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中国地域さんさんコンソ 新技術説明会(1)

日時:2009年11月26日(木)

会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 材料

1)二酸化炭素のエポキシへの固定化触媒の開発による環状炭酸エステルの合成

岡山大学 大学院自然科学研究科 機能分子化学専攻(工学部物質応用化学科) 教授  酒井 貴志

新技術の概要

エポキシと二酸化炭素から環状炭酸エステルを合成するメソポーラスシリカゲル固定化有機触媒を開発した。この触媒はメソポーラスシリカゲル上に臭化トリフェニルホスホニウムを架橋させたもので、低圧下、無溶媒反応で高収率で目的物を生成する。

従来技術・競合技術との比較

従来のホスゲン法では、猛毒のホスゲンとジオールを用いているため、危険であり、また塩酸の廃棄物が出るが、本法では目的物のみが生成し、安全である。また、触媒も簡単に調製でき、安定かつ繰り返し使用可能である。

新技術の特徴

・猛毒のホスゲンを使用しない環状炭酸エステル合成の安全な方法である
・触媒の調製が容易である。反応条件が従来法より温和(100℃、 1Mp)である
・高収率で生成物が得られ、触媒を有機溶媒で洗うだけで繰り返し使用できる

想定される用途

・二酸化炭素とエポキシの反応による炭酸エステルの合成

関連情報

・サンプルの提供可能

  • アグリ・バイオ

2)高度特異的タグシステムを利用した新規ペプチド創薬

岡山大学 大学院自然科学研究科 機能分子化学専攻 助教 今中 洋行

新技術の概要

立体構造と活性を高度に保持しつつ配向制御を可能とするタンパク質固定化技術を利用して、ターゲットタンパク質分子の立体構造の差異をナノレベルで認識し、高度な結合親和性を示すペプチド薬剤の迅速な分離同定を可能とする方法。

従来技術・競合技術との比較

固定化基材表面の化学物質やタンパク質などによる処理を必要とせず、安価なポリスチレンプレート上で応用展開できる利便性を有する。また、使用するタグの高い表面親和性により、スクリーニング操作の高度な迅速化が可能である。

新技術の特徴

・固体表面上におけるタンパク質立体構造の高度な保持
・部位特異的なタンパク質・ペプチドの固定化
・簡便・迅速なスクリーニング操作

想定される用途

・細胞内ガン関連タンパク質のターゲッティング
・迅速なペプチド創薬
・ペプチド薬剤の親和性評価

  • アグリ・バイオ

3)タンパク質カチオン化技術の医用工学への応用

岡山大学 大学院自然科学研究科 機能分子化学専攻 准教授 二見 淳一郎

新技術の概要

化学修飾技術を駆使したタンパク質のカチオン化技術は、タンパク質の(1)細胞内導入、(2)変性状態での可溶化、(3)変性タンパク質のin cell foldingを可能とする独自開発技術で、次世代の医用工学分野に貢献しうる基盤技術です。

従来技術・競合技術との比較

可逆的変性カチオン化法は、変性状態のタンパク質を材料として生細胞内で活性構造に巻き戻して機能させることができる革新技術であるほか、汎用されるGST融合タンパク質に特化した高効率な導入試薬も提案します。

新技術の特徴

・タンパク質ベースのプロドラッグデザイン
・タンパク質の溶解性制御
・タンパク質のリフォルディング技術

想定される用途

・研究用試薬
・細胞再生医療支援技術
・タンパク質ベースのドラッグデザイン

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

  • 医療・福祉

4)ブドウ球菌によるバイオフィルム形成阻害剤と医療機器への応用

就実大学 薬学部 薬学科 准教授 塩田 澄子

新技術の概要

臨床上問題となるメチシリン黄色ブドウ球菌(MRSA)を含むブドウ球菌のバイオフィルム形成を抑制する物質(アビエチン酸及び類似体)を見出した。この物質は抗生物質等とは異なり、ブドウ球菌の生育を阻害することなく、バイオフィルム形成を阻害する。

従来技術・競合技術との比較

これまでにもバイオフィルム形成を阻害する物質は多く見出されているが、本物質は抗菌活性を示さない濃度でバイオフィルム形成を抑制する。すなわち常在細菌叢を乱したり、薬剤耐性菌を誘導することなくバイオフィルム形成のみ有効に阻害することができる。

新技術の特徴

・洗面台や風呂場など水周りに係る設備への応用
・排水溝や配水管への応用
・歯磨き粉やチューインガム等の基材への応用

想定される用途

・バイオフィルム形成阻害剤でコーティングした血管留置カテーテルや尿路カテーテル
・バイオフィルム形成阻害剤でコーティングした人工歯(デンタルインプラント)
・バイオフィルム形成阻害剤を浸透したガーゼや包帯、ドレッシング材等

  • 建築・土木

5)桁端衝突時の固定支沓破壊防止(ダンパーを用いた衝撃吸収経路の付加)

鳥取大学 大学院工学研究科 社会基盤工学専攻 准教授 谷口 朋代

新技術の概要

高架橋に見られる橋脚~支沓~橋梁システムでは、地震時の隣接橋梁の桁端同士の衝突に伴う運動量が橋梁→固定支沓→橋脚と伝達された後にシステム全体の応答が変わることから、固定支沓は橋梁と橋脚の運動量の和に耐えきれずに損傷していたと考えられる。そこで、橋梁と橋脚をダンパーで連結して衝撃吸収経路を形成し、固定支沓が伝達していた運動量を吸収させる方法を開発した。

