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ナノ材料・IT 新技術説明会

日時:2008年12月09日(火)

会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 電子

1)騒音環境下に有効な骨導・気導一体型マイクロホン

埼玉大学 大学院理工学研究科 数理電子情報部門 教授 島村 徹也

新技術の概要

骨導マイクと気導マイクを一体型とするマイクロホンで、騒音環境下においても品質の高い音声を生成する。原理は、骨導マイクからの入力を気導マイクからの入力を所望とする適応フィルタリングにより実現する。

従来技術・競合技術との比較

従来技術は、話者や発話内容に音質が左右されたり、雑音の予測や複雑な計算を要するなどの問題点が挙げられていたが、本技術は、適応フィルタの利用により、話者や発話内容に結果が左右されず、複雑な計算も不要である。

新技術の特徴

・骨導・気導一体型マイク
・適応信号処理技術の利用
・話者や発話内容に依存せず、騒音環境下でも高音質を生成

想定される用途

・携帯用無線
・各種電話
・ロボットとのインターフェース

  • 情報

2)2つのメロディの内挿を求めるメロディモーフィング手法

筑波大学 大学院システム情報工学研究科 知能機能システム専攻 講師 浜中 雅俊

新技術の概要

我々は、楽譜を音楽理論GTTMに基づき分析し、タイムスパン木と呼ばれる分析結果を自動獲得するシステムを世界で初めて構築した。本技術は、得られたタイムスパン木を用いてメロディの操作を実現するための技術である。

従来技術・競合技術との比較

市販の楽譜エディタやシーケンサが操作できる対象は、音符、休符、和音名などあいまい性の低い表層的な構造に限定されている。したがって、音楽知識が乏しいユーザがそれらの構造を適切に扱うことは困難である。

新技術の特徴

・メロディAにメロディBのニュアンスを付加して少しずつメロディBに近づけていくメロディのモーフィングを実現。
・meet(共通部分の計算)やjoin(合成)などの基本演算を定義し、タイムスパン木の操作を実現。
・各メロディのニュアンスを反映させる度合いを変化させるメロディ部分簡約法を構築。

想定される用途

・事例に基づく作曲・編曲支援システム
・ユーザがメロディを編集に難儀している場合に適切なメロディの候補を複数提示する編曲支援システム。
・「メロディAにメロディBのニュアンスを付加せよ」と指示するとそれを実現するメロディ生成支援システム。

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

  • 電子

3)超高分解能電子顕微鏡に組み込める小型走査型プローブ顕微鏡

北陸先端科学技術大学院大学 マテリアルサイエンス研究科 教授 富取 正彦

新技術の概要

超高分解能走査型電子顕微鏡(分解能0。5nm)のパイプ状試料ホルダー(外径8mm)に組込める小型ペンシル型走査型プローブ顕微鏡(SPM)を開発した。先端が鋭利なSPM探針と試料、試料の狙った位置への探針の接近、試料を探針で操作する様子をSEM観察できる。

従来技術・競合技術との比較

数ミリの範囲をナノメートルスケールで3次元的位置合わせできる粗動機構が外径8mmのパイプ内に収まっていて、市販の超高分解能SEM(例えば日立S-5200)に利用できる。材質によるが、試料を500℃以上に加熱できる。

新技術の特徴

・ナノメータスケールの3次元的位置合わせができる小型粗動機構
・試料を通電加熱で500℃以上に加熱可能(試料の材質によって制限あり)
・SEM像を観察しながら、探針を接近・接触させたときに流れる電流を計測できる

想定される用途

・先端が鋭利なSPM探針と試料、試料の狙った位置に探針を接近させる様子、試料を探針で操作する様子のSEM観察
・高温(500℃)にした試料に探針を接触させてナノピラーを引き上げ成長させる探針の先鋭化操作
・超高分解能SEMのみならず、透過型電子顕微鏡(TEM)、収束イオンビーム(FIB)装置などにも取付可能

