発表内容詳細

10:30~10:55 環境
1) 有価金属の高効率で高選択的な抽出分離とナノ粒子生成技術

日本原子力研究開発機構 原子力基礎工学研究センター 環境化学研究グループ リーダー 長縄 弘親
http://nsec.jaea.go.jp/cne/Green/top.htm

新技術の概要

有機溶媒中で生成する逆ミセルと呼ばれるナノサイズの分子集合体は、金属イオンを高効率で高選択的に抽出する能力を持っている。この技術は、水溶液中の有価金属を逆ミセルを含む有機溶媒を使って抽出分離し、ナノ粒子として回収する手法である。

従来技術・競合技術との比較

本手法は、水の中のレアメタルの代表的な回収方法である溶媒抽出法の一種であり、逆ミセルというナノサイズの分子集合体を用いることで、従来法よりも高効率でより高選択的に有価金属を回収でき、同時に付加価値の高いナノ粒子にすることができる。

新技術の特徴

・廃水中の有価金属が希薄で、共存する金属が多くても、目的とする有価金属だけを濃縮して高選択的に回収できる。
・そのまま回収しても価値が低い金属でも、ナノ粒子として回収することで高価値な材料として再生できる。
・逆ミセルの大きさを変えることで、生成するナノ粒子のサイズを制御できる。

想定される用途

・レアメタルの回収・リサイクル
・有害金属の除去
・有害金属、有価金属のナノ粒子製造

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11:00~11:25 計測
2) 拡張現実感技術を用いた施設解体のための支援システム

日本原子力研究開発機構 もんじゅ運営計画・研究開発センター 安全技術課 主査 泉 正憲

新技術の概要

本システムは、施設等の解体撤去工事に係る解体撤去物の運搬や仮置きの状況を拡張現実感技術を使用して視覚的にシミュレーションし、作業計画や作業要領の立案・検討を支援するものである。

従来技術・競合技術との比較

本システムでは、解体撤去物の運搬や仮置きのイメージを視覚的に検討することが可能であるとともに、狭隘部における運搬に際し、その環境下での干渉状況を把握することが可能である。

新技術の特徴

・施設の解体に拡張現実感技術を使用している。
・解体撤去物の仮置き表示の状況や敷設設備との干渉評価を視覚的に把握することができる。
・レーザースキャナなどを使用して環境を3次元CAD化し、携帯用端末(iPad)等へデータを取り込み、現場に携行することができる。

想定される用途

・化学プラント等の解体作業時、点検/保守作業等に活用できる。
・物品の移動・運搬経路を検討する物流センターに活用できる。
・大型装置の施設内への据付、設営等に活用できる。

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11:30~11:55 分析
3) キャピラリー電気泳動法による超高感度分析と超微量高純度精製技術

日本原子力研究開発機構 バックエンド技術部 放射性廃棄物管理技術課 研究副主幹 原賀 智子

新技術の概要

簡易な装置と極少量の試料で分析可能なキャピラリー電気泳動法による金属イオンの超高感度分析技術を開発するとともに、分析に必要な試薬の高純度化技術を開発した。本法をウラン分析に適用し、従来の10万倍以上の高感度化に成功した。

従来技術・競合技術との比較

従来の吸光検出によるキャピラリー電気泳動法と比較して、今回開発した試薬を用いることによりウラン分析では10万倍以上の高感度化に成功するとともに、分析に必要な試薬の99%以上の高純度化に成功。

新技術の特徴

・簡易な装置と極少量の試料を用いて、pptレベルの超高感度な金属イオン分析が可能。
・超高感度分析に必要な試薬の不純物を除去し、99%以上の高純度化が可能。

想定される用途

・環境試料や廃棄物試料中の金属イオンの高感度分析
・研究機関での試薬の精製、環境分野での貴重な試料の精製、医学分野での生体試料の精製

関連情報

・外国出願特許あり

13:00~13:25 計測
4) 中性子回折法による非破壊応力測定技術

日本原子力研究開発機構 量子ビーム応用研究センター 応力評価技術研究グループ 研究副主幹 鈴木 裕士
http://qubs.jaea.go.jp/

新技術の概要

中性子回折法は、中性子線の波の性質と優れた透過能を活かすことで、数cmオーダーの材料深部の応力・ひずみを非破壊で測定できるほか、中性子回折法により得られた回折線の変化から、材料中の集合組織や転位密度などのミクロ組織因子を定量的に評価することができる。

従来技術・競合技術との比較

表面かつ局所的な組織・力学情報の得られる電子顕微鏡やX線回折に比べると、中性子回折法は材料深部の応力・ひずみ測定を実現できる唯一の方法であるとともに、試料全体のバルク平均ミクロ組織情報が得られる特徴がある。

