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バイオ燃料 新技術説明会

日時:2009年08月05日(水)

会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 環境

1)バイオディーゼル燃料の抽出と蒸留による精製

首都大学東京 大学院都市環境科学研究科 都市システム科学域 教授 加藤 覚

新技術の概要

現在、自家用にしか利用されていないバイオディーゼル燃料を市場出荷可能とする精製技術についてまとめる。欧州で採用されている蒸留法に加えて、発表者に独自な銅錯体抽出法によって不飽和脂肪酸エステル成分を除く技術も紹介する。

従来技術・競合技術との比較

日本のBDF製造プロセスでは蒸留法を脱メタノールに用いている。欧州では原料が精澄でないときには蒸留法を最後尾において精製して、BDF市場に出荷できる製品規格を維持している。BDF長期保存のために不飽和脂肪酸エステルを大量除去する技術は従来にはない。

新技術の特徴

・蒸留法をプロセスの最後尾に置く欧州技術の導入
・最も課題となっている残留炭素の低減
・リノレン酸の除去

想定される用途

・現在稼働の120のBDFプラントに蒸留精製法を応用
・自家用にBDFを購入している自治体
・蒸留精製を業務とする企業

  • 環境

2)21世紀のクリーン燃料ジメチルエーテル(DME)

静岡大学 工学部 物質工学科 講師 武石 薫

新技術の概要

DMEの原料となる合成ガスに少量の酸素が含有していても、高活性にDMEを製造できる触媒を開発した。酸素除去の精製過程を省いた経済的なDME製造が可能となる。また、この触媒はDMEから水素を取り出す触媒としても利用できる。

従来技術・競合技術との比較

DMEの経済的な製造法である合成ガスから一段で作る直接法に関する技術開発に関しては、JFEグループが一歩進んでいる。その反応条件などと比べると、実験室の段階であるが、我々の触媒はより温和な条件下で高選択的にDMEを製造できる。

新技術の特徴

・DME生成反応に適した触媒表面構造を持ち、酸素、熱に対しても耐久性の強い、優れた触媒である
・本触媒を用いれば、バイオマスガス化ガスの利用など、酸素の除去過程を省いた経済的なDME製造プロセスが可能
・安価なDMEを製造できる可能性があるので、DMEの普及が加速し、自動車燃料、LPG代替など、DMEが広く利用される

想定される用途

・触媒、触媒を利用した産業 (開発した触媒の利用、触媒開発、触媒の大量生産など)
・エネルギー、エネルギーを利用した産業 (触媒の利用だけでなく、DME 製造への利用、製造されたDME の利用)
・自動車、船舶など、さらに、それらを利用した産業 (触媒の利用だけでなく、製造されたDME の利用)

関連情報

・外国出願特許あり

  • 環境

3)窒素含量の高い廃棄物等を低温(約600℃)で窒素化合物を含まないガスにする方法

群馬県 企画部企画課 科学技術振興室 室長 上石 洋一

新技術の概要

たい肥や下水汚泥など窒素含量の高い廃棄物をできるだけ低温で、かつ窒素化合物を含まないガスに変換する技術です。ニッケル担持炭やニッケル担持アルミナを触媒として用いると、アンモニアやシアンなどの揮発性窒素化合物を十分に窒素に変換することができる。

従来技術・競合技術との比較

低温(約600℃)でのガス化が可能であること。ニッケル担持炭を触媒として用いることで、アンモニアやシアンなどの揮発性窒素化合物を窒素に変換できること。

新技術の特徴

・低温ガス化
・触媒技術
・エネルギー獲得

想定される用途

・畜産廃棄物処理炉
・有機系廃棄物処理炉

  • 環境

4)無機硫黄化合物の酵素的処理技術の開発

岡山大学 自然生命科学研究支援センター 分析計測分野(農学部) 助教 金尾 忠芳

新技術の概要

好酸性の硫黄酸化細菌より、無機硫黄化合物の一種テトラチオン酸を加水分解する酵素及びその遺伝子を初めて特定し、組み換え酵素として獲得することが出来た。この新規な酵素の触媒機構を詳細に解析することで、無機硫黄化合物の酵素による処理・物質変換への新たな技術開発が期待できる。

