発表内容詳細

10:40~11:10 デバイス・装置
1)  高速、低消費電力ポリマ光変調器の開発~シリコンフォトニクスの限界を超える ~
発表資料

高知工科大学 大学院工学研究科 システム工学群 電子・光システム工学 教授 榎波 康文
http://www.sceng.kochi-tech.ac.jp/yenami/

新技術の概要

電気光学ポリマを使用した光変調器は110GHz高速化が実証され、研究代表者はポリマ光変調器において従来の5倍の気光学係数170pm/Vを達成した後、波長1550nmにおいて世界最低の半波長電圧0.65Vを実現した。

従来技術・競合技術との比較

LN光変調器の帯域幅:40GHz以下・Vp>3V、シリコン光変調器:30GHz以下・Vp>3V、ポリマ光変調器:110GHz帯域幅・Vp=0.65V。ポリマ光変調器は高性能であり携帯無線信号の光伝送用に最も適した光変調器。

新技術の特徴

・帯域幅:110GHz
・半波長電圧:<0.65V
・新規多層薄膜スロット導波路(特許取得)を使用して半波長電圧0.1V以下が可能

想定される用途

・高性能ポリマ光変調器に基づくRadio-Over-Fiber携帯無線通信利得、S/N比増加による無線光通信の高速化、信頼性向上
・データサーバの低消費電力化のためのOn-Chip インターコネクション用光変調器
・将来の大容量、低消費電力光ファイバ通信用光変調器

関連情報

・実験用ポリマ光変調器サンプル
・外国出願特許あり

11:10~11:40 通信
2)  ビル管理システムに適した電力線通信システム
発表資料

愛媛大学 大学院理工学研究科 電子情報工学専攻 准教授 都築 伸二
http://miyabi.ee.ehime-u.ac.jp/~tsuzuki/index.html

新技術の概要

フロア毎に分電盤があるような大型ビルにおいて、従来の方式では困難であったフロア間通信を可能にし、また同じフロア内通信でも接続されている電気機器の影響を受けにくい、PLC信号の伝送方式を開発した。

従来技術・競合技術との比較

Neutral -- Live 線間で電圧駆動する従来のPLC方式は、同じ電力線に並列接続されている電気機器の影響を受けやすかった。またフロア間で通信する場合は、分電盤や配電盤での信号減衰が加わるため、信号増幅器を挿入するか、無線で中継せざるを得なかった。

新技術の特徴

・クランプ型トランスを用いて電流駆動でPLC信号を注入抽出するため、設置工事が容易
・PLC信号の帰路はアースを用いるため、フロアを縦断する電線であれば何でもよい(アース線、LANケーブル、TV用同軸ケーブル等)
・フロア内通信とフロア間通信との中継器は、パッシブ回路であるため消費電力はゼロ

想定される用途

・スマートメータのBルート(メータとHEMS/BEMS間)通信における、通信範囲の拡大
・DR(デマンドレスポンス)によって制御される電気機器との通信手段
・ビル管理システム用専用配線の削減

関連情報

・サンプル貸出可能
・ポケットに入るクランプ型フェライト

J-STORE掲載特許情報

13:00~13:30 医療・福祉
3)  膵癌細胞の浸潤・転移に関わるメッセンジャーRNAを標的とした新規治療法の確立に向けて
発表資料

高知大学 教育研究部 医療学系 基礎医学部門 薬理学 助教 谷内 恵介
http://www.kochi-ms.ac.jp/~ff_phrmc/

新技術の概要

膵癌細胞の細胞膜突起部に集積して局所翻訳されることにより細胞運動・浸潤を亢進させるメッセンジャーRNAを多数同定した。これらのRNAに特異的なsmall interfering RNA(siRNA)は細胞内において同じ塩基配列を持つ染色体由来のRNAを分解し、その結果膵癌細胞の運動・浸潤を抑制することが示唆された。

従来技術・競合技術との比較

siRNAは次世代のオリゴ核酸を用いた新規創薬の最有力候補と考えられている。合成したsiRNAが細胞内外で安定して存在し、効率的に細胞膜を透過するための技術的な研究とともに有効な創薬ターゲットの同定が必要な状況である。私達は膵癌細胞の運動・浸潤を抑制する可能性のあるRNA群の同定に成功し、これらのRNAに特異的なsiRNA配列を同定した。

新技術の特徴

・次世代シークエンサーを用いてがん細胞内で局所翻訳されるRNA群を網羅的に同定する技術
・がん細胞内で集積するRNA群を精製する技術
・次世代シークエンサーなどを用いて同定されたデータから細胞増殖、浸潤、転移に特異的な遺伝子を抽出する技術

