発表内容詳細

13:00~13:25 アグリ・バイオ
1) 新規異種タンパク質可溶性発現技術

富山県立大学 ERATO浅野酵素活性分子プロジェクト 研究推進主任 松田 元規
http://www.jst.go.jp/erato/asano/index.html

新技術の概要

酵素をはじめとするタンパク質の遺伝子を異種宿主で発現する際、封入体の形成などにより活性型の可溶性タンパク質として生産されないことがしばしばある。当プロジェクトでは、1つから複数のアミノ酸残基の置換により、活性型可溶性タンパク質としての生産量を改善する技術を開発した。

従来技術・競合技術との比較

GST等のタグと融合タンパク質として発現する等の従来法とは、まったく原理が異なり、目的タンパク質の構造が最小限しか変化しないタンパク質として得ることができる。

新技術の特徴

・タンパク質を本体とするバイオ医薬品の生産にも適応できる可能性がある。
・合成生物学的手法において導入する異種遺伝子に適用することもできる可能性がある。
・大腸菌以外の宿主にも適用できる可能性がある。

想定される用途

・動植物等由来の異種発現が困難な酵素の大腸菌発現
・産業用酵素の異種発現における生産性向上
・高発現性タンパク質遺伝子作成の受託

13:30~13:55 創薬
2) 人工生体膜チップを利用した膜タンパク質の高感度機能解析装置

東京大学 大学院工学系研究科 応用化学専攻 助教 渡邉 力也
http://researchmap.jp/wrikiya/

新技術の概要

本技術は主要な薬剤標的である膜タンパク質の機能解析において超高感度化・超並列化を実現するものである。本技術の産業応用としては、膜タンパク質の高感度機能解析を基盤とした薬剤探索および早期疾患診断システムなどへの展開が期待される。

従来技術・競合技術との比較

本技術は次世代の薬剤標的として注目されている膜輸送体の活性計測において超高感度化を実現するものである。本技術は従来技術と比較して膜輸送体の活性計測感度が約100万倍高い。

新技術の特徴

・膜輸送体の活性計測感度が従来法と比較して約100万倍高い。
・10万個のリアクターを利用したハイスループットな膜タンパク質の活性計測が可能。

想定される用途

・膜タンパク質の超高感度活性計測を基盤とした薬剤スクリーニング技術(薬剤探索システム)
・膜タンパク質の超高感度活性計測を基盤とした膜タンパク質のデジタル個数計測技術(早期疾患診断システム)
・薬剤の生体膜透過性の評価

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり(生体膜デバイス)

J-STORE掲載特許情報

14:00~14:25 創薬
3) アミロイド凝集体を選択的に酸素化する光触媒の開発

東京大学 ERATO金井触媒分子生命プロジェクト 研究推進主任 佐々木 大輔
http://www.jst.go.jp/erato/kanai/index.html

新技術の概要

本技術は、アルツハイマー病などの種々の疾患の発症・進行に関与するとされるアミロイド凝集体のみを選択的に酸素化することにより無毒化する光触媒の開発に関するものである。

従来技術・競合技術との比較

従来の触媒は、他の生体分子も酸素化してしまうため、細胞毒性の面でin vivoへの適用が困難であると考えられる。本触媒は、アミロイド凝集体のみを選択性に酸素化するため生体適合性が期待できる。

新技術の特徴

・本触媒は、アミロイド凝集体のみに特異的に結合することが可能。
・これにより、アミロイド凝集体のみを特異的に化学修飾する(酸素化する)ことが可能。
・このような化学修飾(酸素化)を可視光によってオンオフ制御することが可能。

想定される用途

・アミロイド凝集体が関与する(アルツハイマー病などの)疾患に対する予防・治療薬
・アミロイド凝集体に対する研究用標識試薬

関連情報

・外国出願特許あり

14:30~14:55 創薬
4) 理論計算を用いた膜タンパク質の革新的耐熱化変異体予測法

千葉大学 大学院理学研究科 化学コース 教授 村田 武士
http://murata-lab.matrix.jp

新技術の概要

膜タンパク質は医薬・農薬品の重要な創薬標的であるが、熱安定性が低いため産業利用が難しい。統計熱力学理論を用いて、膜タンパク質の耐熱化変異体の高速予測方法を開発した。予測上位では約5割の的中率を誇る。

