新技術説明会 液晶デバイス・IT・環境・化学・バイオ 2008年10月2日(木)
会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)
 
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液晶デバイス
液晶の分子配向制御:その計測と応用

  [1]液晶デバイスのセル表面の新しい評価法
  [2]スメクティック液晶を用いた軽くて強いエアロゲル
10:20〜11:00
産業技術総合研究所 ナノテクノロジー研究部門
  主幹研究員  横山 浩
http://www.nanolog.jp/mysite/
[1]液晶デバイスのセル表面の新しい評価法
新技術の概要
液晶ディスプレイでは、ガラスセルの表面における液晶分子配向制御が最も重要なプロセスの一つとなっている。アンカリング強度は、液晶の表面配向性能を定量的に表す尺度であり、その大小は、液晶デバイスの動作に大きな影響を及ぼす。本特許技術は、あるゆる方向のアンカリング強度を精度良く計測できる、現存する唯一の方法である。
従来技術・競合技術との比較
アンカリング強度の測定法は、1960年代から活発な研究が行われており、本技術の発明者が考案した強電場法をはじめとして、数多くの手法が提案され、実用に供されているものの、複雑な光学測定、データ解析が必要なうえに、面内、面外のすべてのアンカリングに対応したものではなかった。本技術の方法は、磁場を用いてこれらの難点を全て解決する技術を提供する。
技術の特徴
・あるゆる液晶の配向モードに対応
・複雑な光学測定、データ解析不用
・原理に忠実な素直な測定
想定される用途
・液晶デバイスの配向制御プロセスの評価およびモニター
関連情報
・外国出願特許あり
J-STORE掲載特許情報
・液晶デバイスの配向制御プロセスの評価およびモニター
・発明の名称:液晶アンカリング強度測定法及びその測定システム


[2]スメクティック液晶を用いた軽くて強いエアロゲル
新技術の概要
スメクティック液晶は、分子レベルの厚さの薄膜を数センチの大きさで安定に形成する特異な状態であり、これをエアロゲルにおける空気泡の隔壁として用いることで、これまでにない軽量性と強度を持ったエアロゲルを形成することができる。
従来技術・競合技術との比較
エアロゲルは、通常は、シリカなど無機物を主成分とするゾルを出発材料として作成され、その軽量性と一定の機械強度を活かして断熱材などに応用されている。本技術は、光反応性のスメクティック液晶を用いて、軽量性と機械強度をさらに向上させるもので、光学的な透明性と相まって応用の大きな展開が見込まれる。
技術の特徴
・安定な分子膜による超軽量エアロゲル
・環境負荷の少ないエアロゲル
・光学的に透明
想定される用途
・断熱材・遮音材・緩衝材・乾燥材
・断熱性の軽量窓ガラス
関連情報
・外国出願特許あり
J-STORE掲載特許情報
・発明の名称:スメクティックエアロゲル及びその作製方法

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2
液晶デバイス
電圧制御液晶リターダーを利用した高性能エリプソメーター
11:00〜11:30
早稲田大学 先進理工学部 応用物理学科
  教授  多辺 由佳
http://www.f.waseda.jp/tabe/index.htm
新技術の概要
2枚の液晶セルを組み合わせ、それぞれに印加する電圧を独立に制御することにより、セルを通過する光の位相と偏光軸を高精度で決定する。これにより、高速かつ正確に、試料の屈折率と膜厚を与えるエリプソメーターを実現できる。
従来技術・競合技術との比較
固定波長板を機械的に回転させて用いる従来のエリプソメーターに比べ、任意の波長の光に使え、かつ液晶セルへの印加電圧だけで光軸と位相の両方を制御できるため、正確・高速な測定と装置の小型化・低価格化が可能。
技術の特徴
・光の軸と位相を決めるのに2枚の液晶セルを利用
・電気信号だけで光の偏光状態を制御
・小型・高精度
想定される用途
・半導体をはじめとする薄膜の膜厚・屈折率測定
・光補償素子
J-STORE掲載特許情報
・発明の名称:液晶リターダ駆動法

