説明会の
お申込み

長岡技術科学大学 新技術説明会

日時:2008年05月30日(金)

会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 計測

1)うなり振動法による超小型低周波振動センサー

長岡技術科学大学 工学部 電気系 准教授 河合 晃

新技術の概要

電界で予め振動させた微小プローブに、外部振動を印加することで、うなり振動を生じさせる。うなり振動により、任意の外部振動周波数を高感度に測定できる。特に1~30Hzの低周波振動検出が可能である。電界振動周波数を走査させることで、外部振動スペクトルの測定が可能となる。3軸センサーの構築も容易である。

従来技術・競合技術との比較

本技術は、従来の共振型振動法とは異なり、大きい質量の錘を必要とせず、センサーの小型軽量化が可能となる。また、従来では困難であった1~30Hzという低周波の振動スペクトル検出が可能となり、車両、精密機器、モバイル通信機器、あるいはロボットなどへの搭載が可能となる。

新技術の特徴

・超小型、かつ1~30Hz帯の低周波帯の振動検出が可能である。
・振動スペクトルが解析できる。
・小型3軸検出系の構築が可能である。

想定される用途

・精密機器や車載用の小型低周波振動センサー
・携帯および移動型の高感度地震計
・ロボット搭載用加速度センサー

関連情報

・実験試作システムによる試行実験可能

  • 材料

2)化学反応を利用して作るサブミクロン表面構造とその応用

長岡技術科学大学 工学部 機械系 准教授 南口 誠

新技術の概要

化学反応を利用してセラミックスや金属の表面に繊維状ないしロッド状の構造物を配置する方法を検討している。ここではSi3N4/Si多孔質材料、CNT/Al2O3、Al2O3ナノロッド/Niの作製方法とその応用について紹介する。

従来技術・競合技術との比較

特別な半導体製造設備などを用いずに、高温における気体と基板の化学反応を利用して作製するため、プロセスが簡単で安価である。

新技術の特徴

・Si3N4/Si多孔質材料:高比表面積の実現とその制御
・CNT/Al2O3:CNTと高強度セラミックス材料の融合による苛酷環境での対応
・Al2O3ナノロッド/Ni:アルミナロッドが金属基板中に埋まっているので機械的強度が高い

想定される用途

・Si3N4/Si多孔質材料:フィルター
・CNT/Al2O3:触媒担体
・Al2O3ナノロッド/Ni:研摩加工工具

関連情報

・サンプル提供可能(大きさは現在5mm角程度)

  • 情報

3)日本語の文章の読みやすさ・読みにくさをどのように測定するか

長岡技術科学大学 工学部 教育開発系 教授 柴崎 秀子

新技術の概要

日本語の文章の①1文の平均文字数、②1文の平均単語数、③文章に使われた文字種の割合(漢字、カタカナ、平仮名、ローマ字)、④文章に使われた語種の割合(和語、漢語、外来語、混種語)、⑤1文の平均情報量、⑥1文の文節の数で当該文章の学年レベルを予測するための公式を作った。この公式に当てはめれば、当該文章のレベルが小学1年から中学3年のどの学年とおなじぐらいかがわかる。

従来技術・競合技術との比較

マイクロソフト社のワードには「読みやすさの評価」という機能がある。この機能は、文章を①文字数、②単語数、③文の数、④段落数、⑤1段落中の平均文数、⑥平均文長、⑦句点の間の平均文字数、⑧漢字、ひらがな、カタカナ、アルファベットなど4種類の文字種の割合、の8項目に分析する。しかし、この機能では文章を分析しただけで、その文章がどの程度読みやすいものか、または読みにくいかがわからない。

新技術の特徴

・測定したい文章が小学校1年から中学3年までのどのレベルと同じぐらいかが測定できる。
・複数の文章の読み易さ・読みにくさを比較できる。

想定される用途

・危険物や薬品の注意書き、取り扱い説明書、政府刊行物、ビジネス文書等、誰もが等しく情報を与えられるべき文章を読み易くする指標となる。
・日本語が十分ではない外国人が必要とする読み物(災害時マニュアルなど)の日本語を読み易くする作業に貢献する。
・文章理解研究を専門とする研究者の実験文章作成の指標となる。

  • 製造技術

4)3工程減となる新規液晶表示パネル製造法

長岡技術科学大学 工学部 電気系 准教授 木村 宗弘

新技術の概要

フレキソ印刷技術をベースに、フレキソ印刷ドラム上に塗布した液晶に電界を印加し液晶配向層を形成し、その配向を保持したままガラス基板上に液晶を転写し、直後(電界切断前)にUV光で配向を固定する新技法である。

従来技術・競合技術との比較

従来は、基板上に配向膜を塗布し、配向膜上にラビング法等によって配向処理を行い、配向検査を行った基板2枚を重ね合わせた後、液晶を注入していた。本技法では、配向処理~液晶注入までの3工程が不要であり、コストダウンと歩留まり向上が期待される。

新技術の特徴

・液晶パネル製造工程短縮
・静電気が発生する工程が無い
・歩留まりの向上

想定される用途

・液晶パネルの製造工程
・液晶電子ペーパーの製造工程(ロールツーロールで作れる)

  • 計測

5)磁気および電流分布のイメージングのための磁気転写膜と計測技術

長岡技術科学大学 工学部 物質・材料系 准教授 石橋 隆幸

新技術の概要

有機金属分解法という簡単な成膜法を用いて、高い空間分解能と磁気感度を両立した磁気転写膜用磁性ガーネット膜の開発した。この磁気転写膜を偏光計測技術と組み合わせることによって、磁気イメージング計測が手軽に実現できる。