従来技術・競合技術との比較

ランダム変異導入やAlaスキャニングなどを用いた分子進化工学手法によるタンパク質の耐熱化が行われているが、多大な時間と労力を必要とする。本技術では、耐熱化変異体を短時間で予測することが可能であり、有望性が非常に高い。

新技術の特徴

・構造既知のすべてのタンパク質に対して耐熱化変異体を予測することが可能。
・構造未知でもホモロジーモデル構造があれば耐熱化変異体を予測することが可能。
・構造既知のタンパク質間相互作用の高親和性化変異体を予測することが可能。

想定される用途

・産業利用のための標的タンパク質の耐熱化
・新薬開発に向けた標的膜タンパク質の耐熱化
・機能性抗体取得に向けた膜タンパク質の耐熱化

関連情報

・外国出願特許あり

15:00~15:25 創薬
5) 多剤耐性菌感染症克服を意図した多剤排出ポンプ阻害剤

大阪大学 産業科学研究所 生体防御学研究分野 特任教授 山口 明人
http://www.sanken.osaka-u.ac.jp/organization/srp/srp_03_02/

新技術の概要

MexB及びMexYに代表されるグラム陰性細菌が有するRND型多剤排出ポンプに対する阻害剤を開発した。当該化合物を有効成分とする医薬は、多剤耐性グラム陰性細菌感染症の予防又は治療に非常に有用である。

従来技術・競合技術との比較

抗菌剤に対する耐性細菌の出現が社会的に大きな問題となり、多剤耐性化の要因である多剤排出ポンプの排出能を阻害することで抗菌剤を有効にする概念が提出された。しかし、未だ重篤な副作用なく臨床応用された薬剤はない。

新技術の特徴

・複数のRND型多剤排出ポンプの排出能を阻害でき、抗菌剤との併用により広範な病原性細菌感染症の治療剤となる可能性を持つ。
・多剤排出ポンプの排出基質であったためにグラム陰性細菌に無効とされていた薬剤を、有効な抗菌剤にできる可能性を持つ。
・多剤排出ポンプは病原性原因物質の排出にも関与していることから、発明化合物単剤で細菌の病原性を喪失させることができる可能性を持つ。

想定される用途

・既存抗菌薬との併用剤として、グラム陰性細菌感染症治療薬
・従来無効であった薬剤のグラム陰性細菌感染症治療薬への用途拡大
・病原性喪失剤、バイオフィルム形成阻害剤

関連情報

・サンプルの提供可能(MTA契約下での提供)

J-STORE掲載特許情報

15:30~15:55 創薬
6) 宿主因子を標的とした新規抗インフルエンザウイルス薬の開発

東京大学 医科学研究所 感染・免疫部門ウイルス感染分野 特任准教授 渡辺 登喜子
http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/virology/

新技術の概要

我々はインフルエンザウイルスの増殖に関わる300個程度の宿主因子を同定している。これらのウイルス増殖に関わる宿主因子を標的とした低分子化合物の探索などを通して、耐性ウイルスの出現しにくい新規抗ウイルス薬の開発を目指す。

従来技術・競合技術との比較

オセルタミビルやアマンタジンなど、ウイルス蛋白質を標的とした抗インフルエンザ薬が開発され、市場に出回っているが、薬剤耐性株の出現が大きな問題となっている。新技術では、ウイルス蛋白質ではなく、ウイルス増殖に関わる宿主因子を標的とした抗ウイルス薬を開発する。宿主因子を標的としているため、ウイルスに変異が生じ難く、耐性株の出現頻度が下がることが期待される。

新技術の特徴

・抗インフルエンザ薬のターゲットとして、ウイルス増殖に関わる宿主因子に着目している。
・耐性株が出現しにくい新規抗ウイルス薬になることが期待される。

想定される用途

・新規抗インフルエンザ薬として有望である。
・既存の抗インフルエンザウイルス薬との併用(重症患者における)

関連情報

・外国出願特許あり

J-STORE掲載特許情報

<連携・ライセンスについてのお問い合せ先>