発表内容詳細(6/19)

9:30~9:55 材料
1) マンガンドープスピネル型赤色蛍光体及びその製造方法

宇都宮大学 大学院工学研究科 物質環境化学専攻 教授 単 躍進

新技術の概要

結晶サイト工学という手法により「出発主成分量の調整による微量成分の状態制御」を実現し、マンガンドープスピネル型酸化物MgAl2O4:Mnが紫外線励起による強い赤色発光を示す蛍光体を開発した。

従来技術・競合技術との比較

従来のマンガンドープスピネル型赤色蛍光体MgB2O4:Mn (B = Al, Ga)は緑色または緑色と赤色を同時に発光するものであるが、Mg量の制御により高輝度な赤色または緑色のみの蛍光体を見出し、その蛍光特性評価と発光起因を解明した。

新技術の特徴

・サイト制御
・赤色酸化物蛍光体
・スピネル型酸化物

想定される用途

・蛍光塗料
・ディスプレイ等の表示装置
・LED

10:00~10:25 材料
2) タンパク質の光誘起結晶化装置の開発

群馬大学 大学院理工学府 分子科学部門 教授 奥津 哲夫
http://okutsu-lab.chem-bio.st.gunma-u.ac.jp/

新技術の概要

タンパク質の結晶化を促進させる結晶化容器の開発を行った。結晶化容器には金薄膜が蒸着されており、この薄膜は表面プラズモン共鳴による光化学反応を起こす。この反応により結晶核に成長するテンプレートとなり得る分子が形成され、結晶の出現確率が向上する。照射する光はインキュベーター内の蛍光灯の光でよい。

従来技術・競合技術との比較

この容器のウェルにはタンパク質の結晶化を促進させる仕組みが構築してある。創薬の研究の現場における実験で、従来の実験手法を変更せず、この容器を用いるだけで結晶化が促進される効果がある。結晶化が求められているタンパク質を結晶化のために外注することなく、自分の研究室で結晶化実験が高い確率で成功する。光化学反応を用いるが、蛍光灯の光を用いるので、変性の問題は気にしないで使うことができる。

新技術の特徴

・この容器を使うことによりタンパク質の結晶が出現しやすくなる。
・今までの実験方法を変更する必要がない。
・結晶の出現が誘起される機構が解明されている。

想定される用途

・創薬の分野でタンパク質の結晶化実験が行われている研究での利用
・構造生物学でタンパク質の構造解析を行うために結晶育成を行うことが必要な研究分野での利用

関連情報

・外国出願特許あり
・サンプルの提供可能
・展示品あり

10:30~10:55 材料
3) 次世代高効率太陽電池用半導体混晶の作製技術

埼玉大学 大学院理工学研究科 数理電子情報部門 准教授 八木 修平
http://www.opt.ees.saitama-u.ac.jp/

新技術の概要

次世代高効率太陽電池や高性能レーザー材料として期待される希釈窒化物混晶を高品質に作製する技術を提供する。窒素元素を1原子層程度の極狭い領域に母体材料内に閉じ込めて添加し、数nm間隔で周期積層することで、窒素のクラスター化や欠陥形成を抑制する。

従来技術・競合技術との比較

母体となる半導体材料に数%程度の窒素を添加したGaAsNやGaInNAsなどの希釈窒化物混晶は、窒素の非混和性が高くクラスターが形成されるなど高品質な結晶成長が容易ではない。本提案では結晶成長シーケンスの制御により均質な窒素の取り込みを実現し希釈窒化物混晶の高品質化を図っている。

新技術の特徴

・成長シーケンスの制御により希釈窒化物半導体混晶を作製制御する。
・構造パラメータでバンドギャップや格子歪が制御可能。
・マルチバンドエネルギー構造を利用した新規光デバイス材料。

想定される用途

・高効率中間バンド型太陽電池用材料
・格子整合系タンデム太陽電池材料
・高性能な長波長レーザー材料

11:00~11:25 材料
4) 高力学的特性を有する生分解性ポリエステル

群馬大学 大学院理工学府 分子科学部門 助教 橘 熊野
http://greenpolymer.chem-bio.st.gunma-u.ac.jp

新技術の概要

本発明では、7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸(OBCA)を共重合体ユニットとして、ポリブチレンテレフタレートに導入することで高強度と柔軟性を兼ね備えつつ、生分解性を有するポリエステルを合成した。

従来技術・競合技術との比較

本発明で開発したポリエステルは、生分解性高分子として市販されているポリブチレンテレフタレート(PBAT)の2倍以上の弾性率と伸び率を有しつつ、同等の生分解性を有していた。

