JSTトップ > 新技術説明会 > 発表技術アーカイブス > 2014 先端計測分析技術・機器開発プログラム

発表内容詳細

10:30~11:00 分析
1)  風評被害を根絶する食品放射線検出装置
発表資料

独立行政法人理化学研究所 戎崎計算宇宙物理研究室 主任研究員 戎崎 俊一
http://www.riken.jp/research/labs/grc/space_obs_exp/euso/

新技術の概要

風評被害を根絶するため、食品を破壊せずに測定できる包摂型の検出器を開発した。

従来技術・競合技術との比較

従来の食品用検出器は、検出領域が食品を入れる領域の下部にしかなく、正確な測定には食品を破砕する必要があった。我々は、包摂型の検出器を開発した。コストダウンを図るためにプラスチックシンチレータを使用した。光子数分布を正確に測ることで、プラスチックシンチレータ―でも、天然の放射性カリウムと放射性セシウムの割合を正確に求めることができる。

新技術の特徴

・食品を破砕せずに正確に放射線を図ることができる
・天然の放射性カリウムと放射性セシウムの割合を正確に求めることができる
・比較的低価格である

想定される用途

・トロ箱大のプラスチック容器に入れた資料をそのまま測定可能
・大容量資料に対する適用も可能

関連情報

・展示品有り

11:00~11:30 分析
2)  誘導ラマントモグラフ顕微鏡

東京理科大学 理学部 化学科 教授 由井 宏治
http://www.rs.kagu.tus.ac.jp/yuilab/

新技術の概要

分子識別能を有する誘導ラマン散乱光を用い、従来の強度情報だけでなく光干渉計で位相情報も拾うことにより、サブミクロン深さ方向測定位置精度を有する化学コントラスト断層画像顕微鏡を開発した。

従来技術・競合技術との比較

従来のサブミクロンの形状を識別する光コヒーレントトモグラフィーに、新たに化学コントラスト情報が加わった。また化学コントラスト顕微画像を与えるラマン散乱顕微鏡の深さ方向位置精度を約100倍向上させた。

新技術の特徴

・サブミクロン精度の断層画像を非破壊で取得可能
・大気圧下で作動
・分子識別・化学コントラスト画像取得可能

想定される用途

・多層薄膜材料の非破壊化学分析
・皮膚や眼(網膜)などの化学コントラスト断層画像診断
・物質内部の分子の空間分布計測(薬剤の浸透、相分離状態など)

関連情報

・外国出願特許あり

J-STORE掲載特許情報

11:30~12:00 計測
3)  生体内で小分子薬剤の濃度分布を3次元可視化する
発表資料

東京農工大学 大学院工学研究院 先端物理工学部門 教授 三沢 和彦
http://www.femto.tuat.ac.jp/jp

新技術の概要

蛍光色素等のラベルを付加すると性質が変わってしまうような小分子化合物の局在分布を、生体中において可視化することは、一般的に困難である。本技術は、そのような小分子化合物の局在分布および動態を、顕微鏡下で誘導ラマン散乱により分子構造を同定しながら3次元的に画像化するものである。

従来技術・競合技術との比較

すでに製品化されているラマン顕微鏡と異なり、信号強度の高い誘導ラマン散乱光を検出している。奥行き方向の断層撮影にも有利である。誘導ラマン散乱顕微鏡はレーザーシステムが複雑になる等の欠点があったが、本技術では、単一の光ビームを顕微鏡に導入するだけでよい。レーザー科学の専門家以外の利用者に配慮し、生命科学・医療分野への活用が期待される。

新技術の特徴

・非破壊・非接触測定で、分子構造の特定も可能
・光の波長程度の空間分解能により、特に試料深さ方向の分布測定が可能
・大気中常温で水分を含む試料にも適用でき、試料の前処理が不要

想定される用途

・細胞中の薬剤分子の分布測定
・皮膚等への薬剤浸透の非破壊測定
・代謝等による分子組成変化の追跡

関連情報

・外国出願特許あり

13:00~13:30 分析
4)  単色高エネルギーX線を用いて物体内部の組成変化と構造変化を検出する方法
発表資料

高輝度光科学研究センター 利用研究促進部門 構造物性IIグループ グループリーダー、副主席研究員 櫻井 吉晴
http://www.spring8.or.jp/ja/facilities/research_utilization/research_utilization/structure2/

新技術の概要

単色高エネルギーX線を入射X線として用いて物体内部からのコンプトン散乱X線を計測し、コンプトン散乱X線のラインシェイプ(エネルギー分布)から物体内部の組成変化と構造変化を検出する方法。

従来技術・競合技術との比較

従来の技術ではコンプトン散乱X線の強度を検出し、その分布から物体内部を観察している。この強度計測は物体内部でのX線吸収の影響を受け、物体内部の組成変化の検出は難しい。本新技術はこの困難を解決する。

新技術の特徴

・非破壊・その場検出及び観察
・物体内部の組成変化の検出
・高エネルギーX線の利用による大型物体への適用

想定される用途

・X線分析装置
・電気化学製品の分析
・生体イメージング

関連情報

・外国出願特許あり

13:30~14:00 計測
5)  高分解能電流経路映像化システムの開発と電子部品,蓄電池非破壊検査への応用

神戸大学 大学院理学研究科 化学専攻 准教授 木村 建次郎
http://www.chem.sci.kobe-u.ac.jp/staff/Kimura/

新技術の概要

本技術では、高感度磁気センサを用いて得られる電子部品外部の漏洩磁場のデータから、独自の数学的信号処理技術を用いて、電子部品内部の電流密度分布を非破壊映像化する。金属で覆われた電流源を可視化することができ、LSI配線, 蓄電池検査に活用されている。

