発表内容詳細

10:30~10:55 情報
1) ドロネット ― ドローン群の有線ケーブル結合ネットワーク ―

会津大学 学長 岡 嶐一

新技術の概要

ドローン群を有線ケーブルで繋ぎ、ネットワーク化し、かつ有線給電で長時間飛行させる。このドロネットの安定化と飛行移動の方式を提案している。

従来技術・競合技術との比較

単一ドローンでは運べない重い荷物が運べる。長時間の空間滞在ができ、計測器の長時間動作を可能とする。風や外力、また一部のドローンの故障に対し頑健である。

新技術の特徴

・ドローンネットワークで重い荷物を運べる。
・長時間の空間滞在による各種計測器の動作を可能とする。
・風などの外力について頑健であり、建物や橋梁内部に入り、長時間滞在できる。

想定される用途

・重量のある農薬などの空中散布に使える
・建物や橋梁などの内部に、線型ドロネットが入り込み、長時間滞在して計測器による情報をうる
・災害地の空中からの動画により、長時間にわたる状況把握、人物や物の探索に使える

関連情報

・展示品あり(シミュレーション動画等)

11:00~11:25 環境
2) 溶融塩を用いた放射性セシウムの除去方法

福島大学 理工学群 共生システム理工学類 教授 佐藤 理夫

新技術の概要

溶融状態のリン酸水素カリウムを用いて、原発事故により汚染された土壌等に含まれる放射性セシウムをカリウムと置換させて除去する。処理した土壌等を土木資材などとして活用することにより、放射性廃棄物最終処分量を低減させる。

従来技術・競合技術との比較

肥料となり得る薬品のみを使用するため、処理後土壌に残存する薬品の環境負荷が小さい。水溶液で洗浄する手法と比べ、セシウム除去率が高く、廃液発生量が少ない。高温にして塩化セシウムとして昇華させる手法と比べ、低温での処理が可能であり、エネルギー消費量が少ない。

新技術の特徴

・溶融塩を用いるため、高濃度のカリウムでの置換が可能。
・溶融状態での固液分離の工夫により、使用薬品量の低減が可能。
・常圧での処理が可能なため、大規模化が容易。

想定される用途

・中間貯蔵施設での土壌や瓦礫の除染および再資源化
・原子力発電所の廃炉作業で発生する表面が高濃度で汚染された構造物の表面処理

関連情報

・展示品あり(処理後土壌のサンプル)

11:30~11:55 デバイス・装置
3) 大量水のろ過を可能とする小型積層型フィルタ

福島大学 理工学群 共生システム理工学類 教授 高橋 隆行
http://www.rb.sss.fukushima-u.ac.jp/

新技術の概要

環境調査等で、大量の水を途中でフィルタ(ろ紙)を交換することなくろ過するための機材である。内部で入出力間の圧力をバランスさせる新構造を有し、その結果、小型であるにもかかわらず高耐圧を実現した。

従来技術・競合技術との比較

これまで、環境調査に使用できるこのような機材は無かった。また、国外の研究機関で同様の機材が独自設計に基づき試作・使用されていた例はあるが大型であり、可搬性が悪く取り扱いが不便であった。

新技術の特徴

・小型で入出力差圧が大きなろ過ができる。
・積層されるフィルタの枚数に制限は無い。
・河川・湖沼・海洋での環境放射能調査で多くの研究者から既に好評を得ている。

想定される用途

・放射能調査
・生態系調査
・公害調査

関連情報

・展示品あり(試作した積層フィルタブロックを展示します)

12:00~12:25 エネルギー
4) 新しい低コスト・高品質Siインゴット単結晶の製造方法と応用分野

科学技術振興機構 革新的エネルギー研究開発拠点形成事業 超高品質シリコン結晶技術チーム 研究員(チームリーダー) 中嶋 一雄
http://www.jst.go.jp/renewable/index.html

新技術の概要

石英ルツボに入れたSi融液内に大きな低温領域(ノーハウ)を形成し、この中で大口径・高品質Siインゴット単結晶をルツボ壁に触れることなく引き上げ成長させる。低歪み、直径比(0.9),低酸素濃度、低転位インゴットが得られ、高効率太陽電池が高歩留まりで実現。キャスト成長法、チョクラルスキー成長法の二通りの応用がある。