新技術の特徴

・非破壊・非接触で残留応力やミクロ組織因子(転位密度、相変態、集合組織など)の定量評価が可能。
・高温、低温、負荷環境など実使用環境を模擬した環境で応力やミクロ組織因子のその場測定が可能。
・透過能に優れた中性子線を利用することで大型構造物の応力評価が可能。

想定される用途

・応力などの数値解析技術の高度化支援
・工業製品等の損傷評価
・機械設計や材料設計の支援

13:30~13:55 分析
5) イオンマイクロビームを用いた局所微量元素分析

日本原子力研究開発機構 放射線高度利用施設部 ビーム技術開発課 研究副主幹 佐藤 隆博
http://www.taka.jaea.go.jp/tiara/tiara/index_j.html

新技術の概要

MeV級の軽イオンマイクロビームを大気中に引き出してプローブとするマイクロPIXE/PIGEは、pgオーダの微量な元素の分布を、大気圧中で約1μmの空間分解能で測定することが可能である。

従来技術・競合技術との比較

電子線をプローブとするEPMAと比較すると、マイクロPIXE/PIGEは感度が高いだけでなく大気中での測定が可能であるため、組織切片など水分を含む生体試料中の微量元素の分布測定に非常に適している。

新技術の特徴

・多元素同時測定
・大気中測定
・高空間分解能

想定される用途

・新薬開発
・臨床検査
・材料開発

14:00~14:25 アグリ・バイオ
6) 新機能性分子の創製に向けた中性子回折による水素原子の観測

日本原子力研究開発機構 量子ビーム応用研究センター 分子機能解析基盤技術研究グループ リーダー 安達 基泰
http://qubs.jaea.go.jp/

新技術の概要

タンパク質においては、化学反応を触媒する機能、抗体などの高度な分子認識機能、自己組織化する分子集合能等が利用価値の高い特徴として挙げられる。それらの特徴を精密分子設計により活かすことを目的とした中性子結晶構造解析技術を紹介する。

従来技術・競合技術との比較

放射光施設の整備によって、X線を使ってタンパク質の立体構造を明らかにすることが汎用となった。しかしながら、X線ではタンパク質の中で重要な役割を担う水素原子の観測は困難である。中性子を利用すると水素原子の観測も実現できる。

新技術の特徴

・結晶を利用した新規反応場の創製
・金属イオン回収材料の創製

想定される用途

・創薬標的タンパク質の阻害剤の設計
・産業用酵素の基質特異性の変換
・抗体の設計

14:30~14:55 アグリ・バイオ
7) 放射線改質技術を利用した機能性足場材料の開発

日本原子力研究開発機構 量子ビーム応用研究センター 生体適合性材料研究グループ リーダー 田口 光正
http://www.taka.jaea.go.jp/eimr_div/BioMater/index_j.html

新技術の概要

本研究では、医療・バイオデバイス開発分野で求められている、細胞接着性や増殖性等を制御可能な、生体適合性ハイドロゲル材料の放射線微細加工・改質技術を開発した。

従来技術・競合技術との比較

従来技術では、素材に橋かけ助剤を添加することでゲル材料を作製しているため、添加薬剤の細胞影響を考慮する必要がある。放射線改質技術は、薬剤無添加でゲル化が可能であり、形状や固さを制御することができる。

新技術の特徴

・生体適合性材料の微細加工
・薬剤無添加でゲル化できる。
・形状や固さを制御可能

想定される用途

・再生医療
・生物研究
・バイオデバイス

関連情報

・サンプルの提供可能

15:00~15:25 医療・福祉
8) 手のひらサイズの非侵襲血糖値センサーの開発

日本原子力研究開発機構 量子ビーム応用研究センター 計測融合グループ 研究主幹 山川 考一

新技術の概要

手のひらサイズの中赤外レーザーを開発し、臨床に求められる測定精度を満たす非侵襲血糖測定技術を確立した。これにより、採血型血糖値センサーに代わり、糖尿病患者が痛みを伴わず日常の血糖値を管理することができるとともに、健常者の予防、健康管理による糖尿病人口の増加を抑制することが期待できる。

従来技術・競合技術との比較

採血型血糖値センサーと比べ、年間~20万円必要とされる消耗品が不要のため、患者の経済的負担が軽減される。また、患者QOLの向上、感染症廃棄物の削減等の優位性がある。現在、実用化レベルの非侵襲血糖値センサーは開発されておらず、世界で初めての新規製品になり得る可能性がある。

新技術の特徴

・生体センシングデバイス
・食品産業応用

想定される用途

・医療・ヘルスケア応用
・環境物質計測
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