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信州産学官連携機構 新技術説明会

日時:2009年11月06日(金)

会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 医療・福祉

1)下顎運動測定装置用改良型センサー取り付け金具

松本歯科大学病院 歯科技工士室 技工士 三溝 恒幸

新技術の概要

松風社製MMJ-2(6自由度顎運動測定装置)を用いて、下顎運動を測定する際のセンサー取付金具に独自の改良を施し、同測定装置の応用範囲を拡張しようとするものである。

従来技術・競合技術との比較

従来のセンサー取付金具は、口裂中央より口腔外に突出させていたため、口唇を閉じた状態、あるいは何かを咥えながらの測定が不可能であったが、取付金具を口角部より突出させることによりそれらが可能となる。

新技術の特徴

・センサー取付金具を口角部より突出させるため、顎運動計測時に更新の動きを阻害しない
・センサー取付金具が楽器のマウスピースなどと相互に干渉しない
・顎運動計測時に唾液が漏出することを防止できる

想定される用途

・楽器演奏時の下顎運動の測定
・口唇を閉じた状態での下顎運動の測定
・吸飲(吸引)時の下顎運動の測定

  • 医療・福祉

2)新機能・多機能マイカ系マシナブルセラミックスの開発

信州大学 工学部 物質工学科 教授 樽田 誠一

新技術の概要

本技術では、アルミナやジルコニアセラミックスなどにマイカを焼結法により複合化し、機械加工を可能にした。また、従来にはない機械加工ができる透明なマイカガラスセラミックスを、溶融・結晶化法により開発した。これは、イオン伝導性を有しており、発光特性も付加できる。

従来技術・競合技術との比較

アルミナやジルコニアといった生体親和性の高い素材がベースであり、従来のマシナブルマイカセラミックスよりも機械的性質に優れているので、歯科などの生体材料への応用が可能である。また、透明なマイカガラスセラミックスは従来にはないマシナブルセラミックスである。

新技術の特徴

・焼結法により複合化するマイカ複合焼結体と溶融・結晶化法により合成するマイカガラスセラミックスがある
・CAD/CAMシステムにより高い強度、硬度を有するセラミックスの加工が可能になる
・マイカを複合化させることで種々のセラミックスの機械加工を可能にすることができる
・透明なマイカガラスセラミックスについては、発光特性などの性質を新たに加えることが可能である

想定される用途

・歯冠などの歯科用材料
・半導体製造用装置や高真空装置の部材
・マイクロリアクター用の部材
・透明蛍光体

関連情報

・一部のサンプルについて提供可能

  • 医療・福祉

3)口唇の機能を測定するための多方位口唇閉鎖力測定装置

松本歯科大学 大学院歯学独立研究科 顎口腔機能制御学講座 教授 増田 裕次

新技術の概要

口唇の解剖・生理学的特徴を踏まえたうえで、口唇の力を多方位から測定する多方位口唇閉鎖力測定装置を開発している。この装置を用いることでいままでに無い口唇機能の評価法を確立することができる。

従来技術・競合技術との比較

既存の装置として、上下口唇でトランスデューサーをはさんで口唇閉鎖力を測定するものがあるが、方向分布の測定できる装置はない。多方位口唇閉鎖力が口腔の形態や機能に関係することが明らかとなると、臨床・研究の現場で口唇機能評価が注目されるものと考えられる。

新技術の特徴

・口唇機能を評価する
・口唇を含めた顔面形態を評価する
・口唇閉鎖力の方向分布を評価する

想定される用途

・小児期における歯列の成長発育の診断
・口腔機能回復のためのリハビリ効果の評価
・歯科治療の適正検査

  • アグリ・バイオ

4)穀類の機能性成分富化技術の開発

信州大学 大学院農学研究科 機能性食料開発学専攻 教授 藤田 智之

新技術の概要

小麦粒を加工処理することにより、製粉後の小麦粉中の抗酸化性ポリフェノール成分を未処理に比べて数倍程度に高めることに成功した。本技術を応用し、外殻を有する穀類に加圧処理等を行い、可食部の機能性成分を富化した穀類の提供を目指すものである。

従来技術・競合技術との比較

穀類中の機能性成分を高める手法として発芽処理、水浸漬または酵素処理のほか、成分育種などが行われている。前者は処理時の管理が難しく、全粒での利用に限られている。後者は選抜に時間がかかる等の問題があることから、新規な技術が求められている。

新技術の特徴

・加水・加温・加圧等を組み合わせた加工処理による穀類の機能性成分の賦与
・除去する外殻に含まれる有用成分の可食部への移行
・加圧もしくは加温による内生酵素の活性変化が期待される

想定される用途

・機能性成分を富化した食素材の提供
・上記の穀類から調製した穀粉の新規用途の開発
・加圧技法の有効活用

  • 機械

5)非接触磁気支持モータ及びその制御システム

諏訪東京理科大学 システム工学部 電子システム工学科 准教授 大島 政英

新技術の概要

ベアリングレスブラシレスDCモータの磁気支持制御回路の素子数を削減し、回路全体をコンパクトにできる。また、磁気支持制御に汎用三相インバータを使用することができ、インバータ数を低減し、さらに支持力を増大することができる。

