JSTトップ > 新技術説明会 > 発表技術アーカイブス > 2014 山陰(鳥取・島根)発

発表内容詳細

10:10~10:40 材料
1)  銅酸化物系高温超伝導膜の低温かつ簡易的な作製方法
発表資料

島根大学大学院 総合理工学研究科 物理・材料科学領域 助教 舩木 修平
http://www.phys.shimane-u.ac.jp/yamada_lab/

新技術の概要

溶融させた水酸化にREとBaとCuから成る原料を溶解させることで、1気圧の還元雰囲気中において500〜700℃の低温下で、基板上に銅酸化物高温超伝導膜を成長させることを特徴とする結晶膜作製方法

従来技術・競合技術との比較

従来の作製方法では、900℃程度の高温かつ高真空環境が必要であったが、本方法では特殊な装置を用いることなく、従来に比して350℃以上低い温度で“高品質”な膜を“高速”で成膜可能となる

新技術の特徴

・溶融水酸化物を用いることで低温で物質を反応させ、目的の結晶を得ることが可能
・結晶を成長させる基材の表面を修飾することで、目的の物質をエピタキシャル成長させることが可能
・溶液からの液相成長による、結晶の高速成長が可能

想定される用途

・超伝導ケーブルなど、高性能な配向膜の性質を利用した線材作製、及びその接合
・周波数選択性を高め損失を極めて低減化可能な超伝導フィルタ
・電気抵抗ゼロ、ジョセフソン効果などを利用した物性評価装置

関連情報

・水酸化物に溶融する材料であれば、低温で結晶成長させるなどの試作が可能

10:40~11:10 材料
2)  流動性に優れたキトサンーケイ酸複合粉体の製造技術
発表資料

地方独立行政法人鳥取県産業技術センター 電子・有機素材研究所 有機材料科 特任研究員 寺田 直文
http://www.tiit.or.jp/

新技術の概要

キトサン粉体の流動性改善を目的として、キトサンにシリカを付与することで流動性に優れたキトサン‐ケイ酸複合粉体を作製した。さらに、疎水化処理したキトサン‐ケイ酸複合粉体は、キトサン含有率20%〜90%の範囲でシリカ粉体よりも流動性が向上した。

従来技術・競合技術との比較

工業、農業用途等に利用する際、流動性に優れたキトサン粉体技術の開発が要望されていたが、キトサンをボールミル等で粉砕したキトサン粉体は、流動性等に問題があった。キトサン‐ケイ酸複合粉体にすることで流動性が向上した。

新技術の特徴

・キトサン-ケイ酸複合粉体
・高流動性粉体

想定される用途

・アンチブロッキング剤
・農業用の活力剤
・抗菌剤

関連情報

・キトサン80%-ケイ酸20%複合粉体サンプル

11:10~11:40 材料
3)  ガラスの分相現象を利用した新規のレアメタル分離技術の提案
発表資料

鳥取県衛生環境研究所 リサイクルチーム チーム長 門木 秀幸
http://www.pref.tottori.lg.jp/eiken/

新技術の概要

廃電子基板からレアメタルを分離する新規技術を提案。廃電子基板をガラス、分相剤とともに溶融することで、Ni等の金属は還元して分離し、ガラス中に残留するレアアース等の金属は酸で抽出して分離する方法

従来技術・競合技術との比較

従来の溶融還元による金属回収では、還元される金属はメタルとして回収が可能であったが、還元が難しい金属は分離できずガラス中に残留した。還元反応とガラスの分相現象を利用することにより、より多様なレアメタルの分離技術としての活用が期待される。

新技術の特徴

・分相現象を利用することでレアアース等のレアメタルの分離を行う。
・金属原料を溶融した後のガラスに含まれる重金属も分離できるため、ガラスのリサイクル技術としての活用が期待
・廃棄物からの多様なレアメタルの分離とガラスの再利用が期待

想定される用途

・廃電子基板等に含まれるレアメタル分離・回収技術
・重金属を含む廃ガラス(例えば、ブラウン管ファンネルガラス)のリサイクル技術
・レアメタルを含む廃ガラス、重金属を含む廃ガラス類等のリサイクル技術

11:40~12:10 材料
4)  ガラス粒子を用いた排水中のフッ素除去
発表資料

鳥取大学 地域学部 特任教授 中野 惠文

新技術の概要

ガラス、多孔質ガラス、水熱処理したガラス、水熱処理した多孔質ガラスの粒子は、それぞれフッ化物イオン溶液との接触により同イオン濃度を低減させたので、これらのガラス粒子はフッ素含有排水中のフッ素除去に有用となる。

従来技術・競合技術との比較

フッ素含有排水の処理はカルシウム塩やアルミニウム塩などを用いる凝集沈殿が一般的であるが、この方法では汚泥が大量に発生し、凝集沈殿用薬剤、汚泥処理などにコストを要する。本技術は、フッ素含有排水処理の低コスト化を実現した。

