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新材料・計測技術・情報通信 新技術説明会

日時:2009年06月19日(金)

会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 材料

1)蛋白質ナノチューブ材料の開発

早稲田大学 理工学術院 総合研究所 理工学研究所 准教授 小松 晃之

新技術の概要

多孔性膜の細孔内に交互積層膜を作成する方法により、蛋白質からなる中空シリンダー構造体が合成できる。温和な条件で鋳型(テンプレート)を除去すると、均一な蛋白質ナノチューブとして単離可能。

従来技術・競合技術との比較

構成分子の選定だけで、他のナノチューブには見ることのできない多彩な機能を有する蛋白質ナノチューブが簡単に合成できる。特殊な装置は必要ない。安定した量産も可能。

新技術の特徴

・所望の蛋白質、高分子電荷質からなるナノチューブが合成可能
・ナノチューブの形態(外径、内径、長さ)調節が容易
・再現性が高く、低コスト

想定される用途

・分離膜など
・分子捕捉剤、薬物運搬体など
・ナノセンサー、ナノデバイスなど

関連情報

・少量であればサンプルの提供可能

  • 材料

2)マイクロバブルから直接作る中空マイクロカプセル

山形大学 大学院理工学研究科 機械システム工学専攻 助教 幕田 寿典

新技術の概要

真球形状を保ち浮力の影響が小さいマイクロバブルの表面は浮上消失や界面変形が起きにくい安定な気液界面である。そのマイクロバブルをマイクロカプセルの芯物質として用いることで中空構造のマイクロカプセルを製造することに成功した。

従来技術・競合技術との比較

従来の技術では、液体または固体の芯物質に膜を形成させた後の芯物質除去工程によりカプセルの中空化を行っている。マイクロバブルを用いた方法では、芯物質の除去工程が不要となり、球形で膜の損傷の少ない中空カプセルを生み出すことができる。

新技術の特徴

・芯物質除去工程を省くことによるプロセスの簡便化・低コスト化
・マイクロバブル成分を変えることで様々な気体のカプセル化が可能
・発生するマイクロバブルのサイズによりカプセルの制御が可能

想定される用途

・断熱材、防音材、感熱材
・緩衝材、軽量化材料、衝撃吸収剤
・光学材料、塗料、化粧品

  • 材料

3)表面修飾剤を用いた近紫外光による細胞パターニング技術

神奈川大学 理学部 化学科 教授 山口 和夫

新技術の概要

種々の官能基を光分解性の2-ニトロベンジル誘導体として保護したシランカップリング剤を開発した。この表面修飾剤を用いれば、無機材料表面を修飾した後に、光照射によって種々の官能基の導入の時空間制御が可能である。

従来技術・競合技術との比較

類似の表面修飾剤の報告もあるが、分解のために254nmの光源が必要であり、365nmで分解できる本技術の方が優れている。また、すでに製品化されている細胞培養基板よりも、本技術は光応答性、扱いやすさ等の点で優れている。

新技術の特徴

・導入された種々の官能基と化学反応させることにより、ミクロな領域の接着剤としての可能性が期待できる
・平らな基板だけでなく微粒子表面のコーティング剤として用いられる
・長波長の光源を使えるので、キャピラリーガラスの内側の修飾にも用いることができる

想定される用途

・細胞パターニングのためのガラス基板
・フレキシブルディスプレイのパターニング

  • 材料

4)カーボンナノチューブ分散剤としての新規共役系高分子

京都大学 大学院工学研究科 分子工学専攻 助教 梅山 有和

新技術の概要

高濃度(~4gL-1)にカーボンナノチューブ(CNT)を有機溶媒中に分散することのできる新規な共役系高分子(coPPV)を開発した。さらに、coPPVはカイラリティ選択的に単層CNTを孤立分散できる。

従来技術・競合技術との比較

界面活性剤などを用いて水中にCNTを分散する技術が開発されているが、本技術は、より揮発性が高く、成形加工性に優れた有機溶媒を用いてCNTの高濃度分散液を作製できる。

新技術の特徴

・従来技術の問題点であった、有機溶媒中でのCNTの凝集化を高度に抑制することに成功した
・従来技術に比べて、高濃度のCNT有機系溶液を作製することに成功した
・従来技術では困難であった、カイラリティ選択的にCNTを有機溶媒中に分散する可能性が示された
・本技術の適用により、CNT薄膜を従来より簡便に作製することが可能になる

