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北東北公立大学・公設研究機関 新技術説明会

日時:2010年10月28日(木)

会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 医療・福祉

1)自動骨軸抽出ツールと術前計画支援システムJointVisionの開発

岩手県立大学 ソフトウェア情報学部 ソフトウェア情報学科 教授 土井 章男

新技術の概要

下肢全長のレントゲン画像から自動的に骨軸と膝間隙を抽出します。また、この技術を利用して、CT画像(3次元画像)から、3次元骨軸を抽出することが可能です。

従来技術・競合技術との比較

製図作業により求めていたレントゲン画像での骨軸を自動的に抽出します。また、計算が困難であったCT画像の3次元骨軸もこの技術を利用して、高速&簡単に求められるようになりました。

新技術の特徴

・16症例で成功しており、輝度値の差が少ないレントゲン画像でも抽出可能です。
・入力に必要な情報は、レントゲン画像と、左足か右足の情報のみです。
・解析は商用のパソコンで、数秒から数分で終了します。

想定される用途

・2Dテンプレーティングでの人工膝関節術前計画支援
・3Dテンプレーティングにおける人工関節術前計画支援
・骨切り術、人工関節置換術の術前・術後の解析

関連情報

・実行モジュールの試行およびマニュアル提供可能

  • アグリ・バイオ

2)小豆由来廃物のヘルシーフードへの有効利用(ペットの事例)

青森県立保健大学 健康科学部 栄養学科 教授 佐藤 伸

新技術の概要

小豆の煮汁や種皮に含まれている有効成分の多くは、あんの製造過程で廃棄される。今回、小豆由来廃物は血圧上昇や糖尿病性腎症を軽減することを実験的に証明した。小豆由来廃物を人やペットのヘルシーフード成分としての再利用をめざす。

従来技術・競合技術との比較

生活習慣病の原因とされる酸化ストレスを軽減する食品成分は多いが、これに加えて活性酸素産生酵素の活性抑制、慢性炎症抑制といった機能を持ち合わせたものは少ない。小豆由来廃物はこれらの機能を備えた素材といえる。

新技術の特徴

・活性酸素産生酵素の働きを抑制する
・生活習慣病にみられる慢性炎症の抑制作用をもつ
・廃物利用なので原材料は豊富

想定される用途

・ペットや動物園の動物用のフード成分(ペットの健康増進と維持)
・人の高血圧や糖尿病の予防健康補助食品
・小豆由来廃物の再利用

  • アグリ・バイオ

3)大規模・高効率細胞膜穿孔法と細胞改変ロボットシステム

秋田県立大学 システム科学技術学部 機械知能システム学科 准教授 齋藤 敬

新技術の概要

光酸化剤による細胞膜の局所的かつ一時的な酸化を利用し、ナノインプリント成型による微小な剣山状樹脂シートを細胞に接触させ、シート中の光酸化剤に光を照射するだけで細胞集団に対して物質導入処理を行う。

従来技術・競合技術との比較

物理化学的な細胞内物質導入法は、生物的導入法より安全だが効率が低い。本技術は近年注目されつつある超音波による物質導入法と似ているが、制御性や効率により優れ、精密なパターニングも可能という新規性がある。

新技術の特徴

・細胞死を誘発しにくく、サブミクロン径の細胞膜穿孔が可能で、細胞改変の自由度が大幅に向上
・細胞を一種の素子として扱えるため、機械・電気分野事業者にとっても、バイオ分野に容易に高付加価値事業を構築可能
・技術的に簡易かつ発展性が大きいため、短期~長期に渡り段階的に収益事業を展開可能
・関連ロボット技術により、細胞処理の自動化のみならず、ロボット事業によりバイオ事業のリスクを低減可

想定される用途

・細胞内物質導入
・細胞機能改変
・細胞からの非破壊的物質回収
・細胞内センサ挿入
・再生医療
・細胞治療

関連情報

・高性能スクリーニングシステム、および簡易型システムを試作済
・外国出願特許あり

  • エネルギー

4)セルロース誘導体を用いた低メタノール透過性燃料電池用電解質膜

青森県産業技術センター 工業総合研究所 新エネルギー技術部 主任研究員 葛西 裕

新技術の概要

本技術の電解質膜はセルロースをスルホン化後製膜し架橋を行うことにより作製される。この電解質膜はプロトン伝導性を示し低メタノール透過性であるため直接メタノール形燃料電池に適している。

