発表内容詳細

13:00~13:25 医療・福祉
1) 光で促進するタンパク質の経皮デリバリーシステム
当日資料PDF

熊本大学 大学院自然科学研究科 産業創造工学専攻 物質生命化学講座 教授 新留 琢郎
http://www.chem.kumamoto-u.ac.jp/~niidome/

新技術の概要

片方の面に表面に金ナノロッドが吸着し、その面側にタンパク質が偏在する透明ハイドロゲルを作製した。これを金ナノロッドが皮膚に接するように貼付し、これに近赤外光を照射し、金ナノ粒子を加熱し、その熱で角質層の物質透過性を亢進させ、ゲル内のタンパク質を皮内へ移行させることに成功した。

従来技術・競合技術との比較

タンパク質の経皮デリバリーはこれまで物理刺激を使ったイオントフォレシスや、エレクトロポレーション、ソノポレーション、また、機械的に微小な孔をあけるマイクロニードル法が研究されている。しかし、それぞれ固有のデメリットがある。本手法はゲルを貼付し、光照射するのみの簡便な手段で達成できる。

新技術の特徴

・金ナノ粒子をゲル表面に修飾し、粒子が直接皮膚表面に触れることで、角質層に限定した傷害を起こすことができ、高い安全性を確保できる。
・皮内に移行させるタンパク質がゲル表面に偏在しているため、高い移行効率を達成できる。
・局所的にハイドロゲルも加熱され、その中のタンパク質の運動性が高まり、より効果的に皮膚側へ移行できる。

想定される用途

・タンパク質からなる薬物の経皮投与
・経皮ワクチン
・皮内免疫担当細胞の活性化

関連情報

・サンプルの提供可能

13:30~13:55 医療・福祉
2) 超音波を用いた大腸内部の便の状態の診断技術の開発
当日資料PDF

熊本大学 大学院自然科学研究科 情報電気電子工学専攻 人間環境情報講座 助教 田邉 将之

新技術の概要

大腸内部の状態は、正常便、硬便(直腸性便秘)、ガス蓄積、軟便(弛緩性便秘)の4つに大別できる。本技術は、通常の超音波診断装置で得られる画像および信号を分析し、大腸内部の状態の評価を行う手法である。

従来技術・競合技術との比較

現在、療養者のケアでは主に触診や聴診が行われているが、大腸内部の状態を定量的に評価できる指標は存在しない。最近、本技術と同様に超音波を用いた排泄予知ウェアラブル「DFree」が注目を浴びているが、こちらは機能は排便時間を予知するのみである。

新技術の特徴

・特別な装置の改造は必要ないため、現在市販されている診断装置への組み込みが容易。
・少しの計算量で効果的な評価が可能なため、リアルタイム診断も可能。

想定される用途

・高齢者や療養者の排便コントロールのための診断
・乳幼児の排便コントロールのための診断

14:00~14:25 医療・福祉
3) 経口投与型ドラッグデリバリーシステムの開発
当日資料PDF

熊本大学 大学院生命科学研究部 微生物薬学分野 助教 伊藤 慎悟
http://www.ohtsuki-lab.jp/

新技術の概要

医薬品製剤としては最も汎用性が高い経口製剤の開発が望まれている。本技術は次世代医薬品として注目されている高分子医薬品を消化管吸収の最も効率のよい部位である小腸から全身循環に移行させる新規小腸透過環状ペプチドに関してであり、次世代医薬品の経口製剤の開発につながる。

従来技術・競合技術との比較

従来から吸収促進剤や添加剤、細胞膜透過性ペプチドなどを用いた消化管吸収促進効果は模索されてきたが,実用化された例はほとんどない。本技術の環状ペプチドは高分子医薬品よりも遙かに大きいファージウィルスを透過させることが可能であり、高分子医薬品を小腸から吸収させることが可能である。

新技術の特徴

・生理ペプチドに類似した環状ペプチドである。
・消化管から高分子物質を吸収させることができる。
・高分子医薬品や薬物キャリアに結合可能である。

想定される用途

・薬物キャリアを用いた経口投与型ドラッグデリバリーシステム
・経口ペプチド・核酸医薬製剤
・経口ワクチン

14:30~14:55 製造技術
4) 乾式環境下でのダイヤモンドの高能率・高精度加工
当日資料PDF

熊本大学 大学院自然科学研究科 産業創造工学専攻 先端機械システム講座 准教授 久保田 章亀
http://www.mech.kumamoto-u.ac.jp/Info/lab/prec/tkgroup/index.html

新技術の概要

乾式環境下での固相反応を効果的に利用した、低コスト・ナノ精度・高能率なダイヤモンドの加工方法を開発した。

従来技術・競合技術との比較

従来の機械的加工法では,脆性破壊などによる表面へのダメージが避けられなかったが、開発した加工法では、乾式環境下での固相反応を効果的に利用するため、被加工物表面上にダメージを残すことなく、高能率かつ高精度な表面が得られる。

新技術の特徴

・ダメージを一切導入することなくナノレベルの高精度表面を作製。
・研磨粒子を一切使用しない砥粒フリー加工を実現。
・有機汚染のないクリーンな表面を作製。

想定される用途

・ワイドバンドギャップ半導体基板のダメージフリー平坦化加工
・超精密切削用ダイヤモンド・cBN工具の研磨加工
・セラミックス・多結晶ダイヤモンド・DLC被膜付金型・超硬合金表面の平滑化加工

