説明会の
お申込み

九州横断3県合同(大分・熊本・長崎) 新技術説明会(1)

日時:2009年03月18日(水)

会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 医療・福祉

1)MRI位相情報を用いた新しいコントラスト描出

熊本大学 医学部 保健学科 助教 米田 哲也

新技術の概要

本技術により、従来のMRI画像ではほとんど使用されてこなかった位相画像データを利用して、これまでMRIを用いては見ることができないと考えられていた様々な組織を描出することが可能なった。

従来技術・競合技術との比較

従来技術で描出できていた組織の間のコントラストを、本技術を用いることでさらに明瞭に描出できるだけでなく、競合する位相技術と描出不可能な組織を画像化できる点で優れている。

新技術の特徴

・皮質・白質間のコントラストを従来の方法より強くつけることがでるため、高い病変検出が可能である
・高空間分解能機能画像への応用が可能である
・従来法と比べ、位相ノイズの低減が可能である

想定される用途

・皮質形成異常などの病気の診断
・腫瘍内構造の新たな見地
・味覚野領域など小さな領域の賦活化をみる機能画像

関連情報

・Gradient Echo系で撮像されたMagnitude画像と位相画像が必要です

  • 機械

2)NC工作機への搭載を目指した3次元砥粒切れ刃計測システム

佐世保工業高等専門学校 電子制御工学科 教授 川下 智幸

新技術の概要

サ-ボ制御と画像処理を用いリアルタイムに近い解析速度で、研削砥石作業面の研削に関与する砥粒切れ刃を3次元で計測・解析する。

従来技術・競合技術との比較

砥粒切れ刃の分布・形状は、加工表面へ大きな影響を及ぼす。しかし、現在は、それらの計測は行われていない。また、その有効な計測法も確立されていない。

新技術の特徴

・数値化できる砥石作業面の切れ刃状態を管理することで、さらなる高精度の加工が安定的に実現できる。
・測定時間が短時間で正確な解析が可能(画像内領域なら約6フレーム/秒の処理速度で計測・数値化可能)
・視覚的に確認しながら数値化できる。(従来の熟練技能者の作業領域を自動化または標準化できる)
・サ-ボ制御系は、普及しているNC工作機の制御方式をそのまま流用できる。

想定される用途

・次世代NC研削機や半導体製造装置(シリコン研磨装置等)
・固定砥粒工具を用いた各種加工機、研削砥石製造メ-カにおける製造ラインの自動検査装置
・大学・企業等の研究部門における計測・解析装置

関連情報

・NC工作機に搭載を想定したプロトタイプの「3次元砥粒切れ刃計測装置」を公開出来ます。
・外国出願特許あり

  • アグリ・バイオ

3)長崎特産香酸カンキツ「ゆうこう」の中性脂肪低下効果と食品への応用

長崎県立大学シーボルト校 大学院人間健康科学研究科 栄養科学専攻 教授・地域連携センター長 田中 一成

新技術の概要

長崎県特産の香酸カンキツ類である「ゆうこう」が脂質代謝改善作用を有することを明らかにしたもので、中性脂肪低下効果を発揮する飲食品や医薬品を開発することを目的としたものである。

従来技術・競合技術との比較

長崎市周辺に独自に生育する柑橘類「ゆうこう」の果肉や果皮にはヘスペリジンやナリルチンなどのフラボノイドが他の柑橘類に比較して多く含まれていることから、脂質代謝改善効果が期待される。

新技術の特徴

・血中中性脂肪低下効果
・過酸化脂質低下効果
・血中コレステロール低下効果

想定される用途

・中性脂肪低下効果を有する健康食品や飲料
・中性脂肪を低下させる医薬品
・コレステロール低下効果をゆうする健康食品や飲料

  • アグリ・バイオ

4)桑葉抽出物を用いた食後血糖上昇抑制食品の商品化と普及

長崎県立大学シーボルト校 大学院人間健康科学研究科 栄養科学専攻 教授・副学長 奥 恒行

新技術の概要

桑葉抽出物の二糖類水解酵素阻害作用を利用したデザートや食パンの開発、米飯とみそ汁またはカレーの組み合わせ摂取の試みなどが、食後血糖上昇ならびにインスリン分泌を強く抑制することを健常人および2型糖尿病患者を対象として明らかにし、そのレシピーを確立した。

従来技術・競合技術との比較

桑葉抽出物がα-グルコシダーゼ阻害作用を持っていることはすでに報告されているが、スクラーゼに対する阻害効果が強いこと、ショ糖に対する桑葉抽出物添加量が10分の1のとき阻害活性が最も強いことを明らかにし、この比率で開発した食品自身が血糖を上昇させないことが、新奇な点である。

新技術の特徴

二糖類水解酵素阻害作用を利用した血糖上昇抑制食品はいくつか開発されているが、これらは血糖上昇させる商品と一緒に摂取しなければ効果を発現できない。しかし、我々が開発した食品はそれ自身が血糖を上昇させないので、確実な効果が期待できる。

想定される用途

2型糖尿病患者の食事療法、耐糖能が低下している中高年者の糖尿病予防のための食事療法の活用できる。また、通常の食品に比べてエネルギー量が少なく、糖質が腸内細菌に資化されるためにプレバイオティック効果が期待できる。