従来技術・競合技術との比較

近年の磁気イメージングで一般的に使用されている磁気力顕微鏡やSQUID顕微鏡と比較すると、それぞれについて空間分解能および磁気感度は及ばないものの、リアルタイム計測、空間分解能と磁気感度の両立、安価な装置構成などを総合的に判断すると、最も優れた磁気イメージング技術である。

新技術の特徴

・リアルタイム磁気イメージング
・サブミクロンの空間分解能と1ガウス以下の磁気感度の両立
・安価な装置構成

想定される用途

・普及型の磁気イメージング装置
・動作中の電子回路の評価
・低温および磁場中での磁性体や超伝導体材料およびデバイスの評価

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 通信

6)高速無線LANの安定な通信のためのMC-CDMA符号ダイバーシチ方式

長岡技術科学大学 工学部 電気系 准教授 太刀川 信一

新技術の概要

次世代高速無線LAN技術(直交周波数分割多重OFDM, マルチキャリア符号分割多元接続MC-CDMA)において、多数の符号系列に同一情報を乗じて送信し、受信側では、それらの系列を個々に相関受信し、その出力に応じた重み係数を乗じて加算し、安定した出力を得るもの。

従来技術・競合技術との比較

安定通信のためのダイバーシチ技術には、アンテナダイバーシチがあるが、寸法が大きくなる。RAKEのようなパスダイバーシチ、直接拡散DS方式での符号ダイバーシチ(太刀川他)があるが、次世代のOFDMには使用不可。本案は、周波数軸上の符号ダイバーシチで、小型で、次世代高速LANに適用可能。

新技術の特徴

・周波数軸で符号ダイバーシチを行なうので、周波数ダイバーシチ効果、OFDMでの他局間干渉除去効果がある。
・ダイバーシチ用系列の工夫によって、送信機、伝送信号規格はそのままで、受信機側のみの容易な設計変更で適用できる。
・したがって、製品化も容易であり、産業上有効である。

想定される用途

・次世代高速無線LAN(OFDM, WiMAX等)、現行無線LAN、携帯電話システム
・電灯線データ伝送(低周波用10-450kHz,高周波用2-30MHz)
・RFタグ(ICタグ)、微弱無線使用の各種機器

  • 計測

7)絶対光周波数保証/連続掃引可能な周波数可変光源

長岡技術科学大学 産学融合トップランナー養成センター 産学融合特任准教授 塩田 達俊

新技術の概要

光周波数を安定化した半導体レーザーを光源とすることで絶対周波数を保証し、光スイッチにより入出力制御され内部に光変調器(光周波数シフタ)をもつ光ループの周回数と変調周波数を制御して連続掃引を実現する。

従来技術・競合技術との比較

レーザー光の発振周波数を掃引するために、光共振器を機械的に走査する従来法は絶対周波数の保証が困難かつモード周波数間隔以下の連続掃引が不可能であるのに対して、本手提案手法によりこれらが同時に可能になる。

新技術の特徴

・絶対光周波数を保証できる(1MHzオーダー)
・緻密な光周波数走査が可能(数kHz~25GHz)
・小型・軽量化(含可搬性)が可能
・光ファイバ導波路による構成で機械的に安定

想定される用途

・光通信事業(敷設工事、システム/デバイス開発等)
・研究用分析器(高分解スペクトル計測器)の開発
・物理計測器(光周波数計測器)の開発

関連情報

・外国出願特許あり

  • 情報

8)河川映像に基づく水位の自動判別とデータ伝送に関する情報処理・通信システム

長岡技術科学大学 工学部 電気系 准教授 岩橋 政宏

新技術の概要

世界最先端の画像認識と圧縮技術を有機的に統合することで、小型で省電力なインテリジェント・ビデオセンサーを開発。低コストで気軽に設置できる電力自立型のセンサー・ネットワークを構築し、身近で日常的な防災活動を支援。

従来技術・競合技術との比較

ITSやロボットビジョンにおける映像認識とは異なり、映像による水位検出は先行技術が少ない。本技術は従来法に比べて、水位検出精度が安定していることに加え、時空間基底分解を活用した階層符号化により情報伝送量をも低減できる点で優れている。

新技術の特徴

・河川の映像を遠隔から監視
・水の高さをリアルタイムで自動判別
・通信データ伝送量の削減も可能

想定される用途

・豪雨災害時の河川状況の把握
・用水路の日常的な管理
・水門開閉操作に対する判断情報の提供

  • 計測

9)非破壊に物体内部を加温し、温度分布を画像化する技術

長岡技術科学大学 工学部 電気系 准教授 石原 康利

新技術の概要

空胴共振器を利用した加温装置において、共振器内の電磁界分布を利用して局所加温を行うと共に、温度変化に伴う電磁界分布の位相変化を検出し、対象物体内部の温度変化を非破壊に可視化する。

従来技術・競合技術との比較

空胴共振器を利用した加温装置において、これまでは、対象物体内部の温度分布を非破壊に計測することが困難であったが、本発明により、物体内部の加温と測温とを非破壊に実現できる。

新技術の特徴

・物体の深部領域を局所に加温可能
・物体内部の温度分布を非破壊に計測可能
・加温装置に大掛かりな装置を追加することなく物体内部の温度分布を可視化可能

想定される用途

・がんの温熱治療装置
・材料分析装置(誘電率・熱伝導率等),EMC検査装置
・木材乾燥装置

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

長岡技術科学大学 総務部 産学・地域連携課

TEL:0258-47-9275FAX:0258-47-9040
Mail:patentアットマークjcom.nagaokaut.ac.jp
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

Go Top