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九州工業大学 新技術説明会

日時:2010年12月17日(金)

会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 環境

1)プラスチック・バイオマスの過熱水蒸気による有効利用

九州工業大学 大学院生命体工学研究科/エコタウン実証研究センター 教授/センター長 白井 義人

新技術の概要

ポリ乳酸、PETのようなポリエステル、あるいは、竹のようなバイオマスを高温の過熱水蒸気で短時間処理することにより、低分子化し、粉砕を容易にすることができる。これにより、前処理における粉砕処理を大きくコストダウンすることができる。

従来技術・競合技術との比較

これまでの前処理としては、酸アルカリのような薬剤処理(薬品とその処理コストが必要)、水熱処理や爆砕処理のように高圧が必要(装置コストが高くなる)であったが、提案法は常圧の水蒸気とそれを加熱する仕組みがあれば可能な方法で、廉価な前処理を実現できる。

新技術の特徴

・常圧で100℃から250℃程度の水蒸気のみを利用
・短時間の処理
・廉価な装置コスト

想定される用途

・バイオマスの資源化に伴う前処理
・プラスチックの容易な微粉砕
・新しいリサイクル素材の開発

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 材料

2)反応拡散法を利用した高度に配向した高性能熱電変換材料NaCo2O4の創製

九州工業大学 機器分析センター 教授 下﨑 敏唯

新技術の概要

NaCo2O4の単結晶はこれまでにない高性能熱電変換材料として注目を浴びて10年以上経過したが、これまで多結晶焼結体では単結晶の性能が充分引き出すことができないでいる。これはNaCo2O4結晶には高性能な結晶方位があり、無秩序に結晶方位が配向した多結晶では平均的な性能しか引き出せないことに起因している。本方法では拡散法を利用して高度に配向したNaCo2O4を作成することができた。

従来技術・競合技術との比較

熱電変換材料は数多く存在するが、高温度で使用できる高性能な材料は無い。NaCo2O4の単結晶は高効率であると言われているが、大きな単結晶あるいは多結晶体では高度に配向化させる必要がある。10mmφ厚さ数μmの単結晶は作成されているが、実用化できるサイズではない。本方法では実用化可能なサイズの素子が作成可能である。

新技術の特徴

・結晶方位が拡散の速い方向に揃う(配向化する)
・粉末の焼結法と異なり、空洞や欠陥の少ない素子を作成できる
・作成法が容易で誰でも利用できる

想定される用途

・500℃程度で使用できる熱電変換器
・たき火で可能な携帯用充電器
・車に搭載可能な熱電変換器

関連情報

・外国出願特許あり

  • デバイス・装置

3)低次元材料電子物性測定装置

九州工業大学 大学院工学研究院 先端機能システム工学研究系 准教授 孫 勇

新技術の概要

本技術は、弾性表面波技デバイスを用いた低次元材料の電子物性評価法及びその装置を提供する。低次元材料における電子エネルギーの不連続化に対応し、エネルギー準位や移動度の温度依存性などを自動的に評価する。

従来技術・競合技術との比較

測定は非接触的であり、四探針法やホール測定法が測定できない不連続準位の確定、光学測定法が苦手とするキャリア移動度情報の取得など、従来の電気測定法や光学測定法の特徴を兼ねて持つ新しい測定法である。

新技術の特徴

・ナノ材料などによる水素の貯蔵の分析
・金属材料などの抵抗率変化に伴う物性劣化の評価
・電子の量子効果に基づく量子コンピューティング情報の獲得

想定される用途

・半導体中不純物電子状態の評価
・ナノ材料中電気電子特性の評価
・粉末や有機・生体材料などの電極が付けにくい材料の電気電子特性の評価

関連情報

・共同研究開発可

  • デバイス・装置

4)超広帯域放電信号測定技術と電磁波発生源の可視化装置

九州工業大学 大学院工学研究院 電気電子工学研究系 電気エネルギー部門 准教授 大塚 信也

新技術の概要

放電信号のSHF帯までの超広帯域高周波信号測定技術を紹介するとともに、電力機器の絶縁診断やESD発生源あるいはEMC対策技術として放射電磁波源の位置を標定するための可視化装置を紹介する。

