発表内容詳細

10:00~10:25 医療・福祉
1) 細菌由来成分に対する血中免疫複合体検出法の開発と診断への応用
当日資料PDF

東京医科歯科大学 医学部附属病院 病理部 臨床検査技師 内田 佳介
http://www.tmd.ac.jp/med/pth1/hupathhp/

新技術の概要

サルコイドーシスは全身性の肉芽腫疾患でありアクネ菌が原因細菌として考えられている。患者の血液中にはアクネ菌やその菌体成分が免疫複合体として存在していると予想される。本方法ではサンプルを低pH処理により免疫複合体を解離し、かつ加熱処理を行うことにより、免疫複合体中の抗体のみを失活させ、抗体と解離した菌体成分をELISA法により検出を可能にする。本発明の方法はサルコイドーシスでの利用に限定されず、他の細菌が関連する疾患においても、血中免疫複合体として存在する菌体成分の検出および定量に広く適用可能なものである。

従来技術・競合技術との比較

常在性細菌であるアクネ菌に関しては、すべての成人が高い抗体価を有するために、検出に用いる抗体と、免疫複合体を形成する内在性抗体のエピトープの競合が起こり、通常のサンドイッチELISAでの検出は困難である。本発明は、内在性抗体の存在によって適切に検出することが出来なかった細菌由来成分を、内在性抗体との複合体形成を解離させ、再結合を阻害することで、検出することを可能にするものである。

新技術の特徴

・解離した免疫複合体を加熱処理することにより、抗体のみを失活させ、菌体成分の検出を可能にした点。

想定される用途

・疾患の診断(サルコイドーシス)
・他疾患の診断(糸球体腎炎やリウマチなど)

10:30~10:55 創薬
2) ステロイド薬と同程度に強力で副作用の少ないペプチド抗炎症薬
当日資料PDF

聖マリアンナ医科大学 医学部 生化学 准教授 岡本 一起

新技術の概要

核内酸性タンパク質(MTI-Ⅱ)はグルココルチコイド受容体と同様にNF-κBに直接相互作用して、その転写活性を阻害する。MTI-Ⅱには、ステロイド薬のようなホルモン作用がないため、MTI-Ⅱを利用した抗炎症剤は理想のNF-κB阻害薬、抗炎症薬となりうる。

従来技術・競合技術との比較

MTI-Ⅱペプチドを利用した抗炎症剤は、in vivoで強力な抗炎症作用を示しつつ、顕著な副作用は認められなかった。すなわち、ステロイド薬に代わるNF-κB阻害薬、抗炎症薬となり、特に長期投与が必要な疾患に安心して使える安全な薬となる。

新技術の特徴

・ステロイド薬に代わる抗炎症薬
・ペプチドミメティクスによる創薬
・共結晶を利用したドラッグデザイン

想定される用途

・抗炎症剤
・動物薬
・化粧品原料

関連情報

・外国出願特許あり
・サンプルの提供可能

J-STORE掲載特許情報

11:00~11:25 創薬
3) 新規降圧薬開発におけるタンパク質分解酵素DPPIIIの有用性
当日資料PDF

滋賀医科大学 医学部 生化学・分子生物学講座 教授 扇田 久和
http://www.shiga-med.ac.jp/~hqbioch2/index.html

新技術の概要

DPPIIIが、昇圧ホルモンであるアンジオテンシンIIを特異的に分解し、in vivoにおいて高血圧に対する降圧作用を発揮することを初めて突き止めた。また、DPPIIIのアンジオテンシンII分解における酵素学的特性の詳細を明らかにした。

従来技術・競合技術との比較

現在市販されている降圧薬とは異なる機序で高血圧に対する降圧作用を発揮する。したがって、これまでの降圧薬では治療効果が乏しい難治性高血圧患者に対して、追加的に新たな治療法を提供することができる。

