発表内容詳細

11:00~11:25 材料
1) 多孔性金属錯体を鋳型とした非相溶性高分子の相溶化

京都大学 大学院工学研究科 合成・生物化学専攻 准教授 植村 卓史
http://www.sbchem.kyoto-u.ac.jp/kitagawa-lab

新技術の概要

複数のポリマーをブレンド化することができれば、機能の向上や創発的な物性が期待できるが、ほとんどのポリマーの組み合わせでは分子レベルで相溶化することはない。我々はナノレベルの規則的な細孔を有する多孔性金属錯体を鋳型として用い、分子レベルで相溶化したポリマーブレンドを得ることに成功した。

従来技術・競合技術との比較

これまでに化学的な手法や物理的な手法により、ポリマーのブレンド化が行われてきたが、適用できる高分子の制限や成型加工性の低下、分子レベルでブレンド化できないなどの難点があった。本手法ではこれらの問題を解決し、多彩な高分子の組み合わせで分子レベルで相溶化させることができるようになった。

新技術の特徴

・ドナーアクセプタードメインが制御された有機薄膜太陽電池
・リチウムイオン輸送材料
・多彩な組み合わせによる創発機能

想定される用途

・エンプラ作成
・接着
・コーティング剤

11:30~11:55 材料
2) ソフト界面設計による材料表面の革新的な機能化と水中接着

九州大学 先導物質化学研究所 分子集積化学部門 助教 檜垣 勇次
http://takahara.ifoc.kyushu-u.ac.jp

新技術の概要

材料表面に高分子鎖を固定(ポリマーブラシ)化することで、潤滑性、防汚性等の高分子材料に特有な機能の付与を可能とした。各種基材の足場材料となる塗膜、表面形態変化により外部環境に応じて特性制御が可能な薄膜、生物の優れた機能と機構に学び、水中でも高接着力発現が期待できる接着剤を開発した。

従来技術・競合技術との比較

材料表面に付与したポリマーブラシの形態変化を技術の骨子としている点が画期的である。これまで困難であるとされてきた、湿潤環境下での接着を可能にする材料設計指針を確立すると共に、防汚性/流体摩擦抵抗低減、耐摩擦/摩耗性、等を可能とする新たな分野への展開が可能と思われる。

新技術の特徴

・防汚性/低水流摩擦抵抗材料
・医用材料
・MEMS用材料

想定される用途

・モバイル機器/輸送機器内外装材/船底塗装
・抗血栓性医用材料、防汚性歯科医用材料
・MEMS

関連情報

・外国出願特許あり

J-STORE掲載特許情報

13:00~13:25 情報
3) 流体の動画像をもとにした、2次元または3次元の流体モデルの構築方法

(株)オー・エル・エム・デジタル 研究開発部門 R&D スーパーバイザー 安生 健一
http://mcg.imi.kyushu-u.ac.jp/

新技術の概要

CG映像制作に関わる2つの技術を紹介する。1つ目は、爆発や煙等の半透明部分が広範囲に現れる流体動画を入力とし、その流体部分を入力画像から抽出する手法。2つ目は、単一視点や直交する2視点など、疎な多視点の流体動画像を入力として、流体の3次元密度分布を推定する方法。

従来技術・競合技術との比較

最初の技術については、抽出したい流体が半透明であるため、従来手法では格子模様などのアーティファクトの除去が困難であった。2番目の技術については、相当数の多視点画像がない限り、密度分布の推定精度が低くCG映像制作には不適であった。

新技術の特徴

・2次元流体抽出技術では入力動画のカメラと背景は固定という制約があるが、映像制作のみならず、画像処理・画像理解への応用も見込める。
・3次元密度推定技術は、流体シミュレーションとの併用が可能なので、表示する流体の種類にもよるが、可視化技術としても展開できると考える。

想定される用途

・画像解析 (不必要な2次元流体情報を取り出す等)
・3次元密度推定と流体シミュレーションの併用による様々な可視化表現への適用

13:30~13:55 デバイス・装置
4) 光格子時計の小型・可搬化技術

理化学研究所 ERATO香取創造時空間プロジェクト 研究総括補佐 高本 将男
http://www.jst.go.jp/erato/katori/

新技術の概要

光導波路(中空コアフォトニック結晶ファイバ)中にレーザー冷却されたSr原子を魔法波長光格子で捕捉、供給し、時計遷移となる2準位の電子状態間で高精度な分光を実現する光格子時計。

従来技術・競合技術との比較

高精度な時間計測や周波数標準を実現するために、自由空間中に孤立させた原子やイオンの光遷移を利用する光原子時計と比較して、大がかりなレーザー・真空装置や高精度な防振装置が不要となり、システムの可搬化を可能とする技術。

新技術の特徴

・時計システムの小型化の主要技術であり、可搬な光格子時計の実現につながる。
・捕捉原子数の個数を増やすことで、短時間で高精度な遷移周波数(時間)の測定が可能である。
・重力ポテンシャルの変化を遷移周波数の変化により検出可能である。