新技術の特徴

・医療用材料(柔軟性フィルムとして)
・自動車部品(インパネ関係の強化材料として)

想定される用途

・農業用マルチシート
・漁網
・包装材料

11:30~11:55 材料
5) 超低抵抗率銅配線を実現するための有害不純物の特定と除去

茨城大学 工学部 マテリアル工学科 教授 篠嶋 妥

新技術の概要

Cuと不純物からなるクラスター(少数の原子集合体)の形成エネルギーを第一原理計算によって計算することにより、Cuの結晶粒の成長を阻害する不純物原子を簡便に同定することに成功した。これらの不純物原子の無いCu微細配線を作製することで、超低抵抗率銅配線を実現できる。

従来技術・競合技術との比較

従来は経験をベースとした多数の実験の積み重ねが必要であったのに対して、本技術は事前に計算機実験を行うことで有害不純物の同定が可能である。

新技術の特徴

・除去すべき不純物原子が実地試験前にあらかじめ把握できる。
・配線溝内のCu配線の不純物を除去して結晶性を向上させることにより、超低抵抗率銅配線を実現できる。
・簡便化した計算により、時間面と費用面で多大な低減効果がある。

想定される用途

・LSI用極細配線の開発
・結晶粒成長を阻害する効果の高い不純物の同定

13:00~13:25 計測
6) 3次元実装技術を用いた超伝導フォトンセンサ

埼玉大学 大学院理工学研究科 数理電子情報部門 准教授 田井野 徹
http://www.super.ees.saitama-u.ac.jp/

新技術の概要

他のセンサでは実現できない感度を有する超伝導センサは、1画素あたりの有感面積が小さい。それを克服する手法としてアレイ化が用いられる。新技術では、センサの高感度性と大面積化の両立を実現できる。

従来技術・競合技術との比較

従来技術では、基板上にセンサを敷き詰める構造が採用されてきた。この手法では画素数の増加に従い、画素間の不感面積も増える。新技術では、3次元実装技術を用いることで大面積化が可能である。

新技術の特徴

・高感度センサであり、大面積、小不感面積を実現可能。
・吸収体の選択により、多種フォトンに対応可能。
・超伝導量子コンピュータをはじめとした低温分野における3次元実装への対応。

想定される用途

・テラヘルツ波を用いたセキュリティ用センサ
・中性子を用いたインフラ非破壊検査
・食品などに含まれる放射線検査

関連情報

・展示品あり

13:30~13:55 医療・福祉
7) 生体組織の硬さを映像化する実時間ずり弾性波映像法

群馬大学 大学院理工学府 電子情報部門 教授 山越 芳樹
http://www.el.gunma-u.ac.jp/~yamalab/

新技術の概要

生体表面から励起する連続的なずり弾性波(せん断波)を、振幅と周波数に関する2つの条件の下で可視化する方法で、従来の超音波映像装置を一切改造することなく弾性波の波面像、組織硬さに相当する速度像、伝搬方向像など定量的画像が得られる。

従来技術・競合技術との比較

定量性、生体への高い安全性を兼ね備えた本方法は、映像装置のコストが従来法に比べて非常に低廉であるにも係わらず定量的な画像が得られるという特徴を有するために、組織のずり弾性の映像化、ずり弾性波の伝搬速度計測などに適した方法である。

新技術の特徴

・ずり弾性波(せん断波)によるゲル状物質内部のレオロジーの可視化。
・食品等におけるゲル化の可視化や混入異物の可視化。
・物性評価のためのゾルーゲル遷移の可視化。

想定される用途

・生体軟部組織の硬さの実時間映像化とずり弾性率計測
・生体組織の液状変性、シスト部などの実時間映像化
・生体組織の癒着など、組織の機械的な構造の実時間映像化

関連情報

・外国出願特許あり

14:00~14:25 分析
8) オンラインショップにおける布地画像生成技術

宇都宮大学 大学院工学研究科 情報システム科学専攻 准教授 石川 智治
http://www.ced.is.utsunomiya-u.ac.jp/~ishikawa/index.html

新技術の概要

オンラインショッピングにおける使用を目的として、画像による視覚情報のみの布地の薄さ・厚さ評価と、同程度の評価が得られる画像記録・呈示方法に関する技術である。特に、任意の感覚量に適応した撮影及び表示が行えるため、この技術を基盤とした情報記録・伝送は、インターネットに限らず、様々な場面で応用可能である。

