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金沢大学 新技術説明会

日時:2010年08月06日(金)

会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 製造技術

1)磁歪材料を用いたマイクロ振動発電素子

金沢大学 理工研究域 電子情報学系 准教授 上野 敏幸

新技術の概要

新磁歪材料(鉄ガリウム合金)を用いた、シンプルで小型、頑健なマイクロ振動発電素子を開発した。歩行などの人の動きや振動を高効率で電気に変換し、電子機器やセンサに電力を供給する。携帯電話、埋め込み型医療機器、自動車用センサへの搭載を目指す。

従来技術・競合技術との比較

圧電材料(圧電効果)を利用した発電素子は材料がセラミックスで壊れやすいこと、高電圧を発生するが、インピーダンスも高く、負荷から取り出せる電力が小さいという欠点がある。

新技術の特徴

・歩行など人の日常動作や振動で発電
・高効率で充電可能
・機械加工が容易な磁歪材料

想定される用途

・電子機器充電用(携帯電話、携帯音楽プレーヤー等)超小型振動発電素子
・医療機器充電用(埋め込み型医療機器)小型振動発電素子
・自動車用(空気圧モニタリングシステム)小型振動発電素子

  • 製造技術

2)人間の触覚を超える高感度触覚センサ/音声による昆虫の自動分類

金沢大学 理工研究域 電子情報学系 准教授 北川 章夫

新技術の概要

(1) 独自開発の微小変位センサLSIを利用した超高感度の3軸応力センサ。多点計測システムを構成して流量計測や人工触覚に利用可能。(2) 独自のアルゴリズムを用いた音声による昆虫の種の自動分類システム。環境モニタリングに最適。

従来技術・競合技術との比較

(1) 従来の圧力・触覚センサに比べて高感度であり、多点計測にも容易に対応できる。(2) 従来のアルゴリズムに比べて、短い音声データから昆虫の識別ができ、また、複数の昆虫が鳴いていても判定が可能である。

新技術の特徴

・シリコンゴムなどの弾性体に封入して利用することができる(技術1)
・1センサで3軸応力の計測ができる(技術1)
・10ミリ秒程度の短時間で計測ができる(技術1)

想定される用途

・風速、流量の計測(技術1)
・微小圧力や歪みの計測(技術1)
・ロボットやマニピュレータの人工触覚や手触りの計測(技術1)

  • 製造技術

3)特徴的な指向性を持つ小型アレースピーカー

金沢大学 理工研究域 電子情報学系 教授 西川 清

新技術の概要

複数のスピーカを一列に配列したスピーカアレーを用いたシステムに2次元ディジタル信号処理を導入することで集束性あるいは狭指向性の音響ビームを実現できるとともに、システムのコンパクト化、可搬性、操作容易性、低コスト化を実現している。

従来技術・競合技術との比較

従来技術として、スピーカ毎のアンプゲインと遅延機能を備えたスピーカアレーによるものと強力超音波の非線形効果を利用したものがあるが、いずれも狭指向性だけにしか対応できず、後者は、人体への超音波照射による健康への影響の問題から音量が制限され、騒音環境での使用に適さない。

新技術の特徴

・多彩な指向性ビーム(扇形のビーム、一定幅のビーム、焦点に集まる集束ビームなど)が実現できる
・ビーム方向やビーム形状を自由に制御することができる
・複数方向に音源の異なるビームを同時に実現することができる(ステレオ音源のビームも可能)
・街中、駅、展示場等の周囲騒音が大きいところでは、音の指向性効果がより大となる

想定される用途

・横断歩道・踏切を渡る人だけへの案内放送や駅ホームにいる人だけへの到着・通過列車などの案内放送
・茶の間・車室内や駅待合室・空港ロビー等でのTV画面に対応した音声の複数・限定エリアでの視聴
・銀行ATM・券売機・自動販売機等の案内放送
・映像と音が連動して動く3D画面など、臨場感溢れるアミューズメント機器

  • 環境

4)ヒドロキシラジカルを用いたリグニンの低分子化による有用物質の回収

金沢大学 理工研究域 自然システム学系 准教授 髙橋 憲司

新技術の概要

リグニンをヒドロキシラジカルと反応させ、リグニンを低分子化する方法を開発した。ヒドロキシラジカルは、亜硝酸ナトリウム水溶液に紫外線を照射し生成させた。室温3時間の反応で82wt%のリグニンを低分子化でき、フェノール等の有用物質が得られた。

