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中部公立3大学 新技術説明会

日時:2011年01月27日(木)

会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 創薬

1)ウイルス侵入を阻止する抗デングウイルス剤の開発

静岡県立大学 大学院薬学研究科 薬学専攻 准教授 左 一八

新技術の概要

デング熱・出血熱に対する有効で安全性の高い抗デングウイルス薬、感染予防薬剤の開発が急務である。天然生理活性物質群の探索研究から、ウイルスの細胞内侵入を阻害する糖鎖最小構造を同定し、その構造を基に抗ウイルス活性を示す低分子糖誘導体を化学合成した。

従来技術・競合技術との比較

従来、HTSによりウイルスプロテアーゼやポリメラーゼに対する阻害剤が主として開発されてきたが、臨床応用された薬剤はない。作用機序が異なる本化合物は従来の薬剤に比べて、高い水溶性、安定性を有し、免疫原性を持たず、糖の官能基修飾のみで化学合成可能なことなどの技術的な優位性を有する。

新技術の特徴

・従来の薬剤とは作用機序が異なり、ウイルスの細胞内侵入を阻止できる
・化合物の安定性、水溶性が高く、容易に合成できる
・生体内に存在する糖由来の誘導体であり、免疫原性が極めて低く、安全性が高い

想定される用途

・デングウイルス感染症治療薬
・血液・生体試料からのデングウイルス除去
・脳炎などを起こす他のフラビウイルス感染症治療薬

  • 創薬

2)T細胞性リンパ腫の治療を目指したHDAC8選択的阻害薬の創製

名古屋市立大学 大学院薬学研究科 創薬生命科学専攻 講師 鈴木 孝禎

新技術の概要

クリックケミストリーを利用して、HDAC阻害薬のライブラリー構築した。そのライブラリーのスクリーニングにより、HDAC8選択的阻害薬を効率的に見出した。それらの阻害薬は、抗T細胞性リンパ腫活性を示した。

従来技術・競合技術との比較

本HDAC8選択的阻害薬は、これまでに報告されたHDAC8阻害薬に比べ、高いHDAC8阻害活性を示す。また、クリックケミストリーを利用した本阻害薬の探索手法は、他の阻害薬の探索にも利用することが可能である。

新技術の特徴

・クリックケミストリーを利用した創薬
・分子標的治療
・阻害薬を用いたタンパク質の機能解明研究

想定される用途

・T細胞リンパ腫治療薬
・神経芽細胞腫治療薬
・生物試験用試薬

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 創薬

3)筋萎縮性側索硬化症(ALS)の診断薬並びに治療薬に関する研究

岐阜薬科大学 大学院薬学研究科 薬学専攻 教授 原 英彰

新技術の概要

長年の研究において多くのALS病態関連分子が同定されてきたが、ALSの原因は依然として不明である。本発明は、ALSの早期診断や信頼度の高い診断等を可能にすべく、ALS特異的なバイオマーカー及びその用途、即ちALSの検査に有用な技術を提供する。

従来技術・競合技術との比較

現在、ALSの診断法は除外診断が基本であり、ALS診断法は確立されていない。従来法では、判断を誤る可能性があり、後になってALSと診断変更する場合も多い。本発明は、末梢血を用いて容易にALS診断の正確性を高めるものである。

新技術の特徴

・従来不可能であったALSの早期発見・早期治療
・ALS病態の予後を推定するための手段
・将来発症する可能性を把握するための手段としての利用

想定される用途

・ALSの発症可能性を簡便且つ客観的に判定
・ALSを発症しているか否かを判定
・薬剤の効果を調べる指標

  • 創薬

4)イオンチャネルを標的とした創薬における新規高効率探索法

名古屋市立大学 大学院薬学研究科 医療機能薬学専攻 教授 今泉 祐治

新技術の概要

イオンチャネルを標的とする創薬における候補化合物のスクリーング法及び安全性試験法として、細胞死を生じる細胞数を検出することにより薬効・安全性の評価を可能とする新規培養細胞系とそれを利用しての新規薬理試験方法を開発した。

従来技術・競合技術との比較

現在利用されている全自動機器を含めた電気生理学的手法及び電位あるいはイオン感受性色素を用いる手法によるスクリーニング法に比べ、本新規試験法は簡便さや費用対効果において極めて優位である。

新技術の特徴

・1発の活動電位発生により細胞死を生じる細胞系を改変遺伝子導入により作成した
・簡便な汎用の細胞死検出法とプレートリーダーなどの高価でない汎用機器を用いて薬効・安全性を評価できる
・本方法による薬理試験の実施には特段の電気生理学的知識が必要で無い
・hERG安全性薬理試験が極めて簡便に安価で行える

想定される用途

・製薬企業におけるイオンチャネルを標的とする創薬の化合物スクリーニング
・hERG安全性薬理試験
・各種イオンチャネルに対する新規あるいは既存薬物や食品成分等化合物の選択性薬理試験

関連情報

・可能ですが細胞取り扱いに関する契約を事前にお願いします。

  • 創薬

5)新規有用物質の網羅的な獲得を目的とした技術開発

静岡県立大学 薬学部 薬学専攻 准教授 渡辺 賢二

新技術の概要

ゲノム上に生合成遺伝子はコードされているが天然物としてこれまでに単離されていない新規生物活性物質の生合成ならびに、生合成酵素群の改変によって天然物よりも優れた活性を持つ非天然型誘導体の合成に関する手法。

従来技術・競合技術との比較

これまでに単離されていない天然物を獲得する手法の開発は試みられている。多くの場合は生産生物が微生物であり、それら培養条件を多数検討することによって化合物の生産が試みられている。しかしながら、これらの手法による成功例は極めて少なく、効率的に化合物を得るに至っていない。

