発表内容詳細

10:00~10:25 アグリ・バイオ
1) 家畜伝染病予防のための待ち受け消毒用着色粒状散布剤

室蘭工業大学 大学院工学研究科 環境創生工学系専攻 准教授 徳樂 清孝
http://www3.muroran-it.ac.jp/tokuraku/tokuraku

新技術の概要

家畜伝染病予防のため消石灰による待ち受け消毒が実施されているが、粉末が飛散したり消毒効力低下の判断が難しいなど、使用に際し問題があった。そこで粒状化により飛散を防止し、消毒効力を色の変化で判断する待ち受け消毒用着色粒状散布剤を開発した。

従来技術・競合技術との比較

消石灰、スラグ、ゼオライト粉末から造粒することで、従来の粒状消石灰と比較して硬さ、大きさ、pHを自由に調整できる。また、pHの変化により色が変化する着色料を添加することで、散布剤の消毒効力を色で判断できる。

新技術の特徴

・バインダーを用いない造粒技術
・消石灰、スラグ、ゼオライト3成分混合による硬さ、大きさ、pHの調整
・消毒効力の低下を色の変化で判断

想定される用途

・農場入り口への散布
・衛生管理区域への散布
・畜舎内への散布

関連情報

・展示品あり(待ち受け消毒用着色粒状散布剤のサンプル)

10:30~10:55 アグリ・バイオ
2) トキソプラズマ原虫の増殖・潜伏感染誘導をともに抑制する薬剤のスクリーニング系

帯広畜産大学 原虫病研究センター 地球規模感染症学分野 特任准教授 加藤 健太郎
http://www.obihiro.ac.jp/~globalinfection/

新技術の概要

潜伏感染虫体において特異的に活性化するプロモータ1の制御下、及び、潜伏感染及び増殖期の虫体でともに活性化するプロモータ2の制御下にレポーター遺伝子が組込まれた組換えトキソプラズマ株を用いる、抗原虫薬のスクリーニング方法。

従来技術・競合技術との比較

従来技術には、そもそもトキソプラズマ薬のスクリーニング系はない。本発明の組換えトキソプラズマ株は、潜伏感染状態を特異的に反映するレポーター遺伝子と原虫数を反映するレポーター遺伝子を含むことから、原虫数で補正した潜伏感染誘導の程度を高感度で観察することが可能である。

新技術の特徴

・他の感染症の治療薬・予防薬のスクリーニング系への応用
・潜伏感染のメカニズムを解析することで、潜伏感染を伴う日和見感染症の治療薬・予防薬の開発
・人獣共通感染症に対する治療薬・予防薬の開発

想定される用途

・畜産業界におけるトキソプラズマ症治療薬の開発
・産婦人科領域でのトキソプラズマ予防薬・治療薬の開発
・トキソプラズマの治療薬・予防薬のスクリーニング

11:00~11:25 アグリ・バイオ
3) 可食性精製イカ墨色素粒子のファインケミカルへの展開

函館工業高等専門学校 物質環境工学科 教授 上野 孝
http://researchmap.jp/read0161253/
酵素による不純物の分解と限外ろ過により、高純度に精製されたイカ墨色素粒子は約300nmの粒子径であり、化学物質を含まないことから、メラニン色素の特徴を活かす可食性黒色色素製品への展開を進めている。

従来技術・競合技術との比較

天然色素の中で量産可能な「黒色」はイカ墨の他にはないと言われている。本技術は、粒子径の揃ったイカ墨色素を水中で単分散にして、インクジェット印刷を可能にした世界初の技術である。強力な紫外線吸収効果や耐熱性も有している。

新技術の特徴

・可食性であるという安全性を活かした食品や化粧品への利用
・光機能材料としての利用
・半導体材料としての利用

想定される用途

・食品や食品包装容器、卵の殻、果物の皮などへの賞味期限等の直接インクジェット印字
・薬の錠剤の型番の直接インクジェット印字 (高齢者の誤飲防止用)
・紫外線吸収天然素材としての利用