従来技術・競合技術との比較

キャスト成長法との比較:最高変換効率、変換効率の分布、高効率太陽電池用ウェハー歩留まりいずれもキャスト成長法を上回る。チョクラルスキー成長法との比較:無転位化を完成すれば、Si融液内成長や大きな直径比成長のメリットを出せ、品質やコストで最高級品を上回る期待がもてる。需要の大きな通常品では現時点でも遜色がない。

新技術の特徴

・大口径Siインゴット単結晶が小口径ルツボで成長できる。
・1m径以上のインゴット単結晶ができるポテンシャルをもつ(Si融液内成長のため浮力を利用できる)。
・4角形のインゴット単結晶など形状制御ができる。

想定される用途

・高効率太陽電池用のキャスト成長法
・低結晶欠陥を目指したチョクラルスキー成長法
・安価な大口径Si基板を必要とする分野

関連情報

・条件によってはウェハーを提供

J-STORE掲載特許情報

13:00~13:25 医療・福祉
5) 植え込み型除細動器植え込み術の術前最尤化技術

会津大学 コンピュータ理工学部 上級准教授 朱 欣
http://bitlab.u-aizu.ac.jp/

新技術の概要

本技術は、コンピュータシミュレーションを用い、植込み型除細動器(ICD)の除細動閾値及び心筋障害を推定し、ICDの種類、ICDの作動エネルギー及び本体の植込み場所の最尤化をバーチャルで行い、ICD植込み後の除細動効率確保、及び患者の心筋保護と予後改善を可能とする。

従来技術・競合技術との比較

従来にICD植え込み部位及び設置方法は固定されており、除細動の効果及び心筋障害を術後にしか確認できない。そして、ICD植え込み術の学習には、多くの動物が用いられ、コスト面や医学倫理上の問題もある。シミュレーションを用いた場合には、事前に除細動効果と心筋障害の程度を確認できるため、コスト面や医学倫理上の問題を解消することができる。

新技術の特徴

・バーチャル技術を用いることにより、ICD作動時の除細動効果と心筋障害の程度を推定できる。
・医工連携の共同研究において、臨床実験に基づき、シミュレーションの精度及び信頼性を確認した。
・人体モデル及び数値解析アルゴリズムを使用するため、ほぼリアルタイムでシミュレーション結果を確認できる。

想定される用途

・ICD植込み術の支援システムとして、除細動効率及び患者の予後を改善できる。
・若い医者向けのICD植込み術に関するトレーニングシステム
・ICDシステムのデザイン支援システム

関連情報

・展示品あり(ICDの除細動シミュレーション結果を表示)

13:30~13:55 製造技術
6) 極薄型結晶シリコン太陽電池とそのインクジェット印刷を用いた作製技術

福島大学 理工学群 共生システム理工学類 特任教授 野毛 宏

新技術の概要

低コストでフレキシブル性のある厚さ50ミクロン以下のシリコン基板に適した、裏面電極型ヘテロ接合太陽電池の新規構造を開発した。このデバイスを、安価な汎用塗料を用いたインクジェット印刷によるパターニング技術によって作製している。

従来技術・競合技術との比較

太陽電池は裏面でn型層とp型層を一部重ねることで、効率を損ねることなく作製時のパターニングを容易にし、かつそれらの間に絶縁層を挿入することでリークを抑止している。デバイス作製に用いるインクジェット印刷は基板へのストレスが小さく、歩留りが向上する。

新技術の特徴

・薄型・軽量かつ変換効率の高い太陽電池ができる。
・シリコン太陽電池を曲面状に曲げることができる。
・50ミクロン以下の精度のインクジェット印刷で曲面基板上にもデバイスが作製できる。

想定される用途

・電力用軽量・高性能太陽電池
・ウエアラブル機器・建材一体型用フレキシブル太陽電池
・曲面上インクジェット印刷デバイス作製技術

関連情報

・外国出願特許あり
・展示品あり(インクジェット印刷で作製した太陽電池セル(顕微鏡、ディスプレイ))

