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福井大学 新技術説明会

日時:2008年08月22日(金)

会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 医療・福祉

1)がん特異的酢酸代謝を標的としたがんバイオマーカー・診断法・治療法

福井大学 高エネルギー医学研究センター 助教 吉井 幸恵

新技術の概要

我々の発明から、がんは特異的に細胞質性Acetyl CoA synthetase(Acss2)を用いた酢酸代謝を行っていることが明らかとなった。こうした成果から、がん特異的酢酸代謝を標的とした新しいがんバイオマーカー、診断法、及び治療法の提供できると考えられる。

従来技術・競合技術との比較

がん細胞の糖代謝の亢進は、がん細胞のよいバイオマーカーになってきた。たとえば、18F標識2-fluoro-2-deoxyglucose(FDG)を用いた陽電子断層撮影(FDG-PET)は、有用ながん細胞の診断法として確立している。しかし、糖代謝を指標としたがん細胞の鑑別では、糖代謝の活発な正常細胞や炎症細胞と見分けがつかない、一部の組織のがんでは鑑別が困難であるなどの欠点が残されており、新技術の開発が望まれている。

新技術の特徴

・がん特異的酢酸代謝を標的とした新しいがん治療
・がん特異的酢酸代謝イメージング

想定される用途

・がん特異的酢酸代謝を標的としたがん治療
・がん特異的酢酸代謝を標的としたがん細胞スクリーニング
・がん特異的酢酸代謝診断

  • 創薬

2)TrkAを標的とした疼痛と腫瘍増殖に効果のある癌性疼痛治療薬

福井大学 医学部 医学科 准教授 廣瀬 宗孝

新技術の概要

本技術は、新しい疼痛治療薬開発におけるターゲットの1つである神経成長因子(NGF)の細胞膜受容体であるTrkAに対して、細胞内部位からチロシンキナーゼ活性を直接抑制する細胞膜透過性ペプチドの開発です。このペプチドは、TrkAを発現する癌細胞において増殖を抑制する可能性があり、腫瘍増殖抑制作用のある新たな癌性疼痛治療薬です。

従来技術・競合技術との比較

NGFの作用を抑制する臨床応用が期待されている薬剤は、抗NGF抗体です。本ペプチドは、TrkAに細胞内から直接作用するため、末梢神経の末端のみでなく、逆行性軸策輸送により神経細胞体まで運ばれて作用すると考えられます。このためより効果的な鎮痛作用を発揮すると考えられます。

新技術の特徴

・TrkAに直接作用する細胞膜透過性ペプチド
・新規な疼痛治療薬
・新規な癌治療薬

想定される用途

・緩和医療
・癌性疼痛治療
・化学療法

  • デバイス・装置

3)微小ビーズ球を用いる摩擦のない力学・電磁気学演示実験装置

福井大学 教育地域科学部 理数教育講座 教授 香川 喜一郎

新技術の概要

微小プラスチック製ビーズ(直径約0.3mmの球)をガラス板、やプラスチックシート上に適量な密度で散布すれば、微小ビーズがボールベアリングの役割をにない、摩擦のない運動が実現できる。使用する物体はガラスシャーレなど比較的軽いものを用いる。

従来技術・競合技術との比較

現在、摩擦を減らした等速運動などの観察には、力学台車、エアトラック、ドライアイスなどを使って実験を行うのが一般的である。しかし、こうした特殊な実験装置での実験では、生徒が一般的な法則・現象として理解するのは難しい。また、一つの装置でできる実験が限られ、多様な応用ができない。

新技術の特徴

・安価な装置で摩擦のない多様な実験ができ、高校の力学で扱う殆どの法則・現象を演示できる
・見て面白く、かつ定量的な実験も高い精度でできる
・ガラスシャーレ等、同じ物体を用いて、全ての力学法則を演示できるので、学習者は混乱することなく統一的に理解できる

想定される用途

・中学・高校の理科教材
・科学館などでの演示実験

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 製造技術

4)ポインター方式分子模型教材とオーダーメードモデル製作技術への応用

福井大学 医学部 医学科 准教授 藤井 豊

新技術の概要

表面定規ポインター方式を採用することで、あらゆる結合角および結合数を設定できるため、顧客のニーズに合わせて斬新な分子模型を提供できる。

従来技術・競合技術との比較

ポインター方式は、従来技術である規格化された部材を用いるものと原理的に異なる。任意の結合角と結合数を必要なとき必要なだけ設定する画期的な技術である。

新技術の特徴

・あらゆる結合角および結合数を設定可能
・顧客のニーズに合わせた分子模型設計

想定される用途

・初等中等高等教育機関向け理科化学教育教材
・研究開発ツールおよび展示用模型
・一般ホビーおよびインテリア商品

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 材料

5)温度に応答して蛍光色を変化させる微粒子

福井大学 大学院工学研究科 生物応用化学専攻 教授 前田 寧

新技術の概要

刺激の変化により可逆的に体積変化を起こす微粒子に、蛍光共鳴エネルギー移動におけるドナーとなる蛍光色素およびアクセプタとなる蛍光色素を担持させたことを特徴とする刺激の変化により蛍光色が変化する材料。