従来技術・競合技術との比較

電動機巻線と同様に支持巻線も固定子歯1本1本に集中して巻くので、従来タイプに比べてコイルエンドが短くできる。そのため、モータが小型になり銅損を低減できる。また、軸付近が空洞でも十分な支持力を発生できる。小型モータに適している。

新技術の特徴

・低騒音、低振動、クリーンな環境が要求されるドライブ装置に適する。さらにメンテナンスフリーで長寿命である
・磁気支持制御回路のコンパクト化、汎用三相インバータが使用できる
・コイルエンドが短く、低損出である。小型モータに向いている

想定される用途

・各種ポンプ
・高速ドライブ装置
・現在、ブラシレスDCモータが使用されている環境(産業、家電、情報機器など)

  • 機械

6)高伸縮比を実現可能にする巻き取り式伸縮機構

諏訪東京理科大学 システム工学部 機械システム工学科 准教授 市川 純章

新技術の概要

複数の小ブロックを、それぞれが単一方向に回転するように連結した棒。これを2本用い、回転に対して相反するように合わせ、自立する強度を持つ棒にする。この棒をそれぞれが回転する方向に巻き取ることで小さく格納できる。

従来技術・競合技術との比較

送り出しの機構としては従来技術でも多くあるが、送り出しだけでなく、本機構自体で自立する強度を持つ特徴がある。

新技術の特徴

・狭い場所に設置が可能
・高い伸縮比率を実現する
・コンパクトな機構

想定される用途

・介助用小型昇降機
・狭小スペースに装着する送り出し機構

  • 医療・福祉

7)自動車運転にかかわる認知行動評価システムの開発

信州大学 医学部 保健学科 教授 小林 正義

新技術の概要

モニターに提示する自動車運転映像に追従するよう自動車運転の模擬動作をさせ、被験者の危険予測・認知機能を手掌部(精神性)発汗反応によって評価する。同時に危険予測・回避行動を、ブレーキ・アクセル・ハンドルの操作時間より評価する。

従来技術・競合技術との比較

従来技術と比較し、自動車運転映像のどの時点で危険を予測・認知したかを皮膚交感神経反応から評価する点が優位で、危険場面におけるブレーキ・ハンドル動作の同時計測ができる。

新技術の特徴

・自動車運転技能に関わる認知機能を皮膚交感神経活動(手掌部発汗・皮膚電位反射)をもちいて評価する
・自動車運転の模擬動作中の皮膚交感神経活動とブレーキ・アクセル・ハンドル操作を同時測定できる
・ドライビングシミュレータのCG映像と異なり実写映像を用いるため、さまざまな運転場面を設定することができる

想定される用途

・自動車学校等で行われる高齢者講習での運転適性検査(CRT検査)への応用
・認知症高齢者の運転技能評価
・障害者リハビリテーションにおける運転技能評価・訓練への応用

  • 材料

8)ピッチ系炭素材料を用いた炭素粒子の製造法とその応用

長野工業高等専門学校 電子情報工学科 教授 押田 京一

新技術の概要

表面が炭素六角網のエッジの面となっている直径1~1000μmの炭素粒子を製造し、その表面において化学反応の促進を可能とする.これにより、表面の修飾をし易くするなど、機能性材料の実現を目的とする。

従来技術・競合技術との比較

従来の炭素粒子は、炭素六角網の基底面が中心の複雑な表面組成であった。本発明は、炭素六角網のエッジ面のみの表面を有する炭素粒子を製造し、その表面において化学反応や表面の修飾をし易くした機能性材料を実現するものである。

新技術の特徴

・炭素六角網面の異方性構造を備えるとともに、表面が炭素六角網面のエッジ面として構成されてなる炭素粒子
・不活性ガス中にて空中に配置した状態で熱処理することにより、製造することを特徴とする炭素粒子の製造方法
・炉内の下方から不活性ガスを上方に向かって流動させ,熱処理時間を制御することによる炭素粒子の製造方法

想定される用途

・化学反応を促進させる活性表面を有する材料
・表面に触媒を効率よく担持させたエネルギーデバイス用電極材料
・表面修飾することにより、濡れ性を向上したり、界面活性機能を付与したりして分散性をよくした複合材料の合成

  • 製造技術

9)リング状物体における内側表面の検査装置

長野工業高等専門学校 電子情報工学科 講師 芦田 和毅

新技術の概要

枠状およびリング状物体の内側表面に、汚れや傷があるかを画像処理により検査する装置である。錐状の反射体に対象となる物体を設置することで、内側表面を一度に撮影し、画像処理を行うことが可能である。

従来技術・競合技術との比較

プリズムを利用しリング状物体の内側にある歪みを検査する手法が提案されている。この手法では、エヤシュータにより対象物体を放出し、内側表面に光を当てて歪みを検査している。しかし、汚れや傷などの細かな検査には向いていない。

新技術の特徴

・さまざまな形の錐状反射体を作成することで、対象物大きさがどのような場合でも対応できる
・装置を構成する部品が少ないため、安価に検査装置が作成できる
・簡単な構造のため、さまざまな検査対象物に対して素早く対応すできる

想定される用途

・枠状もしくはリング状の物体の内側表面の欠陥検査

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

株式会社信州TLO

TEL:0268-25-5181FAX:0268-25-5188
Mail:infoアットマークshinshu-tlo.co.jp
URL:http://shinshu-tlo.co.jp/
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〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

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