14:00~14:25 材料
7) 天然素材のナノ構造を利用した新規摺動材料の開発

福島大学 理工学群 共生システム理工学類 教授 小沢 喜仁

新技術の概要

酢などの醸造工程において酢酸菌がつくるバクテリアセルロースがもつナノ構造を利用しながら、フェノール樹脂との良好な含浸手法を開発しこれを焼結して、優れた摩擦・摩耗特性を発揮する新規摺動材料を開発した。

従来技術・競合技術との比較

天然素材の優れた微細構造と特性を利用しながら、湿式で有機材料とのボイドフリーの含浸に成功した。従来のC/Cコンポジットに比して千分の一の微細な構造をもつことから、MEMSなど微細構造を有するシステムにおける摺動材料として使用できる。

新技術の特徴

・天然素材を利用したナノレベルの微細構造を有する新規摺動材料であること。
・動摩擦係数と比摩耗量などの摩擦・摩耗特性に優れ、摩耗粉をほとんど発生しないこと。
・第3成分の添加によりさらに優れた機能を付加することが可能である。

想定される用途

・MEMSなど微細構造を有するシステムにおける軸受けなど摺動材料として使用できる。
・金属材料が使用できない環境やシステムのでの使用が可能である。
・本材料を用いた薄膜材料などの適用も想定できる。

関連情報

・サンプルの提供可能(ラボレベルでの少数の、小さなサンプルは提供可能)
・展示品あり

14:30~14:55 情報
8) 複数の秘密画像を暗号化可能な視覚復号型秘密分散法

会津大学 コンピュータ理工学部 准教授 渡邊 曜大

新技術の概要

視覚復号型秘密分散法では、有資格参加者集合の持つ透明なシートに印刷された分散画像を重ね合わせることによって、人間の目により秘密画像が復元できる。本技術は、複数の秘密画像を扱う最も一般的なアクセス制御を実現する。

従来技術・競合技術との比較

従来技術によるアクセス制御には、閾値型(参加者がすべて対等)でなければならない、すべての秘密画像に対して禁止集合が同一でなければならない、といった強い制約が存在したが、本技術ではあらゆるアクセス制御が可能である。

新技術の特徴

・複数の秘密画像を扱うあらゆるアクセス制御に対応している。
・真の乱数を用いれば無限の計算資源をもつ攻撃者に対しても(情報理論的に)安全である。
・利用者が暗号計算に直接参加するため、技術に対する興味や信頼を得やすい。

想定される用途

・印鑑よりも信頼性および自由度の高い認証(例:不正が検出可能な割印)
・計算機が使えない環境における、秘密情報に対するアクセス制御(例:災害時に秘密情報を復元する)
・利用者の興味を活かした、娯楽や教育の場での利用(例:楽しみながら漢字を学ぶ)

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり(分散情報が印刷されたOHPシート、PCによるデモ)

15:00~15:25 通信
9) 災害や障害に強く、メンテナンスコストの低い無線センサーネット

会津大学 コンピュータ理工学部 教授 林 隆史

新技術の概要

屋外に設置される無線センサーネットは、メンテナンスコストが課題となる。本発明によって、同期がすこしずれても通信が可能になると同時に、アクセスポイントが故障しても、周辺のアクセスポイントで故障したアクセスポイントを直ちに置き換えできるようになる。

従来技術・競合技術との比較

正確な同期を必要としないCDMA方式の特許は存在するが、その中に、故障アクセスポイントの代替を可能にするような技術は存在しない。

新技術の特徴

・センサーネットに限らず、同期に必要なハードウェア他のコストを低減できる。
・精密な調整も不要で、故障にも強い仮無線ネットを簡単に設置できる。
・長距離の通信にも利用可能。

想定される用途

・メンテナンスが難しい場所の無線通信
・災害時やサイバー攻撃発生時の仮設ネットワーク
・アクセスポイントやセンサーの設置の設計を頻繁に変える必要のある用途
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