想定される用途

・新しい「1秒」を決める超高精度時間標準
・重力ポテンシャル計測に基づいた地下資源探査や防災センサーとしての利用

関連情報

・外国出願特許あり

14:00~14:25 デバイス・装置
5) 高出力マグネトロン・スパッタリングを用いたナノクラスター超原子の生成技術

慶應義塾大学 ERATO中嶋ナノクラスター集積制御プロジェクト 研究総括 中嶋 敦
http://sepia.chem.keio.ac.jp/Nakalab/

新技術の概要

従来の直流スパッタリング法に代わって高出力インパルス・マグネトロンスパッタリング(HiPIMS)法を用いて、ナノクラスターという機能化学種を気相合成する手法を従来にない十分な量と高い選択性を特徴とする新技術として開発した。

従来技術・競合技術との比較

スパッタリングする電源にパルス変調をかけると同時にパルス波形を自在に調節することによって、アーキングを抑制して大電力を投入できる上、ナクラスター成長室の出口に阻止電極を設け、パルス電圧に遅延同期された電場を印加して目的としたサイズのナノクラスターを効率よく合成できる。

新技術の特徴

・界面の乱れを起こさない金属ナノクラスター付着によって有機デバイスへの効率的な電極づけ
・MEMSで作成されたナノ構造と金属ナノクラスターの光学応答とを精密に制御した高感度センサー
・機能ナノクラスターの選択的大量合成手法

想定される用途

・ナノクラスター、ナノ微粒子製造装置
・高精密触媒
・製膜高度化のための基盤技術

関連情報

・外国出願特許あり
・展示品あり(ナノクラスター生成源のモデル)

J-STORE掲載特許情報

14:30~14:55 デバイス・装置
6) 低電圧駆動トンネルトランジスタ素子と周辺技術について

北海道大学  大学院情報科学研究科 情報エレクトロニクス専攻および量子集積エレクトロニクス研究センター 助教
冨岡 克広

新技術の概要

従来のMOSFETの原理で超えることができない理論限界の壁を、新しい動作原理のスイッチ素子で乗り越え、低電圧トランジスタの実現を可能にする。具体的には、シリコンとIII-V族化合物半導体をナノスケールの結晶成長技術で接合し、その界面で生じるバンド不連続性を利用し、低電力で駆動するスイッチ素子の基本技術と周辺技術群を紹介する。

従来技術・競合技術との比較

集積回路の低消費電力化の妨げになっているのは、トランジスタのリーク電流とサブスレッショルド係数(SS係数)に理論的な限界(60mV/桁)があるためである。そこで、トランジスタ構造を縦型にし、電子のトンネル効果を用いたスイッチ素子を使うことで、駆動電圧を90%削減できるスイッチ素子を実証した。また、ゲートスタック技術やドーピング技術、電流増幅技術など、トンネルFETを構成する上で必要不可欠な周辺技術について、網羅している。

新技術の特徴

・スイッチ素子
・太陽電池
・バイオセンサー

想定される用途

・低電圧トランジスタ
・低消費電力集積回路
・生体、バイオセンサー

関連情報

・外国出願特許あり

15:00~15:25 デバイス・装置
7) ダイヤモンド半導体 -新しいエレクトロニクス材料-

産業技術総合研究所 先進パワーエレクトロニクス研究センター ダイヤモンドデバイスチーム 招聘研究員 山崎 聡

新技術の概要

ダイヤモンド半導体は新しい半導体として注目されている。優れた性能を持つ新しい原理のパワーデバイス、磁気センサーなどの量子デバイス、廃熱を利用した新しい熱発電技術、殺菌用深紫外線LEDなどが開発されている。一方、課題であった基板の問題も解決のための技術革新が進んでいる。

従来技術・競合技術との比較

ダイヤモンド半導体は高い絶縁耐圧・高い熱伝導率という優れた物性を有し、電子が漏れ出る負性電子親和力や室温で動作する量子現象などの、他の半導体にはない物性を持っている。これらの物性を基に新しい概念の電子デバイスの作製が可能である。

新技術の特徴

・生体用磁気センサー
・深紫外線レーザーダイオード

想定される用途

・高性能パワーデバイス
・超高感度磁気センサーなどの量子デバイス
・殺菌用深紫外線LED

関連情報

・外国出願特許あり
・サンプルの提供可能

15:30~15:55 デバイス・装置
8) 溶液プロセスにより特異的に発現する物性を有する誘電体膜の電子デバイス応用

北陸先端科学技術大学院大学 グリーンデバイス研究センター 特任教授 井上 聡
https://www.jaist.ac.jp/general_info/organization/green.html

新技術の概要

溶液プロセスで作製したBiNbO膜は、真空製膜法で作製した膜に対し、数倍高い比誘電率と桁違いに低い誘電損失を有する。膜中炭素が特異物性発現の要因であり、新しい材料設計の可能性を示すものである。

従来技術・競合技術との比較

従来はスパッタ法等の真空成膜法や、微粒子を分散したペーストにより成膜を行っている。溶液プロセスを用いる事により、新物性が発現することが従来技術に対する差別化ポイントである。

新技術の特徴

・従来膜に対し、数倍高い比誘電率と桁違いに低い誘電損失
・LTCCデバイス製造プロセスとの整合性
・従来の微粒子分散ペースト材料に対し、薄膜化が容易

想定される用途

・LTCCデバイス
・VLSIへのパッシブデバイスの内蔵
・積層セラミックコンデンサ

関連情報

・外国出願特許あり
・サンプルの提供可能(試作可能)
・展示品あり(Bi-Nb-O前駆体溶液、Bi-Nb-O前駆体ペースト、Bi-Nb-O微細パターン)

J-STORE掲載特許情報

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