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東海iNET 新技術説明会

日時:2009年03月27日(金)

会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 医療・福祉

1)HBsペプチド融合体ー多様なワクチン創生のための素材ー

浜松医科大学 医学部 感染症学感染機構解析部門 教授 上田 啓次

新技術の概要

発現ベクターを利用してHBs粒子のN末端に病原体エピトープに対応する等の特定のペプチドを結合させた組成物の製造法とその利用に関する。多様な病原体等に対応する予防用もしくは治療用ワクチンの提供が可能となる。

従来技術・競合技術との比較

現在までの、多くのワクチン製造で要求されるような特殊な技術・設備を要することなく、且つ、従来困難とされた対象を含めた多様な病原体等への安価・高力価なワクチン製造・供給が可能である。(新技術の特徴欄参照)

新技術の特徴

・従来製造が困難であった対象を含めて多様な対象へのワクチン製造に適用が可能(病原性発現部等と分離された抗原決定基部の利用)
・高力価ワクチンの製造が可能(多価抗原性の賦与)
・大量・安価なワクチン製造が可能(組み換え酵母による量産)

想定される用途

・予防用もしくは治療用ワクチンの製造
・上記を用いる臨床研究の推進等

関連情報

・相談によりサンプル試作・提供可

  • 医療・福祉

2)悪性脳腫瘍治療用の遺伝子発現ベクター細胞の開発

浜松医科大学 医学部 脳神経外科 教授 難波 宏樹

新技術の概要

悪性脳腫瘍は脳内を浸潤性に広がるため極めて治療困難である。脳内で腫瘍へ遊走する能力が知られている神経幹細胞に治療遺伝子を導入し腫瘍内に投与することにより、浸潤脳腫瘍細胞を追跡、死滅させる。

従来技術・競合技術との比較

従来の治療法は手術摘出後に放射線療法と抗がん剤を併用するものであるが治療効果は限られている。今回の技術では神経幹細胞が脳内で腫瘍の存在を感知し、追跡、選択的に死滅させるものであり安全性も高い。

新技術の特徴

・ベクター用細胞の採取と同調製の容易性(間葉系幹細胞の利用)
・治療効果の高さ(バイスタンダー効果を含む)
・治療安全性の高さ

想定される用途

・脳腫瘍治療分野
・同分野における臨床研究等へのツールの提供

関連情報

・相談によりサンプル試作・提供可

  • 材料

3)キトサン高分子界面活性剤を用いた化粧品及び機能性不織布の開発

静岡県立大学 環境科学研究所 教授 吉岡 寿

新技術の概要

キトサン高分子界面活性剤は、機能性高分子であるキトサンを原料として創られた、毒性や皮膚刺激性を全く示さない新物質であり、抗菌性や大きな乳化力を持つ。これを用いた化粧品や機能性不職布の開発について述べる。

従来技術・競合技術との比較

高分子界面活性剤は新しい発想の下に創られたものであり、今まで工業的に利用された例は無い。

新技術の特徴

・皮膚刺激性の無い、肌にやさしい化粧品の開発に適する。
・不職布やプラスチックの表面改質が容易に行える。

想定される用途

・ヘアケア・スキンケア化粧品、ヘアカラー商品、オムツ・ナプキン等の衛生・生理用品
・ガーゼ・マスク、敷布等の医療用品

関連情報

・試作可能

  • 電子

4)超高速読み出し可能な、可動ミラーアレイによるホログラムメモリ読み出し

静岡大学 工学部 電気電子工学科 准教授 渡邊 実

新技術の概要

非回転式のホログラムメモリの超高速読み出し技術。可動式マイクロミラーアレイ(MEMS)とレーザアレイのハイブリッド化と、参照光のアドレッシングを自在に制御することにより超高速読み出し(1Tbps~100Tbps)が可能。

従来技術・競合技術との比較

既存の光記憶媒体の読み出し速度はブルーレイで144Mbps程度であり、ホログラムメモリでも1Gbps程度(1TBの読み出しに2時間以上)であるが、本技術を用いれば1Tbps~100Tbpsの読み出しが可能である。

新技術の特徴

・可動式マイクロミラーアレイとレーザアレイの配置の工夫により、レーザ光を多方向にアドレッシング
・ミラーとレーザのタイミングを制御することにより、ミラーアレイの動作速度に依存せずに高速にアドレッシング
・1Tbps~100Tbpsの読み出しが可能であり、1TBでも数秒で読み出し可能

