発表内容詳細

9:50~10:20 創薬
1)  カンナビノイド開発のためのエノールホスフェートの簡便な合成
発表資料

東京工業大学 大学院生命理工学研究科 生物プロセス専攻 教授 小林 雄一
http://www.bio.titech.ac.jp/laboratory/ykobayashi/index.html

新技術の概要

かさ高い有機銅試薬をエノンに1,4-付加反応させて生じたボロンエノラートは反応性が無い。しかし、メチルリチウムを加えると活性化され、リン酸クロライドと反応してエノールリン酸エステルを生成した。

従来技術・競合技術との比較

立体障害のある反応系では三フッ化ホウ素によるエノンの活性化が必要であるが、生じたボロンエノラートは反応性が無い。エノンから3工程を経て反応性の高いエノラートを調製する方法が開発されている。本法はエノンからone-potでエノールリン酸エステルを合成できる。

新技術の特徴

・one-potでエノールリン酸エステルを合成できる。
・立体障害に影響されない。
・1,4-付加反応を組み合わせているため、新規なエノールリン酸エステルを位置選択的に合成できる。

想定される用途

・鎮痛剤開発のためのリード化合物の合成
・カンナビノイドの受容体研究用試薬の開発
・生化学研究に用いる化合物や診断薬の開発

関連情報

・合成操作について技術指導します

10:20~10:50 医療・福祉
2)  DNA二重鎖切断センサーDNA-PKの機能を見る
発表資料

東京工業大学 原子炉工学研究所 准教授 松本 義久
http://www.nr.titech.ac.jp/~yoshim/

新技術の概要

本技術は、XRCC4タンパク質のリン酸化状態と特異的に反応する抗体を用いることにより、DNA二重鎖切断のセンサーであるDNA依存性プロテインキナーゼ(DNA-PK)の機能を評価する新たな方法である。

従来技術・競合技術との比較

従来のDNA-PK活性測定は細胞抽出液にDNAとRI標識ATPを加えることによって行われていた。本法は、(1)生きた細胞の中でのDNA-PKの機能を評価することができる、(2)RIを用いないため、RI施設は不要という利点がある。

新技術の特徴

・DNA二重鎖切断センサーのはたらきが見える
・RIを用いない、RI施設は不要

想定される用途

・DNA-PKの性質、機能の研究及びこれを含むDNA二重鎖切断修復に関する生物学、医学的研究
・放射線感受性および癌罹患性の予測に関わる臨床検査
・DNA-PKの阻害剤または活性化剤のスクリーニング

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり

10:50~11:20 材料
3)  遠心式マイクロ流体デバイスによる細胞サイズ油中水滴の作製
発表資料

東京工業大学 大学院総合理工学研究科 知能システム科学専攻 講師 瀧ノ上 正浩
東京工業大学 大学院総合理工学研究科 知能システム科学専攻 学術振興会特別研究員 森田 雅宗
http://www.lifephys.dis.titech.ac.jp/

新技術の概要

本技術は、卓上小型遠心機の遠心力を利用して、チューブ(1.5mL)内で、少量(0.1μL~)の液滴原料から、ガラス管径と同一サイズの単分散性に優れる液滴(油中水滴)を数秒(遠心時間3秒)で、従来技術と同程度の個数作製できる。

従来技術・競合技術との比較

本発明は、従来の技術と比較して、小型化(1.5mLチューブ)・低コスト化・短時間化(遠心時間3秒)に成功、さらに、従来のサンプル量(1mL~)より1/10000の微量サンプル(0.1μL)で同程度の個数の油中水滴を作製できる。

新技術の特徴

・小型(作製スペースが机の上で十分)
・低コスト(必要材料が、固定具、ガラス管、試験管チューブ)
・微量サンプル(0.1μLあれば十分なので、高価な試料、貴重で入手困難な試料、検体などを無駄にすることがない)

想定される用途

・医薬分野などにおける、迅速・簡便な検査
・生物・化学系分野におけるマイクロカプセルの作製・マイクロリアクターへの応用

関連情報

・展示品あり(管理の下、聴講者への展示のみ可能)

11:20~11:50 材料
4)  マイクロ流路による液滴生成技術の生産・分析への応用
発表資料

東京工業大学 精密工学研究所 高機能化システム部門 助教 西迫 貴志
http://www.pme.pi.titech.ac.jp/staff/nisisako/

新技術の概要

マイクロ流路を用いた微小液滴生成技術の生産および分析への応用に関する技術を紹介する。生産技術として液滴・微粒子の量産装置を、分析技術としてはマイクロ流路内への脂質膜の作製技術とその薬剤化合物の透過性測定への応用について紹介する。

