食品衛生法の規格に基づく検出は、充分な選択性と感度を得るために分離や増菌などの培養工程を要するため、試料採取から判定までに最低数日を要する。本研究は、金属ナノ粒子の散乱光に着目することで迅速な特定と高感度な検出を可能にするものである。

新技術の特徴

・光増強
・ナノカプセル
・回収・分離

想定される用途

・免疫、衛生検査
・環境有害物質の高効率回収・分離
・光電材料

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり

14:10~14:30 アグリ・バイオ
8)  セルオートマトンを用いた生命化学反応のモデル化
発表資料

兵庫県立大学 大学院工学研究科 電気系工学専攻 教授 松井 伸之
http://www.eng.u-hyogo.ac.jp/eecs/eecs12/index.html

新技術の概要

タンパク質の生合成過程におけるDNAの複製など、生物内で行われている化学反応系のシミュレーションを比較的小規模なコンピュータシステムによって容易に行いうる非同期セルオートマトンシミュレーション技法を開発した。

従来技術・競合技術との比較

DNAの複製などの生化学反応系を模擬するためには、分子シミュレーション技法などの習得およびスーパーコンピュータなどの駆使が通常であるが、本研究の技法ではそれをパーソナルコンピュータレベルで比較的容易に実現できる。

新技術の特徴

・専門的知識が必要な従来のシミュレーション技法より方法が簡便であり、幅広く利用しうる。
・計算コストが安価である。
・複雑な生命現象のシミュレータを提供しうる。

想定される用途

・創薬におけるリード化合物候補探索
・バイオチップの設計支援
・分子ロボティクスならびに分子規模の計算デバイスの構築支援

14:50~15:10 アグリ・バイオ
9)  天然型より高性能なmiRNAとDNAからなるmiRNA阻害剤LidNA
発表資料

大阪市立大学 大学院工学研究科 化学生物系専攻 准教授 立花 亮

新技術の概要

miRNA*鎖を改変することにより、天然型miRNAの4〜7倍の活性を持つmiRNAを開発した。また、DNAを構造化することによって世界初のmiRNA阻害剤(従来型阻害剤に匹敵する)を開発した。

従来技術・競合技術との比較

高活性miRNAは非修飾RNA/DNAキメラで高活性を実現している。miRNA阻害剤としては化学修飾されたものを使用するのが普通であったが、LidNAは非修飾DNAであり、安価で安全である。

新技術の特徴

・両技術とも天然型RNAまたはDNAを使用している
・LidNAは構造化されたDNAであり、単純な相補鎖の約2000倍の親和性を持つ
・両技術の組み合わせにより、細胞内のmiRNA量を調節できる

想定される用途

・RNAi医薬(活性が低く開発を断念した核酸医薬にも応用できる)
・miRNA/miRNA阻害剤による再生医療用細胞の作製
・核酸検出用プローブ

関連情報

・外国出願特許あり

J-STORE掲載特許情報

15:10~15:30 アグリ・バイオ
10)  珪藻による有用物質の高効率生産のための効率的形質転換法
発表資料

兵庫県立大学 大学院生命理学研究科 生命科学専攻 准教授 菓子野 康浩
http://www.sci.u-hyogo.ac.jp/life/cellbio/index-j.html

新技術の概要

海洋性中心目珪藻ツノケイソウに外来遺伝子を導入して新規形質を付与する技術を開発した。この技術により、大気中二酸化炭素と太陽光による光合成で有用代謝物質を効率的に生産するバイオファクトリー構築が可能となる。

従来技術・競合技術との比較

従来、ツノケイソウに外来遺伝子を導入して発現させることは不可能であった。少数の他種微細藻類では類似の手法があるものの、藻類の増殖特性、環境適応性等を考慮すると、バイオファクトリーのプラットフォームとして抜きんでている。

新技術の特徴

・水質浄化
・サプリメント
・化学物質の素材生産装置

想定される用途

・本来珪藻が合成可能なカロテノイド、油脂等の代謝産物を、太陽光を使って低コストで大量生産する(合成能力を高める)。
・少数の生物のみが生産することが可能で、有用な物質を作る酵素の遺伝子を導入し、そのような物質を太陽光を使って低コストで効率的に生産する。
・他種生物での生産実績があるがコストがかかる物質の生産系を移植し、太陽光を使って低コストで効率的に生産する。