従来技術・競合技術との比較

本電解質膜は従来の一般的なフッ素系電解質膜に比べメタノール透過性は1/7以下であり、またフッ素を含まず生分解性であることから製造時や廃棄時に環境への影響を及ぼす恐れが少ない。

新技術の特徴

・親水性が高く低メタノール透過性
・セルロースをベースとしているため生分解性を有する
・天然多糖類に対する機能性の付与

想定される用途

・マイクロ燃料電池
・センサー
・水処理

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 環境

5)ナタネ油粕のバイオマス燃料化及びその燃焼灰からの高濃度リン酸資源活用技術

秋田県産業技術総合研究センター 主任研究員 遠田 幸生

新技術の概要

菜種油残渣については有効な利用法がなかったが、バイオマス燃料として活用することによって、世界的に枯渇しているリン酸が燃焼灰に高濃度に濃縮され、肥料用組成物並びにリン回収用組成物として利用できることを見いだした。

従来技術・競合技術との比較

菜種油残渣は一部肥料として利用されているが、肥料効果が明確でなく、その処理に苦慮していた。本技術では、前処理を必要としない固形燃料として活用し、その燃焼灰に無機態リン酸を濃縮することによって、肥料効果が明確になり、さらにリンを分離回収しやすい形態・組成になった。

新技術の特徴

・カーボンニュートラルな暖房・ボイラー用バイオマス燃料(ナタネ油粕)
・リン資源の回収及び精製に適する無機化合物原料(燃焼灰)
・リン酸、カリ肥料の代替による農作物栽培への肥料効果

想定される用途

・畜舎、園芸ハウスの暖房・ボイラー開発やその燃料を製造する分野
・化学肥料の使用軽減に向けた特殊肥料の製造分野
・農業のほか、工業または食品製造に使用する無機リン製造分野

関連情報

・サンプル量については別途相談

  • 分析

6)テラヘルツ電磁波を用いた繊維の鑑別方法

岩手県立大学 地域連携センター テラヘルツ応用研究所 教授 倉林 徹

新技術の概要

光と電波の中間の性質を持つテラヘルツ電磁波の物質透過性と吸収特性を利用した検査技術の応用例として、テラヘルツ分光分析による獣毛(羊毛や山羊毛)、植物由来繊維、および合成繊維の各カテゴリーにおける繊維種識別に関する研究の成果を紹介する。

従来技術・競合技術との比較

カシミヤをはじめとする高級獣毛の識別検査は、熟練者が顕微鏡を用いて繊維の形態と数を数える方法にが用いられているが検査に要するコストと時間が問題となっている、これに代わる技術としてDNA検査による識別の成功例があるが、獣毛に含まれるDNAはごくわずかであることや、染色や薬品処理によって容易にDNAが壊されてしまうなどの問題があることから、有効な分析手段となっていない。

新技術の特徴

・ポリマー分析
・食品分析
・薬品分析

想定される用途

・新規な繊維分析技術
・周波数を限定した小型分析機開発
・異物混入試験

  • アグリ・バイオ

7)機能性成分を強化した酵素糖化物及びその醸造物

青森県産業技術センター弘前地域研究所 生命科学部 主任研究員 高橋 匡

新技術の概要

農産物等の植物材料を酵素処理することによって、健康機能成分であるオリゴ糖やポリフェノールを増加した糖化物及びその発酵物(アルコール及び食酢)に関する製造技術。

従来技術・競合技術との比較

従来技術では、オリゴ糖液やミネラル類を発酵することで機能性成分を含む醸造物を製造していた。本発明では、酵素処理を繰り返すことで、植物原料に由来するオリゴ糖やポリフェノール等の機能性成分を増加させ、それを使用した発酵物についても機能性成分が残存する製造条件を明らかにした。