従来技術・競合技術との比較

従来の機械的乳化法に比べてサイズの均一性に著しく優れたエマルション液滴や、マイクロ流路でしか得られない特殊な液滴・微粒子を大量生産することが可能。脂質膜作製技術では、従来難しかったマイクロ流路内部への迅速な並列構造の作製が可能。

新技術の特徴

・サイズの均一なエマルション液滴を容易に大量生産できる。
・各種高付加価値液滴や固体微粒子の量産に容易に対応可能。
・多数の脂質二分子平面膜をマイクロ流路内に容易に作製可能。

想定される用途

・乳化(エマルション生成)操作全般
・各種固体微粒子の生産
・薬剤候補化合物のハイスループットスクリーニング

関連情報

・展示品あり(マイクロ流路デバイス)
・外国出願特許あり

J-STORE掲載特許情報

12:50~13:15 機械
5)  汚泥地・水中探査ロボット
発表資料

東京工業大学 名誉教授、(株)ハイボット 広瀬 茂男

新技術の概要

現場までの搬送時には小さく格納でき、水中においては中性浮力を有する構造であるため長く伸展でき、多くの作業を実施できるロボットアームと、汚泥地などの探索作業を行うロボットの推進ユニットとして、一つの軸の回転運動によって、その軸の周辺に軸に沿った進行波を生成出来る完全防水機構を紹介する。

従来技術・競合技術との比較

ロボットアームに関しては、在来のアーム構造よりも構造的に防水化しやすく、可動範囲が著しく大きく取れるため格納しやすく、また広い範囲の探索作業により適している。進行波推進機構に関しては、全方向に一様な推進力が生成でき、また、無限回転部分が外部に露出しないため、防水性が高く、障害物の絡み込みが少ない。

新技術の特徴

・防水機構
・格納性
・無限回転が無い推進機構

想定される用途

・原発事故作業用ロボットアーム
・管路の清掃

13:20~13:50 機械
6)  位置フィードバック機構を内蔵したERマイクロアクチュエータ
発表資料

東京工業大学 精密工学研究所 准教授 吉田 和弘
http://yokota-www.pi.titech.ac.jp/

新技術の概要

機能性流体ERFの流れを印加電界により粘度を変化させ制御するERバルブに対し、一方の電極を間隔方向に可動とし出力変位を得る構造で、位置フィードバック機構を内蔵したマイクロアクチュエータを提案する。

従来技術・競合技術との比較

高パワー密度の液圧駆動で、従来のアクチュエータでは必要な外部の位置センサおよび制御器なしで外乱を補償し位置制御を行うインテリジェントマイクロアクチュエータを実現することができる。

新技術の特徴

・液圧駆動により、高パワー密度のマイクロアクチュエータを実現することができる。
・外部センサおよび制御器なしの単純構造のマイクロアクチュエータで位置制御を行うことができる。
・外力がゼロになるような位置決めを行うことにより、対象物に接触する動作を簡単に行うことができる。

想定される用途

・位置決めサーボマイクロアクチュエータ
・形状適応機能を有する内視鏡

13:50~14:20 機械
7)  開閉両方向に力を出せる高速高把持力平行グリッパ
発表資料

東京工業大学 大学院総合理工学研究科 メカノマイクロ工学専攻 准教授 高山 俊男
http://www.olab.pms.titech.ac.jp/

新技術の概要

二つの小型モータと立体トグル機構を用いてロボットハンドの高速動作と高把持力動作を実現する。またトグル機構のおかげで把持状態の維持にエネルギーを消費しない。さらに通常のトグル機構は片方向にしか力が出せないが、本技術では機構的な工夫により両方向に力を出せる。

従来技術・競合技術との比較

高速動作と高トルク(把持力)動作を小型モータで両立させるには通常は変速機を用いるが、本技術では二つの小型モータを使い分けることで実現する。また大きな力はトグル機構によるため把持中にエネルギーを消費しない。さらに機構的な工夫によりトグル機構で開閉両方向に力を出せる。

新技術の特徴

・高速動作と高トルク動作を二つのモータを使い分けることで実現
・トグル機構を利用しているにも関わらず、押す方向にも引く方向にも力を出せる
・本技術の発展系として二つのモータの動作の組み合わせで高速動作と高トルク動作を実現する手法も提案している

想定される用途

・産業用途で用いられるロボットグリッパ
・加工機のチャックやバイス等の部材を把持固定しておく装置
・本技術の応用としてウィンチ等の高速動作と高トルク動作の両立等も考えられる

14:20~14:50 機械
8)  スライド式柔軟流体アクチュエータとその応用
発表資料

東京工業大学 大学院理工学研究科 機械制御システム専攻 准教授 塚越 秀行
http://www.cm.ctrl.titech.ac.jp/

新技術の概要

流体アクチュエータの駆動方式の1つとして、チャンバー内の流路の一部を遮断し、加圧しながらその遮断部をスライドさせる方式が存在する。「遮断部スライド駆動」とも呼べるこの方式は、チャンバーとして長い柔軟チューブを用いたときに有用性が高い。本報告会では、遮断方法として、チューブの座屈現象に着目し、「Λ-drive(ラムダドライブ)」と名付けた全く新しい遮断部スライド駆動を紹介する。そして、身体動作支援・狭隘地形移動ロボットなどへの応用例も示す。

