説明会の
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東海国立3大学 新技術説明会(1)

日時:2008年06月19日(木)

会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 材料

1)高活性酸化剤の開発と酸化触媒への応用

名古屋工業大学 大学院工学研究科 未来材料創成工学専攻 教授 増田 秀樹

新技術の概要

アルカンの水酸化およびアルケンの水酸化あるいはエポキシ化を行う酸化触媒について紹介する。トルエン、シクロヘキサンの水酸化やベンゼンの一段階反応でのフェノールへの水酸化に、収率はまだ低いが、触媒的水酸化反応に成功している。

従来技術・競合技術との比較

ベンゼンのフェノールへの水酸化は、これまでは3段階反応であるクメン法が未だに工業的に使われている。この方法は収率も悪い。これに対して、本触媒はクメン法の場合の酸素利用ではなく、過酸化水素利用ではあるが、一段階で簡単に反応が進行する。

新技術の特徴

・簡単な銅触媒として利用可能
・ベンゼンのフェノールへの一段階反応
・脱色作用がある

想定される用途

・重要な工業製品の原料フェノールの合成
・化学薬品の原料
・洗剤、パルプの脱色

関連情報

・サンプル提供可能

  • 材料

2)有機/無機ハイブリッド発光体の合成と応用

三重大学 大学院工学研究科 分子素材工学専攻 准教授 久保 雅敬

新技術の概要

高分子系有機EL分子であるπ共役高分子の光学的性質を損なうことなく、シリカガラス中に混和したハイブリッドを合成する技術である。得られるハイブリッドは、バルク成型、薄膜成型(コーティング)、球状微粒子成型が可能で、多彩な発光材料へ展開可能である。

従来技術・競合技術との比較

高分子単独のキャストフイルムに比較し、シリカとハイブリッド化することによって、成型性、耐候性、機械的強度が向上するばかりでなく、孤立分散効果によって分子間消光が抑制されるので、発光効率も向上する。

新技術の特徴

・高耐久性発光材料
・有機/無機ハイブリッド蛍光体
・多彩な成型可能性

想定される用途

・有機EL用発光材料
・可視化コーティング剤
・装飾品

  • 医療・福祉

3)生体安全性に優れた流体利用触覚センシング

名古屋工業大学 大学院工学研究科 特任助教 田中 由浩

新技術の概要

本発明の触覚センサは、生体組織の硬さおよびぬめり等の表面性状を計測することができる。流体を利用した触覚センシング技術であり、電気を必要とせず、生体安全性に優れ、内視鏡等の低侵襲治療にも応用できる。

従来技術・競合技術との比較

ヒトの触覚に代わる医療現場で使用可能な触覚センサの開発が望まれるが、生体安全性を満たす必要があり、今尚研究段階にある。また近年では、硬さを計測する医療用触覚センサが提案されつつあるが、ぬめり等の表面性状を計測できない。

新技術の特徴

・優れた生体安全性
・硬さおよびぬめり等の表面性状の計測
・センサ部は使い捨て可能

想定される用途

・医療現場における腫瘍等の診断ツール(内視鏡にも応用可能)
・食品等柔軟物の品質検査や評価
・粘液層を有する物体の表面性状計測

  • 環境

4)燃料電池水素オフガスの低コスト無触媒酸化処理装置

岐阜大学 大学院工学研究科 環境エネルギーシステム専攻 准教授 神原 信志

新技術の概要

燃料電池では、発電過程でカソード側からアノード側に移動する窒素・酸素・水分を含む高濃度水素を定期的にパージする必要があり、その水素オフガスを安全に処理することが要求される。本発明では、大気圧非平衡プラズマを用いて、80℃という低温で水素を無触媒で酸化する技術を開発した。本装置は安全、小型であり、燃料電池車に搭載可能である。

従来技術・競合技術との比較

従来技術として、空気希釈法と触媒燃焼法がある。空気希釈法は、水素を空気希釈した後大気に排出する方法であるが、半密閉空間では爆発危険性が危惧されている。触媒燃焼法は安全な処理法ではあるが、プラチナ触媒を使用した高温燃焼のためコスト面に難がある。本技術は、従来法に比較し、触媒で安全に低コストで処理可能な装置である。

新技術の特徴

・負荷応答性に優れる。
・低消費エネルギー(エネルギー効率高)
・安全、低コスト、小型の装置

想定される用途

・燃料電池車用水素オフガス処理装置
・固定設置型燃料電池用水素オフガス処理装置
・高効率水素燃焼装置(熱供給装置)

  • 情報

5)周辺環境音警報装置「サウンド・ウォッチャー」

名古屋工業大学 大学院工学研究科 創成シミュレーション工学専攻 教授 岩田 彰

新技術の概要

パルスニューラルネットワークをハードウェアとして実現し、生活環境音の音源方向と音源種類識別をリアルタイムで行う装置。先天的あるいは後天的に聴覚機能を失った聴覚障害の方々の生活支援となる装置の実用化を計画中。

従来技術・競合技術との比較

本技術は屋外で利用できること、音の種類と音源の方向を特定できることで、同じ機能をもつ装置が市場になく、機能的に優位。

新技術の特徴

・2つのマイクから収集した音信号からリアルタイムに音源の定位と種別判定を行う。
・FPGAのロジック回路として脳神経回路網モデルをインプリメントし、小型軽量(本体 9cmx12cmx2cm)である。
・聞き分けたい音の検出を簡単に学習(オーダーメイド)できる。
・携帯端末への無線通信機能、バイブレータ通知機能、LEDによる結果表示機能

