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慶應義塾大学 新技術説明会

日時:2019年09月03日(火) 13:30~15:55

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、慶應義塾大学

後援:特許庁、関東経済産業局

発表内容詳細

  • 創薬

1)細胞特異的能動集積性を有する光線力学療法

発表資料 プレゼン動画

慶應義塾大学 医学部 癌基盤研究寄附講座 特任講師 松田 祐子

新技術の概要

本発明は、日光過敏症等の光線力学療法に伴う合併症を起こしにくいアクティブターゲッティングにより低濃度で癌組織に到達し得る光線力学的療法剤の提供を目的としてなされた光線力学療法用光感受性物質を含み、表面に癌細胞特異的抗原に対する抗体が結合した癌細胞特異的高分子ポリマー化合物である。

従来技術・競合技術との比較

最も生体由来の組織の影響が少ないのは650~700nm近辺である。本発明で使用するベルテポルフィンは長波長領域での吸収端を有する光感受性物質であり、従来品と比してより深部病変の治療が可能となる。

新技術の特徴

・癌特異的な能動的デリバリー
・比較的深部の癌やサイズの大きい癌まで治療可能
・光過敏症の軽減

想定される用途

・早期癌の放射線治療
・動物医療領域の低侵襲治療

  • 創薬

2)遺伝子治療DDSの開発について

発表資料 プレゼン動画

慶應義塾大学 理工学部 機械工学科 准教授 尾上 弘晃

新技術の概要

内耳への遺伝子治療を実施するためのウイルス(アデノ随伴ウイルス:AAV)を担持しておくためのマイクロスケールの複合ハイドロゲル担体に関する技術。均一直径のゲルビーズを酵素分解することによりAAVを内耳に固定した状態で時空間的に制御した除法を可能とする。

従来技術・競合技術との比較

AAVなどのウイルスの徐放システムとしては,コラーゲンゲルやアルギン酸ゲルなどにAAVを混合することで体内に適用した例はあるが,安定した体内への固定や除法速度は担体素材に依存していた。それに対し本技術はマイクロ流体デバイスを利用してAAVを担持した均一径のマイクロゲルビーズを固定化する技術により,生体内に安定してゲルを固定しつつAAVの徐放の制御を可能とするものである.

新技術の特徴

・均一径のマイクロゲルビーズの利用によりAAVの徐放期間と速度の制御が可能
・内耳などの狭い体内の空間に安定して固定が可能
・冷凍・解凍による保存が可能

想定される用途

・内耳への遺伝子治療
・ウイルスによるDDSにおける徐放の時空間的な制御
・生体内への汎用的なウイルスによる遺伝子導入

  • 医療・福祉

3)X遺伝子群の発現プロファイルを用いたがん予後予測法

発表資料 プレゼン動画

慶應義塾大学 医学部 外科学(一般・消化器) 助教 中小路 絢子

新技術の概要

予後予測が術後化学療法の適応の決定に大きく関わるLuminalB乳癌において、X遺伝子群の複数の遺伝子の発現データを用いた教師なし階層的クラスタリングにより、再発を高い精度で予測することができた。また、白血病や肉腫等を含む他の悪性腫瘍においても同様の手法で予後予測が可能であった。

従来技術・競合技術との比較

これまでの再発リスク予測のための多遺伝子アッセイは、再発リスクの高低は判明してもその分子生物学的な意義は不明であるということが大きな問題点であった。今回、一貫した機能を持つと考えられる遺伝子群を用いることで、乳癌における分子生物学的な機能解析を通じて予後予測を行うことが可能になった。

新技術の特徴

・既存のがん多遺伝子アッセイと異なり、がんにおける分子生物学的な機能解析を通じて予後予測ができる
・術後化学療法の要否を適正に判断できることで、無用な副作用から患者を守り、また、社会的にも不必要な医療費を削減することができる
・実臨床での利用を見据え、クラスタリングの結果を機械学習させた予後予測システムを確立済である

想定される用途

・乳癌の術後化学療法の要否を判断するツールとなる
・乳癌以外の癌種において、予測した再発リスクの高低に合わせ再発検索期間や検査の頻度を決められる
・分子生物学的な意義が明確であるため、創薬のターゲットあるいは評価指標になる

  • 創薬

4)難治性がんオルガノイドを用いたスクリーニング技術による新規抗腫瘍薬の開発

発表資料 プレゼン動画

慶應義塾大学 薬学部 薬物治療学講座 准教授 齋藤 義正

新技術の概要

我々は難治性がんの代表である胆道・膵臓がん患者から提供されたがん組織をオルガノイド培養により生体に近い状態で3次元培養し、創薬スクリーニングに応用する技術を確立した。本技術により抗真菌薬が胆道・膵臓がんの新たな治療薬となる可能性を見出している。難治性がんオルガノイドを用いた創薬スクリーニングを行い、革新的な抗腫瘍薬の開発を行う。

従来技術・競合技術との比較

現在、胆道・膵臓がんに対する化学療法には、主にゲムシタビンが用いられているが、その効果は限定的であり、5年生存率も極めて不良である。従来の創薬スクリーニングには、2次元の細胞株が用いられてきたが、生体内の腫瘍を再現しているとは言い難い。本技術では、オルガノイド培養により胆道・膵臓がんを生体に近い状態で3次元培養し、創薬スクリーニングを行う。

新技術の特徴

・オルガノイド培養により胆道・膵臓がんを生体に近い状態で培養し、創薬スクリーニングに応用することに成功した
・本技術により抗真菌薬が胆道・膵臓がんの新たな治療薬となる可能性を見出している
・本技術によりスクリーニングや薬剤感受性試験を行うことで、難治性がんに対する革新的な治療薬が開発されることが期待される

想定される用途

・胆道・膵臓がんに対する創薬スクリーニング
・胆道・膵臓がんに対する薬剤感受性試験
・胆道・膵臓がんの新規バイオマーカーの探索

  • 創薬

5)オキシカム系抗炎症薬を基盤にした新規パーキンソン病薬の創製

発表資料 プレゼン動画

慶應義塾大学 薬学部 医薬品化学講座 准教授 大江 知之

新技術の概要

これまでに我々は、オキシカム系抗炎症薬であるメロキシカム等が神経細胞死を抑制し、パーキンソン病モデルマウスにおいて運動障害を軽減することを報告した。そこで、メロキシカムの基本骨格に基づいて構造展開を行った結果、神経細胞保護効果を有し副作用の原因となり得る抗炎症効果を減弱さた一連の化合物群を見出した。

従来技術・競合技術との比較

既存のパーキンソン病治療薬はドパミン補充療法に代表される対症療法が中心となっている。我々が特許出願した新規化合物群は、それらとは明確に異なり、神経細胞保護作用を示し、パーキンソン病あるいはパーキンソン病関連疾患の根本的治療薬となり得る。

新技術の特徴

・パーキンソン病の根本的治療薬
・既存薬の構造を基盤にした化合物群
・顕著な細胞毒性がないことを確認済み
・一部の化合物についてin vivoでの動態・薬効を確認済み

想定される用途

・抗パーキンソン病治療薬
・パーキンソン症候群の治療薬
・神経細胞を保護するための医薬品

関連情報

サンプルあり

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連携・ライセンスについて

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