従来技術・競合技術との比較

これまで報告されている13GHzを超える超広帯域の高周波放電信号が測定できる。可視化装置は、簡単なアルゴリズムでの評価、ダイナミック特性を画像上に表示する点、光電界センサの適用などの特徴がある。

新技術の特徴

・UHF帯を越えるSHF帯までの放電信号の超広帯域観測による物理現象解明
・電磁波発生源を可視化評価により、結果の理解や評価判断の妥当性を容易に判断できる
・光電界センサの適用実績やESD源の検出が可能

想定される用途

・電力/電気エネルギー機器の絶縁診断
・EMC対策技術やESD評価技術
・放電現象の理解と解明

  • 情報

5)音声信号処理技術を応用した、センサ雑音除去技術

九州工業大学 産学連携推進センター 若松分室 教授 佐藤 寧

新技術の概要

センサなど高感度な電子回路を実現する上で問題となる、電磁雑音などを減衰させる技術です。また、音声技術を応用して超小型のCPUでリアルタイムの動作を実現させました。

従来技術・競合技術との比較

従来では、高性能なDSPを利用して雑音除去を行っていましたが、本技術は、100円以下の8ビットマイコンでもリアルタイムで雑音除去を可能とし低価格での雑音処理を実現できます。

新技術の特徴

・8ビットマイコンで雑音除去が可能(積和演算無しで処理を実現)
・リアルタイムで電磁雑音を抑制することができる
・100円以下の超低価格でシステムを実現可能

想定される用途

・各種センサ類の雑音除去処理
・音声マイクなどの雑音除去
・生体信号(心電図など)の雑音除去

  • 情報

6)CGキャラクタを自在に動かすための技術

九州工業大学 大学院情報工学研究院 システム創成情報工学研究系 准教授 尾下 真樹

新技術の概要

・複数の動作データを自動的に合成して新しい動作を生成する技術・小説や脚本などの日本語の文章からアニメーションを自動生成する技術・マルチタッチ機器を用いてキャラクタの全身の動作を自在に操作する技術

従来技術・競合技術との比較

プロ用のアニメーション制作ソフトは、利用に専門知識が必要であり、時間がかかる。 一方、現在のコンピュータゲーム等で用いられている操作方法では、利用は容易だが、限られた種類の動作しか実現できない。対して、我々の技術は、誰にでも容易に利用でき、かつ、様々な動作を自在に実現できる。

新技術の特徴

・インタラクティブに動作生成・操作が行える
・誰にでも容易に利用できる
・様々な種類・スタイルの動作を自在に生成・操作できる

想定される用途

・ゲーム、ARアプリケーション、などのソフトウェアにおいて、利用者が自分の操るキャラクタに思い通りの動きをさせることができる
・また、ソーシャルネットワークと組み合わせることで、利用者が自分の作成した動き(ダンスや格闘動作など)を互いに見せ合ったり、動きを通じてコミュニケーションしたりすることができる
・本技術は、携帯電話や携帯ゲーム機でも、十分に動作可能である
・アニメーション制作ソフトウェアに組み込むことで、一般の利用者でも容易にアニメーション作成を制作できるようになる

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 情報

7)音変化を考慮した英文読み上げプログラム

九州工業大学 大学院情報工学研究院 情報創成工学研究系 准教授 國近 秀信

新技術の概要

単語が文中で発音される際には、単独で発音した場合とは異なる発音になることがある。本発明は、音変化を考慮した英文読み上げプログラム、および多様な英文を用いた音変化学習を可能とするディクテーション学習支援システムである。

従来技術・競合技術との比較

これまでに、抑揚や強勢などを考慮した英文読み上げ技術が開発されているが、本発明のように英語の音変化を考慮した音声出力はできない。また、多様な英文を用いた音変化学習支援システムを実現することもできない。