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 材料

5)セラミック超微粒子を用いた高速応答型感圧塗料

大分大学 工学部 応用化学科 准教授 天尾 豊

新技術の概要

感圧塗料(PSP:Pressure-Sensitive Paint)は、空気力学実験の主要なツールとなりつつある。しかし、変動圧力計測に利用可能、かつ、使いやすいものはいまだ発明されていない。本発明によるセラミック超微粒子と色素分子を組み合わせたPSPは、スプレー塗装が可能であり、測定対象材料を選ばず、簡便に利用が可能である。さらに、これまで非定常圧力計測用感圧塗料に比べてより高い性能(圧力感度+応答時間)を有する。

従来技術・競合技術との比較

ポリマーセラミックPSPは、物体との固着のために高分子を含み、圧力感度が極めて悪いという欠点がある。陽極酸化皮膜PSPは、アルミニウム母材の電気化学処理が必要であり、アルミニウム以外の材料への適用が不可能である。これに対して当発明では、材質を選ばずに物体表面にコーティングすることができ、付着性が良好であり、十分な圧力感度を持つ高速応答型感圧塗料が実現されたため、アルミニウムのみに限定されていた空気力学実験用模型材料が他の金属、プラスチック、木材も利用可能になった。

新技術の特徴

・物体表面に簡便にコーティングすることができ、付着性が良好であり、十分な圧力感度を持つ高速応答型感圧塗料
・空気力学実験用模型材料の母材の材質を選ばずに利用可能
・表面圧力測定感度は電子式圧力センサと同等であり圧力の分布を平面画像として検出できる

想定される用途

・自動車・航空機・鉄道などの輸送物体の空力設計技術
・水中・海洋中の酸素濃度分布測定技術
・環境分析技術

  • 材料

6)コア-シェル共に多分岐構造を有する水溶性高分子の合成と応用

長崎大学 工学部 材料工学科 助教 本九町 卓

新技術の概要

コア-シェルともに多分岐構造を有する高分子からなる構造を有し、濃度に依存せず安定に高分子ミセル様の形態を保持することができる多分岐高分子を提供する。

従来技術・競合技術との比較

シェル部へ多分岐高分子を導入したコア-シェル高分子を合成した。従来のシェル部が線状高分子のコア-シェル高分子とは異なり、濃度、pHなどの外部刺激に依存せず、安定に分散する分子である。

新技術の特徴

・難水溶性物質の可溶化。(薬物、グラファイト、疎水性色素、金属粒子など)
・金属塩の抽出

想定される用途

・塗光剤
・レジスト材料
・水系ウレタン塗料の添加剤

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 建築・土木

7)長周期・高減衰高層ビル

崇城大学 工学部 エコデザイン学科 教授 片山 拓朗

新技術の概要

高層ビルディング等のせん断変形が主となる構造体の耐震性能を向上させることを目的として、従来のせん断構造体と比較して長周期である固有振動モードを持つせん断構造体の支持方式と骨組構造、およびその構造体に適用する減衰装置の効率的な配置方式で構成する架構法に関する発明である。

従来技術・競合技術との比較

長周期化と高減衰化を積極的に耐震設計に取り入れた構造体は、アイソレーターとダンパーを用いた免震建築物として実用化されている。この方法は構造物の支持形式の見直しにより長周期化を実現するものであり、構造物本体の基本構造は従来から変わっていない。

新技術の特徴

・従来の中・高層ビルに比べて固有周期が約2倍になるため、作用する地震力が概ね半減する。
・現実的な能力の減衰装置を用いて減衰定数を30%程度に改良し、地震時の加速度と変位を大幅に小さくすることが出来る。
・地震時の構造物の応答加速度を地震動の水平加速度と同程度にすることができる。

想定される用途

・軒高30~70m、階数8~20階のマンション、事務所などに適用できる。
・航空法、景観法などにより構造物の高さが制限される地域に適用可能。
・可動側構造と固定側構造の個数・配置を工夫することにより、リゾートホテルなどに活用が可能。

関連情報

・基本構造の模型有り

  • 機械

8)ベルトの自己締結性を利用した新発想のクラッチ

大分大学 総合科学研究支援センター 准教授 今戸 啓二

新技術の概要

重ね巻きしたベルトが軸に自己締結する条件を理論的に明らかにした。そこで駆動軸と従動軸の間を自己締結ベルトで連結することで、圧縮ばねや精密な軸心合わせの不要なクラッチを考案した。

従来技術・競合技術との比較

従来のクラッチは摩擦力を発生させるためのばね類が必要であったが、本技術は自己締結作用を利用しているためばねは不要となる。従来のクラッチは駆動側と従動側は一体となるが本技術はベルト式のため浮動式となる。

新技術の特徴

・駆動軸側に固定したベルトを従動軸に回転を利用して巻き付かせるだけの非常に簡単な構造である
・摩擦板を押し付けるためのばね類は不要である
・軸心の位置合わせを精密にしなくても回転を伝えることができる。

想定される用途

・クラッチを必要とする簡単な機械
・小型発電機
・非常用ブレ-キとしても利用可能

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

大分大学 イノベーション機構

TEL:097-554-7430FAX:097-554-7969
Mail:kenjyosアットマークad.oita-u.ac.jp
URL:http://www.innovation.oita-u.ac.jp/gaiyo/gaiyo.html

熊本大学 イノベーション推進機構

TEL:096-342-3209FAX:096-342-3239
Mail:liaisonアットマークjimu.kumamoto-u.ac.jp
URL:http://kico.kumamoto-u.ac.jp/

長崎大学 共同研究交流センター

TEL:095-819-2231FAX:095-819-2228
Mail:juniperアットマークnagasaki-u.ac.jp
URL:http://www.jrc.nagasaki-u.ac.jp/index.htm
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

Go Top