従来技術・競合技術との比較

電子部品内部の電気的な故障解析は、主にOBIRCHによって行われていたが、この手法は、金属パッケージや電極下の欠陥は映像化できない。本手法では、静磁場を検出し、静磁場の基礎方程式を積分幾何学的な計算手法を用いながら逆解析することにより、センササイズを越えた空間分解能にて非破壊映像化することが可能となる。

新技術の特徴

・数学的信号処理技術を用いた高分解能電流密度分布映像化
・磁気発生源の高分解能映像化-鉄筋腐食、破断検査に活用-
・サブナノテスラの磁場を検出

想定される用途

・蓄電池内部の非破壊検査、短絡個所の映像化
・電子部品内部の配線の故障解析
・X線を用いない金属異物検査

関連情報

・展示品有り(ソフトウェアのデモ)
・外国出願特許あり

14:00~14:30 デバイス・装置
6)  半導体材料の伝導帯バンドを解明する可視光励起光電子分光法

名古屋大学 大学院工学研究科 マテリアル理工学専攻 教授 宇治原 徹
http://www.numse.nagoya-u.ac.jp/ujihara/

新技術の概要

半導体素子の高速化や太陽電池の高効率化においては、バンド構造を綿密に制御する必要性に迫られている。本装置は、これらの半導体素子において重要となる伝導帯バンド構造を極めて高精度に、しかも高速に評価する世界初の装置である。

従来技術・競合技術との比較

従来の角度分解光電子分光装置は、一般に価電子帯のバンド構造の評価しかできなかった。本装置は、半導体素子の開発において重要な伝導帯バンドを測定できる手法である。

新技術の特徴

・伝導帯バンド構造を測定できる光電子分光装置
・電子デバイスから太陽電池、LEDまで新規半導体材料開発に必須の装置

想定される用途

・電子デバイス素子の高速化、太陽電池の高効率化、LEDの高性能化等に寄与する新しい半導体材料の開発
・ノーベル賞級の発見につながる最先端の材料・半導体研究用機器

J-STORE掲載特許情報

14:40~15:10 デバイス・装置
7)  太陽電池評価のための3D顕微メスバウア分光装置の開発
発表資料

静岡理工科大学 理工学部 物質生命科学科 教授 吉田 豊
http://www.sist.ac.jp/~yoshida/

新技術の概要

"3D顕微メスバウア分光装置"は、鉄原子のみに敏感な顕微装置で、多結晶シリコン太陽電池中の結晶粒界や転位、内部歪み分布と鉄不純物分布の関係を電子状態や格子位置を区別して面内数μm、深さ方向数10nmの空間分解能で計測可能な唯一の装置である。

従来技術・競合技術との比較

多結晶シリコンの金属不純物の問題の研究は、半導体の欠陥評価法を用いてドイツのWeberグループなど世界中のグループで精力的に行われている。しかしながら、キャリア捕捉中心の鉄不純物の状態を直接観察可能な"メスバウア分光法"を利用した系統的な研究は我々だけが実施している。

新技術の特徴

・鉄不純物が問題となるすべての材料
・鉄鋼材料のオーステナイトおよびフェライト微細組織観察
・リチウムイオン電池およびキャパシタ電極

想定される用途

・多結晶シリコン太陽電池中の鉄不純物の状態分析・分布評価
・付属EBSD装置による結晶粒・残留歪評価
・付属EBICおよびSEM装置による結晶欠陥評価

関連情報

・展示品有り

15:10~15:40 計測
8)  プローブを用いた装置・物質・生体内部の同定と定量
発表資料

山梨大学 燃料電池ナノ材料研究センター 特任教授 犬飼 潤治

新技術の概要

Identification and qualifications of chemical species inside apparatuses, materials, and living things.

従来技術・競合技術との比較

微細なプローブを用いて、系内部の1点での化学物質の同定と定量が、高空間・時間分解能で可能である。

新技術の特徴

・1本のマイクロプローブを挿入することにより、内部の化学物質の同定と定量が可能。
・系に与える影響が少ない。
・空間・時間分解能が高い(マイクロメートルおよび秒)。

想定される用途

・燃料電池等、装置内の解析。
・生体、医療関連の解析。
・食品、液体などの解析。

J-STORE掲載特許情報

15:40~16:10 計測
9)  128個のNMRセンサーを用いた燃料電池内部の水分布の検出装置

慶應義塾大学 理工学部 機械工学科 准教授 小川 邦康
http://www.ogawa.mech.keio.ac.jp/

新技術の概要

「NMRセンサー」は核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance)を原理とした直径1mm程度のコイルである。NMRセンサーは水を感度良く計測でき、複数個用いれば、空間分布を計測できる。これを活用して、固体高分子形燃料電池(PEFC)の内部の水を128個の小型NMRセンサーで空間分布を計測するための装置を開発した。

従来技術・競合技術との比較

固体高分子形燃料電池(PEFC)内の含水量を計測する場合には、中性子線に比べて小さな設備で計測することができる。可視光が通らない不透明な物体内部の含水量を計測するには核磁気共鳴(NMR)法は向いている。含水量の空間分布が必要な場合には複数のコイルを用いることで可能となる。

新技術の特徴

・最大128個のコイルを挿入し、含水量の空間分布を計測できる。
・コイル寸法は1mm程度。コイル寸法は変更可能。
・面積3m×3mに計測システムを設置可能。

想定される用途

・燃料電池内の含水量・発電電流の空間分布計測
・食品や医薬品の品質検査
・不透明な物体内部の水分計測
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