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【オンライン開催】産業技術総合研究所 新技術説明会

日時:2020年09月10日(木) 10:00~15:55

会場:Zoomビデオウェビナーによるオンライン開催

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、産業技術総合研究所

発表内容詳細

  • アグリ・バイオ

1)バイオエコノミーに貢献する植物細胞壁エンジニアリング

発表資料 プレゼン動画

産業技術総合研究所 生物プロセス研究部門 植物機能制御研究グループ 研究グループ長 光田 展隆

https://unit.aist.go.jp/bpri/bpri-pgrr/

新技術の概要

陸上最大のバイオマスである植物細胞壁を改変して植物からのバイオプラスチックや素材開発に有利な植物を作りだします。植物細胞壁のなかでもセルロースやリグニンが主な改変対象です。これらを増やしたり減らしたり、あるいは天然にはない成分を取り込ませたりする技術を提供します。

従来技術・競合技術との比較

これまで細胞壁の改変といえば二次細胞壁をターゲットにしたものがほとんどでしたが、本技術では一次細胞壁も改変対象としています。これにより、樹木だけでなく草本植物の改変などにも非常に有効な手段となりうることが分かってきました。一次細胞壁と二次細胞壁を同時に改変しようとする試みは新しいものです。

新技術の特徴

・植物細胞壁のありかたを根本的に変えるような改変ができる
・芳香族化合物の新たな供給源を提案できる
・木質バイオマスを画期的に増やすことができる

想定される用途

・セルロースナノファイバーなどの新素材の供給用植物
・直接燃焼あるいはバイオ燃料製造用低コスト化植物
・強化木材供給用樹木

関連情報

・展示品あり

  • アグリ・バイオ

2)リポソーム(人工細胞)を用いた微生物培養・動態解析技術

発表資料

産業技術総合研究所 バイオメディカル研究部門 バイオアナリティカル研究グループ 研究員 森田 雅宗

https://unit.aist.go.jp/bmd/gr/bia-4/index.html

新技術の概要

本技術では、細胞膜構造と類似のリン脂質二分子膜からなるリポソーム(人工細胞)を細胞サイズで作製し、内部に微生物を1 細胞レベルで封入、ガラス基板上に固定する。固定化したリポソーム(人工細胞)内部で微生物を培養し、微生物の伸長・分裂・増殖の様子をリアルタイムに解析する方法を開発した。

従来技術・競合技術との比較

リポソームは、ロバストな化学反応場として、内部での酵素・生化学反応などリアクタとして利用されている。本技術は、リポソームの構造的特徴を活かすことで、従来技術のゲル・油中水滴とは異なる手法による薬剤スクリーニングなどへの用途が期待される。

新技術の特徴

・細胞サイズリポソームのガラス基板上への安定的な固定化方法
・1細胞レベルでの観察と培養
・微生物の伸長・分裂・増殖のリアルタイム解析

想定される用途

・微生物に対する薬剤スクリーニング
・微生物を利用した健康機能維持食品開発
・目的微生物の獲得と機能探索

  • 分析

3)選択的相互作用により駆動する固体発光ポリマーシステム

発表資料 プレゼン動画

産業技術総合研究所 健康医工学研究部門 ナノバイオデバイス研究グループ 研究員 南木 創

https://staff.aist.go.jp/t.minamiki/

新技術の概要

発光性と非発光性のポリマー間にはたらく選択的な分子間相互作用を駆使することで、発光(蛍光)フィルムを容易に調製する手法を見出した。さらに、調製したポリマーシステムが液相中の標的分子を選択的に捉えることで発光変化を呈するフィルム式センサとして機能することを実証した。

従来技術・競合技術との比較

発光ポリマーは化学センサの基盤材料として魅力的であるが、強い凝集誘発消光性のため、固体センサへの展開には煩雑な分子設計・合成を要し、かつ殆どが気相中での分子検出に限定されてきた。本技術では、役割の異なるポリマーの複合化に着目することで、様々に展開可能な固体発光システム・センサの構築に成功した。

新技術の特徴

・異種ポリマーの混合により固体発光システムを容易に調製可能
・液相中の標的分子を選択的に検知するフィルム式センサとして機能
・ポリマーユニットの選択により任意の機能調節・発現が可能

想定される用途

・オンサイト分析に用いる発光センサとしての用途
・電界発光センサの構成部材としての用途
・面発光性を活かした分子イメージング素子としての用途

関連情報

・サンプルあり

  • デバイス・装置

4)ポータブル褥瘡早期検出用デバイスに関する試作

発表資料

産業技術総合研究所 デバイス技術研究部門 集積化MEMS研究グループ 研究員 張 嵐

https://unit.aist.go.jp/d-tech/

新技術の概要

褥瘡は難治性皮膚傷害で、寝たきりの多い在宅医療現場で大きな問題となっている。本研究では、在宅でも簡易で診断可能なポータブル褥瘡早期検出デバイスを開発する。また画像解析技術と人工知能(AI)技術を駆使して、遠隔自動診断の可能性も検討する。これにより在宅における褥瘡の早期診断を行って早期治療に繋げ、褥瘡の悪化を防ぎ、患者を苦痛から解放すると同時に、医療費削減の社会的効果も意義深いと考えられる。