従来技術・競合技術との比較

単一の粒子で色調の変化が可能であり、かつ、蛍光を利用することで背景に対してコントラストが高く鮮やかな発色が可能な変化応答性材料及びこれを用いた刺激変化応答体を提供できる。

新技術の特徴

・単一の粒子で刺激に応答した色調の変化が可能
・背景に対してコントラストが高く鮮やかな発色が可能

想定される用途

・ディスプレイ等の表示装置
・温度や光の強度によってコントラストを自動的に変化させる調光ガラス
・蛍光顕微鏡下での温度の測定

  • アグリ・バイオ

6)たまねぎの皮を利用したポリフェノールの効率的な抽出と染色法

福井大学 大学院工学研究科 生物応用化学専攻 講師 吉見 泰治

新技術の概要

廃棄物であるたまねぎの皮から、天然の染料であるポリフェノールを効率よく抽出して、さらに水溶性であるスルホン酸基を付加することで、容易に綿などへの染色が可能になった。

従来技術・競合技術との比較

従来の抽出法では、ポリフェノール含有の水溶液としてしか得ることができないために、精製や再現性の向上などが大きな問題であった。しかし、本方法では固体で得られるためにそれらの問題点を克服することができた。

新技術の特徴

・廃棄物であるたまねぎの皮から、有効成分であるポリフェノールを効率よく抽出できる。
・抽出と同時に水溶性であるスルホン酸を付加し、固体で得ることができる。
・得られたケルセチンスルホン酸は布や綿に染色できる。

想定される用途

・環境にやさしい染料
・抗アレルギーや抗酸化剤などの健康食品および医薬品

関連情報

・サンプルの提供可能

  • デバイス・装置

7)有機リン物質検出を目指したバイオ蛍光分析のための光導波路デバイス

福井大学 大学院工学研究科 生物応用化学専攻 准教授 末 信一朗

新技術の概要

生体である蛍光タンパク質をゾルゲルシリカガラス光導波路コアに固定化し、さらに導波光の進行方法において蛍光を観測可能なデバイスを実現することにより、蛍光の高効率での検出が可能とする。これらの方法により、外的要因による微少な蛍光強度変化を定量的に検出できる。

従来技術・競合技術との比較

蛍光タンパク質を表面に付着させた酵母等をゾルゲルシリカ光導波路コア内部に直接混入し、固定化する。従来の方法において光導波路コアに蛍光タンパク質を固定化して、蛍光を導波路進行方向から検出した例はない。本方式を採用することにより、蛍光プロテインの強い蛍光と長期間にわたるゾルゲルシリカ内部での寿命に起因し、30日以上の肉眼検出が可能となった。

新技術の特徴

・蛍光タンパク質ドープ・ゾルゲルシリカ光導波路
・長距離ファイバセンサーネットワークの構築が可能
・蛍光波長シフトを高感度で検出可能

想定される用途

・蛍光バイオセンサ
・チップ型バイオセンサ

  • 製造技術

8)超薄膜グラファイトシートの作製技術

福井大学 大学院工学研究科 電気・電子工学専攻 准教授 橋本 明弘

新技術の概要

炭素系超薄膜を種々の基板上に形成する技術。炭素系超薄膜シード層としてSiC基板の真空昇華法を用い、数原子層の炭素系薄膜であるグラフェン層を形成し、その後に任意の基板上に転写することにより大面積グラフェン層を形成する。

従来技術・競合技術との比較

従来は、高配向性グラファイトからの転写により小さなドメインの転写しか成功していなかった。また、現在は大面積を得ることの出来るSiC基板上のグラフェン層をそのまま使う手法が主流である。しかしながら、本技術が目的とするのは、任意の基板上に超薄膜グラファイト層を形成することで応用範囲の広い炭素系材料の創製である。

新技術の特徴

・SiC基板上に形成された高品質長薄膜グラファイト層をシード層として用いた直接転写技術
・任意基板上への転写が可能である。
・転写後、プレーナー技術により集積デバイス化が可能である。

想定される用途

・先端電子デバイス
・高感度センサーヘッド
・電気化学用電極

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

福井大学 産学官連携本部 知的財産部

TEL:0776-27-9725FAX:0776-27-9727
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Mail:scettアットマークjst.go.jp

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