説明会の
お申込み

弘前大学 新技術説明会

日時:2008年12月12日(金)

会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 材料

1)ECRスパッタによる高品質誘電体薄膜の低温形成

弘前大学 大学院理工学研究科 知能機械システム工学専攻 教授 小野 俊郎

新技術の概要

低ガス圧で高密度のプラズマ流照射と固体原料のスパッタによる原料供給を原理構造とする、低温での高品質な誘電体薄膜形成技術について紹介する。高性能半導体デバイスのゲート膜、化合物半導体やFPDなどの絶縁膜、MEMSデバイス構造化などへの応用が可能である。

従来技術・競合技術との比較

100℃近辺の低温で、従来の500~1000℃の高温プロセスと同等以上の高純度・高品質な誘電体・絶縁膜を形成できる技術は、他にはない。本技術の原理構造から開発を進めてきた蓄積は他機関に比べ大きな優位性がある。

新技術の特徴

・室温近傍の低温で、1000℃級の高温プロセスと同等の膜質の誘電体薄膜形成
・純金属固体原料と各種ガスとの組合せによる多様な薄膜形成
・凹凸部の側壁を含めた高品質成膜

想定される用途

・新機能デバイス製造にかかる新たな製造プロセス
・低温プロセス(100℃)で緻密・高品質の誘電体薄膜、絶縁薄膜を必要とするデバイスの製造
・電子デバイス製造、FPD製造、MEMSデバイス製造

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 材料

2)有機光触媒技術

弘前大学 大学院理工学研究科 物質理工学専攻 准教授 阿部 敏之

新技術の概要

有機p型半導体と有機n型半導体からなる広範な可視光応答性を有する光触媒, 及びその高活性構造化技術

従来技術・競合技術との比較

既に実用化されている酸化チタン(無機半導体光触媒)は紫外光応答性であり、無機系・有機系を問わず、可視全域の光エネルギーに応答する光触媒材料はこれまで見いだされていない。 有機光触媒は屋内における利用、大量・高濃度物質の分解除去等の点で、その有効性が期待できる。

新技術の特徴

・有機材料からなる光触媒
・広範な可視光を利用できる光触媒

想定される用途

・各種環境汚染物質の分解除去
・水の光分解素子

関連情報

・相談に応じる
・外国出願特許あり

  • 材料

3)曲面ガラス表面への多孔質薄膜の形成と固相抽出への展開

弘前大学 大学院理工学研究科 物質理工学専攻 教授 糠塚 いそし

新技術の概要

ガラス管表面に簡便な操作で多孔質膜を形成できる方法を開発した。これは、シリカ源と特定の試薬の混合溶液にガラス管を一定時間浸すだけのものである。形成した薄膜は透明から半透明で、化学修飾して固相抽出に適用可能である。

従来技術・競合技術との比較

ディップコート法やスピンコート法のような特別の装置を必要とせず、試薬溶液に浸けておくだけなので、ガラス基材の形状にとらわれることがない。また、細孔形成に界面活性剤を使用していない。

新技術の特徴

・簡便な方法
・曲面にも薄膜形成が可能
・比較的頑丈な薄膜

想定される用途

・固相抽出剤
・センサー表面への多孔質薄膜の形成

  • 医療・福祉

4)神経変性疾患治療を目指した新規リン酸化抑制剤の検討

弘前大学 大学院保健学研究科 医療生命科学領域・生体機能科学分野 教授 中村 敏也

新技術の概要

申請者らが初めて見いだしたO-結合型β-N-アセチルグルコサミン化(O-GlcNAc化)亢進剤を利用することにより神経細胞内のタウタンパク質のリン酸化抑制を実現し、これを神経変性疾患の治療に応用する。

従来技術・競合技術との比較

O-GlcNAc化促進剤はこれまで報告がないので、アルツハイマー病に代表される神経変性疾患の治療薬としてのこのようなアプローチはこれまでにない。したがって、全く新しい機序に基づいた治療薬となりうる可能性がある。

新技術の特徴

・細胞内でO-GlcNAc化とリン酸化が競合することを利用し、O-GlcNAc化亢進剤により培養細胞のタウのリン酸化抑制を実現した。
・本課題のO-GlcNAc化亢進剤は物質としては既知であるが、そのO-GlcNAc化亢進剤としての機能は未報告である。
・本課題のO-GlcNAc化亢進剤はすでに飲み薬(利胆剤)として使われていた実績がある。

想定される用途

・アルツハイマー病に代表される神経変性疾患の治療薬。
・タンパク質の機能解析のツールとして。
・リン酸化タンパク質抗体に対応したO-GlcNAc化タンパク質抗体の作成。

関連情報

・市販されている

  • 医療・福祉

5)前がん前駆細胞の検出法:発がん機構研究と制がん物質の同定への応用

弘前大学 大学院保健学研究科 医療生命科学領域・生体機能科学分野 教授 佐藤 公彦

新技術の概要

新技術は、ラットの肝臓に誘発する前がん細胞とその前駆細胞の高感度検出法であり、種々の薬物のプロモーター活性(前がん細胞の増殖促進能)および制がん効果(増殖抑制能)を簡便、低コストで評価する動物試験法に応用可能である。