想定される用途

・先天的あるいは後天的に聴覚機能を失った聴覚障害の方々の生活支援となる装置
・音監視カメラ
・ロボットの耳(周辺音の検出)

  • 材料

6)微小針先端へのカーボンナノチューブ直接成長技術

三重大学 大学院工学研究科 電気電子工学専攻 准教授 佐藤 英樹

新技術の概要

電界放射型陰極や走査プローブ顕微鏡用探針等への応用が期待されているカーボンナノチューブを、サブミクロンサイズの曲率先端半径を持つ先鋭な微小針の先端部に、限定的に成長させる方法を提案する。

従来技術・競合技術との比較

本技術は、微小針先端へのカーボンナノチューブ成長を、電解エッチング法とCVD法を組み合わせた方法で行うものであり、従来の手作業による経験的な方法や特殊な電子顕微鏡を用いた方法などと比較して容易に行うことが可能である。

新技術の特徴

・安価な装置で実施が可能。
・基板に直接成長を行う方法であるため、カーボンナノチューブと基板の結合が強固である。
・量産化に適している。

想定される用途

・電界放射陰極
・走査型プローブ顕微鏡用探針

関連情報

・試作可能(要相談)

  • 材料

7)単一溶媒を用いたタンパク質系繊維の完全溶解と新規利用法

岐阜大学 応用生物科学部 食品生命科学課程 教授 棚橋 光彦

新技術の概要

たんぱく質系繊維の新しい完全溶解方法を開発した。また羊毛のケラチンの場合、完全溶解した溶液を水で希釈することにより、水に可溶のソフトケラチンと不溶のハードケラチンに分離でき、ソフトケラチンはキトサンとの複合によりフィルムを調整し、皮膚創傷剤などメディカル分野への利用を可能にした。

従来技術・競合技術との比較

従来の溶解技術としては過酢酸や過蟻酸を用いた低分子化を伴う酸化法や尿素+水+メルカプトエタン(還元剤)+SDSの複合溶剤を用いたS-S結合の還元的切断の後に、界面活性剤を添加し高温長時間の加熱により一部のたんぱく質を可溶化しており、量産化が困難で、コスト高である。

新技術の特徴

・単一溶媒系で短時間処理によってたんぱく質繊維を低分子化することなく完全に可溶化できる。
・完全溶解した液を水で希釈することにより、可溶性のソフトケラチンと不溶性のハードケラチンに分別が可能である。
・キトサンなどと複合化し、フィルム化や再繊維化が可能である。

想定される用途

・人工皮膚、他の天然高分子とのハイブリッド化素材としてメディカル分野に利用
・皮膚用医薬品や肌・毛髪用の化粧品原料へ化粧品や医薬品分野で利用
・セルロース系繊維との複合により吸湿発熱剤として繊維加工剤として利用

関連情報

・サンプル提供可能

  • 材料

8)ホウ素錯体を組み込んだn型半導体の製造方法

名古屋工業大学 大学院工学研究科 物質工学専攻 助教 小野 克彦

新技術の概要

ホウ素錯体を有機パイ電子系に組み込むことにより、n型半導体特性を示す物質の開発に成功した。これはホウ素錯体が電子受容部として作用した結果である。錯体合成法は簡便であり、多様な分子構造への適用も可能なため、n型半導体の開発に有用な手段となる。

従来技術・競合技術との比較

n型有機半導体材料としてペンタセンやオリゴチオフェンのパーフルオロ誘導体が知られている。しかし、高度な合成技術が必要であり、合成経路も長い。本法はホウ素錯体を電子受容部位に用いることにより、多様なn型有機半導体を簡便に製造できる利点をもつ。

新技術の特徴

・ホウ素錯体の電子受容部位としての応用
・n型有機半導体の簡便合成
・多様な分子構造への適用が可能

想定される用途

・電子ペーパー
・情報タグ
・スマートカード

関連情報

・サンプル提供可能

  • 材料

9)カーボンナノチューブ被覆金属ナノワイヤーの高効率製造法

三重大学 大学院工学研究科 分子素材工学専攻 助教 小塩 明

新技術の概要

アーク放電法により金属-炭素混合電極を蒸発させるという1ステップの反応で、ハイブリッド素材であるカーボンナノチューブ被覆金属ナノワイヤーを、高純度かつ90%以上という極めて高い充填率で生成が可能である。

従来技術・競合技術との比較

従来法では多段階の処理や大掛かりな装置の利用、基板上に限定された生成などの問題点があった上、高効率で金属ナノワイヤーをカーボンナノチューブ内に導入することは困難であり、材料として使えるほどの大量合成は実現されていなかった。

新技術の特徴

・カーボンナノチューブと金属ナノワイヤーのハイブッリド素材
・高純度・高充填率
・1ステップでの大量合成が可能

想定される用途

・導電性塗料や電子デバイス・ケーブル等の配線素材
・二次電池やキャパシタ材料
・金属溶出のない生体材料としての応用

関連情報

・サンプル提供可能

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

岐阜大学 産官学融合本部

TEL:058-293-2025
Mail:yugoアットマークgifu-u.ac.jp

名古屋工業大学 産学官連携センター

TEL:052-735-5627
Mail:officeアットマークtic.nitech.ac.jp

三重大学 知的財産統括室

TEL:059-231-5495
Mail:chizai-mipアットマークcrc.mie-u.ac.jp
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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