・発明の名称:電圧制御液晶リターダで構成されたエリプソメータ

・発明の名称:電圧制御リターダの組み合わせによる万能リターダー

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3
液晶デバイス
表示メモリー性を有し低消費電力のネマチック液晶表示素子
11:30〜12:00
産業技術総合研究所 ナノテクノロジー研究部門 ナノシミュレーショングループ
  研究グループ長  米谷 慎
http://staff.aist.go.jp/makoto-yoneya/
新技術の概要
通常の液晶表示素子は、表示画像がたとえ変わらなくても画像信号に対応した駆動電圧を加え続ける必要がある。表示メモリー性を有する表示素子では、表示画像に変化が無い場合には駆動電圧を必要とせず、表示画像に変化がある場合にのみ消費電力が発生するため、原理的に超低消費電力が可能である。本願技術は、新規な基板表面配向パターンを用いることにより、この表示メモリー性機能をネマチック液晶に付与可能とする。
従来技術・競合技術との比較
表示メモリー性を実現する液晶素子の従来技術としては、1)強誘電性の大きなスメクチック液晶材料と特殊な基板表面状態を用いるもの、2)特殊な加工形状の基板表面と撓電性の大きな液晶材料を用いるもの等が提案されているが、これらの従来技術は、一般的に用いられている液晶材料とは異なる特殊な液晶材料と基板表面を必要とし、さらに、表示メモリー性発現条件の制約(特定の温度範囲、材料物性値の範囲)が大きい。
技術の特徴
・表示メモリー性による低消費電力
・一般的な液晶材料(ネマチック液晶材料)でメモリー性を実現
・表示メモリー性発現条件が広く、ロバスト
想定される用途
・電子ペーパー
・電子ブック
・携帯機器の表示素子
関連情報
・外国出願特許あり
J-STORE掲載特許情報
・発明の名称:液晶表示素子

・発明の名称:ネマチック液晶を用いた液晶表示装置

・発明の名称:ネマチック液晶を用いた液晶表示素子

・発明の名称:双安定ネマチック液晶表示素子

・発明の名称:液晶表示素子

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4
化学
キラルアミン、アルコール、カルボン酸等の絶対配置の決定法
13:20〜13:50
大阪大学 大学院工学研究科 応用化学専攻
  教授  井上 佳久
http://www.chem.eng.osaka-u.ac.jp/~inoken/
新技術の概要
ポルフィリン2量体との錯形成時に生じる誘起円二色スペクトルのエキシトンカップリング現象を利用してキラルなアミン、アルコール、および有機酸(スルフォン酸/カルボン酸/リン酸)の絶対配置を一義的に決定できる方法
従来技術・競合技術との比較
従来法よりも、より簡便、経済的に決定できる
技術の特徴
・幅広い(塩基性、中性、酸性の)キラル有機化合物の絶対配置が一義的に決められる
・分光法によるので極めて少量のサンプルで済む
・操作も極めて簡便である
想定される用途
・医薬品原料などのキラルなアミン、アルコール、有機酸(カルボン酸、スルフォン酸、リン酸)の絶対配置の決定
・対象物が既知の場合は光学純度の決定も可能
関連情報
・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり
J-STORE掲載特許情報
・発明の名称:キラル化合物の絶対配置の決定方法