関連情報

・装置の見学可(要予約)、試料持ち込みによる本装置のテスト可(要事前相談)
・外国出願特許あり

  • 電子

4)磁性めっき線を用いた磁気センサの測定範囲の拡大と電気機器の高効率化

信州大学 工学部 電気電子工学科 准教授 水野 勉

新技術の概要

本技術は銅線の外周を磁性体薄膜で覆った磁性めっき線を用いることで、磁気センサの検出感度の向上や測定範囲の拡大などの特性向上、および変圧器などの電気機器の効率の向上や小形化を可能とする。

従来技術・競合技術との比較

磁気センサや電気機器の特性改善は磁性材料の特性向上、たとえば鉄損の低減などによって実現されてきた。本技術はコイルの交流抵抗を低減してQ値を増加させることで、磁気センサや電気機器の特性を向上させる。

新技術の特徴

・磁性めっき線
・交流抵抗の低減
・コイルのQ値の増加

想定される用途

・渦電流形変位センサ、近接スイッチ、金属検知、磁気探傷などの計測分野
・変圧器、誘導加熱装置などの電気機器

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

  • 電子

5)段取替えが少なく公平性に優れた多品種生産方式の開発

会津大学 コンピュータ理工学部 コンピュータ工学部門コンピュータ素子学講座 教授 齋藤 和之

新技術の概要

品種交換に伴う段取り替え頻度が少なく、少ない設備で効率的に多品種を生産する方式です。装置稼働率が高く、スループットが高く、処理時間(サイクルタイム、応答時間)が短い生産方式を提供します。

従来技術・競合技術との比較

この方式、P3D法は先入先出方式(FCFS)に比べ、段取り替え頻度が1/2~1/3と少ない。この結果スループットが25%以上向上し、処理時間は65%以下に短縮され、分散も小さく遅れ(ターディネス)が大きく改善される。

新技術の特徴

・段取り替え頻度が少なく装置利用率が高い
・品種間の公平性が高い(Hot Lotへの対応可)
・自律分散制御によるロバストな工場管理

想定される用途

・多品種の製品を同時期に生産する生産システム
・段取り替え頻度が高く生産効率が上がっていないシステム

  • 材料

6)ラジカルを用いた低温で安価な窒化物膜等の作製とコーティングへの応用

北見工業大学 工学部 電気電子工学科 准教授 武山 真弓

新技術の概要

メタル膜の成膜と、ラジカルを用いて表面処理を行うことを組み合わせた技術であるが、従来よりも極めて低温でかつ低抵抗な良質の窒化物膜等を形成することが可能である。さらに、その厚さも数ナノメートルのオーダで制御でき、極薄膜として成膜することもできる。さらに、金属の酸化・腐食を防ぐためのコーティングとしても有用である。ラジカル発生用のガスを酸素や炭素等に変えると、酸化膜や炭化膜、あるいはその複合膜も成膜できる。

従来技術・競合技術との比較

反応性スパッタ法やCVD法と比べて、本手法は極めて低温でかつ反応性スパッタ法に匹敵する低抵抗で良質の膜が得られる。そのため、半導体プロセスへの適用はもちろんのこと、従来成膜できなかったプラスチック等の熱に弱い基板にもTiN等の膜を室温程度で成膜できる。また、装置改造も簡便で安価であるので、低コストである。さらに、既にある金属等の上に表面処理としてラジカル処理することも可能であり、その用途は幅広い。

新技術の特徴

・低温で低抵抗の良質の窒化物等を形成できる
・装置が簡便で安価
・ガスを変えることにより酸化物、炭化物、それらの複合膜も得られる

想定される用途

・半導体製造技術
・コーティング材料
・表面処理

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

  • 材料

7)金属性単層カーボンナノチューブの分離と製膜

東京学芸大学 教育学部 自然科学系 准教授 前田 優

新技術の概要

単層カーボンナノチューブをアミンとの相互作用を利用し、有機溶媒中にて高分散し、金属性単層カーボンナノチューブを分離し、これを基盤上に製膜する技術。

従来技術・競合技術との比較

有機溶媒中にて単層カーボンナノチューブを分散することができるために、製膜に基盤への塗性と揮発性において金属性単層カーボンナノチューブの濃縮および薄膜を作製することができる。金属性単層カーボンナノチューブの濃縮度によって導電性の制御が容易である。