想定される用途

・大容量・高速読み出しの光記憶媒体への応用
・光再構成型ゲートアレイ(光により半導体回路ロジックを動的に制御)への応用

関連情報

・試作可能

  • 計測

5)光干渉と三角測量を複合して用いる高精度広範囲な距離センサ

豊田工業高等専門学校 情報工学科 教授 松田 文夫

新技術の概要

非接触高精度計測の要求に対し、スペックル干渉による微小変位計測では測定精度は高いが、測定範囲が光源の半波長以下である。一方、三角測量計測では、測定範囲は広いが、測定精度が劣る。本技術は従来計測の長所を組み合せ、測定精度と範囲ともに優れている。

従来技術・競合技術との比較

従来の干渉縞を用いた計測システムの物体表面に照射しているレーザ光の反射を位置検出素子に集光し、この位置情報から、三角測量により変位を算出する。これと干渉縞による位置情報を用いて、小型で高精度かつ広範囲な非接触測定が可能となる技術を提案する。

新技術の特徴

・同一光軸を用いたコンパクトな光学装置で非接触な距離測定が可能
・光源の半波長の1/10程度まで高精度な距離測定が可能
・位置測定において±0.2mm程度まで広範囲な距離測定が可能

想定される用途

・加工中の物体表面の凹凸を非接触で高精度に計測する形状測定装置
・生産ラインにおいて非接触高精度かつ広範囲な測定が可能なインライン計測装置
・非接触高精度な変位計測装置

  • 情報

6)市販PCの処理速度でも映像ブレをリアルタイムで補正

静岡大学 大学院工学研究科 機械工学専攻 教授 三浦 憲二郎

新技術の概要

アルゴリズムの工夫とGPUの並列処理を利用することにより、市販PC程度の処理速度でもビデオ映像の手ブレをリアルタイムで補正できる。手ブレ検出の専用ハードウェアが不要なため、録画された映像の手ブレも補正できる。

従来技術・競合技術との比較

従来のリアルタイム手ブレ補正は、手ブレの検出・補正に専用ハードウェア(レンズユニットスイング式など)が必要であり、これらが搭載されたカメラでしか補正が行えなかった。本技術を用いれば通常のビデオカメラで録画した映像をPC上で補正できる。

新技術の特徴

・グローバルモーション推定のアルゴリズムの高速化と、GPU並列処理への最適化
・フレーム間補正にともなう画像周辺部の画像抜けをモザイキングにより補間
・特徴点を抽出しないため、徐々に視点が変化する映像でも補正可能

想定される用途

・過去に撮影した運動会の動画などの手ぶれ補正
・他の画像処理の前処理。例えば自動車等の乗り物・ロボットなどの視覚処理や人物の追跡等の画像処理の前処理
・ロボット・乗り物などの操作者の画面酔いの軽減

関連情報

・Web上での画像処理デモが行えます

  • 材料

7)光触媒を共存させ、紫外線もしくはUV-LED光照射によるトルエン類の直接酸化から芳香族アルデヒド類を製造する技術

沼津工業高等専門学校 物質工学科 教授 押川 達夫

新技術の概要

光触媒(酸化チタン)と次亜塩素酸ナトリウムを用い、紫外線を外部照射させると原料であるトルエン類が芳香族アルデヒド類に直接酸化できる技術である。酸化反応は円滑に進行し、高い化学選択的を示す。

従来技術・競合技術との比較

トルエン類を直接酸化すると芳香族アルデヒドは中間体として生成するが、過剰に酸化されカルボン酸に変換される。本技術は過剰酸化を防止し、芳香族アルデヒドのみが得られる新技術である。

新技術の特徴

・マイクロリアクター化
・アルコール類の簡便な酸化
・溶け合わない不均一二相系の化学反応

想定される用途

・医薬品
・高分子
・農薬原料合成

  • 材料

8)ナノ複合粒子の新規製法とそれを用いた複合材の製造方法

豊橋技術科学大学 工学部 物質工学系 准教授 武藤 浩行

新技術の概要

静電吸着にて簡便かつ低コストで任意のナノ複合粒子を作製する方法を開発した。また、これを用いて均質な複合材を製造する方法を開発した。本技術によって作製したセラミック・カーボン複合材は均質で従来品の強度を維持したまま、電気導電性を付与することができた。この複合材は人工骨への適用も期待できる。