想定される用途

・塗布によるCNT薄膜製造
・その他の可溶性材料を混入することによるCNTナノコンポジット材料の作製
・得られたCNT薄膜は、電極などのエネルギーデバイスや、帯電防止フィルム、トランジスタなどの電子デバイスに応用可能

関連情報

・外国出願特許あり

  • 計測

5)運動する多点の同時計測が可能な三次元画像計測器

宮崎大学 工学部 機械システム工学科 准教授 川末 紀功仁

新技術の概要

粒子画像計測法は流体中に混入したトレーサ粒子の動きを計測することで、間接的に流速を計測する画像計測法である。本システムは、コンパクトな構成で、三次元粒子画像計測を実現するものである。その他、コンパクトなロボットビジョンシステムとしての応用にも期待できる。

従来技術・競合技術との比較

三次元計測は、複数のTVカメラを用いたステレオ視によるものが一般的である。しかしながら、異なる方向から撮影された画像間で同一の計測点の対応方法が難しく、使用条件に制限がある。本システムは、一台のみのカメラを用いるため、簡単に三次元計測が実現できることに特徴がある。

新技術の特徴

・多数の計測点の三次元位置を一度にかつ簡単に計測できる
・三次元位置と同時に三次元移動速度を簡単に計測できる
・可搬性があり、手のひらに乗るコンパクトさ

想定される用途

・流体中のトレーサ粒子の動きを計測する粒子画像計測法への応用
・コンパクトなロボットビジョン
・動きのある対象の三次元形状計測

  • 情報

6)室の伝達特性の測定を必要としない残響時間推定法の開発

北陸先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 人間情報処理領域 准教授 鵜木 祐史

新技術の概要

本方法は、コンサートホールや教室といった室の残響時間を、その室の伝達特性を測定せずに推定する技術である。本方法は、変調伝達関数の概念に基づき、室で観測された音信号(例えば音声信号)から残響時間をブラインド推定可するため、室の特性が変わる環境(人や物の移動)でも適用可能である。

従来技術・競合技術との比較

従来技術(測定法)はISO3382で規格化され市販された計測システムである。ブラインド推定技術は、提案法を除き、今のところ確立されていない。従来法では対象となる室の音響空間のインパルス応答による伝達特性の測定が要求されるのに対し、提案法はそれを必要としない新規の手法である。

新技術の特徴

・コンパクトで持ち運び自由、実時間測定可能な残響時間推定装置
・従来人を排除して測定しなければいけないが、提案法は人がいる環境でも推定可能
・私たちの身の回りに存在する音を利用して残響時間を推定可能

想定される用途

・室内音響学に基づく建築・音響設計の分野
・簡便化された測定器の実現可能(簡便法としていつでもどこでも利用可能)
・駅構内やホール、トンネル内など人を排除できない環境での音環境の特性測定

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 情報

7)フルカラーLEDドットマトリックスを用いた安価な情報表示システムおよび表示方法

徳山工業高等専門学校 機械電気工学科 教授 伊藤 尚

新技術の概要

3原色のLEDを用いたイルミネーションなどのディスプレー装置において、その表示内容を切り替えるための制御信号伝送方式についての技術である。低コストで、多数のLEDを瞬時に切り替えてアピール性を向上するための方式を提案するものである。また、本技術をマトリクス型ディスプレイに適用すれば、小型のウェアラブルLED表示器としての応用も開ける。

従来技術・競合技術との比較

従来のLED表示システムでは、発光体と制御系との間を【高速】シリアル通信で結合し表示しており、高価なシステムとなっていた。本方式は、発光体部にメモリを具備させ、次に表示すべき画像データを、前もって【低速】シリアル通信で発光体部に送っておき、その後、全画面【同時】に画面切り替え信号を送るものである。低コストの【低速】の通信でも、アピール性高く瞬時に画面全体を切り替えられる利点を有する。

新技術の特徴

・市販の低価格マイコンチップを活用できるため、大幅な低価格化と小型化が期待できる。
・自動車など自動機械の制御モニター表示システムへの応用
・道路標識など夜間に目立つべき電子看板などへの応用
・住宅などにおける楽しく柔軟な夜間照明(光アート)への応用

想定される用途

・クリスマスイルミネーションや各種イベントなどにおける情報発信装置および雰囲気装置
・大型構造物の壁面電飾などにおける各種照明装置、情報発信装置およびアミューズメント効果などの演出装置
・体や服/帽子などに着用できる小型ウェアラブル情報発信器

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

科学技術振興機構 産学連携展開部 産学連携担当

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Mail:scettアットマークjst.go.jp
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