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東海国立3大学 新技術説明会(1)

日時:2009年06月11日(木)

会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • アグリ・バイオ

1)魚類による抗体生産系の構築と創薬ターゲットへの応用

三重大学 大学院生物資源学研究科 生物圏生命科学専攻 准教授 田丸 浩

新技術の概要

免疫哺乳動物では抗体の取得が困難であったヒトGPCRなどの膜タンパク質について、GPCRの一部を発現させた大腸菌や酵母を魚類に対して直接投与することで簡便に抗GPCR抗体を作製することができる。この技術によって、創薬標的となる膜タンパク質に対する特異的な抗体を安価で簡便・迅速な生産が可能になる。

従来技術・競合技術との比較

マウスなどの免疫哺乳動物を用いた抗体生産は一般的であるが、ヒト由来のGPCRなどの膜タンパク質はまず、その発現が困難であり、また抗原として十分な量の膜タンパク質を調製および精製することは困難である。本法は抗原となるGPCRを精製する必要がなく、抗原タンパク質を発現した菌体そのものを魚類に投与するだけが抗体生産が誘導できる。

新技術の特徴

・免疫哺乳動物では困難であったGPCRなどの抗体作製が可能
・抗原として使用するGPCRの精製が不要
・安価で簡便・迅速な抗体生産が可能

想定される用途

・抗体医薬品
・診断・検査用抗体
・実験用ツール

  • 創薬

2)化学修飾改変マイクロRNA-143を用いたがん治療の可能性―DDSは必要か

岐阜大学 大学院連合創薬 医療情報研究科 創薬科学 教授 赤尾 幸博

新技術の概要

消化管腫瘍においてがん抑制遺伝子として機能しているマイクロRNA-143、-145に対してヌクレアーゼ耐性への工夫として3'末2塩基にベンゼンーピリジンを付加し、2本鎖構造を改変することで抗腫瘍活性をインビボで上げることができる。

従来技術・競合技術との比較

核酸医療においてはヌクレアーゼによる不活化から回避できる薬物搬送システム(DDS)の確立が必須であり、現在リポゾームやナノ分子ポリマーなど試行されている。しかし、ヌクレアーゼに対して安定である化学修飾を施し、2本鎖構造を変えることでマイクロRNAの活性があがればDDSは必要ないかもしれない。

新技術の特徴

・ヌクレアーゼに対する安定化
・miRNAの機能亢進
・従来のRNA修飾に比べ、低コスト

想定される用途

・RNA医薬
・RNAトレーサー

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 創薬

3)ヌクレアーゼ耐性型人工核酸の創製とそのノックダウン効果

岐阜大学 工学部 生命工学科 教授 北出 幸夫

新技術の概要

RNA創薬を目指して核酸オリゴマーの3'-末端を化学修飾したsiRNAやmiRNAを合成し、そのノックダウン効果を調べたところ天然型と同程度もしくはそれ以上の効果を示した。また、これら誘導体は顕著なヌクレアーゼ耐性も示したことより創薬への展開が期待される。

従来技術・競合技術との比較

従来より市販されるsiRNAやmiRNAと比べて、人工核酸を導入することでヌクレアーゼ耐性が増大した。また、ノックダウン効果も増大した。

新技術の特徴

・ナノスイッチ素材
・生化学診断

想定される用途

・siRNA、miRNA、アンチセンスなどの核酸医薬品
・遺伝子診断
・ナノ材料

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

  • 創薬

4)論理的創薬法による抗プリオン物質の設計と開発

岐阜大学 人獣感染防御研究センター 大学院連合創薬医療情報研究科 教授・センター長 桑田 一夫

新技術の概要

構造生物学に基づく論理的手法により、抗プリオン物質を論理的にデザインし、開発した。

従来技術・競合技術との比較

従来は、抗プリオン物質は、経験的に見出されていたが、その作用機序も不明であった。

新技術の特徴

・計算機による設計
・構造生物学的手法の応用

想定される用途

・プリオン病治療薬・予防薬
・論理的創薬法の他の疾患への応用

  • アグリ・バイオ

5)不活化ワクチンを用いた魚類ウイルス病の新規予防法

三重大学 大学院生物資源学研究科 生物圏生命科学専攻 准教授 一色 正

新技術の概要

魚類は哺乳類に劣らない免疫機能を備えているが、興味深いことに変温動物である魚類の免疫機構は水温に強く影響されるという特性がある。本技術ではこの魚類の免疫特性を利用し、不活化ワクチンを用いて魚類ウイルス病を効率的に予防できる方法を開発した。