従来技術・競合技術との比較

無機硫黄化合物を基質とした酵素反応については、現段階では体系的な知識の構築がほとんどなされていない。従って本技術は、新たな技術分野の開拓につながり、これまでに無い新規な硫黄化合物の処理・有効利用技術の開発が期待できる。

新技術の特徴

・新規な酵素であるテトラチオン酸加水分解酵素を詳細に解析するために必要な酵素量の獲得が可能となった
・結晶化を行うための純粋な酵素を十分量獲得することが可能となった

想定される用途

・基質であるテトラチオン酸分子内のS-S結合を切断する機構を理解出来れば、S8硫黄分子を水和する酵素の創製が期待できる
・硫黄を水和する酵素ができれば、硫黄を生物的に処理することが可能となる。従って石油脱硫硫黄など余剰硫黄の処理へ応用できる

  • 環境

5)木質バイオマスの多用途利用をめざした無煙炭化・燃焼技術の開発

愛媛大学 農学部 農学部技術長 尾上 清利

新技術の概要

木質バイオマス(丸太材等)をペレット等に加工することなく用いて、無煙の熱発生装置を可能にするものである。上方から木炭に点火し、煙分が高温の灰分を通過する時ガス化することで煙分を除去できる。また、製品の構造は簡単で、しかも安価に製造ができる。

従来技術・競合技術との比較

特開2008-215719等では煙を焼き玉や炭で燃焼処理している。また、排出されるCOガスの処理はなされていない。しかし、本技術では、煙を燃焼装置等を用いることなく、上方から木炭に点火することで煙をガス化できる。また、排出されるCOガスを触媒を用いて除去する。

新技術の特徴

・木材を加工することなく、玉切りして利用可能である
・木質バイオマスを無煙で熱発生を行う装置
・一酸化炭素ガスを触媒を用いて酸化することで二酸化炭素変換する

想定される用途

・ビニールハウス用暖房装置
・家庭用ボイラー
・オンドルの熱発生装置

  • 環境

6)木質バイオマスの酵素糖化における新規前処理技術の開発

名古屋大学 大学院生命農学研究科 生物圏資源学専攻 准教授 松下 泰幸

新技術の概要

二酸化炭素添加水熱処理を行うことにより、木質バイオマスの酵素糖化性を著しく向上させることができる。また、反応後、二酸化炭素は気体となり反応処理液中に残留しないため、次の醗酵工程での阻害反応を起こさない。残渣のリグニンも機能性物質に変換が可能である。

従来技術・競合技術との比較

従来は前処理として、微粉砕処理や希硫酸熱水処理などが行われていたが、この方法では大量のエネルギーや中和処理などが必要であった。今回の開発した技術はエネルギー消費が少なく、且つ、後処理が不要であり、糖化システムを非常に単純化させることができる。

新技術の特徴

・酵素糖化性の飛躍的な向上
・システム単純化による低コスト化
・副産物も機能性物質に変換可能

想定される用途

・自動車燃料
・家畜用飼料
・化成品原料

  • 環境

7)光触媒を用いたリグノセルロース糖化前処理技術

宮崎大学 工学部 物質環境化学科 教授 田畑 研二

新技術の概要

木質系バイオマスの分解酵素による糖化の前処理技術として光触媒を用いる手法を新しく開発した。光触媒法は常温、常圧の環境に優しい手法である。

従来技術・競合技術との比較

従来技術としては酸処理法、アルカリ処理法が糖化前処理技術として知られていたが、コスト、性能、環境のいずれの点でも課題があった。今回の手法はそれらの課題を解決したものである。