・発明の名称:キラル化合物の絶対配置決定方法

・発明の名称:不斉炭素を有する有機酸の絶対配置決定方法

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5
環境
世界最大級の表面積をもつ繭から作ったスーパー活性炭
13:50〜14:20
群馬工業高等専門学校 物質工学科
  特任教授  小島 昭
http://www.chem.gunma-ct.ac.jp/inorg/kojima/index.html
新技術の概要
電子機器の小型、大容量化が進み、それに使用する活性炭も高性能化が求められている。繭を原料にし炭化・賦活処理を行うことで、比表面積3000m2/gの活性炭を、さらに、炭化・賦活条件を検討することで、最大値5500m2/gの活性炭も調製可能になった。
従来技術・競合技術との比較
比表面積5500m2/gをもつスーパー活性炭の市場は山積し、需要は大であるが、製品化はされていない。今回繭を原料にすることで、スーパー活性炭の市場への提供が可能となった。従来にはない性能をもつもので、新規分野の参入をはかりたい。
技術の特徴
・世界最大級の比表面積をもつスーパー活性炭
・ヘテロ原子の存在による効果
・電子材料用活性炭としての展開
想定される用途
・電子材料、電気材料
・電池用材料
・高性能脱臭材
J-STORE掲載特許情報
・発明の名称:高性能活性炭およびその製造方法

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6
環境
マイクロ波光触媒法による新しい環境保全技術
14:20〜14:50
東京理科大学 総合研究機構 研究部 ものづくり・先端計測科学研究部門
  講師  堀越 智
新技術の概要
環境触媒として光触媒は世界中で研究されているが、処理速度の問題から水処理へはあまり実用化されていない。本新技術は紫外線とともにマイクロ波を光触媒へ照射することで、汚染物質の分解速度が著しく促進することを見出した。
従来技術・競合技術との比較
ヒーターで光触媒を加熱しても汚染物質の分解は促進しない。本提案はマイクロ波ではなくては起こらない特有の効果である。既存の光触媒自身の活性を促進させる研究はあまりないことから競合はないと考えられる。
技術の特徴
・マイクロ波化学と光触媒の融合させる
・触媒を非熱的に促進させる
・既知の技術を組み合わせた、相乗的環境保全
想定される用途
・有機汚染物質の分解(水処理)
・VOCなどの分解(空気浄化)
・塩素系有機化合物などの分解(土壌処理)
J-STORE掲載特許情報
・発明の名称:紫外線光源及び化学反応促進装置

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バイオ
酵素を使わずに光で遺伝子を操作する方法の開発と遺伝子解析への応用
15:00〜15:30
北陸先端科学技術大学院大学 マテリアルサイエンス研究科
  准教授  藤本 健造
http://www.jaist.ac.jp/ms/labs/fujimoto/fujimotohp/
新技術の概要
光ライゲーション法ならびに光クロスリンク法という酵素を使わずにDNA同士をつなげるオリジナル技術の開発に成功しました。本技術によりDNAチップ上での高速かつ高感度遺伝子解析が可能となりました。
従来技術・競合技術との比較
従来の酵素(リガーゼ)を用いた方法や、通常のハイブリダイゼーション法と比較して至適pHや至適温度といった制約条件がなく、かつ精度も100倍から1000倍で一塩基の違いを正確に検出できます。
技術の特徴
・至適pHや至適温度といった制約条件がない
・酵素ではなく光を使用
・高精度かつ高感度検出
想定される用途
・遺伝子ラベリング
・SNPタイピング
・遺伝子解析
関連情報
・外国出願特許あり
J-STORE掲載特許情報
・発明の名称:特定の塩基配列の標的核酸類を検出する方法、及び検出のための核酸類セット