従来技術・競合技術との比較

地震時の橋梁同士の桁端衝突による衝撃が固定支沓を介して橋脚へ伝達されることが、固定支沓の破壊の原因であったと考えるが、このことに着目して固定支沓の破壊防止を試みる従来技術はない。本技術は、橋梁と橋脚をダンパーで連結することで衝撃吸収経路を形成し、従来は固定支沓が伝達していた衝撃を当該経路が吸収することによって、固定支沓の破壊を防止するものである。

新技術の特徴

・衝撃以外の荷重(温度や活荷重による伸縮など)は、受け流す
・既製品のダンパーを用いることができ、取り付け構造も簡単であるので、廉価である
・既設構造物に取り付けが可能である
・ダンパーの抵抗値や本数を調整することで、吸収エネルギーを調整することができる

想定される用途

・橋梁と橋脚や橋台との結合点(弾性支沓でも同様の効果あり)
・部材や連結部品の大きさ(剛性や断面)が急変する場合
・部材の主たる耐力方向とは異なる方向の荷重が作用することを避けたい場合
・衝突などをきっかけに、応答性状が急変する場合
・衝突の発生は避けられないが、それに伴う衝撃の伝播を食い止めたい場合

関連情報

・外国出願特許あり

  • エネルギー

6)温泉を熱源とする温度差エンジンの出力向上技術

米子工業高等専門学校 機械工学科 准教授 森田 慎一

新技術の概要

100℃以下の低温度差で駆動する温度差エンジンの作動流体中に、微量の相変化物質を添加することで出力を向上し、実用出力を得る技術です。熱機関に大掛かりな熱交換装置を付加する必要がなく、熱源温度の違いにも対応することができます。

従来技術・競合技術との比較

単相気体を利用する従来の同方式温度差エンジンに対して、最大で数倍の出力向上効果を確認できました。タービン方式や熱電素子による方法に対して、作動状態の面白さをも求める用途に向く技術です。

新技術の特徴

・電池不要のラジコン船
・太陽光利用屋外充電器用途の原動機
・駆動インテリア

想定される用途

・温泉熱による発電用原動機
・浴槽のお湯によって駆動する浴室内サーキュレータ
・湯船に浮かべる灯篭(豆電球)の電源供給のための原動機

  • 材料

7)岡山大学グリーンフェライトの新機能

岡山大学 大学院自然科学研究科 先端基礎科学専攻 教授 池田 直

新技術の概要

電気分極を形成する電子集団の存在と、その特異な特性を生かす電子素子について提案します。

従来技術・競合技術との比較

電子の集団が電子分極を保持する形に秩序形成した物質をもちいることで、今までに知られているいろいろな電子素子を、異なる原理方法で実現することができます。

新技術の特徴

・非線形電気伝導特性
・光応答特性と高い光吸収
・電荷秩序の再配置現象

想定される用途

・トランジスタ
・太陽電池
・メモリー

関連情報

・外国出願特許あり

  • エネルギー

8)p型有機芳香族分子とn型フラーレン分子系の接合による太陽電池開発

岡山大学 大学院自然科学研究科 機能分子化学専攻 教授 久保園 芳博

新技術の概要

移動度が高くワイドギャップ半導体である芳香族有機分子ピセンならびにナローギャップ半導体であるペンタセンと、フラーレンの組み合わせによる太陽電池開発の現況について述べる。また、関連してピセン電界効果トランジスタの極めて高い電界効果移動度と優れたガスセンシング特性を述べる。

従来技術・競合技術との比較

従来にない極めて高い移動度と大きなバンドギャップを有する芳香族分子と、ナローギャップ半導体であるペンタセンを利用することによる高効率な太陽光吸収と、移動度が高いために再結合の抑制効果が期待される。また、ピセン電界効果トランジスタは従来物質より極めて高い移動度を有する。

新技術の特徴

・アクティブマトリックスディスプレイ駆動用トランジスタ
・フレキシブルトランジスタ
・集積型ガスセンサ回路

想定される用途

・フレキシブル太陽電池としての利用
・太陽電池駆動型ガスセンサとしての利用
・太陽電池駆動型トランジスタ

  • 環境

9)石炭灰の有効利用

岡山大学 大学院環境学研究科 資源循環学専攻 教授 三宅 通博

新技術の概要

石炭灰の再資源化阻害因子となっている未燃焼炭素分と水蒸気又は二酸化炭素とを高温で接触させて、工業原料として利用可能な水素及び/又は一酸化炭素を生成させることで、石炭灰中の未燃焼炭素分を除去する技術。

従来技術・競合技術との比較

石炭灰中の未燃焼炭素分の分離除去法として、水と非水溶液とを用いて分離する方法、静電向流ベルト式による分離方法、電極を備えた電気集塵機による分離方法、酸素存在下で石炭灰を溶融することで除去する方法が提案されているが、利用されていない。

新技術の特徴

・ガス化により生成される水素と一酸化炭素は、有機化合物の合成原料や燃料電池の燃料として利用可能
・ガス化処理後の石炭灰(残渣)は、殆ど未燃焼炭素を含まないので、セメント原料や土木資材として利用可能
・火力発電と燃料電池とのコージェネレーションが可能

想定される用途

・石炭炊き炉から排出される石炭灰の処理

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

中国地域産学官連携コンソーシアム事務局

TEL:086-251-7151FAX:086-251-8442
Mail:infoアットマークsangaku-cons.net
URL:http://sangaku-cons.net/
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〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

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