従来技術・競合技術との比較

従来の複合材料の製造法では、原料粉末を機械的に混合調整するため、原料が汚染される。又、均質な複合材の製造は困難であった。本手法では母材粒子と添加粒子とがナノレベルで複合化した原料粉末を簡便な装置で製造でき、原料汚染の心配もなく、均質な複合材を提供できる。

新技術の特徴

・簡便かつ低コストで任意のナノ複合粒子を製造できる。
・添加粒子の吸着量を操作することで複合材の微細構造を制御でき、高強度で且つ高導電率や高靭性である複合材が得られる。
・母材基板(平面)に添加粒子をナノレベルでコーティングすることもできる。

想定される用途

・導電性、熱伝導性を利用した易放電加工性セラミック、燃料電池セパレータ
・高靭性、高強度な特性を利用した超耐熱衝撃性セラミック複合材、セラミックしゅう動材
・上記セラミック粒子と高分子との複合材料

  • 材料

9)窒素プラズマを用いた窒化物半導体の溶液成長

静岡理工科大学 理工学部 電気電子工学科 准教授 小澤 哲夫

新技術の概要

紫外から可視光の発光受光素子基板材料となる窒化物半導体の大型結晶を育成するために、窒素プラズマによる窒素成分の供給により低温・低圧の下で窒化物半導体を育成する技術である。

従来技術・競合技術との比較

従来の大型窒化物半導体の育成では、III族金属と窒素を反応させるには数千度の高温と数万気圧が必要であった。本技術では、600~800℃、0.01気圧でGaN窒化物半導体の単結晶育成に成功した。

新技術の特徴

・窒素プラズマによるIII族金属の低温低圧条件下での窒化
・III族窒化物の短時間の合成

想定される用途

・紫外から可視光の発光受光素子基板材料の育成
・金属窒化物の低温低圧合成

  • 材料

10)医農薬品開発を指向した含フッ素有機化合物の新規合成法

豊橋技術科学大学 工学部 物質工学系 助教 柴富 一孝

新技術の概要

触媒的不斉合成を用いることで、多様なキラル含フッ素有機化合物を高い光学純度で経済的に製造ができる。近年、生物活性物質にフッ素を導入することにより薬理活性・安定性が顕著に向上する例が多数報告されており、新規医薬品・農薬候補分子の探索、医農薬品の合成中間体製造への応用が期待される。

従来技術・競合技術との比較

これまでに合成法が知られていない新たなフッ素化合物を合成可能。特に、α,α-ハロフルオロ化合物の不斉合成、およびこれを原料とした求核置換反応により多様な新規含フッ素化合物を高い光学純度で合成できる。

新技術の特徴

・多種のフッ素化有機分子の高効率合成
・高い光学純度でのフッ素化不斉炭素の構築
・従来に無い新たな部分構造の合成

想定される用途

・含フッ素小分子全般の合成
・新規医薬品・農薬候補分子の探索
・医農薬品の合成中間体製造

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

静岡大学 知的財産本部

TEL:053-478-1414
Mail:shin2008アットマークcjr.shizuoka.ac.jp
URL:http://www.cjr.shizuoka.ac.jp/

静岡県立大学 産学連携室

TEL:054-264-5124
Mail:tenkai1アットマークu-shizuoka-ken.ac.jp
URL:http://www.u-shizuoka-ken.ac.jp/outline/collaboration/index.html

静岡理工科大学 総合技術研究所

TEL:0538-45-0111
Mail:c-newsアットマークob.sist.ac.jp

浜松医科大学 知財活用推進本部

TEL:053-435-2681
Mail:chizaiアットマークhama-med.ac.jp
URL:http://www.hama-med.ac.jp/university/ip/index.html

沼津工業高等専門学校 地域共同テクノセンター

TEL:055-926-5862
Mail:d-t-centerアットマークnumazu-ct.ac.jp
URL:http://techno.numazu-ct.ac.jp/

とよはしTLO

TEL:053-244-6975
Mail:ttlo-itenアットマークkktci.co.jp
URL:http://www.kktci.co.jp/
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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