従来技術・競合技術との比較

従来の硝子圧法は簡便に行うことが可能であるが、処置、判断共に属人的なものであり、どの程度の圧力で押圧すれば適切なのか、押圧の結果「白くなった」といえる状態であるのか否か、が不明であるという問題があった。また検査の際に押圧力、発赤の程度などを記録として残すことができないという問題もあった。これに対して、本技術は出血のヘモグロビンの吸光性を利用して、いわゆるブルーライトを検査対象箇所(発赤)に照射したうえで撮影を行い、当該撮影画像における発赤部位の陰影の有無と強弱の差により褥瘡の進行を判断することが可能されている。

新技術の特徴

・皮膚内障害(褥瘡等)の自動検出装置小型化で在宅診断が可能に
・画像解析技術と人工知能(AI)を駆使した技量に依存しない診断
・早期治療による医療費の削減に貢献

想定される用途

・褥瘡早期診断
・皮膚内傷害の法律判断
・在宅介護、遠隔医療

関連情報

・サンプルあり

  • 材料

5)高柔軟性シリコーン吸湿材料の開発と布状湿度センサへの応用

発表資料 プレゼン動画

産業技術総合研究所 センシングシステム研究センター フレキシブル実装研究チーム 研究員 駒崎 友亮

https://unit.aist.go.jp/ssrc/team_fdim.html

新技術の概要

高い柔軟性と感度を兼ね備えたゴム状感湿材料を独自に開発し、この感湿材料を布上に電極とともに印刷することで人肌に触れてもほとんど違和感を感じさせない湿度センサを作製しました。本技術を用いることで衣服内やベッド内の湿度モニタリングが可能になり、快適性評価や健康管理などへの応用が期待されます。

従来技術・競合技術との比較

従来の吸湿材料・感湿材料はシリカゲル、ゼオライト、珪藻土、ポリイミドなど柔軟性に乏しい材料が主流でした。それに対し、本研究で開発したゴム状感湿材料は1.2倍程度まで伸長可能な高い柔軟性を持ち、今までにない柔らかい乾燥剤や湿度センサを実現することができます。

新技術の特徴

・高い柔軟性、成型自由度、感湿・吸湿性能を兼ね備えたゴム状感湿材料
・ヒステリシスのない感湿特性
・接触違和感のないウェアラブル湿度センサ

想定される用途

・成形自由度や柔軟性を活かした意匠性の高い乾燥剤
・高精度湿度計測
・衣服内、ベッド内湿度モニタリングによる見守り、健康管理

関連情報

・サンプルあり

  • 計測

6)ゼーベック係数の絶対値を簡便かつ正確に測定する手法

発表資料 プレゼン動画

産業技術総合研究所 物理計測標準研究部門 応用電気標準研究グループ 主任研究員 天谷 康孝

https://unit.aist.go.jp/ripm/

新技術の概要

熱電材料の開発ではゼーベック係数(熱-電気変換能力の指標)の正確な測定が必須である。本技術はトムソン効果によりゼーベック係数を簡便かつ正確に絶対測定できる新手法である。また、熱伝導率と電気抵抗率も測定できるので、一度の測定で熱電特性評価に必要なすべての物性値を得ることができる。

従来技術・競合技術との比較

ゼーベック係数の測定法は参照物質に対する熱起電力の差を測定する方式が主流である。この方式では測定値は相対的な値であるため、違う測定装置で測定したデータを直接比較する事は困難であった。また、熱伝導率の正確な測定には、異なる形状の試料を準備し、別の専用装置による測定を余儀なくされた。

新技術の特徴

・熱電材料の性能を示す「ゼーベック係数」の新たな測定手法を開発
・熱物性値の計測が不要なため従来よりも簡便かつ正確な測定が可能
・熱伝導率の同時測定により熱電材料評価に必要な物性値を一括して測定

想定される用途

・熱電材料の変換効率の評価
・新原理に基づく熱電材料評価装置の開発
・固体の欠陥や不純物の非破壊検査応用

関連情報

・外国出願特許あり

  • 建築・土木

7)建設工事等から発生する泥水のオンサイト処理方法と装置

発表資料 プレゼン動画

産業技術総合研究所 地質調査総合センター 研究戦略部 イノベーションコーディネータ 張 銘

https://www.gsj.jp/information/organization/index.html

新技術の概要

地盤掘削や改良工事等で発生する建設泥水に高い直流電圧と最適な電流密度を印加して凝集粒子を形成し、建設泥水を現場で短時間かつ高効率で固液分離できる技術である。分離した水は循環利用することができ、また、建設発生土の含水比が低くて再資源化することも可能となる技術である。

従来技術・競合技術との比較

無機系凝集剤・固化剤等の添加による建設発生土の容積の増加や高分子凝集剤等の添加による二次的環境負荷への懸念がなく、また、目詰まりが発生しやすいフィルタープレス法と脱水ケーキの低含水率化に限界のあるスクリュープレス法等の問題が発生しないため、従来技術にはない優れた効果を発揮できる新技術である。