従来技術・競合技術との比較

撮影、計測などの単独技術は、従来技術でも存在するが、本技術は人間の感覚量と物理量との関係をデータベース(DB)とし、その感覚量に対応した撮影や表現を可能とする技術である。

新技術の特徴

・人間の感覚量に適応した撮影。
・人間の感覚を想定した画像生成・コンピュータグラフィックス表現。
・布地の質感を正しく伝達でき得るオンラインショッピングの実現。

想定される用途

・実物の衣服のスカート、重ね着用の上着のディスプレイ・撮影方法
・想定される衣住環境などの呈示システム(カーテンなどのレース設計)
・透明素材への応用

14:30~14:55 材料
9) 福島の森林に存在する放射性セシウムの除染に有効なポリイオンコンプレックスコロイド

茨城大学 工学部 生体分子機能工学科 准教授 熊沢 紀之

新技術の概要

チェルノブイリで用いられたポリイオンコンプレックスによる土壌固定法を森林の植生に影響がなく、散布が容易なコロイド溶液に改良した。さらに、この方法を用い森林に粘土粒子を散布し放射性セシウムを吸着させ効率よく回収する新規除染方法を提案する。

従来技術・競合技術との比較

チェルノブイリの土壌固定方法は塩害のために森林散布が出来なかったが、本方法では可能となった。また、負電荷をもつ粘土粒子が放射性セシウムを吸着する能力に着目し、粘土粒子を森林に散布し正電荷を有するポリイオンコロイド層により、選択的、効率的に除染する新規方法を提案した。

新技術の特徴

・安定なコロイド溶液であるために散布が容易である。
・塩分濃度が低いために植生に影響を与えない。
・粒径が大きなコロイド粒子のために大きなフロックを形成する凝集沈殿剤として機能する。

想定される用途

・汚染水を浄化するための効果的な凝集沈殿剤
・土木工事の法面の固定と緑化
・砂漠の緑化や流砂の防止

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり

15:00~15:25 材料
10) 電子・光機能性縮環芳香族化合物を指向するフッ素導入プロセスの開発

茨城大学 工学部 生体分子機能工学科 准教授 福元 博基

新技術の概要

本新技術は、特にn型有機半導体として有望な含フッ素縮環芳香族化合物の簡便かつ安全な合成法である。半導体の洗浄剤として用いられ、毒性の低いオクタフルオロシクロペンテン(OFCP)を原料とし、単環芳香族化合物のアニオン種との反応と続く光照射下での閉環反応の高々2段階で目的化合物を合成できることが特徴である。

従来技術・競合技術との比較

従来の有機半導体のフッ素化は、高温でフッ化水素など毒性の高いフッ素化剤を用いるなど、過酷な反応条件を必要とするため、実験室レベルで可能であっても、工業生産レベルには不向きである。本新技術では、毒性の低く入手容易なフッ素化合物を用いることにより、温和な条件(室温以下)下で芳香族化合物へのフッ素導入を可能とする。また、縮環(閉環)化も光照射下、室温かつ短時間で進行するため、目的化合物を得るためのエネルギーも従来に比べて抑えられることも利点である。

新技術の特徴

・温和な反応条件でのフッ素導入が可能。
・芳香族化合物の種類に限定されない多様な含フッ素縮環芳香族化合物の合成が可能。

想定される用途

・n型有機半導体材料
・有機発光材料

関連情報

・サンプルの提供可能

15:30~15:55 計測
11) 背景ノイズ除去機能付ワンショット透明体顕微装置

茨城大学 大学院理工学研究科 メディア通信工学専攻 准教授  鵜野 克宏
http://www.dmt.ibaraki.ac.jp

新技術の概要

従来の位相差顕微鏡や微分干渉顕微鏡に比べ、はるかに大きな位相差のある物体の形状測定が可能であり、試料に付随する様々なノイズ、例えば試料を入れる容器や、サポート媒質の屈折率変動などを除去し、計測精度を向上させることができる機能を有している。

従来技術・競合技術との比較

位相差顕微鏡や微分干渉顕微鏡では、波長を上回る厚みのある物体に対しては適切な画像が得られないが、本技術では、そのような厚みの物体でも正しい位相量を測定できる。また、従来波長分散や旋光性により物体の形状が不正確になるが、本技術ではそのようなことは起こらない。

新技術の特徴

・干渉縞が波長単位で途切れない。
・凹凸の判断が容易。
・背景ノイズの除去が可能。

想定される用途

・フラットパネルディスプレイの歪み計測
・微生物や生物組織のその場観察
・レンズ等の光学部品の歪み計測
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