・発明の名称:フェノール骨格を有するデオキシリボース誘導体および光応答性ヌクレオチド

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8
IT
触・力覚の錯覚に基づく新しいインタフェース技術
15:30〜16:00
科学技術振興機構
戦略的創造研究推進事業「デジタルメディア作品の制作を支援する基盤技術」領域
 さきがけ研究員  渡邊 淳司
http://www.junji.org/
新技術の概要
人間の錯覚を利用した新たなインタフェース技術を2つ紹介する。ひとつは、画面の画像情報を適切に変化させることで、視覚情報のみで擬似的な触感覚を生成させる技術。もうひとつは、複数の振動子を体表面に装着し(例えば、腹側と背側)、それらの振動子を適切な時間差で振動させることで、擬似的に身体内を通過する貫通感覚を生じさせる技術。
従来技術・競合技術との比較
従来の触覚提示デバイスの多くは、機構が複雑で、コストも高く、ゲームセンター等大規模な施設でのみ導入されてきた。本発明は、日常で使用する環境(ゲーム等も含み、ユーザに視聴覚、簡便な触覚フィードバックを行うもの)に、特別なデバイスなしで新たな感覚提示能力を付加する試みである。
技術の特徴
・簡便な方法でこれまでにない触覚情報を提示を可能
・既存のインタフェース(マウス、スタイラス、コントローラ等)で効果を出すことができ、簡便で安価に実現可能
・身体全体に対しても効果を出すことができる
想定される用途
・パソコン等の操作画面、ウェブに簡単に触覚を付与する(スクラッチ感など)
・コンシューマゲーム機のデバイス(Wii etc)
・アミューズメントパークのアトラクション(シューティングゲーム、格闘ゲーム等)
関連情報
・サンプルの提供可能
J-STORE掲載特許情報
・発明の名称:仮想感覚提示装置

・発明の名称:貫通触感覚提示装置

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9
IT
海中にGPSを展開する〜可搬型位置計測装置の紹介
16:00〜16:30
水産総合研究センター 水産工学研究所 水産情報工学部
  主任研究員  赤松 友成
http://nrife.fra.affrc.go.jp/akamatsu/
新技術の概要
小型のステレオ水中音記録装置による海中での相対位置検出方式を紹介する。海洋生物や海洋観測装置、あるいは漁具などに取り付けることにより、大規模なシステムを用いることなく相互の位置確認を可能にする。
従来技術・競合技術との比較
電波の届かない海中での位置計測は音波に頼るしかない。物体に音波を放射して反射波を計測するアクティブソナーや、物体が発する音あるいはそれにとりつけた発信器の音を受信するアクティブソナーが従来技術であるが、いずれも大規模な送受信システムが必要である。
技術の特徴
・海中を動く物体や動物の位置計測が可能
・小型で長期間運用可能な独立した音響受信装置による定位技術
・計測に大規模な送受信システムを必要としない
想定される用途
・魚群やイルカの群れにおける離合集散過程を直接計測
・漁業資源の長期滞留水域の特定
・船舶をプラットフォームとした位置送信システムと組み合わせることによる海中の絶対位置計測
J-STORE掲載特許情報
・発明の名称:小型ステレオ超音波受信装置及びそれを用いた水中物体の位置測定方法

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IT
新しい予測法に基づく高音質な雑音抑圧技術
16:30〜17:00
諏訪東京理科大学 システム工学部 電子システム工学科
  助教  田邉 造
新技術の概要
次世代携帯電話やカーナビゲーション、及び対話型ロボットなどの需要は、近年爆発的な広がりを示している。これらの更なる発展には、音声に環境雑音が混じった信号から高音質な音声を復元する雑音抑圧法が必要不可欠である。新技術では、新しい予測法を用いて、シンプルでかつ高音質な雑音抑圧法を紹介する。
従来技術・競合技術との比較
従来のカルマンフィルタを用いた雑音抑圧法は、(Step 1) 音声信号の AR係数を推定した後に、(Step 2) Step 1で求めた AR係数を用いて状態空間モデルを構成することで、カルマンフィルタアルゴリズムにより雑音を抑圧する2段階ステップであった。新技術は、従来手法の Step 1で推定した AR係数を必要としない状態空間モデルを用いた新しい予測法により高音質な雑音抑圧を実現している。また、2段階の処理を必要としないことより大幅な演算量の軽減が可能である。
技術の特徴
・新技術は音質を劣化させることなく(維持しながら)雑音抑圧能力の向上が可能
・従来手法と比べて演算量の大幅な軽減によるローパワーエレクトロニクスの実現
・生活音などの有色性雑音にも適用可能
想定される用途
・カーナビゲーション、携帯電話、対話型ロボット
・胎児心拍解析による胎児の健康調査、補聴器
・器具故障の検出装置

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科学技術振興機構 シーズ展開課 0120-679-005 mail scett@jst.go.jp