新技術の特徴

・アンジオテンシンII以外のペプチド分解(哺乳類以外、例えば、植物など)
・阻害薬開発によるペプチド分解阻害

想定される用途

・降圧薬としての臨床応用
・アンジオテンシンII分泌がん細胞への治療応用

11:30~11:55 医療・福祉
4) 画期的な血液バイオマーカーによる認知症の早期発見と予防の取り組み
当日資料PDF

筑波大学 医学医療系 生命医科学域 准教授 内田 和彦
http://mcbi.jp/

新技術の概要

アルツハイマー病などの認知症とその前駆段階の軽度認知障害、さらには臨床症状のないプレクリニカル期において病気の進行に伴って変動する血液中のバイオマーカーと早期発見のための検査システム。

従来技術・競合技術との比較

認知症の早期発見のための検査法は主に問診と画像による。アルツルハイマー病では脳脊髄液(CSF)中のAβ低下が検査としてあるが、CSFは採取が困難であり、本技術は検診で利用可能な「血液検査」を実現する。

新技術の特徴

・精神神経疾患である認知症の血液バイオマーカー
・治療・予防効果の「見える化」
・大量で安価な検査

想定される用途

・健康診断による早期発見
・高齢者の介護予防
・治療や予防効果のモニタリング

関連情報

・外国出願特許あり

13:00~13:25 創薬
5) 超音波応答性バブル製剤の開発とそれによる診断と治療(セラノスティクス)
当日資料PDF

帝京大学 薬学部 薬物送達学研究室(DDS研) 教授 丸山 一雄
http://www.teikyo-dds-lab.com

新技術の概要

長時間血中滞留型バブル製剤を開発し、凍結乾燥製剤化にも成功した。診断用超音波に応答し、癌の新生血管やリンパ管の画像診断が可能。治療用超音波によってキャビテーションが誘導され、温熱療法や薬物・核酸医薬等の導入による治療が可能。日本初かつ日本発の超音波セラノスティクスバブル製剤である。

従来技術・競合技術との比較

国内には、超音波造影剤がレボビストとソナゾイドの2種類しかない。レボビストは現在販売停止中。ソナゾイドは、肝癌の検出と乳腺血管造影に用いられているが、治療は適用外である。本バブル製剤は、血流の造影観察、癌の新生血管の造影観察と温熱による治療が可能である、国内発の新規バブル製剤である。

新技術の特徴

・長時間血中安定性と滞留性による、各種臓器中の血流造影と診断(癌では新生血管血流とセンチネルリンパ流)
・治療用超音波によって誘導されるキャビテーションによる癌の温熱療法(42-50℃になる)
・治療用超音波によって誘導されるキャビテーションによる薬物、遺伝子、核酸医薬(siRNA,mRNAなど)の細胞内導入
・バブルのオシレーションによるBBBオープニングと脳内薬物送達
・バブルのオシレーションによる癌新生血管の薬物透過性亢進

想定される用途

・血流観察と造影診断
・癌の診断と治療
・樹状細胞への抗原直接導入によるがん免疫療法
・BBBオープニングによる脳疾患治療

関連情報

・サンプルの提供可能(日本発の製品化を目指しているので、共同研究開発できる会社を希望)
・展示品あり(ポスターによる説明と凍結乾燥製剤の展示)

13:30~13:55 創薬
6) アトピー性皮膚炎治療薬候補、新規なスフィンゴシン類縁体
当日資料PDF

富山大学 大学院医学薬学研究部(薬学) 分子合成化学 教授 矢倉 隆之
http://www.pha.u-toyama.ac.jp/sboc/index-j.html

新技術の概要

皮膚のバリア機能が低下する原因の一つである皮膚表層のスフィンゴ脂質セラミドの量低下をもたらす脂質代謝酵素デアシラーゼの働きを阻害して、炎症を抑え、再発を防止する新しいタイプのアトピー性皮膚炎治療薬。

従来技術・競合技術との比較

スフィンゴミエリンデアシラーゼの阻害によるアトピー性皮膚炎治療の用いる試みはこれまでなされていない。本技術は、新規な化合物を用いた、新しい作用機序によるアトピー性皮膚炎治療薬である。

新技術の特徴

・新規なスフィンゴシン類縁体である。
・新規な作用機序である。

想定される用途

・アトピー性皮膚炎治療薬

関連情報

・外国出願特許あり
・サンプルの提供可能

14:00~14:25 創薬
7) 癌細胞に特異的殺細胞効果をもたらす新規標的分子
当日資料PDF

滋賀医科大学 医学部 臨床検査医学講座 准教授 茶野 徳宏
http://www.shiga-med.ac.jp/subject/kouza_kensa.html