従来技術・競合技術との比較

従来の先行技術では、前がん細胞を検出するマーカーとしてGST-PまたはGGTが単独で用いられている。新技術では、両マーカー酵素をより高感度で検出できるため、前がん細胞とその前駆細胞の増殖のみでなく、表現型の変化、即ち、前がん細胞の悪性化を簡便正確に判定出来る利点がある。

新技術の特徴

・前がん前駆細胞(前がん細胞の前駆細胞)を高感度で簡便に検出できる。
・薬物の発がんプロモーター活性(前がん細胞の増殖促進活性)を簡便に検出できる。
・薬物の制がん効果((前がん細胞の増殖抑制活性))を簡便に判定できる。

想定される用途

・肝がんの発生増殖機構の研究
・薬物の発がんプロモーター活性を検出/判定する動物試験
・薬物の制がん効果を検出/判定する動物試験(制がん物質の同定)

  • 医療・福祉

6)強定常磁場によるヒト造血幹細胞の分化制御

弘前大学 大学院保健学研究科 医療生命科学領域・放射線生命科学分野 教授 柏倉 幾郎

新技術の概要

ヒト造血幹細胞を、造血因子等全く含まない条件下で16時間強定常磁場(10テスラ)に曝露すると、赤血球・巨核球造血が特異的に亢進する。従って、ヒト造血幹細胞の分化・増幅を細胞増殖因子によらずに制御することが可能となる。

従来技術・競合技術との比較

造血幹細胞の分化増殖は、造血微小環境及び多くの可溶性因子であるサイトカインとそのネットワークにより複雑に制御されている。造血幹細胞の分化・増幅を生理活性因子によらずに制御する方法は従来にはない。

新技術の特徴

・造血幹細胞から赤血球・巨核球系への分化を特異的に亢進する
・造血幹細胞の初期造血に関与する幾つかの遺伝子発現を増強する

想定される用途

・臍帯血移植時の前処置により、移植後に頻発する血小板減少期間を短縮させる
・基礎応用研究における各種生体幹細胞の分化刺激装置としての応用

関連情報

・外国出願特許あり

  • アグリ・バイオ

7)抗インフルエンザウイルス組成物及び予防食品の開発

弘前大学 研究・産学連携担当理事兼副学長 加藤 陽治

新技術の概要

ナガイモに抗インフルエンザウイルス活性があることを発見し、この発見をもとにした抗インフルエンザウイルス組成物及びその製造、並びにインフルエンザの予防を目的とした加工食品を開発した。

従来技術・競合技術との比較

従来の予防方法であるワクチン接種は、ワクチンによって免疫力を賦活化させるが個人差があることや製造に時間を要す問題点があるのに対し、本技術は食経験豊富なナガイモから有効成分を抽出し、日常的に摂取できる安全性に優れたインフルエンザ予防食品を提供できるものである。

新技術の特徴

・ナガイモ抽出物を有効成分として含有する、抗インフルエンザウイルス組成物の製造法
・インフルエンザ予防食品は、有効成分の熱安定性、pH安定性等の特性を考慮した製造法を用いている。
・ヒトに対して安全性が高く、インフルエンザ予防効果のある加工食品を提供できる。

想定される用途

・抗インフルエンザウイルス組成物含有食品
・抗インフルエンザウイルス組成物含有飲料

  • アグリ・バイオ

8)”センチュウホイホイ”を目指した線虫誘引剤の発見

弘前大学 農学生命科学部 分子生命科学科 准教授 高田 晃

新技術の概要

イモグサレセンチュウがニンニクに誘引されることをヒントにニンニクの一成分が誘引物質として機能していることを発見した。

従来技術・競合技術との比較

今までに線虫誘引剤の報告はなく競合する技術はない。既存の殺線虫剤等と併用することでより安全で、より効果的に線虫駆除が可能となる。

新技術の特徴

・センチュウを誘引
・天然物

想定される用途

・センチュウ誘引剤

  • アグリ・バイオ

9)特定遺伝子転写物の接ぎ木による台木から穂木への運搬

弘前大学 農学生命科学部 生物資源学科 教授 原田 竹雄

新技術の概要

植物が元来有している特定遺伝子転写物(RNA)の篩管輸送システムを活用するため、目的とするRNA遺伝子を篩管に隣接する細胞で発現させるベクターに組込み、これを導入した個体を台木として接ぎ木することにより、目的遺伝子RNAを穂木へ運搬させる技術。

従来技術・競合技術との比較

これまで、篩管長距離輸送するmRNA については、数種の遺伝子の転写物で認められていたが、そのような能力を持たないRNA分子を運搬させることはできなかった。そのため、任意のRNA情報の台木から穂木への運搬は不可能であった。

新技術の特徴

・台木に接ぎ木するだけで穂木の改良が可能となる。
・果樹や疏菜の作目に使用できる。
・穂木には組換えDNAが含まれず花粉による遺伝子漏出がない。

想定される用途

・果樹の形質改良
・トマトなどの形質改良
・耐病性などの確保

関連情報

・外国出願特許あり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

弘前大学 地域共同研究センター

TEL:0172-39-3176FAX:0172-36-2105
Mail:cjrアットマークcc.hirosaki-u.ac.jp
URL:http://www1.cjr.hirosaki-u.ac.jp/
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

Go Top