従来技術・競合技術との比較

チューブをローラーでピンチする方式、チューブ内の流路をボールで遮断する方式、などが提案されていたが、流路を適切に遮断するための調整が煩雑であり、摺動抵抗を生じやすかった。そのため、効率向上が望めず、チューブの摩耗も問題となっていた。

新技術の特徴

・偏平チューブの座屈部をスライドさせるという全く新しい方式。
・スライド部を動かす方法だけでなく、スライド部を固定するとチューブを動かすことも可能。
・直動運動だけでなく、螺旋運動など、多様な運動の生成が可能。

想定される用途

・身体関節運動の支援装置
・狭隘地形の探査装置
・配管内点検ロボット

関連情報

・展示品あり

15:10~15:40 医療・福祉
9)  電気刺激による筋収縮を用いた植込み型医療機器用体内発電システム
発表資料

東京工業大学 精密工学研究所 助教 土方 亘
http://www.nano.pi.titech.ac.jp/

新技術の概要

植込み型医療機器の永続的な給電技術として、微小筋肉を電気刺激し、その収縮力で電磁誘導発電機を駆動し、電池を充電する体内発電システムを提案する。電池交換手術や外部給電機器の不要化による、患者の身体的負担軽減が期待できる。

従来技術・競合技術との比較

電池のみの給電と比較して、数年毎の電池交換手術の不要化、もしくは交換手術スパンの長期化を実現する。電磁誘導による非接触給電と比較しても、電磁波の放射が殆ど無いため、植込み型医療機器及び人体への安全性が高く、外部送電装置も不要。

新技術の特徴

・必要時のみ刺激を与える「能動的」発電が可能
・豊富に存在する筋肉を利用するため高出力化の可能性あり
・体内のグルコースを筋肉を介して電気に変換する化学・電気エネルギ変換機構が特徴技術

想定される用途

・ペースメーカや除細動器等の植込み型医療機器への給電
・体内植込み型ヘルスモニタリング装置への給電

15:40~16:10 材料
10)  極端紫外光源輝度を高め、かつ寿命を長くする標的材料
発表資料

東京工業大学 資源化学研究所 集積分子工学部門 准教授 長井 圭治
http://ime.res.titech.ac.jp/

新技術の概要

バブルにプラズマ源を担持させることにより、複雑なプリパルスを用いずに極端紫外線および放射線を効率よく発生することができ、光源劣化の最大の原因であるデブリ(微小ゴミ)の発生を抑えて光源寿命を長くできる。

従来技術・競合技術との比較

極端紫外線リソグラフィーの実用化にあたっては、ハイスループット用高強度光源が未開発なことが問題である。その最大の課題はデブリである。従来の技術は液体金属マイクロ粒子をプレパルスで膨張させて低密度化させてターゲットとするのだが、その制御が困難である。本技術では、キャラクタライズされた低密度金属化合物をターゲットとしており、デブリ抑制と安定運転が可能となる。

新技術の特徴

・レーザープラズマ式量子線発生
・低デブリ
・形状密度制御ターゲット

想定される用途

・半導体リソグラフィー用光源
・医療用イオンビーム
・パルスX線源

16:10~16:40 製造技術
11)  大気圧プラズマの表面処理、殺菌、分析応用
発表資料

東京工業大学 大学院総合理工学研究科 創造エネルギー専攻 准教授 沖野 晃俊
http://www2.es.titech.ac.jp/okino/index.html

新技術の概要

酸素、窒素、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウム、空気やそれらの混合ガスで、零下から数千度の大気圧プラズマを生成し、各種の表面処理、医療や食品用途の殺菌、皮膚等の表面に付着した物質の分析を行う技術です。

従来技術・競合技術との比較

一般的なヘリウムや空気ではなく、さまざまなガスを用いて大気圧プラズマを生成し、かつ1℃以下の精度で自由な温度のプラズマを生成します。それぞれのプラズマの特性に応じて、表面処理、殺菌、分析等に応用しています。

新技術の特徴

・酸素、窒素、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウム、空気やそれらの混合ガスでプラズマを生成
・零下から数千度の、温度制御されたプラズマによる表面処理、殺菌
・室温程度のさわれるプラズマによる、皮膚付着物分析

想定される用途

・金属、半導体、セラミックス、プラスチック、繊維、紙等の表面クリーニング、親水化、コーティング
・医療、食品、農業関連の低温殺菌
・生体等の表面に付着した物質の高感度分析
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