新技術の特徴

・代謝系の解明
・化合物ライブラリー
・省エネルギー化の代替技術

想定される用途

・医薬品探索
・化合物合成
・バイオマス技術

関連情報

・試作可能

  • 創薬

6)リポソームによる眼科DDS

岐阜薬科大学 大学院薬学研究科 薬学専攻 教授 竹内 洋文

新技術の概要

生体親和性に優れるリポソームをそのままあるいは機能性ポリマーで表面修飾する独自の技術を加味して、薬物送達に有効であることを明らかにした。特に、薬物を点眼により後眼部の網膜に送達できることを明らかにし、その最適化を図った技術は世界初のものである。

従来技術・競合技術との比較

薬物が単独で後眼部にも到達することは文献上は報告されている。実際に治療に有効な手法としての確立はされておらず、実用化を目指すには唯一の技術といえる。また、他の微粒子では効果が低くリポソームを使うところがキーとなる。

新技術の特徴

・化粧品での機能性成分の送達
・他の薬物投与ルートへの適用
・医用材料の表面改質

想定される用途

・後眼部薬物治療用製剤開発
・難吸収性薬物の送達
・局所薬物投与製剤

関連情報

・外国出願特許あり

  • 創薬

7)間質性肺炎モデル及びその用途

名古屋市立大学 大学院医学研究科 生体防御・総合医学専攻 学内講師 金澤 智

新技術の概要

関節リウマチ病態進行に良く類似した症状を示す関節リウマチモデル動物、D1CCマウスを開発した。このマウスは関節外病変として間質性肺炎を発症する。この間質性肺炎の発症率を100%とし、病態進行をモニターリングするシステムを特許出願中である。

従来技術・競合技術との比較

間質性肺炎モデルとしてブレオマイシン誘導によるモデル動物が報告されているが、発症が一過性である為、病態解析や薬剤開発に適していない。D1CCマウスは、進行性、慢性性の病態進行を100%示すなどこれまでにない有用な間質性肺炎モデル動物である。

新技術の特徴

・新たな間質性肺炎治療薬、予防薬の開発
・新規間質性肺炎バイオマーカーの探索
・X線CTなど画像解析装置の開発、解析ソフトの開発

想定される用途

・間質性肺炎が確実にモニターリングできるので、治療効果を検討できる
・進行が緩やかに進む為、新規間質性肺炎バイオマーカーの探索に有利である
・X線CTなどによる経時的な画像解析も可能である為、画像解析の際のモデルとしての応用も考えられる

関連情報

・共同研究

  • 創薬

8)取ったその場で測定に利用できるマドラーの開発

静岡県立大学 薬学部 薬学科 准教授 髙木 邦明

新技術の概要

本発明品は、測定用キュベットに装着できる蓋と採取バーから成り、採取バーの穴により体液を一定量分取できるので、採取した場所で種々の定量分析に利用できる。

従来技術・競合技術との比較

従来品は、体液をスポイト的に吸引するか、綿のような吸収体に集めた後に遠心や加圧で分取するものが多い。本品は、そこで生じる採取時の不快感や、器材への非特異的吸着などを解消したので、粘度の高い体液を簡単に精度良く検査することも可能になる。

新技術の特徴

・簡易に、かつ正確に体液を採取できる
・吸収体による非特異的吸着が少ない
・採取した体液を、特殊な器具を使わずに、そのまま測定に利用できる

想定される用途

・唾液による健康評価
・母乳や残乳による健康評価
・経管粘液による健康評価

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 材料

9)合成吸着剤担持型高活性不均一系パラジウム触媒の開発:C-C結合形成反応及び接触還元触媒としての適用

岐阜薬科大学 大学院薬学研究科 薬学専攻 教授 佐治木 弘尚

新技術の概要

新規不均一系パラジウム触媒Pd/HP20を開発し、接触還元、鈴木-宮浦反応、薗頭反応及びHeck反応に対して高活性を示すことを明らかとした。本触媒は合成ポリマーを担体としているため一定の品質が保証されることから、Pd/Cの代替触媒として幅広い適用が期待される。

従来技術・競合技術との比較

パラジウム炭素は環境負荷低減型不均一系触媒として接触還元やカップリング反応などに利用されていが、担体が天然資源由来であるため、不純物の構成比が異なり触媒活性にばらつきが生じる。これまでに、無機化合物やイオン交換樹脂を含む様々な有機系ポリマーを担体とする不均一系パラジウム触媒が調製されているが、Pd/Cに匹敵する高活性触媒はない。

新技術の特徴

・Pd/C代替均質高活性接触還元触媒
・鈴木-宮浦反応、薗頭反応、Heck反応等のカップリング反応触媒
・回収・再利用が容易、取り扱いやすい、安全

想定される用途

・高活性接触還元触媒
・炭素炭素結合形成反応触媒
・官能基選択的接触還元

関連情報

・サンプルの提供可能

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

名古屋市立大学 リエゾン・センター (事務局学術課)

TEL:052-853-8041FAX:052-841-0261
Mail:kikaku2アットマークadm.nagoya-cu.ac.jp
URL:http://www.nagoya-cu.ac.jp/

静岡県立大学 教育研究推進部 産学連携室

TEL:054-264-5124FAX:054-264-5099
Mail:renkeiアットマークu-shizuoka-ken.ac.jp
URL:http://www.u-shizuoka-ken.ac.jp/

岐阜薬科大学 知的財産管理・発明委員会 (事務局庶務会計課)

TEL:058-230-8100FAX:058-230-8200
Mail:syomukアットマークgifu-pu.ac.jp
URL:http://www.gifu-pu.ac.jp/top.html
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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