新技術の特徴

・音変化に着目した自然な音声出力
・多様な英文の音声出力
・英語以外の言語への適用

想定される用途

・音声教材の自動生成など、音変化学習での利用
・通信教育/遠隔教育への適用
・自然な対話を行う装置への利用(ロボット、カーナビゲーション、Webページ読み上げなど)

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

  • 情報

8)車載カメラによる事故未然防止技術の開発

九州工業大学 大学院情報工学研究院 機械情報工学研究系 准教授 渕脇 正樹

新技術の概要

車載カメラ(ドライブレコーダー)により、走行する車前方に飛び出す人物をリアルタイムで瞬時に正確に捉え、事故を未然に防止するシステム。

従来技術・競合技術との比較

ステレオカメラやミリ波レーダーを用いた事故を未然に防止するための運転支援システムの開発はなされているが、車載カメラにより飛び出す人物のリアルタイム計測技術は開発されていない。

新技術の特徴

・車載カメラにより捉えた映像から、リアルタイムで人物の計測が可能
・高精度で、飛び出す人物のみ抽出可能、右左折時にも対応
・小動物(犬、猫)などの飛び出しにも対応

想定される用途

・運転支援システム
・人物監視・追跡技術(安全・安心の社会の実現)

  • 情報

9)カメラ映像から歩行者を検出し身体の向きを認識する方法

九州工業大学 大学院工学研究院 機械知能工学研究系 知能制御工学部門 教授 石川 聖二

新技術の概要

①車両に搭載されたカメラを前提として、移動カメラから撮影される車両前方映像から、歩行者等の移動物体を検出する手法および装置の提案。画素一つ一つに濃度値に基づくガウス分布モデルを設定し、フレームごとにそれらの分布モデルを更新しながら背景を推定し、前景としての歩行者等の移動物体を検出する。②多様な風景・背景の中で、立位の人物とその身体の向きを検出する手法の提案。人モデル上のHOG特徴量、またMHOG特徴量という新たな特徴量を提案している点に特徴がある。

従来技術・競合技術との比較

①移動カメラ映像から逐次背景推定を行う手法はこれまでなかった。 ・単一カメラによる方法であるため、歩行者等の対象が直接抽出される。そのため次段の処理である動作認識に直接進むことができる。これはステレオカメラでは難しい。②人モデルという限定領域でHOG特徴量を求めるという点、またHOG特徴量を多重に用いる(Multiple HOG=MHOG)という点が斬新なアイデアであり、従来法よりも認識率・処理時間とも向上している。

新技術の特徴

・①移動ロボットによる環境認識に適用可能。街中や店内で背景から人物(複数も可)を抽出できる
・②移動ロボットによる人の観察(人が何を注視しているか、自分(ロボット)に関心があるか等)

想定される用途

・①車載ビジョンへの応用。特に交差点付近の比較的車両速度が小さい場合に適用可能
・②車載ビジョンにおける歩行者の飛び出し予測

  • 情報

10)車載・ロボット視覚用画像処理・認識技術

九州工業大学 大学院生命体工学研究科 脳情報専攻 教授 森江 隆

新技術の概要

車載用やロボットの視覚として適用可能な画像処理技術として、①影除去法、②動き検出法、および③画像処理のためのパルスを利用した時間領域集積回路技術、さらに④顔・腕姿勢認識システムについて紹介する。

従来技術・競合技術との比較

①リアルタイムで路上などの影を除去、②既存のオプティカルフロー計算よりも計算量が少なく、単眼で接近物体を検出、③パルスを用いて既存のディジタル回路よりも効率よく計算する集積回路技術、④ステレオカメラ画像から顔認識・身長推定・腕姿勢認識を行うシステム。

新技術の特徴

・リアルタイム影検出・除去
・単眼カメラで接近物体を検出
・顔認識・身長推定・腕姿勢認識

想定される用途

・車載カメラからの道路上の影除去
・自立移動システムの衝突回避
・機械と人との身振りによるインタラクション

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

産学連携推進センター 知的財産部門

TEL:093-884-3499FAX:093-884-3531
Mail:chizaiアットマークjimu.kyutech.ac.jp
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