新技術の特徴

・排水処理の低コスト化
・水質汚染等の環境負荷軽減
・ガラス廃棄量の削減化

想定される用途

・フッ素含有排水処理
・フッ素のリサイクル

関連情報

・サンプルの提供可能

13:10~13:40 アグリ・バイオ
5)  植物工場用簡易的養液浄化装置の開発
発表資料

島根県産業技術センター 技術部 環境技術科 科長 田島 政弘
http://www.pref.shimane.lg.jp/shimane_iit/

新技術の概要

青色LEDおよび銀・光触媒複合体を利用した、植物工場用の殺菌・生育阻害物質分解機能を持つ養液浄化装置を開発した。

従来技術・競合技術との比較

強力な紫外線やオゾンを使用しないため、必須栄養素である鉄やマンガンを沈殿させることなく、殺菌および有機物の分解を行うことができる。また、銀の殺菌効果が消毒用塩素により阻害されずに、効果が長持ちする。

新技術の特徴

・銀イオンによる殺菌効果が高い。さらに、光触媒の効果により塩素イオン存在下でも殺菌効果が発揮できる。
・可視光応答型光触媒を利用するため、安価な青色LEDが利用できる。
・LEDを水中で利用するため、光の利用率が高い。

想定される用途

・植物工場の養液の殺菌および有害有機物の分解処理
・ハウス栽培における循環型養液栽培の殺菌および有害有機物の分解(特にトマトの栽培)

関連情報

・開催当日の展示品あり

13:40~14:10 アグリ・バイオ
6)  光照射による植物病害の防除法の開発
発表資料

島根大学 生物資源科学部 農林生産学科 准教授 上野 誠
http://www.ipc.shimane-u.ac.jp/blast/

新技術の概要

キュウリやメロンなどの植物にLEDやHEFLを光源とした赤外光を照射することにより、うどんこ病を防除できることを明らかにした。光を照射することによる植物病害の防除は、農薬の使用や農薬耐性菌の出現を減らすことに繋がる。

従来技術・競合技術との比較

緑色光や紫外光を植物に照射することにより、植物の病害が防除されることは従来から報告されていた。本技術は、これらの波長とは異なる赤外光を照射することによる植物の病害の防除法であり、新たな病害防除技術として利用できる可能性を持っている。

新技術の特徴

・農薬の使用を減らした病害防除が可能
・農薬耐性菌の出現を減らすことに繋がる
・農作業時間を軽減できる

想定される用途

・ハウス栽培・苗生産における病害防除
・病害防除用の光源(LED、HEFL等)
・光照射用の装置、機器

J-STORE掲載特許情報

14:10~14:40 アグリ・バイオ
7)  鳥取大学が保有する世界最大級の菌類きのこ資源とその活用研究
発表資料

鳥取大学 農学部 附属菌類きのこ遺伝資源研究センター 教授 中桐 昭
http://muses.muses.tottori-u.ac.jp/facilities/FMRC/index.htm

新技術の概要

鳥取大学農学部附属菌類きのこ遺伝資源研究センターは、世界最大級のきのこ類遺伝資源として1000種8000株を超える菌株を保有している。品質が確認できた菌株はオンライン菌株カタログで公開され、学内外の研究者からの注文を受けて分譲している。菌類きのこ遺伝資源研究センターでは、保有するきのこ類遺伝資源を使って様々な活用研究を行っている。今回はその中から、ショウロの人工栽培技術、きのこ揮発性物質による病害菌防除技術、毒きのこ成分の生理活性研究について紹介する。

従来技術・競合技術との比較

世界最大級の豊富なきのこ類資源を利用して、様々な活用研究に取り組んでいる。ショウロの人工栽培技術では、松実生との共生関係を構築しやすく、しかも子実体を良好に形成する優良株を多数の菌株の中から選別したことにより、また、新たな共生体構築法を開発したことにより、季節を問わず接種ができるようになった。きのこ揮発性物質の利用に関する研究では、きのこが発する揮発性物質が環境にやさしい生物農薬としての利用可能であることを示した。毒きのこを栽培して、その子実体の抽出成分から新たな機能を探索して、生体に作用するさまざまな生理活性機能を明らかにした。

新技術の特徴

・森林の再生、植林、健全化
・食品など安全性が要求される防菌剤
・検査試薬、研究用試薬

想定される用途

・栽培が困難な菌根性きのこ類の栽培
・生物農薬、ポストハーベスト防菌剤
・高血圧、中枢神経系などに対する医薬

関連情報

・サンプルの提供可能
・菌株の分譲

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14:40~15:10 アグリ・バイオ
8)  共生微生物を利用した高い生産能力を持つサツマイモ種苗生産方法
発表資料

島根大学 生物資源科学部 農林生産学科 助教 足立 文彦
http://www.life.shimane-u.ac.jp/gakubu_annai/kyoin_ichiran/gakubu_shozoku/adachi.html

新技術の概要

サツマイモ育苗時に特殊な栄養繁殖技術を用いることで、有用な共生微生物を効率的にサツマイモ苗に取り込ませる方法を開発した。微生物の生物的窒素固定によりサツマイモ苗は貧栄養土壌でも高い生産性を誇る。