想定される用途

・予後の最も不良な膵がんに対する抗浸潤・転移機能を持つsiRNA創薬
・ヌクレアーゼに対し抵抗性を持った合成siRNA作製技術の開発
・体内の膵がん組織に高率に輸送されるデリバリーシステムの開発

13:30~14:00 医療・福祉
4)  血液をサンプルとする高精度のうつ病診断マーカー
発表資料

徳島大学 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 精神医学分野 教授 大森 哲郎

新技術の概要

白血球をサンプルとし、PCRアレイ法によって13種のmRNA発現を測定し、それをスコア化して、うつ病のマーカーを作成した。うつ病25名と対照25名による第一集団での感度は72%、特異度は84%となった。うつ病19名と対照18名による独立した第二集団に対して第一集団で作成したマーカースコアを適用すると感度70%、特異度72%と良好な再現性を示した。発現遺伝子の選択変更で感度と特異度はさらに向上する見通しである。

従来技術・競合技術との比較

・実用化を視野に入れたほぼ初めてのマーカーである。 ・患者負担は少量(2.5ml)採血のみ。 ・測定は一般的な方法である。

新技術の特徴

・白血球をサンプルとしたmRNAの測定
・いくつかの遺伝子mRNA発現量のスコア化
・他の疾患への応用可能性

想定される用途

・うつ病の診断補助
・治療経過のモニター

14:00~14:30 医療・福祉
5)  ティシューエンジニアリングチャンバーを用いた血管付加脂肪組織再生法
発表資料

香川大学 医学部 形成外科 教授 田中 嘉雄
http://www.kms.ac.jp/~keisei/index.html

新技術の概要

脂肪組織や脂肪由来幹細胞を用いることなく脂肪組織を再生できる画期的な方法である。例として、乳房型のチャンバーを胸部に埋め込むことにより、約12週で脂肪組織が再生され、乳房再建を達成することができる。

従来技術・競合技術との比較

脂肪注入術では、時間の経過とともに脂肪が吸収され、効果が不安定だが、自身の体内で再生した栄養血管のある組織なので、効果が永久である。

新技術の特徴

・脂肪組織や脂肪由来幹細胞を用いていない
・再建したい場所で可能であり、移植しても拒絶反応がない
・チャンバーの形状に応じた再建が可能である

想定される用途

・乳がん術後の乳房再建

14:40~15:10 創薬
6)  経口睡眠薬ブロムワレリル尿素を注射薬(敗血症治療薬)/外用薬(アトピー性皮膚炎治療薬)として使用する
発表資料

愛媛大学 大学院医学系研究科 分子細胞生理学 教授 田中 潤也
http://hgyano.jimdo.com/

新技術の概要

作用の弱い経口催眠鎮静薬ブロムワレリル尿素にJAK1/STAT1-IRF経路の抑制作用のあることを見いだし、盲腸結紮穿孔によるラット敗血症モデルやマウスのアトピー性皮膚炎モデルに対し顕著な治療効果を発揮することを示した。

従来技術・競合技術との比較

敗血症に対し有効な治療薬は未だ存在しないが、ブロムワレリル尿素は確立された安全性とJAK1特異的な阻害作用というこれまでにない特徴を持って、敗血症を治療できる。また、アトピー性皮膚炎に対する効果も強い。

新技術の特徴

・痒みや皮膚の荒れを伴う皮膚症状に対するクリーム・軟膏
・化粧品

想定される用途

・アトピー性皮膚炎に対する外用薬
・敗血症に対する静脈内注射薬
・ミクログリアの活性化を伴う難治性脳疾患に対する治療薬

関連情報

・サンプルの提供可能
・外用薬
・外国出願特許あり

15:10~15:40 医療・福祉
7)  アミノアシル化ヌクレオチドの効率合成
発表資料

高知大学 教育研究部 総合科学系 複合領域科学部門 特任講師 片岡 正典

新技術の概要

無細胞タンパク質合成で利用されるアミノアシル化ヌクレオチドの新規合成法を開発した。本法は基質アミノ酸の使用量の低減と、高収率を実現した実用化が容易な技術である。

従来技術・競合技術との比較

従来の手法では貴重なアミノ酸を大過剰必要とし合成収率も必ずしも高くないが、本技術はアミノ酸を化学量論量使用を実現し、従来技術では合成できなかったアミノアシル化ヌクレオチドの合成にも成功している。

新技術の特徴

・アミノ酸の化学量論量使用
・複雑な構造のアミノアシル化ヌクレオチドが合成可能
・簡便な操作

想定される用途

・無細胞タンパク質合成
・N型糖タンパク質研究
・糖鎖研究

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり
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