新技術の概要

癌(幹)細胞系列、正常細胞系列の代謝物、転写物、発現遺伝子を比較分析することにより、癌(幹)細胞系列に強く発現し、その阻害により特異的細胞死をもたらし、且つ、正常細胞系列では無発現で毒性を生じない数種の新規治療標的分子を同定した。

従来技術・競合技術との比較

従来のknowledge-based解析だけでは発見できなかった分子標的を、癌(幹)細胞系列に特異的な発現を示す分子について数学的な優先順位付けを行うことで、数種の新規治療標的分子を同定することができた。

新技術の特徴

・メタボロミクス
・トランスクリプトミクス
・分子標的治療モデルスクリーニング

想定される用途

・抗癌剤
・癌の検査方法
・抗癌剤のスクリーニング

14:30~14:55 創薬
8) 新しいがん免疫療法のためのナノメディシンの設計
当日資料PDF

筑波大学 数理物質系 物質工学域 教授 長崎 幸夫
http://www.ims.tsukuba.ac.jp/~nagasaki_lab/index.htm

新技術の概要

自身の免疫能を向上せしめ、抗がん効果を導き出す新しいがん免疫療法をにおいて、その副作用を低減させるために活性酸素除去能を有するインジェクタブルゲルを利用し、副作用をきわめて低減したIL-12の局所投与治療を可能とした。また、一酸化窒素発生ナノ粒子を利用したマクロファージ活性化がん免疫治療を創出した。

従来技術・競合技術との比較

がん免疫治療法はあたらながん治療法として期待されているものの、免疫に伴う強い副作用やタンパクの代謝など、様々な問題がある。我々は活性酸素種や活性窒素種を効果的に消去・発生せしめ、がん免疫治療法の副作用を低減し、その効果を向上させる新しい方法を提案する。

新技術の特徴

・活性酸素種を消去するインジェクタブルゲルによる効果的タンパク内包と局所投与、徐放を可能にした。
・マクロファージ内のiNOSによるNO産生とアポトーシス誘導を可能にするナノ粒子を設計し・がん増殖抑制効果を実証した。
・がん免疫療法だけでなく、一般のDDSにも適用できる新しいマトリックスを提供する。

想定される用途

・がん免疫薬剤
・DDS用マトリックス

関連情報

・外国出願特許あり
・サンプルの提供可能

J-STORE掲載特許情報

15:00~15:25 創薬
9) 遺伝子(Tmku80)破壊白癬菌の開発による病原・耐性因子の解析法
当日資料PDF

帝京大学 医療共通教育研究センター 教授 槇村 浩一

新技術の概要

本発明は、白癬菌の病原因子(病原性への関与が示唆される因子)や薬剤耐性因子となる遺伝子を探索する方法である。本法を可能にするためにTmku80遺伝子を破壊した新規の白癬菌株を開発した。野生型白癬菌との比較により、標的遺伝子がコードするタンパク質の機能が特定される。

従来技術・競合技術との比較

これまで白癬菌においては遺伝子破壊や導入が困難であったため、その遺伝子機能解析は実質的に不可能であった。理由は、白癬菌において、標的とする遺伝子と導入ベクターとの間で生じる相同組換え頻度が極端に低かったためである。この問題は本発明により解決された。

新技術の特徴

・白癬菌における遺伝子破壊が実際的に可能となった。
・新規遺伝子を新たに導入することも可能となった。
・以上より、病原性因子や抗菌薬に対する耐性の解析が可能となった。

想定される用途

・患者が多い白癬(ミズムシ・タムシ・シラクモ)の病原性を明らかにすることにより、新規治療法を開発できる。
・白癬菌の抗真菌薬耐性機序を明らかにすることにより、新規治療薬を開発できる。
・病原性が高く、一般に研究が困難である輸入真菌症対策上のモデル研究として、新規治療法を開発できる。
<連携・ライセンスについてのお問い合せ先>