従来技術・競合技術との比較

煩雑な有望菌の単離と培養が必要でない。単体では高い機能性が発揮できない細菌が報告されているが、相性のよい一般細菌と共存させて植物体に取り込むことが可能であり、実用性が高い。

新技術の特徴

・窒素肥料が削減できる
・成長のよい種苗が生産できる
・他の栄養繁殖作物に応用できる可能性がある

想定される用途

・サツマイモ種苗生産(とくに種芋生産)
・良食味な観賞用サツマイモの育成
・有用共生微生物の選抜・養殖・貯蔵

15:25~15:55 医療・福祉
9)  ヒト及びマウス人工染色体の医学・薬学応用
発表資料

鳥取大学染色体工学研究センター 特任教授 押村 光雄
http://www.med.tottori-u.ac.jp/chromosome/

新技術の概要

自立複製・分配が可能なヒト人工染色体(human artificial chromosome:HAC)あるいはマウス人工染色体(mouse artificial chromosome:MAC)ベクターを構築した。HAC/MACベクターの利点は宿主染色体に挿入されず独立して維持され、一定のコピー数で安定に保持でき、過剰発現や発現消失が起きる可能性が低い。導入可能なDNAサイズに制約がない。

従来技術・競合技術との比較

従来の遺伝子導入には大腸菌/酵母を宿主としたクローン化DNAが用いられているが、安定発現細胞株を取得しようとした場合、導入遺伝子は宿主染色体上にランダムに、多くの場合複数コピー挿入される。近年、染色体の特定部位(AAVS1部位やROSA26部位など)にゲノム編集技術を利用した相同組換えを用いて目的遺伝子を導入する方法も開発されているが、必ずしも巨大な遺伝子、複数の遺伝子を同時に安定的に導入できないのが現状である。これらの課題を解決することができる。

新技術の特徴

・遺伝子・再生医療用のベクター
・遺伝子関相互作用解析

想定される用途

・遺伝子発現安定細胞株の作製
・ヒト化モデル動物の作製
・細胞分化等モニタリング細胞システムの構築

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

J-STORE掲載特許情報

15:55~16:25 医療・福祉
10)  宮大工の概念をハイテク技術で具現化した骨折手術支援システム
発表資料

島根大学 医学部 整形外科 助教 今出 真司
http://www.med.shimane-u.ac.jp/orthop/

新技術の概要

手術室という特殊環境下に対応した3次元精密加工機を使用し、手作業では困難な精度の形成を骨や人工骨といった医療資源に施す手術支援システムを構築した。宮大工が木組みで神社仏閣を造るように、骨で骨折を治すことを目指す。

従来技術・競合技術との比較

従来にない医療現場で使用できる3D加工機システムである。信頼性が高いナノ社製の精密加工機を応用する。本技術は人工骨加工にも応用でき、人工関節手術や骨欠損部補填など用途多彩である。実用化に向けて関連企業との連携を希望する。

新技術の特徴

・手術室という特殊な清潔環境下で使用可能
・精度は±5μmで、独自の高い技術を提供
・プログラミングなど特殊技術は不要

想定される用途

・テーラーメードの骨折治療(骨移植)
・精度の高い人工関節手術の支援
・変形した小骨片に対応可能な関節内骨折治療

関連情報

・サンプルの提供可能
・骨ネジ、人工骨ネジ、3D加工骨

16:25~16:55 医療・福祉
11)  鼻息検査装置など画像解析技術の医療・バイオ応用
発表資料

鳥取大学 大学院工学研究科 情報エレクトロニクス専攻 教授 近藤 克哉
http://www.ele.tottori-u.ac.jp/japanese/labo/sd/

新技術の概要

鼻息板表面に付着した鼻息を、板側部に設けたカメラにより撮影して、鼻息像を記録できる小型検査装置を開発した。この装置は板表面の全体で、ぼけの少ない鼻息像を取得できる。画像を記録することで、鼻息の正確な広がり具合やフローの解析などを行え、より正確な診断が可能である。鼻息像は、ぼけを含む複数のカメラ画像から生成するため、最大事後確率推定等により画像の再構成処理を行う。

従来技術・競合技術との比較

鼻咽腔閉鎖機能等の評価のため、金属板からなる鼻息鏡がよく用いられる。従来、鼻息鏡は金属板に付着した鼻息の曇りが消失しやすいため、鼻息の測定による診断が主観的になりやすく、また鼻息の定量的な分析を行うことが難しい等の問題があった。また小さな子供は検査装置が大きいと恐怖心から検査を嫌がり,精度よく検査できないという課題があった。これら課題を解決する簡便な装置を提案した。

新技術の特徴

・複数視点の画像を合成して,そもそも得られない視点からの画像を生成する
・時系列な画像情報から,知りたい情報を人手によらずに正確に自動抽出する
・関心領域の動き情報を定義した特徴に基づいて可視化する

想定される用途

・医療機器
・監視装置
・画像解析
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