新技術の特徴

・可視光を使った光触媒
・常温・常圧の環境に優しいプロセス
・木質系バイオマスに有効な糖化前処理法

想定される用途

・バイオエタノール製造プロセス

  • 環境

8)廃棄バイオマス由来の軽油代替燃料

日本大学 理工学部 物質応用化学科 教授 平野 勝巳

新技術の概要

建築廃材等の木質バイオマスの熱分解法や、動物性油脂を含有した廃食油等のエステル交換法による軽油代替燃料の製造方法、および実用化プロセスを提案する。

従来技術・競合技術との比較

実用化を想定した小規模分散型プロセスを構築するため、熱分解法においては自製油の一部を溶媒として循環使用することにより反応条件の温和化、エステル交換法においては酸・塩基固体触媒の二段使用により長期連続運転を図った。

新技術の特徴

・(熱分解法)木材種や部位の混合、金属等不純物の混在が適用可能であり、触媒等の副原料が不要である
・(熱分解法)高圧ガス取締法等規制外の条件で運転可能であり、反応器に特定の化学装置を必要とせずに機械装置が適用できる
・(エステル交換法)動植物混合油脂、高遊離脂肪酸含有油脂が適用可能であり、製品と中性グリセリン以外の酸・アルカリ廃液を排出しない

想定される用途

・(熱分解法)営林署における間伐材からの保全用燃料の製造、木材加工所や廃棄物処理場における廃木材からの運転用燃料の製造
・(エステル交換法)食品加工場における廃食油からの加工用燃料の製造、飲食店舗における廃食品からの運転用燃料の製造

関連情報

サンプルの提供可能

  • 環境

9)廃食用油や各種油脂から良質のバイオ燃料を直接得る新技術

北九州市立大学 国際環境工学部 エネルギー循環化学科 教授 藤元 薫

新技術の概要

接触分解により、灯・軽油同等の炭化水素を得る技術。他方式のように副原料としてメタノールや水素を使用せず、副生成物も燃料ガスである。また、分解油は流動点が低く、単独での使用が可能であり、装置もシンプルで安価である。

従来技術・競合技術との比較

従来技術として主流であるFAME方式に比べ、(1)副原料のメタノールが不要、(2)副生成物のグリセリンが出ない、(3)洗浄・排水処理工程が不要、(4)生成油が化石燃料と同じ炭化水素であるため流動点、酸点などが軽油並みに低い、などの優れた特徴を有する。

新技術の特徴

・接触分解によるシンプルかつ安価なプロセス
・高セタン価の炭化水素が得られる
・既存のインフラが変更なく利用可能
・ヤトロファ油、廃動物油も利用可能、搾油プロセスが省略可能

想定される用途

・バイオディーゼル燃料
・ボイラー等の燃料
・ジェット燃料

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

  • 環境

10)セルロースおよびクズの生変換-21世紀のバイオエタノール

宮崎大学 大学院農学工学総合研究科 教授 小川 喜八郎

新技術の概要

1)非食料系のクズ属植物のデンプン原料を用いるセルロース性資源よりも低コストのエタノール製造法および2)ソフトセルロースのバイオエタノール変換に関する先導的な研究についての実用化の可能性を考察する。

従来技術・競合技術との比較

1)については本邦初の特許であり、米や麦など食糧資源と競合しない、しかも酵素糖化が容易なクズデンプン由来のエタノール製造法、2)については稲わら、ネピアグラス(牧草)等の低リグニン含有ソフトセルロースの遺伝資組み換えセルラーゼ製剤による酵素糖化とエタノール生産について解説。

新技術の特徴

1)クズ属植物については高級食材、機能性素材および生薬への利用拡大
2)クズ属植物デンプンの高級アルコール飲料への変換
3)ソフトセルロースのバイオエタノールへの変換およびキシロースの飼料酵母への変換

想定される用途

1)クズ属植物からのバイオエタノールの製造
2)ソフトセルロースからのバイオエタノールの製造

関連情報

1)クズ属植物からのエタノール生産のポンチ絵
2)関連著書のパンフ

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

科学技術振興機構 産学連携展開部 産学連携担当

TEL:0120-679-005
Mail:scettアットマークjst.go.jp
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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