新技術の特徴

・装置の構成が簡単で、コンパクトであるため、狭いサイトでも利用可能である。
・二次的な環境負荷への懸念がなく、処理水と処理土を再資源化することができる。
・直流電源を利用するため、商用電源のないところでも、太陽光電池を利用すれば実施可能である。

想定される用途

・ボーリング掘削で発生する泥水のオンサイト処理
・シールドトンネルの掘削や地盤改良等の工事で発生する泥水のオンサイト処理
・土壌洗浄や汚水処理で発生する汚泥の処理

  • 材料

8)軽い元素だけで光る無機薄膜プロセス

発表資料

産業技術総合研究所 マルチマテリアル研究部門 セラミック機構部材グループ 主任研究員 且井 宏和

https://unit.aist.go.jp/mmri/ja/groups/cestcom.html

新技術の概要

耐熱性や輝度に優れる無機蛍光体の多くは賦活元素として希土類元素や有毒な元素が含まれる。我々は、ホウ素、炭素、窒素および酸素で構成されるBCNO蛍光体の薄膜プロセスを開発した。化学気相析出法とレーザー処理を利用した薄膜プロセスにより軽い元素から成る低環境負荷な蛍光体薄膜を作製できる。

従来技術・競合技術との比較

BCNO蛍光体は粉末プロセスにより作製されていたが、本技術により数ミクロン以下の薄膜型のBNCO蛍光体を作製できる。また、単一の有機化合物原料から炭窒化ホウ素膜を高速で気相成長し、短時間の熱処理でBNCO蛍光体薄膜を合成できるため、環境低負荷で高効率な薄膜プロセスである。

新技術の特徴

・単一の有機原料から多数の軽元素で構成される無機薄膜を気相成長
・レーザーを援用した高速プロセス
・組成調整により蛍光特性を制御

想定される用途

・ディスプレイ・プロジェクター用蛍光体
・蛍光体センサー
・意匠性コーティング

  • 医療・福祉

9)発現プロファイルによる医薬品の肝毒性予測

発表資料 プレゼン動画

産業技術総合研究所 細胞分子工学研究部門 生物データサイエンスグループ グループ長 福井 一彦

https://unit.aist.go.jp/cmb5/group/7-9Group.html

新技術の概要

本研究では、発現プロファイルに基づくトキシコゲノミクス解析として、in vivoではラットの肝臓、in vitroではヒト及びラット初代肝細胞を用い、医薬品を中心とした約200の化合物による発現プロファイルを基にした肝毒性類似化合物検索システムやin vivo-vitroやヒト-ラット間のブリッジングに着眼したシステムを構築している。

従来技術・競合技術との比較

バイオインフォマティクス研究における毒性予測として、化合物構造を入力として構造の類似性を検索し、毒性予測を行うのが従来の方法であるが、本研究では、フェノタイプである実データを用い、データサイエンスの観点から発現プロファイルによる解析を行っている。

新技術の特徴

・可変発現マトリクスによる類似化合物の検索
・発現パスウェイによる肝毒性化合物の検索
・類似性検索及びマトリクス拡張技術

想定される用途

・発現データからの肝毒性予測や類似化合物検索
・in vitroとin vivo実験の比較及びブリッジング
・副作用予測

  • デバイス・装置

10)カップ形状微小電極を用いた細胞表面分子の電気化学発光計測による検出

発表資料

産業技術総合研究所 細胞分子工学研究部門 AIST-INDIA機能性資源連携研究室 主任研究員
 金 賢徹

https://unit.aist.go.jp/cmb5/

新技術の概要

内面が超低ノイズナノカーボン電極、外面がニッケル製で、細胞と同直径程度の2層構造お椀(カップ)形状微小電極である。カップ窪みに細胞を捕捉し、細胞表面に発現するマーカー分子を電気化学発光計測により高感度検出する。カップはまた磁気微粒子でもあり、溶液中で磁場印加による分散制御が可能である。

従来技術・競合技術との比較

細胞と同直径程度の曲面電極を作製し細胞表面を電極に広く密接させることで、高感度で知られる電気化学発光計測を細胞表面分子検出に適用可能とした。カップの内面、外面は任意の材料でも作製可能であり、カップを基板上に配向配置させること、溶液中に分散させて使用することも可能である。

新技術の特徴

・数十nmから数十µm径の低ノイズ曲面電極を提供可能
・微小電極を基板上に配向配置させること、溶液中に分散させることが可能
・微小電極は磁気微粒子でもあり、磁場印加による制御が可能

想定される用途

・血中循環がん細胞の検出
・環境中の微粒子や微生物の検出
・高感度な免疫測定

関連情報

・サンプルあり
・外国出願特許あり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

産業技術総合研究所 イノベーション推進本部 知的財産部 技術移転室
TEL:029-862-6158 FAX:029-862-6159
Mail:aist-tlo-mlアットマークaist.go.jp
URL:https://www.aist.go.jp/aist_j/collab/patent/patent/tlo.html

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

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