従来技術・競合技術との比較

リグニンの分解・利用についての既存の研究としては、白色腐朽菌による分解が挙げられるが、反応時間が極めて遅い等の問題がある。

新技術の特徴

・太陽光エネルギーによるラジカル生成
・固-液反応と反応抽出分離
・ラジカル反応

想定される用途

・リグニンの有効利用
・芳香族化学原料

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 医療・福祉

5)認知症のタイプの脈波もしくは神経伝導検査による簡易判別法

金沢大学 保健管理センター 協力研究員 丸田 高広

新技術の概要

レビー小体型認知症(DLB)は、アルツハイマー病、脳血管性認知症とともに頻度の多い認知症原因疾患である。これらは治療法や予後が異なるため、それぞれの鑑別が重要である。今回、DLBの簡易スクリーニング法を開発した。

従来技術・競合技術との比較

DLBは自律神経障害があるため、従来技術として疾患検出にMIBG心筋シンチ(MIBG)が使用される。しかし、MIBGは、放射線使用、多大な費用と時間を要した。今回の方法は、生理学検査を用いる事で放射線を使わず、簡易にDLBを検出できる。

新技術の特徴

・放射線を使わず最小限の費用と時間で認知症の鑑別が可能になる
・このため、初診時にある程度の診断が得られる(後日の予約検査を減らせるため受診回数を減らせる)
・また、機材が小さいため診療所や健康施設での検査も可能になる

想定される用途

・認知症診療の補助検査
・人間ドックにおけるDLBのスクリーニング
・健康施設における認知症のスクリーニング

  • アグリ・バイオ

6)モデル植物を活用した赤かび病抵抗性植物の作出と防除技術への応用

金沢大学 学際科学実験センター 遺伝子研究施設 准教授 西内 巧

新技術の概要

赤かび病菌は、ムギ類等に感染し、人畜に健康被害の齎すDON、NIV等のトリコテセン系カビ毒を産生する。今回、赤かび病に罹病性のモデル植物シロイヌナズナを用いて、赤かび病の抵抗性に関与する遺伝子の発現を制御し、赤かび病抵抗性植物を作製する技術を開発した。

従来技術・競合技術との比較

オオムギの条性が赤かび病抵抗性に関与することを利用し、オオムギの各品種における赤かび病抵抗性を識別する技術が開発されているが、より積極的かつ普遍的に植物に赤かび抵抗性を付与する技術開発が強く求められている。

新技術の特徴

・カビ毒に対する植物の解毒酵素を活用したカビ毒解毒剤の開発
・植物のカビ毒高感度応答遺伝子を活用した食品汚染検出系の開発
・カビ毒に対する植物の結合タンパク質を利用した食品や飲料からのカビ毒除去技術の開発

想定される用途

・赤かび病抵抗性遺伝子を指標とした防除剤の開発
・赤かび病抵抗性遺伝子を利用したムギ類の分子育種
・植物における赤かび病菌のカビ毒産生を抑制する天然化合物の探索

  • 医療・福祉

7)新規血管拡張剤の家畜繁殖およびヒトの生活改善への応用

金沢大学 名誉教授 染井 正徳

新技術の概要

活性本体は、天然物のアシルトリプタミンで安全。男性器の末梢血管を拡張し勃起不能治療を特徴とする。服用ヤギは、カシミア生産量が向上、体重も増加、性欲昂進し、雌山羊繁殖率は100%。種牛、種豚生産等、畜産業の進展に寄与できる。

従来技術・競合技術との比較

我々の発明品は、α2受容体阻害機序でED治療作用を発揮する。漢方薬ヨヒンビンも同じ機序で働くが劇薬である。バイアグラ、レビトラ、シアリスは、複雑な構造を持つ化学合成品。酵素のPDE-5阻害作用機序により生理作用を発現する。

新技術の特徴

・絶滅危惧動物の繁殖による生態系の回復
・ペット繁殖、犬、猫、動物園
・砂漠の緑地化促進

想定される用途

・ED治療薬
・動物繁殖剤(種牛、種豚、種ヤギ生産、鶏等の畜産業促進)
・育毛、増毛剤(人間、動物、カシミア、アルパカ、ピキューナ等)

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

有限会社 金沢大学ティ・エル・オー

TEL:076-264-6115FAX:076-234-4018
Mail:e-mail-toアットマークkutlo.incu.kanazawa-u.ac.jp
URL:http://kutlo.incu.kanazawa-u.ac.jp/
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