従来技術・競合技術との比較

DNAワクチンを用いた予防法が開発されているが、食品を前提に養殖されている魚類の疾病予防法として実用化するには食品衛生上の問題があった。本技術においては、安全性が高く、食品衛生上問題のない不活化ワクチンを用いてもDNAワクチンと同程度の予防効果を誘導することができる。

新技術の特徴

・安全性が高い
・簡便,かつ低コストで製造できる
・応用範囲が広い

想定される用途

・養殖魚類の疾病予防
・人工種苗生産現場における疾病対策
・観賞魚の疾病予防

  • アグリ・バイオ

6)コイ由来抗菌剤とその製法及び抗菌処理装置

三重大学 大学院生物資源学研究科 生物圏生命科学専攻 准教授 青木 恭彦

新技術の概要

コイの血液中の赤血球膜には糖タンパク質が存在しており、この糖タンパク質は幅広い抗菌スペクトルを有していた。新技術によって大量に調製された糖タンパク質を用いることにより、除菌・抗菌装置への応用が可能となった。

従来技術・競合技術との比較

リン脂質中の膜タンパク質を調製する従来のフェノールを用いる抽出法では操作が煩雑であり、回収率も低かったが、陰イオン交換クロマトグラフィーと界面活性剤を用いる事により操作の簡略化と100倍の回収率増加を達成した。

新技術の特徴

・幅広い抗菌スペクトルを有する物質の大量調製
・生体由来成分のため残留問題が発生しない
・有機化合物(フェノール)を使用しないので廃棄物が出ない

想定される用途

・環境水の浄化
・洗浄水の製造
・除菌・抗菌剤として洗剤・食品などへの添加

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 環境

7)鉛汚染土壌浄化用植物の作出

三重大学 大学院生物資源学研究科 資源循環学専攻 准教授 水野 隆文

新技術の概要

高い鉛集積能力を持つ緑化用ソバから鉛耐性を付与する遺伝子を単離し、組み換え植物での鉛集積性向上に成功した。本技術は高い鉛収奪能力を持つファイトレメディエーション用植物の作出に利用が可能である。

従来技術・競合技術との比較

鉛汚染土壌の浄化に利用できる天然の植物は非常に限られている。組み換えが可能でバイオマスや根圏での収奪エリアの大きい植物を本遺伝子を用いて組み換えることで、効率的な鉛汚染土壌の浄化が可能になる。

新技術の特徴

・鉛に特化した耐性能を有し、他金属の存在の影響が少ない
・バイオマスの大きい植物に利用することで、鉛汚染土壌の浄化の促進が図れる
・排土など物理的な作業と組み合わせることにより効果的な浄化が図れる

想定される用途

・クレー射撃場など高濃度鉛汚染土壌地帯の浄化
・鉛鋳型を用いた工場跡地の浄化
・鉛を含む鉱山周辺土壌の浄化

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

三重大学 知的財産統括室

TEL:059-231-5495FAX:059-231-5495
Mail:chizai-mipアットマークcrc.mie-u.ac.jp
URL:http://www.crc.mie-u.ac.jp/chizai/

名古屋工業大学 産学官連携センター

TEL:052-735-5627FAX:052-735-5542
Mail:officeアットマークtic.nitech.ac.jp
URL:http://www.tic.nitech.ac.jp/

岐阜大学 産官学融合本部

TEL:058-293-2025FAX:058-293-2022
Mail:yugoアットマークgifu-u.ac.jp
URL:http://yugo-gifu.jp/
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

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Mail:scettアットマークjst.go.jp

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