新技術の特徴

・金属性単層カーボンナノチューブの濃縮度を調整して製膜することが可能
・揮発性の有機溶媒を用いることで簡便に製膜が可能
・金塗布量によって性能の調製が容易

想定される用途

・導電性薄膜
・電極材料

関連情報

・外国出願特許あり

  • 材料

8)ホウ素のマスキングを利用した共役芳香族オリゴマーの反復合成法

京都大学 大学院工学研究科 合成・生物化学専攻 教授 杉野目 道紀

新技術の概要

本技術は鈴木カップリングにおけるホウ素のマスキング(保護)を重要な発明要素として含む、共役芳香族オリゴマーの反復精密合成に関するもので、機能分子や生理活性分子の開発における多種化合物群の迅速合成に有効であるほか、自動合成装置への応用が期待される。

従来技術・競合技術との比較

従来ボロニル基(B(OH)2)基の実践的な保護基はほとんど知られておらず、ボロニル基を保護して行う本反復合成システムは独自性の高い技術である。最近、ボロニル基の保護基としてイミノ二酢酸を用いる例が報告されたが、保護基としての安定性は本系と比べて格段に低い。

新技術の特徴

・反応性官能基の保護に基づいた繰り返し合成システム
・芳香族オリゴマー合成反応としての適用範囲の広さ(一般性)と操作の簡便性/単一性
・自動合成装置開発への展開

想定される用途

・有機発光、導電性、液晶材料等の開発
・ホウ素の保護を利用した製薬産業等における有機ホウ素合成中間体合成
・共役芳香族オリゴマーの自動合成装置開発

  • 材料

9)アルコールなどを触媒とする安価・安全・簡便な新しいリビングラジカル重合

京都大学 化学研究所 助教 後藤 淳

新技術の概要

近年、リビングラジカル重合法が、最先端分野に用いられる高機能性高分子を製造する精密重合法として注目されている。我々は、最近、汎用の安価で安全なリン、窒素、およびアルコール化合物がリビングラジカル重合の優れた触媒として作用することを発見した。

従来技術・競合技術との比較

本技術では、従来法のような高価な特殊基や重金属を使用せず、安価で安全な汎用化合物で重合を制御する。従来技術に比べて、はるかに低コストである。触媒は、高活性ゆえにその使用量は微量で、触媒残渣の問題も軽微である。触媒は低毒性で、取扱いも容易で簡便である。経済性、環境安全性、簡便性に優れる。

新技術の特徴

・低費用である
・環境安全性に優れる
・簡便性に優れる

想定される用途

・エラストマー(自動車材料、工業用品、医療材料、スポーツ用品、建築資材)、接着剤、ポリマーアロイ
・レジスト、コーティング、塗料、インク、界面活性剤、パーソナルケア製品(化粧品、整髪料)、潤滑剤
・電子・光学・力学・分離・潤滑・生体・医療材料

関連情報

・外国出願特許あり

  • 材料

10)超高密度にポリマー鎖を付与した微粒子の合成と応用

京都大学 化学研究所 助教 大野 工司

新技術の概要

各種微粒子の表面にその分散性を全く損なうことなく、超高密度に高分子鎖を付与することに成功した。また、その複合微粒子からナノ光学材料として有望なコロイド結晶構造体を構築した。

従来技術・競合技術との比較

柔軟性と多様性に富んだ微粒子表面修飾技術である。コロイド結晶化の駆動力が高度に膨潤伸張した高分子グラフト鎖間の力学的な長距離相互作用にあることを特徴とする。グラフト鎖によりコロイド結晶を高性能・高機能化できる。

新技術の特徴

・微粒子に極めて高い分散安定性と機能性を付与するための表面修飾法
・高分子グラフト鎖を利用したコロイド結晶
・コロイド結晶の高性能・高機能化が可能

想定される用途

・レーザーおよび波長変換素子などの光学材料(フォトニック結晶)
・化粧品および装飾品
・新しい微粒子表面修飾法

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

科学技術振興機構 シーズ展開課

TEL:0120-679-005
Mail:scettアットマークjst.go.jp
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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