関連情報

・サンプルの提供可能

11:30~11:55 アグリ・バイオ
4) イソマルトメガロ糖による難溶性フラボノイド等の可溶化剤

北海道大学 大学院農学研究院 応用生物科学専攻 食資源科学講座 教授 原 博
http://www.agr.hokudai.ac.jp/nutrbiochem/

新技術の概要

イソマルトメガロ糖は、グルコースのα-1,6結合重合体で、オリゴ糖と多糖の中間鎖長を持つ難消化性の新規機能性糖である。その分子構造に基づき、フラボノイドなど難溶性のBCSクラス2分子を可溶化することで、腸管吸収を向上させる。

従来技術・競合技術との比較

既存の短鎖長イソマルトオリゴ糖は、可消化性でフラボノイド可溶化能はない。難溶性フラボノイド可溶化技術として、サイクロデキストリンや糖転移フラボノイド配糖体があるが、いずれも汎用性に欠け、食材としての用途も限定される。

新技術の特徴

・本発明のイソマルト糖は、従来実用的生産法がなかった中間鎖長を持つメガロ糖である。
・末端にアンカー構造を付与しており、糖—フラボノイド複合体を安定化させている。
・これまでにないユニークな機能性を有し、また無味無臭で汎用性の高い食材である。

想定される用途

・でんぷん系食品(パン、麺、パスタ)食材
・スポーツドリンクなどの飲料
・吸収性に優れたフラボノイドなどのサプリメント

13:00~13:25 創薬
5) 酸化グラフェンの医療応用 -歯周病治療,再生医療への展開-

北海道大学 大学病院 歯周・歯内療法科 講師 宮治 裕史
http://www.den.hokudai.ac.jp/hozon2/tissue-engineering.html

新技術の概要

ナノカーボン材料である酸化グラフェン(GO)を含有した組織再生用生体材料を創製し,動物実験レベルで骨など生体組織の再生を促進することに成功した。また、GOの抗菌性を活かした歯周病治療法の開発を行い、GOコーティングによる抗菌性歯面を獲得した。

従来技術・競合技術との比較

本技術の作用機序はナノ物質の特性である吸着性と、ナノカーボンの持続的な静菌性を利用している。GOは配合量を変えることで、細胞親和性と抗菌性を発揮できるユニークな材料である。また従来の抗菌性物質に比較して持続性が高く、局所応用で効果を発揮できる。

新技術の特徴

・酸化グラフェンのナノサイズシート構造を生かして広い面積をナノレベルの厚みでコーティングできる。
・酸化グラフェン表面の酸素官能基の調整をすることで配合後の生理活性物質吸着や抗菌性,生体親和性を調節できる。
・近赤外光を吸収し発熱するため光治療(photo dynamic therapy)に応用できる。

想定される用途

・歯周病治療,知覚過敏治療用の医療機器
・歯磨剤や含嗽剤,義歯洗浄剤等の口腔ケア製品
・組織再生用生体材料

13:30~13:55 創薬
6) マイクロRNAを基軸とした新規コンパニオン診断薬・低分子核酸医薬

北海道大学 遺伝子病制御研究所 疾患制御研究部門 准教授 北村 秀光
http://www.igm.hokudai.ac.jp/funimm/

新技術の概要

被験者の血清マイクロRNAをバイオマーカーとして解析し、がん疾患の悪性度を予見あるいは判定する新技術を開発した。本技術は、がん治療の選択基準の決定、治療効果の予測、治療過程のモニタリングにおいて有用であり、さらにこれらのマイクロRNAは低分子核酸医薬として制がん剤としても使用できる。

従来技術・競合技術との比較

従来、マイクロRNAは、がん患者の生命予後予測などのバイオマーカー又は早期発見のための診断薬としての利用が検討されているが、本技術によりがん疾患の悪性度を判定し、がん治療の選択基準の決定、治療効果の予測、治療過程のモニタリングを可能にする新規マイクロRNAを提供し、さらに低分子核酸医薬として、がん細胞の増殖・悪性度を制御することもできる。

新技術の特徴

・がん疾患の悪性度の新しい解析および判定方法への応用が可能
・がんワクチン・免疫治療の際に新規アジュバントとしての応用が期待
・標準がん治療の術後補助療法および併用療法への応用にも可能