新技術の特徴

・規格外農産物や食品加工残渣の高度利活用。
・嚥下食品への活用(酵素糖化により半固形物が得られる)。

想定される用途

・健康食品
・飲料、調味料
・濃縮エキス

  • アグリ・バイオ

8)水稲湛水直播機のフロートに装着する作溝装置の開発

岩手県農業研究センター 上席専門研究員 伊藤 勝浩

新技術の概要

水稲湛水直播栽培の課題である出芽・苗立ちの向上と収量の安定化をねらいとして、直播機のフロートに装着する作溝装置を開発した。この装置は、直播機のフロート下部に簡単に取り付けでき、播種作業と同時に導水溝を作り、排水効果により出芽・苗立ちが安定する。

従来技術・競合技術との比較

排水溝形成装置は市販の作溝機と異なり、フロート底部に簡便に装着できる新規の装置である。 排水溝の容積が大きく、断面水の排水に優れ、種の出芽が均一で出芽率も高まる。 本装置を装着した「作溝直播機」は構造がコンパクトで、播種機の長さが、従来機に対し、72%と短いため旋回半径が小さく、農作業を効率良く行うことができる。

新技術の特徴

・排水溝形成装置は市販の作溝機と異なりフロート底部に簡便に装着できる新規の装置である。
・排水溝の断面積が大きく、田面水の排水に優れ、種の出芽が均一で出芽率も高まる。
・本装置を装着した作溝直播機は構造がコンパクトで播種機の長さが、従来機に対し72%と短いため、旋回半径が小さく農作業を効率良く行うことができる。

想定される用途

・排水溝形成装置は、水稲の直播栽培において、既存の直播装置に取り付けて使用する。
・本装置はフロートの形状が共通である各社市販の多目的田植機用の直播装置に装着が可能である。
・本装置を使用することにより、水稲の湛水直播栽培における落水出芽法を確実に行うことが可能となる。

  • アグリ・バイオ

9)天然素材向けとなるきのこ由来酵素「ラッカーゼ」の効率的生産方法

財団法人岩手生物工学研究センター 生物資源研究部 生物機能活用研究分野 主任研究員 坂本 裕一

新技術の概要

オツネンタケモドキIBRC5015株に対し、「銅」を添加することで高純度の高酸化還元電位型ラッカーゼを大量に分泌生産する技術。また大量に分泌されるため、高純度のラッカーゼ溶液について精製工程を経ずに生産できるものである。

従来技術・競合技術との比較

「銅」誘導をかけた、オツネンタケモドキIBRC5015株による高酸化還元電位型ラッカーゼの生産量は、現在実用化されているTrametes vesicolorによる生産量と比較し「20倍以上」得られる。そのため低コスト生産につながるものである。

新技術の特徴

・環境浄化技術への応用
・高酸化還元電位型ラッカーゼを利用した燃料電池電極生産への応用
・塗料原料への適用

想定される用途

・化粧品、理美容資材原料への利用
・食品への利用
・衣料品脱色資材への利用

関連情報

・少量であれば可能(大量に提供が必要な場合は要相談)

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

財団法人岩手生物工学研究センター 管理部

TEL:0197-68-2911
FAX:0197-68-3881
Mail:kenkyu-syukanアットマークibrc.or.jp
URL:http://www.ibrc.or.jp/

青森県立保健大学 地域連携推進課

TEL:017-765-4085
FAX:017-765-2021
Mail:kenkyuアットマークauhw.ac.jp
URL:http://www.cprip.auhw.ac.jp/

秋田県立大学 地域連携・研究推進センター (秋田県産業技術総合研究センター発表課題を含む)

TEL:018-872-1557
FAX:018-872-1673
Mail:yukinori_satouアットマークakita-pu.ac.jp
URL:http://www.akita-pu.ac.jp/stic/index.htm

公立大学法人岩手県立大学 地位連携本部 地域連携室

TEL:019-694-3330
FAX:019-694-3331
Mail:re-coopアットマークml.iwate-pu.ac.jp
URL:http://www.iwate-pu.ac.jp/outside/renkei/center.html

岩手県農業研究センター プロジェクト推進室

TEL:0197-68-4412
FAX:0197-71-1081
Mail:katsu-itoアットマークpref.iwate.jp
URL:http://www.pref.iwate.jp/~hp2088/

地方独立行政法人青森県産業技術センター 本部企画経営室

TEL:0172-52-4311
FAX:0172-52-4399
Mail:webmasterアットマークaomori-itc.or.jp
URL:http://www.aomori-itc.or.jp/
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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