15:30~15:50 アグリ・バイオ
11)  北極産Trichodermaが産生する褐色雪腐病菌抑制物質
発表資料

大阪府立大学 大学院生命環境科学研究科 植物バイオサイエンス分野 准教授 東條 元昭
http://m-tojo.jimdo.com/

新技術の概要

高緯度北極(78.2N, 15.6E)のコケから分離したトリコデルマ・ポリスポラムの培養物から、コムギ等の褐色雪腐病菌に対して成長抑制効果を示す4つの化合物を単離し構造を決定した。内1つは抗菌薬クロロネブより効果が持続した。

従来技術・競合技術との比較

褐色雪腐病は寒冷地作物の重要病害であるが、効果を示す薬剤は現在のところクロロネブのみである。低温性トリコデルマが産生する抗菌化合物はこれまで知られておらず、褐色雪腐病に対する新規農薬候補に成り得る。

新技術の特徴

・北極のコケに生息するトリコデルマが産生する天然の抗菌化合物であるため、環境保全型農業への応用が期待できる。
・褐色雪腐病はゴルフ場の芝に大きな被害をもたらすため、とくに寒冷地のゴルフ場芝への応用が期待できる。

想定される用途

・褐色雪腐病防除においてクロロネブを補完する新規農薬候補
・北日本地域の他、海外では北米西岸など積雪量の多い海外でも褐色雪腐病が多発しているため、これらの地域での利用
・低温性糸状菌が産生する抗菌物質の特性を生かした低温環境での防かび剤としての応用

関連情報

・外国出願特許あり

15:50~16:10 創薬
12)  インビトロ神経細胞遊走活性を指標とした新規創薬探索
発表資料

大阪市立大学 大学院医学研究科 細胞機能制御学専攻 准教授 山田 雅巳
http://www.med.osaka-cu.ac.jp/biochem2/

新技術の概要

本技術は、神経細胞遊走活性を指標に創薬探索を行うものである。これまでに、カルパインが滑脳症の責任遺伝子産物LIS1を分解することより、神経細胞遊走障害の改善を指標にして、カルパイン阻害薬による滑脳症治療薬の創薬探索を行った。本技術は、他の責任遺伝子に起因する遺伝性神経疾患に対する創薬探索への有用性と汎用性が大いに期待できる。

従来技術・競合技術との比較

インビトロ神経細胞遊走活性の測定法は、以前から報告されていた。本技術は、滑脳症治療薬開発の為に、カルパイン阻害活性を有する低分子化合物の薬剤スクリーニングとして独自に改良したものである。また、本技術改良により、神経細胞の遊走障害を伴う疾患の判定方法と有効な治療薬スクリーニングへの応用が期待できる。

新技術の特徴

・カルパイン阻害活性を有する低分子量化合物による滑脳症治療薬の探索
・神経細胞遊走障害を伴う遺伝性神経疾患に対する創薬探索
・タンパク質分解酵素阻害薬等の治療薬としての有用性の評価

想定される用途

・滑脳症治療薬としてのカルパイン阻害薬の薬剤(一次)スクリーニング
・神経細胞遊走障害を伴う遺伝性神経疾患に対する創薬探索
・神経細胞遊走障害を惹起する責任遺伝子の網羅的解析

16:10~16:30 環境
13)  放射性セシウム及びストロンチウム吸着材の開発と応用
発表資料

兵庫県立大学 大学院工学研究科 物質系工学専攻 准教授 西岡 洋
http://www.eng.u-hyogo.ac.jp/msc/msc6/

新技術の概要

本吸着材は水中のセシウムイオンやストロンチウムイオンを迅速に除去することが可能であり、両イオンに対してそれぞれ補足サイトが異なるため、両者を競合することなく除去することが可能である。

従来技術・競合技術との比較

セシウムに対して優れた吸着性を示すプルシアンブルーはストロンチウムに対して吸着性を示さない。一方、天然ゼオライトは安価であるがセシウムやストロンチウムイオンに対する選択性が低い。

新技術の特徴

・放射性セシウム汚染土壌の洗浄剤としても期待できる
・磁石で回収することが可能である
・肥料としても使用できる

想定される用途

・浄水装置のカートリッジ充填材
・原子力発電所の内壁・外壁材
・原発火災時の消火剤や放射能拡散防止剤

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり(磁性を付与した吸着材)
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