関連情報

・サンプルの提供可能(サンプル研磨については要相談)

15:00~15:25 製造技術
5) 新しいナノメートルオーダーの表面テクスチャリング方法
当日資料PDF

熊本大学 大学院自然科学研究科 産業創造工学専攻 先端機械システム講座 教授 中西 義孝
http://www.mech.kumamoto-u.ac.jp/Info/lab/biomech/

新技術の概要

数nmの超平滑面と数十nmのテクスチャパターンを形成する方法の紹介。材質に制限が少ない。機械部品の摺動面や金型の表面処理、ならびに細胞培養基板の改質などに適用可能。

従来技術・競合技術との比較

従来のラッピング手法にトライボロジーの考え方を取り入れた加工条件を付与したり、連続的な砥粒によるエロージョンを発現させたりする手法を使うため、金属・セラミックス・樹脂(ポリマー)などへの表面テクスチャリングが可能。

新技術の特徴

・テクスチャリング対象材料の範囲が広い(エッチングができないもの、熱に弱いもの、柔らかいもの、などへの対応ができる)。
・設計通りのパターニングが容易。
・同じ材料でも親水性や疎水性の特徴を微調整することが可能。

想定される用途

・軸受表面加工への適用によるトライボロジー特性の改善
・金型表面加工への適用による品質・メンテナンス性の改善
・生体適合性材料への適用によるインプラント・細胞培養の状態改善

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり(表面テクスチャを施した試料)

15:30~15:55 材料
6) 新規壺型ナノカーボン物質「カーボンナノポット」の開発
当日資料PDF

熊本大学 大学院自然科学研究科 産業創造工学専攻 マテリアル工学講座 准教授 横井 裕之
http://www.msre.kumamoto-u.ac.jp/~yokoi-gr/index-j.html

新技術の概要

外径が30nm程度、内径が15nm程度、長さが150nm程度で、閉じた底と開いた口をもつ壺型のナノカーボン物質(カーボンナノポットと命名)を開発した。これを数百個連結させたナノファイバーとして生成することができる。

従来技術・競合技術との比較

薬剤収容能力や放出制御性に関わる内部ナノ空間の奥深さ(アスペクト比)が既存の容器型ナノカーボン物質(ナノベル)よりも一桁ほど上回っている。連結数制御により分散性を調整できる点でカーボンナノチューブより複合材料化に有利である。

新技術の特徴

・ナノ物質がファイバー状に連結して生成するため、生成物のハンドリングが容易である。
・カーボンナノポットの連結部は機械的に、あるいは化学処理できれいに外せる。
・カーボンナノポットの外部の一部だけに高密度に官能基をつけることができる。

想定される用途

・複合材料用の機能性フィラー
・ドラッグデリバリー用ナノ容器
・燃料電池・電気二重層キャパシタ等の電極材料

関連情報

・外国出願特許あり

16:00~16:25 環境
7) 「泥の電池」による先進的資源循環 
当日資料PDF

熊本大学 大学院自然科学研究科 複合新領域科学専攻 複合新領域科学講座 准教授 冨永 昌人
http://www.chem.kumamoto-u.ac.jp/~bioelechem/index.html

新技術の概要

「泥の電池」は、「現場にあるがままの泥」で、「そこに生息する微生物」をそのまま用いて、「可能なだけの電力」を取り出し、合わせて「泥の浄化促進」を、コンセプトとします。

従来技術・競合技術との比較

「泥の電池」は微生物燃料電池の範疇ですが、従来のそれとは違ってアノードを嫌気的雰囲気にするためのクローズ型セルは必要ありません。従って、セルという概念は必要なくセルコストの削減はもとより、現場に合わせて自由な規模の設定が可能です。

新技術の特徴

・従来の電池のように「閉じられた容器」という概念がありません。
・特定の微生物を用いません。
・カソードでの有用元素の回収も可能です。

想定される用途

・大型「泥の電池」:下水汚泥、農業・畜産排水汚泥、養殖場の水底汚泥、ダム底汚泥などのあらゆる泥による発電と浄化促進
・小型「泥の電池」:家庭内アクアリウム槽内の環境維持
・フィールドセンサ(微生物によるフィールド監視)

16:30~16:55 環境
8) 土壌汚染の見える化に挑戦
当日資料PDF

熊本高等専門学校 生物化学システム工学科 講師 若杉 玲子

新技術の概要

重金属汚染土壌の問題は世界中で問題となっているが、目で見ただけではどれくらいの汚染の程度なのか分からない。本研究では、重金属と結合することで発色する検出材を開発し、重金属汚染を可視化することを試みた。

従来技術・競合技術との比較

重金属汚染土壌の評価には従来、6時間の溶出試験とICP発光分析などの機器分析による手法が用いられているが、操作は煩雑で時間もかかる上、土壌汚染の現場で実施することは不可能である。水質評価用の簡易検査器具はあるが、土壌汚染に適用することは感度や選択性の点で難しい。

新技術の特徴

・土壌汚染だけではなく固体試料全般的に適用可能なので、廃棄物試料の最終処分可否のための試験。
・土壌汚染だけではなく固体試料全般的に適用可能なので、道路粉塵など他の環境試料の分析。

想定される用途

・土壌汚染の現場での汚染の程度をオンサイトで簡便迅速にスクリーニング
・詳細な機器分析を実施する前におよその汚染レベルを知るための予備実験
<連携・ライセンスについてのお問い合せ先>