想定される用途

・がんの悪性度を判定するバイオマーカー
・免疫治療を含むがん治療のためのコンパニオン診断薬
・低分子核酸をベースとする新規制がん剤

14:00~14:25 創薬
7) RNA安定化機構を利用した新しい制限増殖型アデノウイルス

北海道大学 大学院歯学研究科 口腔病態学講座 准教授 東野 史裕
http://www.den.hokudai.ac.jp/pathol/pathol.html

新技術の概要

我々は、AU-rich element (ARE)を含むmRNAが核外輸送され安定化されている、多くの腫瘍細胞、またはその他の細胞で選択的に増殖でき、それらの細胞を溶解できるアデノウイルスの開発に成功した。

従来技術・競合技術との比較

他のウイルスより安全性に優れ、大部分のがん細胞でARE-mRNAが安定化されているため、より広範ながんに対して効果が見込まれ、また、ARE-mRNAが安定化されているがん以外の疾患の細胞にも応用可能である。

新技術の特徴

・ARE-mRNAが安定化されているがん細胞(全てのがんの80-90%程度)の特異的溶解によるがん治療に使用できる。
・ARE-mRNAが安定化されると予想されるその他の疾患(ウイルス性疾患、炎症性疾患、骨代謝異常、リウマチ等)の細胞を特異的に溶解できる。
・遺伝子治療に使われてきた5型アデノウイルスを使用しているので、安全性に優れている。

想定される用途

・ウイルス生産技術が確立されていて比較的簡単にウイルス生産できる。
・使用法が簡便で副作用が少なく、他のがん治療法とも併用できる。
・GFPをウイルス遺伝子に組み込めば腫瘍センサーとして使える。

14:30~14:55 創薬
8) グリオーマ幹細胞を標的とした新規治療法の開発

北海道大学 遺伝子病制御研究所 幹細胞生物学分野 教授 近藤 亨
http://www.igm.hokudai.ac.jp/stemcell/

新技術の概要

グリオーマ幹細胞を用いた解析から細胞表面膜タンパク質Glimを同定し、Glimを標的とするヒト化抗体の作製に成功した。加えて、グリオーマ幹細胞を標的とする化合物スクリーニング法を樹立し、新規治療用化合物を同定した。

従来技術・競合技術との比較

グリオブラストーマを含む悪性グリオーマの外科的手術による奏効率は芳しくなく、安全性の高い優れた治療法の開発が求められている。本発明はグリオーマ幹細胞細胞表面膜タンパク質Glimを標的とする新規抗体医薬の基盤を提供するものである。加えて、グリオーマ幹細胞を標的とするスクリーニング系は画期的な治療薬の同定に多用されると期待される。

新技術の特徴

・グリオーマの悪性度に相関が認められる膜タンパク質が標的である。
・抗体-薬物複合体による抗体医薬開発も可能。
・グリオーマ幹細胞を標的とした新規化合物の同定が可能である。

想定される用途

・グリオブラストーマ治療薬
・グリオーマ診断薬
・Glimの発現が認められる他のがん種に対する治療薬

15:00~15:25 医療・福祉
9) 脳インターフェースを使ったネット仮想空間の操作技術

北見工業大学 工学部 電気電子工学科 准教授 橋本 泰成
http://accafe.jp/hashimoto_lab/

新技術の概要

ヒトの頭皮上から得られた脳波信号によって、仮想空間内の使用者の分身(アバター)を操作する技術を開発した。本技術では、身体を動かそうとする時(運動イメージ時)の脳波をリアルタイムに解析し、コンピュータへ出力することで、手足を実際に動かすことなく操作することが可能になっている。

従来技術・競合技術との比較

従来の脳波関連技術(BMI/BCI)は、機械義手や車いすの操作を狙うものが多い。本技術は、障害者のオンラインコミュニケーションの支援、ネット利用よる経済効果、従来のBMI利用前の訓練用プラットフォームとしての利用などを狙っている点が異なる。

新技術の特徴

・脳波を利用した全く新しい機械操作感覚が得られる。
・脳波のフィードバックによりリラクゼーション効果や集中力の上昇などが認められている。
・仮想現実技術とヒトとの有機的な通信が可能になる。

想定される用途

・リハビリテーション用機器
・ゲーム・エンターテイメント用コントローラ
・ヘルスケア
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